<トークテーマ>

・注意喚起

・ファミリー・バイオレンス(家庭内暴力)とは

・ファミリー・バイオレンス(以下、FV)の男女比

・FVの国内での移り変わり

・FV、DVによる法整備

・家族の再統合について

・身内だからこそのつらさ

・報道によるバッシング

・社会制度の整備の必要性

・通報の難しさ

・サポートが不十分

・通報一択では無い

・FVが起こる前にできること

・FVが起きてしまったら


<犯罪学の視点から語るエンタメ作品>

『Mother』


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サマリー

家庭内の暴力、ファミリーバイオレンスについてお話しします。ファミリーバイオレンスは夫婦間の暴力だけでなく、親から子供への虐待や介護疲れから高齢者への虐待も含まれます。被害者の証言が立証するために重要であり、家族の中で起きる暴力の特殊性や加害者や被害者が同じ家族であることによる困難さもあります。ファミリーバイオレンスの重要性と、事前予防、早期発見、被害者保護、加害者の支援と再統合、被害者の自立などの課題について話し合われました。家庭内での暴力をテーマに、家族の重要性や早期予防の難しさについて話しました。

ファミリーバイオレンスの概要
ところで、南口さん、家族とか家庭って、独特な関係とか環境だと思うんですけど、何か特別なエピソードとかありますか?
南口 ものすごい急ですね。家族といえばのエピソードなんですけど、小さい頃ですね、お家でその晩御飯にエビフライが出た時に、
こう、一人何本やで?っていう割り当てがあるわけですよ。 ああ、大皿出てくるパターンですか? 一人一皿じゃなくて。
南口 ふっとテレビとか見て、目戻したら、何か私の分無くなってんねんけど。 大皿あるあるですね。
南口 ええ?ってなって、でも私姉なんですよね。
姉なんですっていうか、弟さんとか。 南口 弟がいるわけなんですよ。だからあんまり、何か誰が食べたん?とか、大人げないじゃないですか。
食べたいのにもかかわらず怒れないと。 南口 そう。エビフライやから、本来証拠が残る可能性はあったと思うんですけど、
尻尾まで食べる派ですか? 南口 尻尾まで食べる派なので、
もう証拠隠滅なわけですよ。シレーッとしてるから、私のエビフライ1本しか残ってないけど、みたいな。
でも何かちょっと、お家の中で弟やしとか、言いにくい? わーは言うのも大人げないし、みたいな。
今日別にエビフライの話でこのまま行くわけじゃないですよね。
南口 違います。犯罪学っていうと、遠いところの話に感じることも多いと思いますけども、
今日は家庭内での犯罪学に関するお話をしたいと思います。
丸ちゃん教授の罪な話 市民のための犯罪学
刑事政策・犯罪学を専門とする立証大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。
同じく刑事司法未来の南口文です。
このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送る、これまでとは異なった視点から、罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学・刑事政策の話について、わかりやすく解説をしていきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
本編が始まる前に、今日は先ほど申し上げたように、家庭内の暴力がテーマです。
思い出したりだとか、ということでしんどくなってしまう方もいらっしゃるかと思いますので、
事前に注意していただくとか、場合によってはもう今日は聞かないでおこうっていうのも、ご自分で考えていただけたらと思います。
確かに家族っていうといろいろなパターンがあり得て、温かい家庭を浮かぶ人もいるでしょうけども、ただその家族の関係がしんどかったっていう人もいますし、
過去の思い出が蘇ってフラッシュバックしちゃってしんどいっていうパターンもありますので、無理して聞いていただけなくても今回は大丈夫です。
お願いします。
というわけで今回は家庭内の暴力、ファミリーバイオレンスって言われるものなんですけども、一般的にはDVと言われたりもしますけども、そういうものについてお話ししていきたいと思います。
南口さんはこういった家庭内の暴力ってどういうイメージを持ちますか。
やっぱり今おっしゃったようにあれですよね、DVはドラマでも題材になったりするので、家庭内といえばパッと思い浮かびますかね。
確かにドメスティックバイオレンスですもんね。ただDVって多分細かく定義していくと家庭内のことだけじゃなくて、おそらく身内だけじゃなくて身近な人、デートDVとかもありますもんね。
家族内での暴力の種類
そうですね。
そういう意味ではDVっていうものの方がなんか知名度高いように思いますけども。
そうですね。家庭内って聞くとステレオタイプみたいな感じになりますけど、夫が妻を殴ってるとか、そういうなんか昔のドラマとかでありそうな、そういうイメージが浮かぶかもしれないですね。
もちろん前提として相談できるできないっていう、例えば男に与えられているプレッシャーとか女性に与えられているプレッシャーとかもちろん前提いろいろあるんですけど、ただこのイメージ的には男性が女性に暴力を振るっていうイメージあるじゃないですか。
そうですね。
犯罪の被害にあっている男女比、これ配偶者間でとかっていうのを見ると、暴力と暴行とか障害に関しては9割近くが女性の方が被害を訴えてるんですよ。
で、10%くらいが男性の被害を訴えてるっていうパターンがあって、これもちろんそれが世の中の事件を全部表してるかというと、男性だから相談できないとか、実は家庭の中で暴力を受けてるんだけど言えない状況とかっていろいろあるんですけど、
ただこのデータを見ると9割くらいが女性が被害を受けてるっていうのがあって、ただ殺人に関してはどう思います?
今の不利やとトントンになるってことですか?
いい線いきますね。だいたい半分くらいなんですよ。
なるほどね。
ここがでも実は家庭内暴力のポイントの一つなんですけど、今まで暴力とか障害とか暴行って表に出にくいものだったんですね。
家庭の中で起きるって被害者も起きてる場所も密室の空間で行われてるじゃないですか。
そうですね。
だから表に出にくい犯罪みたいなものが家庭の中にいっぱいあるんですけど、さすがに殺人に関しては隠しきるってなかなか難しいでしょ。
そうですね。存在がいなくなるわけですもんね。
あとは思い余って女性が最終的な手段に出るってもちろんありえますけど、ただ表に出やすいんですね。殺人って。
で、だいたい半々くらいになってるんですけど、暴行と障害に関しては圧倒的に女性の被害の方が大きいっていうのは数字では出てます。
今丸山さんおっしゃったみたいに、なんとなくですけど、男性が圧倒的に少ないっていうより言いにくさの度合いが圧倒的に高いというか、
だから女の人は言えてるって意味じゃないんですけど、ないんですけど、そういう家庭の中での男性の役割とか女性の役割とかみたいなことがやっぱり影響するんですかね。
やっぱり独特な文化というか、画風調整とかですね、この家の云々とかっていうのになってくると、男はこうあるべきとか女はこうあるべきとか、女子力が高いからどうとか、そういうのがあらゆるところに歪みが出てくるものの一つかなっていうふうに思いますね。
今日のその家庭内での暴力っていうのはメインはあれですか?その夫婦間の想定みたいなイメージですか?
それは色々あって、実はそこがさっきファミリーバイオレンスっていうふうにも言いますって言ったのっていうのが、やっぱり家の中で起きる犯罪とか暴力もしくはその刑法上犯罪じゃないんだけど、
心理的なものもありますよね。あなたなんて生まれてこなければよかったのにとか言ってしまうパターン。心理的に追い詰めるっていうものを全部含めてファミリーバイオレンスの話をしたいんですけど、
ただ確かにあのステレオタイプ的に言うと配偶者間の暴力ですよね。で実はファミリーバイオレンスってもっと言われたらそうかと思うと思うんですけど、
例えば親から子供にする自動虐待ですよね。っていうのもありますし、子供から親へのこれむしろ日本の中でDVって言うと、
60年代70年代の頃ってこれしかないって思われてたんですよ。日本の中って。で、あのやんちゃな少年たちが思春期をこじらせた少年たちがですよ。
家族内暴力における問題と困難さ
学校で暴れる暴力がいっぱいあったんですけど、その延長で家庭の中でも暴れて親を殴るっていうのもあったんですよ。
で実はもう一種類あって、労働介護から高齢者に対する虐待というか暴力。
例えば50、60の娘息子が70、80のお父さんお母さんに対して虐待というか暴力、介護をしながら暴力を振るってしまうとか、そういうのも全部ファミリーバイオレンスって考えてますね。
なるほど。そうすると今の整理すると夫婦間と親から子と子から親ってなると3種類。大きくざっくり言うと3種類ってことですね。
ここから親もさらに細かく2つに分かれるんですよ。思春期の子供たちが親にあるパターンと、介護疲れから虐待するっていうパターンの子から親パターンもあります。
なるほど。先ほどDVというと子供から親へのものが日本では考えられていたっていうことだったんですけど、
昔ですね。60年代70年代。
今はそうでもないと思うんですけど、そこの変化のところなんかをもうちょっと教えていただいていいですか。
確かに日本の中では家庭の中で起こる暴力っていうのはさっき言ったちょっと荒れている少年たちが親に対する暴力ということだけ認識してたんですけど、
それ以外世界中で問題視されてた配偶者間の暴力とか高齢者への虐待とか、こういうのってあまり日本にはないんじゃないとかってそんなに問題意識持ってなかったんですね。
もちろんあったんですよ。現実としては事実としてはね。でもそれっていやこれはしつけですよねとか。
あとこれは相手のためをもってやってるんですよって。今でもそうなんですけど、家庭の中で暴力を振る人の多くは自分悪くないと思ってるパターン結構あって、
これはもしつけなんですよって言ったりそういうのの流れで、これは暴力じゃないですよとか、世界って大変な問題いっぱい起きてるんですねっていうことがたくさん感じられてたんですけど、
ただ1989年ぐらいの子供の権利条約とかこういった世界の中でですね、それが家庭の中で起きるファミリーの中で起きる暴力が問題ですよねっていうことが世界中に人権意識として広まってたんですよ。
で日本はそれを批准したりしてですね、国内の中を見てみたらどうだって見てくると、やっぱりそれ現実として存在してたわけですよ。これはしつけと呼ばれながらも子供を叩くとか、
で結構身体的な暴力がもっとあるぞとか、なんならも性的な虐待もあるぞとか、あと心理的なやつですね。さっきも言いましたけど、お前なんて生まれてこなければよかったのに的なやつ。
あとネグレクトもですよね。こういうのが現実に存在するというのがわかってきて、順に児童虐待の防止法ができたりとか、配偶者間の暴力のためのDV防止法とか、で高齢者に対する虐待をやめようというような法律とか、一気にこうだんだんと2000年前後ぐらいですかね、一気に虐待防止3法どんどんでできていくんですね。
なので実はこのファミリーバイオレンスとかDVに関する考え方って日本の中では結構比較的新しい方の考え方になってますね。
今のお話で最近になって注目というか取り上げられるようになったということだったんですけれども、その家庭ならではの難しさというか、そういうところがあればもう少し教えてもらっていいですか。
被害者と加害者がどちらも同じ家族っていうところで結構これが大変な面があって、例えばもちろん家族が再統合できるっていうのができたらいいんですけど、だいたいそうはうまくいかないケースも多々あるわけですよ。
例えば配偶者間でも後でまた話しますけどいろいろ大変だとしても離れてもこれは元家族っていうような元婚姻関係があったっていうのでいけますけど、子供と親の場合って加害者の方が受刑しようがどういうルート進もうが親子関係は親子関係ですよね。
ってなってくると基本的には目撃者が少なかったり密室の中で特別な関係で起きているパターンがあるので、被害者の証言がやっぱりその事件を立証していくのに一番大事な部分になってくるわけですね。
で、ここで例えばこういうことがあってで罰してほしいとか罪として罰する方向に向かう発言とか供述をしないといけないんですけどここが加害者と被害者でもあるっていうところ家族で加害者家族であり被害者でもあるっていうところの難しさがあって罰する方向の発言を自分の身内にしないといけないってところが全然他人なら憎しいで
なんかあの人にこういうことをされたんでぜひ罰してほしいっていうことをストレートに表現できると思うんですけどこの身内感だからこそ起こる震度差っていうのがあるのとまた別の角度でいくとこれは別にファミリーバイオランスだけに限らないんですけど基本的にさっきも言ったように密室の特別な状態で起きているんで
立証するためにはやっぱり警察が細かく聞きますよねこういうことを起きたのかってしょうがないですよねでそれしか証拠的なものはないかったりするわけでってなってくるとこういう状態だったってことを言わないといけないしその方向性があいつ憎しじゃなくててところで言わないといけないってことが一つともう一個やっぱ裁判になってくると一番重要な証拠はそこの被害者の証言になるわけだから弁護士もそこ追及してきますよね
ファミリーバイオレンスの震度差
でこれも他の性犯罪とかも同じように苦しいフラッシュバックしながらこの過去のことはもう忘れたいのにっていう震度差は一緒なんですけどこれにプラスしてその家族なり親なりを罰する方向で供述しないといけないっていう震度差があるっていうことです
なんか同じ家族の中で一対一とは限らないじゃないですかっていうか家族なので複数の人がいてその複数の例えば兄弟間で思いが違うとか
例えば子どもから子どもが被害を受けてたとしてですよ兄弟の間で親への思いが違って私はこう思ってるのになんかお姉ちゃんは同じように思ってくれへんのかなとか
なんであの子を同じように言ってくれへんにやろうみたいななんかこう実際の被害以上にそこの密接さみたいなのが影響しそうですよね
苦しむんですよね
今のお話で家庭内のことだから結局本人に警察官が一生懸命聞いてとかそれで何があったかを明らかにしていくということにならざるを得ないということだったんですけれど
報道ではね鬼のような母親がとかわーって報道されるじゃないですか
子どもを置いてしまったとかね
子どもを置いていってしまったとかそれとか介護の末にと言いながらなんかこう結構ひどい言葉で報道されたりするたびに本当にそうなんかなとか
なんかそういうんじゃない方法なかったんかなとか単に犯罪者逮捕みたいなんじゃない方法ないかなと思ったりするんですけど
本当にいろんな問題が複雑にありまして例えばですよ産んだばっかりの子どもをコインロッカーに置いていてしまうとか
こういうのってそのやった母親とかねもちろん報道が進んだとしてもその父親何してるんだっていうところぐらいだと思うんですけど
実はその犯罪っていうかその行動してしまった人だけを叩いても実はこれってずっとなくならない問題なんじゃないかっていうのがあって
例えば一部ねニュースで僕の記憶でいくと就活中に子どもが生まれて置いていってしまったとかっていう場合に
その人を叩いたりとかってする報道があったりするんですけどそれはもっともっと手前の日本が
例えば女性に対するセカンドキャリアのサードキャリアとして子どもを育てながら大学通えるの徹底的に整えるとか
セカンドキャリアとしてまだバリバリそこから子ども育てながら働けるっていう土台があれば
新卒の段階で一生懸命今就活しないと自分はこのまま乗り遅れてしまうんじゃないかとか不安がなくなるわけだから
社会制度としての全体を整えるべきところをそこじゃなくてそういう行為をした人だけを叩くっていうような報道が繰り返される限り
これの根本の問題っていつまでも解決されないのでそこから解決してほしいっていうことが一つですね
もう一個は例えばこれ結構そのカウンセラーとかお医者さんとかが虐待があったかもって発見した時に
通報するのに対して義務というか通報義務をどうするかってところに通報しなかったら罰則つけるべきじゃないかとか
そうするともっと通報が進んで世の中に隠れているDVが発見されるんじゃないかっていう議論もいつも出てくるんですけど
これただどれに対してそうするかってもちろん最終的になくなるとかそういう状態を想定するんで
もちろん最悪のことを考えて通報すべきだって話になるんですけど
ただもっと本当に複雑で例えば聞いてくださっている方も南口さんも自分がカウンセリングしている時に
明らかに体にあざがある配偶者からの暴力を受けているのはこの人っていうのが来た時に
ただこれが私だけ我慢すれば子供が高校に行けるんですとか子供が大学に行けるんですとかっていうパターンがあって
通報されたら確かに自分の今のこの置かれている状況は解決できるかもしらんけど
この家庭環境を崩したくないんですっていう相談をされた時に
通報義務と報道の問題
さっきのじゃあ通報するかどうかもちろん最終的に最悪な場面を想定したら通報すべきなんですけど
いやでもねじゃあ通報してどうなるのっていう話だと思うんですけれど
子供さんとご家族を要は一旦少なくとも分離というか離れて暮らしましょうってなった時に
先ほどの話に戻りますけどじゃあその離された子供たちだったりご家族が何の心配もなく生きていけるような社会制度があるのかって言ったら
その通りですその通りですあのねここ最近というかこう数年かけて十数年かけて
日本ってこう一旦逃げるシェルターみたいなのってこれもまだまだ不十分なんですけど
そういうDVとかを受けた人たちが一旦避難できるシェルターみたいなのって結構整えていくんですよ
ただその次のハードルとしてただシェルターに何年も何ヶ月もいるわけにいかないんで
次に歩み出さないといけないんですけどこの時点でもちろん再統合できるならいいんですけど
ほとんどそうじゃないパターンの時にじゃあさっきの女性のセカンドキャリアって言ったみたいに
じゃあ例えばシングルでやっていく時に日本のそのシングルの貧困率とか
シングルマザーファザーの貧困率とかを考えるとその次のステップへのサポートないしは
社会的土台ってのが全然不十分なんでそこにむちゃむちゃハードルがあって
そうなるぐらいなら自分は我慢すればいいんだから言わないでくださいとかって言われた時に
じゃあ通報しないとあかんってもちろんね繰り返しますけど最悪な結果を考えたらそうなんですけど
これどうするかって非常に悩ましいと思いますね
今その通報しなければいけないようにするみたいな話あったと思うんですけど
私だったら結構ハードル高いと思うんですけれどもそれが罪になるとかってことなんですか
諸外国では罰則をつけてたりするのは通報しなかったことに対して
専門職がですよお医者さんとかスクールカウンセラーとかが
それに気づいて通報しないってところに罰則をつけるっていうようなところの議論があったりするんですけど
日本でもずっとそれは語られてるんですけど
確かに最悪なケースを考えたらそれはつけない
なんでもっと早くやらなかったんだってことは常にあるんですが
ただ同時にですけど
例えば南水さんが自分がそういう問題を抱えて相談した相手がすぐ通報するっていう時に
なかなか相談に行きにくいというか
そうですよね
専門職としては継続して相談に来てくれて経過を見守りたいっていうのがあって
例えば朝増えてるからこれは通報するとかそういう風にはなっていくと思うんですけど
これがずっともう二度と目の前に来てくれないよりは
継続して来てくれるのを見守るっていうことの方が重要だったりする時があって
ファミリーバイオレンスへの対応策
相談に行く方も先生にだけお話ししたいんですとか
これが私だけが抱えてたこのしんどいから
シェアしてもらうだけで自分はいいんですっていう時に
どういう風なバランスで向き合っていくかという時に
必ずしも通報することだけ一択が正解じゃない時があって
これどう付き合っていくかというところが結構課題になってるんですよね
今の通報一択かどうかっていうところは
今の話は専門職の方のジレンマっていうところだったと思うんですけど
私がご近所さんで通報する時もね
別に警察に来てほしいとかじゃなくて困ってはるんちゃうかなとか
だって例えばですけど本当に食べるものがなくて
お腹すいて子供も泣いてて
なんかもういいかって思う時が誰にだってあるかもしれないじゃないですか
辛くてとか電気止まったわとか
それは別に警察に介入してほしいわけじゃなくて
助けてほしいなって思う時にできることが通報一択だと
なんか家族壊してしまったんじゃないかとか
すごい鋭い視点ね
報道とかされたら自分のせいでですよ
なんかその人の人生ちょっとって思ってしまいそうなんですけど
だから最悪な結果を考えるとなんでしなかったんだろうって責めるし
そっちもある
テカトイって通報したことで結局日本の刑事司法の問題にも関わるんですけど
あとそれに対する社会の見方
例えば通報したことで近所の家に何台もパトカーが来て
子供が泣き叫ぶ中連れてかれて親子を引き離して逮捕されるシーンとか見ちゃうと
いや別に虐待でもなんでもなかったですって後で言われても
社会というかその近所の目というか
もう一回噂広まってパチッときついですよね
なので確かに間違いでもいいから通報してくださいっていうキャンペーンというか
それはとても大事その最悪な結果を考えると大事
かといってそれが家族を離散させてしまうことにもなり得るので
本当にめちゃめちゃ難しいだからファミリーバイオリスの難しさって本当にその辺にあって
発見の仕方がむずいその予防がむずいし
被害者の保護をどうして被害者の再出発をどうするかも難しい
加害者のプログラムをどうするかっていうのも大変だし
今なら再統合できるなら再統合なんですけどこれもむちゃくちゃ難しいんですよ
そうですよねそのある一面今この瞬間は加害者っていう風になるけれども
実際よくよく調べてみたらこの人も苦しかったねとかあったりすると思うんですよね
そういうのを紐解いて整理して再び家族として生きていけるようにできるのが一番いいと思うけれども
だからできることとしてやっぱり順番としてはまず全く起こらないのが一番いいですね
もっともっと前の段階で事前予防というかそういうのにつながりそうな因子があれば
最初にいろんなサポートをして例えばほらなんかその虐待が起こる前
もっともっと前に妊娠中の時に困ってることないかってナースが訪問に行ったりとか
あと生まれてすぐに産後鬱にならないようにとかいろんな人が訪問に行ってみたいに
ファミリーバイオレンスももっともっと前の段階でちょっとこういうことうちの夫がこうなんですよ
妻がこうなんですよとか実はこう相談できたりとかそういう危険な因子につながる
もっともっと手前でできるのが一番最強ですこれが一番いいんですけど
その次に仮に起きてしまっているファミリーバイオレンスが起きているという時にはなるべく早期発見ですよね
そうですね
起きてしまっているものなら相当早くどうやって止めるか
その次に重要なのは被害者をどうやって守るか
そうなってくると次が繰り返しですけど加害者に対してどうするかなんですけど
これ加害者に対してどうするかも非常に難しいのが自分悪くないと思っている人とか
これ普通ですけどとか自分の親はそうしているのを見てきましたよとか
これが夫婦でしょとかいう人がいて
そうなった時に任意でそういうプログラムとか加害者とか暴力を振るう人のアンガーマネジメントとか
いろんなプログラムを受けてくださいって任意で言ってくれるならいいんですけど
ただこれが例えば基礎段階でいくのかどうかとかなってくると
これ無罪推定の話も出てくるし裁判やった後で無罪っていう話もあり得るわけじゃないですか
かといって受刑されてその後に刑罰として終わった後にそれを強制できるかってなると
これまた難しい
そもそも強制されていくプログラムに意味があるかっていう問題もありますよね
なってくると加害者の支援というか加害者のプログラムどうするかもむっちゃハードルがあって
最終的にはさっきもおっしゃった通りもし仮に可能なら再統合するってところなんですけど
これもまた難しい
被害者が自立していく
被害者と自立というかさっきも言った通りシングルマザーがどうとか
シングルファザーがどうってところの社会的土台も整いきってないので
これも課題があるってのがファミリーバイオレンスの難しさですね
さてここで犯罪学をもっと身近に感じてもらうために犯罪学の観点からエンタメを見ていきたいと思います
今日僕がお勧めしたい映画はマザーです
マザーは2020年7月に公開された日本映画です
日々これ後日や光の大森達史監督が長澤雅美さんや安倍晒夫さんを迎えて
実際に起きた少年による祖父母殺害事件に着想を得て描いたヒューマンドラマです
この映画はですね
南口さん言ってくれた通りもともと実際に起きた事件を題材にしてやってるんですけど
この事件っていうのがもちろん本当の事件からちょっといろいろ違った部分も
映画だから作られてたりするんですけど
これがずっと母親にくっついていたんですが
定まった住所がなくて何なら公園にずっと住んでいて
母さんが連れてくる別の男性と生活していて公園ですよ
ずっと住所不定のままで育っていってて
最終的にはもう母親の言うことには従わざるを得ないような状況になってて
その母親の父母のところに行くんですけど
言われたのがそのお金をもらえなかったら殺してでも取ってこいということにも言われて
どうしないといけないんだと思ってしまって
その事件が起きてる
それが元になっているこれを丁寧に丹念に取材をしていた
元毎日新聞の山寺さんという方がいらっしゃって
その取材を続けて得られた情報から
誰も僕を見ていないっていう本を出されてるんですねコプラ社から
これも絶対読んでほしいんですけど
実際の事件はそれでこういう状況だったんだってわかるし
それに着想を得て映画化されたのがこのマザーなので
ぜひこの辺を読んでいただいて見ていただいて
家庭の中でこういうことが起きるんだということを見ていただけたらなと思います
誰も僕を見ていないはみんなに読んでほしいんですけど
今思い出すだけでちょっと苦しくなるっていうか
心身ともに元気な時に読んだ方がいいかもしれないですね
丸山さんに解説してほしいエンタメ作品がありましたら
番組詳細欄にあるリンクよりご投稿ください
家庭内での暴力のテーマ
今日は家庭内での暴力っていうのがテーマだったんですけれども
やっぱり報道なんかを見た時にステレオタイプに考えちゃうというか
やっぱり考えの辛いのもあって
見えてるもの報道されてるものだけでひどい親やなとか
ひどい子供やなとか思ってしまうところもあるんですけど
なんかここまで行く前にできることなかったかなとか
この家族ごと何かできることなかったかなとか
ニュース見た時にこれを今日聞いてくださった方が
ちょっとだけ今までと違う視点でニュースを見てくださったら
すごいいいなって思いました
たしかに本編でも話したんですけど
発覚しにくいっていう面があるのと同時に
逆にまた冤罪もすごく起きやすいんですねこの分野で
最近注目されているところでいくと
ニューヨージのユサブラレッコ症候群というのがあって
SBSって言うんですけど
赤ちゃんとか前後に操るときに振ると
頭が揺れちゃって
赤ちゃんの脳って動く状態とかゆるい状態なので
そこに障害が生まれちゃうんですね
これが例えばちょっと年上の4歳とか5歳の
お兄ちゃんお姉ちゃんが赤ちゃん操そうと思って揺らしちゃったりとか
もしくは寝返り打った時にちょっと高さから落ちちゃって揺れちゃったとか
そうなるとそういう障害とか怪我として出てくるんですけど
その時にたまたまその部屋で操ってたはずの
母親とか父親とかが
虐待してるだろうと揺さぶっただろうということになって捕まって
自動虐待に対する裁判が進んでいって
これによる一家離散とか
っていうのが結構起きていて
この冤罪事件として問題になっているので
なので発覚も難しいし早く見つけたいし
早期予防なんですけどかといって起きたからといって
すぐそれが虐待かどうかっていうのも難しいので
ちょっと長く見守っていくような案件かなと思います
さてこの番組では感想や質問リクエストなどをお待ちしております
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配信のない火曜日毎月第1第3火曜日の夜9時半から
ツイッタースペースで罪な話で裏話を開催しています
ポッドキャストで話しきれなかった内容や
スペースに参加してくださった皆さんの質問にお答えしています
こちらのご参加もお待ちしています
また私が所属する一般社団法人刑事司法未来でも
犯罪学や刑事政策について発信しています
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それではまたお会いしましょう
お相手は丸山康博と
南口文でした
29:35

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