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はい、tantotの時々読書日記、第7回です。今日は原田マハさんの作品を取り上げます。
原田マハさんの異邦人と書いて、いりびとと読む。これは2015年に単行本が出て、文庫が2018年の3月22日台ものになります。
後ろのパイセットがあらすじを読むと、
美は魔物。高村賀郎の青年専務、高村和樹と結婚した有吉美術館の副館長、直は、出産を控えて東京を離れ、郷土に長途流してきた。
妊婦としての生活にうつうつする直だったが、気分転換に出かけた死にせがろうで、一枚の絵に心を奪われる。
強い気力を放つ絵の作者は、まだ無名の若き女性ばかだったのだが、
彼女の才能と美に翻弄される人々の流星と頂楽を鮮やかに描く、著者新京都の衝撃作。
この本はマジで怖い、そして残酷な、ある意味ですごく残酷なお話だなというもので、
読み終わって背筋が続々と、別にホラーというわけではなくて、背筋がズワーッとするような。
何かというと、この那穂が美術館の娘なんですけど、すごく美を見るセンスというか、直感的に美を見極めるセンスがあるんですね。
京都に行って、その一枚の絵に心を奪われるんですけど、その彼女を中心に周りにいる人は、とにかく美というものにすごく造形が深いというか、
美を見極める、すごい力を持っている、すごい人たち、美術のために生きているような、そういう人たちがいっぱい出てきて、
一方で、この高村雅朗という那穂の旦那さんは、画章なんですけど、ある意味その人たちから比べると、普通の人なんですよね。
ちゃんと勉強してるし、ちゃんと美術に詳しいんだけど、神がかった天性の才能を持っている人たちからすると、本当に凡人。
凡人であるがために、この高村雅朗は、間違った選択をしてしまうんですよね。
それによって彼は、あまりネタバレすると良くないかもしれませんが、すごい悲しい結末というか、辛い結末を迎えるんですけど、
まじでこの一般人である私のような、美術とか、別に展覧会とかは見に行ったりとか、多少なりともちょっとかじったりするけど、
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やっぱり別に美術に対してすごい造形が深かったり、センスがあるわけじゃない普通の人、人間からすると、この和木にものすごく感情移入してみるわけですけど、
なんと、どの道を選んだら、破綻せずに終わったの?っていうのが、まじでわかんないという。
どこを行っても、彼にとっては八方塞がりな、そんな感じの結末しかありえないような話になってしまっていて、
やっぱり原田真波さんの美術を描く筆記っていうのはすごい素晴らしいもので、
美しさとか、美しさに対して見入られてしまうその感情とか、その辺は本当に読ませる感じですし、
京都の伝統に裏打ちされた京都の雰囲気みたいなものもすごく、この嫌なところも含めてすごくありありと描かれていて、
非常に原田真波さんの美術系の本、諸説、僕すごい大好きなんで、いろいろ読んでるんですけど、
その良さはすごくありつつも、まじでこの高村和木さんにめちゃくちゃ同情してしまうというか、
この人は一体どうしたら幸せになれたの?みたいな、それがわからなくて最後悲しくてしょうがない。
もともとたどってたどっていけば、この那穂と出会ってしまったこと、出会って結婚してしまったことがもはや間違いだったのかみたいな、
凡人がちょっとその、ちょっと悪い言い方すれば、凡人が天上人の世界を垣間見ようとしてしまった、
それが間違いだったみたいな、そんな悲しさを感じるような作品です。
結構さっきも言ったんですけど、原田真波さんの美術、アート系のシリーズ、諸説のシリーズ、すごい好きで、
ゲルニカとかね、サロメとか、アンマクのゲルニカとか、
そういう、あの辺もすごく、どれもこれも非常に面白い、一級のエンターテインメントって感じなんですけど、
このイリビトはその中でも、一番独語感が辛かった。
そういう意味ではすごく印象にも残ってる、2冊っていう感じになります。
これなんか、実は昔、映画家、ドラマ家か、ドラマ家もされてるんですね。
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ちょっと見てないんですけど、高畑美月さん主演で、ドラマ家がされている。
高畑美月さん主演なんですけど、この高村和樹、このかわいそうな旦那さんを演じたのが誰なのかっていうのがすごい気になりますけど、
いつか見てみたいなというふうに思います。
ということで、イリビトはすごい面白いですし、原田さんの他の本、小説も非常に面白いかなというふうに思うので、
興味のある人は読んでみていただくといいんじゃないかなと思いますけど、最初には読まない方がいいかもしれないです。
最初はもうちょっと、ちゃんとした話、ちゃんと楽しいかったりとか、ハッピーエンドで終わるような話を読んで、ある程度慣れた上で満を持して、イリビトを読んでみるといいんじゃないかな。
一応そうだ。ちょっと最初の2冊だけ読みます。
最初の1冊がもう既にいいんですよね。
1、うつろい。
京都に夜到着したのはこれが初めてだった。春の宵の匂いがした。
湿った花の香りに似た心もとない青さ。そういう匂いだ。
素晴らしい。
はい、そんなわけで今日は原田さんのイリビト、PHP学芸文庫に出てきます。
こちら紹介しました。ありがとうございました。