Podcast「アワノトモキの読書の時間」 Work Tellerの放送1回目。
今回ご紹介するのはTakram渡邉康太郎さんの「コンテクストデザイン」。
具体例を交え、
強い文脈(コンテクスト)・弱い文脈(コンテクスト)について説明を加えながら、
「作り手と受け手が、共に新たな作品を作り出す体験」という、
より豊かな体験を提供するためのコンテクストデザインを語ります。
サマリー
このエピソードでは、コンテクストデザインというテーマに基づき、渡辺幸太郎氏の著作が深く考察されています。強い文脈と弱い文脈の概念を通じて、人々のコミュニケーションやデザインの重要性が探求され、実際の事例を交えてその意義が明らかにされます。また、渡邉康太郎氏が時間を測らない砂時計を通じて強い文脈と弱い文脈の重要性について語ります。この中で、デザインが消費者に与える影響が議論され、意図を超えた使用方法が示されます。
コンテクストデザインの紹介
こんにちは、アワノトモキの「読書の時間」です。これから、売れ筋の本ではなく、ちょっとニッチで心に残った本を10分でご紹介していきたいと思います。
はい、よろしくお願いします。僕が主役として参加します、星野といいます。
よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
今日はですね、コンテクストデザインという題名の本ですね。聞かれたことありますか?
ないですね。コンテクストデザイン、文脈のデザイン。
そうです。
これ、アマゾンで買えないんですよね。
へー。
アマゾンじゃ売ってないんですよ。
どこで買うんですか?
ネットだと、青山ブックセンターで受注生産するんですよね、これ。
受注生産の?
受注生産、はい。
よく見つけましたね、そんなもん。
読みたくて読みたくて、もともとはJ-WAVEというラジオ番組があると思うんですけど、
その著者の方、渡辺幸太郎さんという方が、木曜日の夜23時か4時、
明け方ですかね、番組が1時間持たれてるんですけど、そこで聞いて、
この本を書いて書いたいと思って、ネットで調べたらアマゾンじゃないと。
で、調べたら青山ブックセンターのサイトだったら買えるってことで、
2000円ちょっとぐらいですけど、買えますね。
へー、何がそんなに青山さんの好奇心を誘ったんですか?
そうですね、まず1つは、2つあるんですけど、1つは渡辺幸太郎さんって今、
慶応義塾大学のSFCの特別招聘教授、教授もされて授業も持たれてるんですけど、
まず知識量がすごいんですよ、その人の話の。
深みがあって面白いのが一個と、コンテクストデザインっていう発想、
世の中の強い文脈、弱い文革っていう話をされるんですけど、
個々人に一般人の考えとか思いとかっていうのを大事にして、
それさえも一つのものづくりにしていこう。
強い文脈と弱い文脈を合わせて、一つのプロダクトとか作品にしていこうという考え方がすごく面白いなと思って、
この本を買いました。
強い文脈と弱い文脈
強い、弱いってのはどういうことなんですか?
強いというのは、その作品の作者の思いですよね。こういうことを届けたいとか、
例えばAppleのPCはこういう使い方をしてほしいとか、
作る側の届けたいものですね。
一方で弱い文脈っていうのは、受けて、消費者側の感じたこととか、
作品を通じて起こってくる思いとかを弱い文脈っていうふうにおっしゃってますね。
なるほどね。アート思考的な考え方にも近いんですね、きっと。
近いと思いますね。
ちなみに、強い文脈と弱い文脈、どっちが良いとか悪いとか優劣があるのではなくて、
どっちも大事ですよっていうスタンスです。
ちなみに、この本の解説みたいなところを聞いていってもいいですか?
まずその前に、先ほど渡辺幸太郎さんという著者についてちょっと軽くご説明したんですけども、
もう少し補足でご説明をすると、おそらく30代後半ですかね。
おそらくなんですね。
いろんなお仕事されてるんですけども、
例えば一世みなけさん、そこの中で花と手紙のギフトをフロリオグラフィーというものが手掛けられたり、
銀座に一冊だけの本屋さんの森岡書店っていうものを作られたり、
日経新聞とかJウェーブとかのロゴとかブランディングなんかをされている人ですね。
企画屋さんみたいなイメージなんでしょうか?
そうですね。企画屋でありデザイナーであり、
人と人とか組織と消費者とのコミュニケーションを先ほどのコンテクストデザインという考え方でより活性化するというか、
よりデザインが自由にいろんな人が出せるデザインというものに触れられるような世の中になればいいなって、
そんなことを考えてらっしゃる方かなと思います。
なるほど。ありがとうございます。ざっくりつかめました。
ざっくり、はい。先ほどタクラムというこの会社、渡辺幸太郎さんがディレクターを務めていらっしゃる会社はデザインイノベーションファームということで、
デザインを使ってイノベーションを起こしていこうと、すごい大ぐくりな説明ですけど、
いろんな会社の、例えばメルカリさんのロゴを作られたりとか、NTTドコモさんとか、
かなりいろんな会社ですね。新旧、大手、中小、問わずいろんな会社のデザインを通じた、
何か変えていこうという取り組みをされている面白い会社ですね。
なるほど。そういうのを聞くとなんとなくイメージがついてきますね。石川さんが知っているロゴを担当されたんだ。
そうですね。単純にロゴのデザインをするだけじゃなくて、そこにいろんな文脈とか、
企業だったら企業の思いみたいなものをうまく踏み取っていく。
そんな仕事をされている会社なのかなという印象がありますね。
一冊の本屋の事例
わかりました。ありがとうございます。
では本のコンテクトデザインの説明というか、ご紹介をしていきたいなと思うんですけど、
とはいえコンテクトデザイン、デザイン、弱い文脈、強い文脈というのはなかなか分かりづらいなと思うので、
一つ二つ事例をご説明して共通の認識を作っていければなと思うんですけども。
助かります。
一つは、この本の中でも紹介されてるんですけども、先ほど申し上げた、
一冊の本だけを扱う本屋さん、盛りおかしくてんていうのが禁断にあるんですよ。
ちなみに僕も行ったことないですけど、ウェブ上で見ただけですけど、本当に一冊しか置かないっていう。
一冊しか置かないって、なんかおかしいじゃないですか、本屋さん。
本当に一冊しかないってことなんですか?
一冊しかないです。
すごいな。どんな内装になってるのかが気になる。
ウェブ上でもバッと出てくるんですけど、ギャラリーみたいな感じですかね。
で、そこで著者の方が来て、本と一緒に読みたいなっていう方々と対話したりしながら、
本を販売するっていうより、著者の方と読者の方をつなげるみたいなイメージかなと思いますね。
これをコンテクストデザイン的な読み取り方をしていくと、
さっきの強い文脈っていうのは、いわゆる世の中の多くの発信されているアマゾンみたいなもんですよね。
たくさんの書本があって、すぐ届けられて、
一冊Aという本を買ったら、こういうBという本もいかがですかっていうレコーディングされてくるものとか、
木の国や書店みたいなすごくたくさんの本があって、分類されているというのが強い文脈ですよね。
こっちが主流だよっていう。
ちょっとわかりやすい価値でしょうね。
そうですね。それに対して、一冊しか本がないって、
普通に考えたら売る機会ロスとかすごい大きいじゃないですか。一冊しかないかみたいな。
なんですけど、この天使の森岡さんという方は、書籍本の販売の業界にいらっしゃった方なんですけども、
過去に本屋さんで働いているときに、ある一冊の本にいろんな読者の方が集まってきて、
そこで会話されている、その姿が忘れられなくて、
一冊の本屋を作ったらどういうことになるんだろうと。
それを忘れられなくて、本屋を企画していったってことなんですよね。
どんな会話だったんでしょうね。
どんな会話だったんですかね。ちょっとそこまで本では紹介されてないですけど、
たぶんすごく盛り上がってるんでしょうね。このシーンはとかかもしれません。
はいはいはい。2人とも本を読んでて。
たぶん、おそらく。
なるほどね。
単純に本を買って読んで楽しむだけじゃなくて、
本を通じて著者と読者とか読者同士、年代もいろいろ、性別もいろいろ、
そこでコミュニケーションが発生するっていうのをご覧になってすごく印象に残ってらっしゃって。
なるほど。
それがAmazonとか大手の書店だと、目的を果たすために会に来ると思うんですけど、法律的に。
じゃなくて、そこで会話とか緩やかな時間とか、そういうのが生まれるっていうのが、
たぶん素敵っていうか、生まれたんじゃないかなと勝手に想像しますけど。
なるほどね。でも売上気になりますね、そこ。
気になりますね。
本当に一冊なんだったら、一冊買ってたとえ2000円ぐらい高い本でも、売上2000円マックスみたいな。
どうなんでしょうね。
もしかしたら、1ヶ月ある本の著者の人の仲間が、絵とかギャラリーみたいな感じで入管料を雇ってないな。
どうなんでしょうね、ビジネスモデルは。
あるとしたらプロモーション?
にしてもこれだけ賄うだけのにはなかなかいかなそうな気も。
もちろん盛岡さんはそこだけやってるだけで、他にも一般的な書店もお持ちなので。
そのモデルを聞いただけでもこんだけ盛り上がるんで、きっと行ってみたいって人がいっぱいいるでしょうね。
そうですね、僕もコロナがあけたらちょっと行ってみたいなと思ってます。
引きは高そうですけどね。
時間を測らない砂時計の意義
なるほど、具体例一つ伺いました。
そういうコンテクトデザインでは、強い文脈と弱い文脈を分類というか意識しながら、
単純に一冊の本を知らない盛岡さんが始めても全然売れないと思うので、
それを上手くデザインとか見せ方とかあると思いますし、伝え方などをアドバイスしていくのが、
タクラムというか渡辺幸太郎さんがやられた。
なるほど。
ちょっと伝わりますかね。伝わってなかったら言ってくださいね。
なんとなくです、まだ。
なんとなく。
まだあります?具体例。
あとは二つ目は、これも面白いんですけど、時間を測らない砂時計っていうのがあるんですよ。
砂時計、皆さんも見ないと思うんですけど、砂時計って3分とか5分とか測るためが砂越しだったんですけど、
渡辺幸太郎さんが作られた砂時計っていうのは、時間を測らない、何分かわからないっていう時計なんですよ。
これも強い文脈、弱い文脈でいくと、強い文脈っていうのは時計って時間を測るものっていう考えがあるじゃないですか。
時間を有効に、効率的に使うっていうのが、今の現代の考え方ですかね。
弱い文脈というか違う面で見ていくと、もしかしたら時間を忘れるための時計があったらどうなの?面白いんじゃない?
空白とか余白とか、そもそも実感を測るっていう用途がない、用をなさない砂時計があったら、それを手に取った人はどんなふうに使うんだろう?
いろんな使い方が生まれるんじゃないか。
そこにその人の人生観とか価値観とか、生活の風景とかが、対話とかもそうですね、生まれるんじゃないかっていうことで、
そういう時間を測らない砂時計を作って、試験的に何回も使ってもらったというものの中に主力使う。
オブジェみたいなイメージなんでしょうかね。
っていう使い方もすると思いますし、実際に使った方にいくと、大学教授の方は飼っている猫と遊ぶ時間をその砂時計で測るというか、使う。
はいはい。じゃあ単位は決めてはいないけれども、この砂が落ちるまでと。
そうですね。
でも別に砂が落ちきったからそこで猫と遊ぶの終わりねえじゃなくて、楽しければそのまま使うし、遊ぶし、
それまではアレクサに今から10分測ってって言って猫と遊んだのが、砂時計を測ることによって全然優しい時間というか、豊かな時間になったっていうふうに書かれていたり。
あの時計ってそもそもメモリがあるわけでもないですもんね。
そうですね。
この前提知識としてこの砂時計は5分で下まで折り切ります砂が。
そういう知識があって初めて時計としての意味を成すので、それを取っちゃったってことですね。
そうですね。
うんうんうん。
何分かわかんないんですよね。
なるほど。いやそれもそれでルーレット的な時間の測り方ができるかもしれませんね。
そうですね。そういう使い方も人それぞれ出てくると思うんですよ。
今の大学教授の方の話でいくと、砂時計通じて猫と遊ぶ。
今飼っている猫の前に死んでしまった猫の話も出てきたり。
例えば、いずれ今飼っている猫も多分人間より先に死んでしまうだろうと。
でももし死んだとしてもその砂時計を見るたびに猫と遊んだ時間が思い出されるんじゃないか。
過去と現在、未来がその砂時計通じてつながるような感覚があるとか。
いろんな思いが出てくるっていうのが、こういうコンテクストデザインで作られたもの、
意図されたものの面白みかなって紹介させてもらいました。
なるほど。結局消費者が過ごす時間の背景になるみたいなイメージが近いのかな。
そうですね。人それぞれだっていう。
なるほど。いや面白いですよね。作り手側の意図を超えた役割を持つと。
まさに。
デザイナー側が全く想定してなかった使い方とか、思いが溢れてきたり、
そこで対話が生まれて、役に立たない砂時計だけれども、だからこそなんですかね。
次回の展望
そういうのを最初からそういういろんな、星野さんおっしゃったような、
想定外のものとかを織り込んでるデザインですよね。コンテクストデザインというのは。
あ、そうか。織り込むのか。
最初から。何が起こるかわかんないですけど、何か起こるっていう。
じゃあ、その強い文脈からだけ考えると、砂時計に、
例えばガラスの部分にメモリとか刻んじゃって、ここまで来たら3分ですとか。
やっちゃうところをそういうのを一旦外して、他の与党にも耐えるようにデザインすると。
例えばそんなイメージなんでしょうかね。
はい。
じゃあ今日はそんなところですか。
そうですね。もうちょっとできれば、次回この続きもできればお話ししたいなというのは、
この本のご紹介プラス、これも結局コンテクストデザインの本なので、
この本を読んで、私自身の中でどんな弱い文脈が起こってきたのかっていうのを少しお話しできると嬉しいなと。
気になるところですね。
ぜひそれ、また次回お話ししましょう。
はい。
聞かせてください。
はい。今日はありがとうございました。
はい。じゃあ、今日もこんなところでまた次回お会いしましょうか。
はい。ありがとうございます。また次回お会いしましょう。
16:41
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