でも多分これ見てたが、そんなのやらせだって、作り物だって、分かってた上で楽しんでるんですよね。
そうそうそう。
そういう時代だったんですよ。ちょっと半話題で見るみたいな。
でもこの本を書いた著者のプチカシマさんは、こんなすごい話ってあるんだって、小学校の時見て衝撃を受けて、
明日の新聞はこれが一面に載るに違いないって、みんなこの話題で待ちきれないに違いないって思ってたのに、
なんか新聞とかに載ってないし、誰も話題にしないし、なんでって思ったらしいんですよ。
なんかね、それすごく夢があっていいなって思ったんですけど、その思いがこの本を大人になってから書くきっかけになったみたいな。
実際嘘だったんだけど、ただ嘘を作るにも本気で取り組まないと人を信じさせることはできない。
少なくとも本当にいるって信じる、信じた人がどれくらいいるか分かんないですけど、
ただそれが本当にエンターテイメントとして成立するぐらいの嘘として成り立つにはやっぱり相当の情熱。
嘘をつくにもなんていうか、情熱がないと嘘ってつけないし伝わらない。
ただ単に本当にそれこそくだらねえで終わる、しょうもねえで終わっちゃうんですけど、
それをやっぱりワクワクドキドキ見せるための番組を作るにはどれだけの情熱とか、
それこそ時には血が滲むような努力とか。
本当に血が滲んでると思いますけどね。
そんな努力する必要あんのかとか。
あとそれこそ川口博史はピラニアに指噛まれてたりとか色々。
現地でそれこそ相当のヘビ捕まえに行く時の話とかも。
ゴムヘビをいっぱい用意しなきゃいけなかったんだけど、いっぱいヘビがいるシーンを撮りたいから。
でもやっぱりゴムヘビじゃなくて生のヘビが一番なんだよねっていう。
だからヘビがいたら捕まえるっていうのが番組のADの仕事だったみたいな。
そういう苦労とか、語られないところに冒険があったなっていう。
どっちかっていうと裏側の方がね。
あと土井香島さんが今東京ポット許可局っていうポッドキャストに出てるんですけど、
その中でこの本について話す時にすごく面白い話をしてて、
川口探検隊がなんで番組打ち切りになったかっていうと、
そのきっかけになった番組がまた別にあって、
バイトショーみたいな番組でドキュメンタリーを撮るみたいな番組をやってたんですけど、
その中、当時のヤンキーを追って取材するみたいな回があった時に、
中学生のヤンキーたちが下っ端の射程みたいなのに野球を入れるシーンみたいなのがあって、
それを止めないで撮ってるのはいかがなものかみたいな。
そりゃそうですよ。
で、それもNHKとか他のニュース番組で取り出されて、
やっぱりそれがやらせばったんじゃないかみたいな話で問題になって、
それの波及で川口探検隊もちょっとダメなんじゃないかみたいな話が出てきたっていうのをしてたんですけど、
ただあれも、当時ヤンキーの取材に関わった人のプロデューサーだったか、番組に関わった人の話を聞いたら、
あれって、やらせるっていうよりは、やっぱり人ってカメラが回ってると何もしないでいるっていうのはなんか気まずいというか、
逆にね。
逆に縁に過剰になるっていうか、
こっちには頼んでないんだけど、こうしたほうが盛り上がるんじゃないかと、こういう絵が見たいのかっていうふうに、
向こうがちょっと縁に押してしまうようなシーンもあったっていうふうに書いてて、
それをやらせではなくて、やりっていうふうに呼んでて。
なるほどー。
なるほどーっていう、確かにそういうのってあるかもなって。
だからドキュメンタリー番組とか見てる時も、これどこまで本来の姿を撮ってるのかなって思ったりする時もあるんですよね。
やっぱりこういうものを求めてるんじゃないかっていう。
撮られる側も意識しちゃうっていうか。
自然体のままでカメラの前にいることができるのかっていう問題を話していて、なかなかこれ奥深かったですね。
あーそうですねー。だから良質なドキュメンタリーはやっぱりドキュメンタリー映画作家。
そうですねー。
そして良質ではないものはやっぱり我が家探検隊みたいになってしまう。
この中でも散々言われてはいるんですけど、嘘が悪いってわけじゃないんだと。
メディアってもう全部本当じゃなきゃいけないのかってそういうわけじゃなくて、
これはあくまでもこういう作り物だよと。
やっぱりフォローが必要だよねっていう話はありましたね。
特に小さいお子さんとか見た時に全部本当だって思われると、ちょっとさすがにそれはまずいよねっていうシーンもあったりするので、
そういう時はこれはお話だよっていうか、後々フォローする必要はあるんじゃないかなっていうのは言ってましたけど、
全部が全部、じゃあ作り物が全部ダメだとか、そういう話とはまた違うだろうと。
それはそれでエンターテイメントの幅をすごく狭くしてしまったり、逆にやっぱりそれはそれで陰謀論とかそういう変な嘘に騙されやすくなっちゃう。
免疫がやっぱりなくなってきちゃうっていうか、嘘を見る目っていうか。
そういう危険性も示唆してたり。
あと昔のテレビ局に関わってきた人たちは、地味猛虜みたいな、それこそ妖怪みたいなプロデューサーとか、最後の最後に仕掛け人のプロデューサーが出てくるんですけど。
シンドラしてやったりみたいな感じですよね。
でも、最後の最後でアメリカから来たとんでもないオタクが全部ひっくり返してくるっていう、あの展開すごい胸アツだなって思いました。
胸アツ展開ですよね。私はそこが食ってきましたね。
オタクの敵は本当オタクっていう。
だってね、今だったらアメリカからドイツに行くって、まあヨーロッパにね、飛行機とかで行けるんでしょうけど普通に。
だって200年くらい前だったら船ですよ、行くの。船で涙かかって行くのっていう話だし、それしかも2回アタックしてるんですけど。
病気になって1回ちょっと諦めて帰って、また諦めきれなくて病気治ってから来るって。
そんでなんか130冊ぐらいある会話帳全部写すって。
えーそしてね、本当なの?それ本当なの?みたいな。
なんかこことここの成功して合わないんですけど、とか全部写させていただいた結果みたいな。
こことここの合わないようなんですけど、本当にこれで全部なんですかって聞いてくる。
いやーなんていうの、ほんとね、SNSなくてよかったねみたいな。
いやー図書館にまだたどり着いた時点で。
かなりやばいですよね。
ほんとなんかこう、やらせをする方も命がけだけども、それをこう…
暴きに行く?
暴きに行く。
暴きに行くわけじゃないんですけど、たぶん暴きたくて暴きに行ったっていうよりは、
ほんと純粋に、なんかこれの出典ほんと知りたいみたいな。
ほんと純粋なオタク心ですよね、あれたぶん。
ほんとその回も言いましたけど、ほんと魚君みたいなね、純粋な目で魚をね、見ていったら、
え、このなんか魚のなんか絵は違くない?みたいな。
ていうかこれが本当にいたとしたらすごい楽しみだから聞きに行っちゃおうみたいな。
怖いよ、消える滝に埋められちゃうよ。
ほんとにそういう感じでしたよね。
そうですね、あとこの本の面白かったのは、なんでじゃあ、
その嘘っていうか話が誠しやかに受け入れられていったのかっていう背景も結構面白くて、
やっぱ時代化、ベートーベンに対して求めてたもの、社会化っていうかですね、
そういうところも書いたりとか、リストが付いた嘘の話とか、あの話も面白かったりとか、
ちなみにリストのあの後大炎上して大変なことになるんですけど。
でもさっきのそれこそリストのしたことっていうのは、
結局さっきマットさんがお話ししたヤンキーのドキュメントの話じゃないですけども、
不調など演じちゃうっていうか、こういうのを求めてるでしょっていうサービス精神で、
リストとかなんかはね、動いちゃうところがきっとあったと思うので。
やっぱ期待に応えるっていうか、こういう、自分もそうだったらいいなって思ったかもしれないですけど、
やっぱりそういうふうに聞かれて、こっちの方が面白いだろうなっていうふうに思ってしまう?
そう、だから期待と傲慢さは紙一重だなって最近よく思うんですけど、
期待に応えるっていうことと、それって結構傲慢だなって思うんですよね。
期待に応えられると思ってるってことだから。
なるほどね。
だからみんなこっちがいいと思ってるんでしょ、それ僕やっちゃいますよみたいな、
リストの安直さと言いますか、軽薄さと言いますか、静寂じゃないところ。
あとはシンドラーにしても、こういう嘘の方がニーズがあるだろうっていうか、
もしかしたらそこにはものすごく私的な、個人的な感情とかもあったかもしれないですけど、
でもこういう方が見たいでしょっていうような、ニーズを組み取れる能力っていうか、
そこはあったのかもしれないですし。
だから本当に脚本家だったんですよね、ギリギリの線をつくっていう。
脚本家になったらよかったんじゃねえのって思うんですけどね。
本当に直せたんじゃないかと思いますよね。
そっちの方に才能があったかもしれないですけど、
ちょっとやっぱりそこを踏み間違えたなっていうか、道を間違えてしまったなっていう感じがあって、
ちょっと不憫だなっていうところもあるんですけどね。
そうですね。
だからなかなかこの本、奥深かったんですよね。
なんか的さんは本当その系の本が多かったですね。
いや大好きですね。
ぜひ配信と合わせて読んでいただければっていうところですかね。
そうですね。じゃあもう一回あれじゃないですかね、本のタイトル言っておいた方がいいんじゃないですかね。
1位は最後のサルマーシー。
2位、3位はさっきのやらせと情熱と冷凍弁熱蔵です。
キャッチーすぎる。
なんだろうな、2位と3位。
あとは金は払う、冒険は愉快だもん、合わせて。
本当なのか嘘なのかわかんない小説って意味では。
ちょっとどっちにも関わってくるのかなって感じですね。
そうだね、不思議なことなどこの世には何もないんだよっていう言葉を。
あーそうですね。
それもちょっと入れたかったですね。
あれはなんか10位に入れるっていうよりは、17年ぶりに読めてよかったなっていう。
そうですね。
そっちの喜びの方が大きかったです。すごく懐かしいなって思いながら読みました。
はい、よかったです。
私の方からは以上ですね。
私のターンもまたすごい浅いんですけども、毎年ね、
なんていうか、的さんの熱量の後に出す話が本当にふわっとしてて申し訳ないんですけど。
なんかそれは聞きました。
VRおじさん。VRおじさんはバビニックの回ちょっと話したのかな。
いや、バビニックの時じゃなくて、また別の回で聞きましたね、それ。
今度それがNHKドラマ化されるっていうので、私ちょっと震えたんですけど。
震えてるなーって思ったんですけど、VRおじさんの初恋っていう。
すげータイトル。
そう、すごいタイトルだし、結構どうしてもね、普段だったら絶対私は手に取らない系なんですけど、
暴力トモコさんっていう方が書いてて、冴えないおじさんですよね。
氷河期世代、同じぐらいですかね。
ロスジェネシー世代のおじさんが、会社ではうだつの上がらない、どっちかというとディストラ要員になるようなおじさんが、
VRの世界では、かわいい女の子として生活しているんですけども、
VRの世界でもそんな花々しく生きてるわけじゃない感じなんですけど、
そこにめっちゃ花々しいVR美女がやってきて、お友達になっていくんですけど。
この猫耳っぽい、うさみっぽいお姉さんですか?
すごい露出のあるお姉さんなんですけども。
読んでいただければ、これもちょっとネタバレになっちゃうんですけども、両方おじさんだったんですね。
だけども、そこから恋愛なのか、友情なのか。
現実の方では友情であり、VRの世界の方では恋愛なのか、ちょっとそこら辺の境界線がわからないんですけども、
なぜかすごく刺さってしまって、私はこれはね、なんか号泣しちゃったんですよね。
まじっすか。
この表紙からは、ちょっと自分が号泣する未来見えなかったんですけど、
1回ぐらい読んで、3回とも号泣しちゃって。
まじか。
世代的に刺さるのか、なんかこう、いたたまれなさというか、
なんだろう、すごく胸に刺さった本だったので。
今紹介した3つとも、後書き的なのもすごく良かった気がするんですよね。
著者の方の、あれ、私のお兄ちゃんはなかったかな、後書き。
確かVRおじさんも、あたみくんの方もそうですけども、後書きが良かった気がするんですよね。
そういう、最近後書きがある漫画。漫画って後書きありましたっけ、昔から。
カバーの表紙、カバーのところに作者の最近の近況みたいなやつ書いてあったりはしましたけど。
でも最近確かに後書きあるな。
最近後書きがあって、なんかその後書きにグッとくることが。
私後書きすごく好きなので、小説とかでも後書き回読むときもあるぐらいなので。