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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜夜8時に配信しています。
1週間の終わりの息抜きに聴いてください。
今回は、ラーミアンを舞台にした身近な短歌をご紹介します。
今回から、短歌を作ると題して、歌を作る時のテクニックについてもご紹介をしていきます。
今回の短歌を作るのテーマは、
短歌の始めの文字を6文字にする効果についてお話しします。
バーミアンの桃パッカンと割れる夜
あなたを殴れば定員が来る
今回は、柴田葵さんのバーミアンの桃パッカンと割れる夜
「あなたを殴れば定員が来る」をご紹介します
この短歌は柴田葵さんの歌集で
母の愛、僕のラブという歌集に収録されている短歌になります
この短歌ね、あのすごく
この短歌じゃない、この歌集ね
すごく表紙のイラストが可愛いので
ぜひネットで検索してみてください
母の愛、僕のラブという歌集です
で、発売されたのは結構最近ですね
2019年の12月に発売されたそうです
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で、あのすごく日常的な歌ですよね
この歌、バーミアンってお店の名前が出てきたりして
短歌に馴染みのない人でも
読みやすいというか
すごく目を引く短歌なんじゃないかなっていう風に思いました
で、この歌の世界の歩き方
この歌をどうやって楽しむかっていうのを
私の解釈でご紹介したいと思います
バーミアンの桃ばっかんと割れる夜って
髪の毛にあるんですけど
多分男女がバーミアンのお店で別れ話をしているシーンだと思うんですね
で、バーミアンのお店のロゴというか桃のマークありますよね
あれがパッカンと割れるっていうことは
桃が割れたことが二人の別れを暗示してたり
あとはその別れを告げられたんですかね
多分女の子の方が
で、それで頭がボンって爆発している感じとか
なんかそういうちょっとこう
破壊とか怒りみたいなものを表現しているのかなっていう風に思いました
で、ムカついて彼を殴りたい衝動に駆られてるんですけど
殴っちゃったらバーミアンの店員さんが飛んできちゃうから
その怒りをグッとこらえてるっていうところを表した歌だなと思いました
もしかしたら別れの原因が彼の浮気とかね
なんかそういうのかもしれないですよね
女の子がもう彼を許せない
なんか憎くてもう殴ってやりたいっていうような
多分そういう理由で
今このバーミアンで別れ話をしている真っ最中なのかなって思ったんですけど
別れの舞台がバーミアンっていうのも
なんかこう現代っぽいというか
すごく身近な感じがして
いろんな人にその人それぞれの別れのシーンを思い出させてくれるような
そういうすごくなんかなんだろう
ありふれたことを分かりやすく伝えてる歌なんじゃないかなっていうふうに思います
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浮気して別れるのがありふれたっていう感じっていうわけじゃないんですけど
誰にでも男女のいざこざとか別れみたいなものは起こり得ますよね
それは私もあるし
だからこれを見た時になんとなくそのシュラは独特の居心地の悪さとか
なんかね意地も出てくるじゃないですか
こういう時って許せないし
自分のプライドも傷ついちゃうっていう
なんかそういう怒りのモヤモヤみたいな気持ちを思い出しましたね
でなんかそこに来てこのバーミアンっていう
なんかその場所もすごく良くって
これがなんか喫茶店とかだったらちょっと綺麗すぎますよね
喫茶店でコーヒーぶちまける衝動に駆られてるみたいな単価だったら
多分ここまでいろんな人の心に届かないと思うんですね
本当にバーミアンで舞台が
で桃がパッカンと割れるっていうのが本当にこの歌のとってもユニークなところで
なんかそのバーミアンってね
あのまぁ中華のファミレスなので
なんだろうそんな喫茶店みたいに静かな感じはないですよね
なんかまぁワイワイしてて家族連れとかも来れたりして
そこで子供がこうワイワイ騒いでたりとか
例えばなんかジュースこぼしちゃって
あーって言ったりしてる
そういうなんか喧騒があったりとか
あとはこうピンポーンってあの店員さんを注文で呼ぶ音とかね
なんかいろんな音が混ぜてるじゃないですかバーミアンって
そういう中でこの二人は別れ話をしてるっていうのが余計際立ちますよね
この外野と二人の対比っていうのが
この二人の別れ話のなんかなんだろうな非日常的というか
なんかねそこで今暴力事件が起きようとしてるかもしれないみたいな
ちょっとなんて言うんですか
ミステリーみたいな感じの要素もあったりとかして
なんかその対比も面白いし
すごくいい歌だなって思いました
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私先週の配信でお話ししたんですけど
今ちょうど千葉なくららさんと長田和弘さんっていう
歌人の方のお二人が
えっとあなたの単歌っていう本を出版されてるんですけど
この本が単歌の初心者に向けて
単歌の作り方とか作る時こういうのを気をつけた方がいいよっていうのを
すごくわかりやすく解説してる本なんですね
でその本についてちょっと先週触れたんですけど
この一週間でその本を今半分ぐらいまで読んで
すごくいい本なんですよ
でなんかそこで単歌を作るコツが紹介されてるんですけど
あの単歌って確信を言っちゃいけない
自分が本当に言いたいことは単歌の中では言っちゃいけない
っていうのがまず最も大事なルールだっていう風に書いてあったんですね
でこの歌で多分本人が一番言いたいことは
あいつムカつくとか
なんだろう浮気をしてあいつを許さないみたいな気持ちだと思うんですけど
それはこの単歌の中では触れられてないですよね
そういう言葉はどこにも出てこないけど
だけど本人が言いたかった気持ちっていうのはありありと伝わってくる
なんかこの単歌をねもしなんだろうバーミアンのお店の中で
あいつからなんか浮気をつけられ殺したい衝動みたいな感じで言っちゃうと
あの本当に一番言いたいことを単歌の中で言っちゃってるんで
なんかちょっとこう単歌の魅力が割れちゃうんですよね
で言うのも本の中で改めて学んでですね
でそういうのはあるとは分かってたけど
なんか結構その言いそうになっちゃうんですよね
どうしても単歌を作ってると
だからなんかあの肝に銘じましたね
改めて絶対にそういう言葉は単歌の中で使っちゃいけないっていうのを改めて思いました
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言わない方が通じるっていうことですね
なんで私はその本を見て改めてその単歌のお作法みたいのを
しっかり学ぶことって大事だなーってすごく感じたんですね
私あの何を勉強するのもそうなんですけど
感覚でやっちゃうのでお作法を学ぶのってすごく苦手なんですよ
退屈だしなんかいやなんか思ったことを自由に適当にやって
その方が楽しいんじゃないかなって思ったりするんですけど
いやいややっぱお作法を知ってた方が
やっぱずっといい歌歌えるんだろうなーって改めて思いましたね
その本はね今ちょっとじっくり読んでる最中なんですけど
改めてこう自分が単歌を作る上で
その単歌のルールみたいなものをちゃんと身につけたいなーって思いました
なのでこのポッドキャストでも少しずつ私が学んだ単歌のお作法についても
たまにはお話ししていきたいなというふうに思っています
今日のお作法は初めの文字が6文字というお作法になります
でね単歌って575なんですけど
この歌だとバーミアンの
ちょっと待てよ
バーミアンのって6文字ですよね
57577のルールから外れちゃってるんですよ
でなんだけど
初めの言葉が5文字じゃなくて6文字っていうのは意外とあります
でわざと1文字多くして6文字にすることで
いい効果もあります
でそれはこの単歌を6文字だと文字数が多いので
最初にこう読んだ時にあれってちょっと引っかかりますよね
例えば5文字にするとバーミアンの物を取らないといけないので
57577の歌だと
バーミアン桃パッカンと割れる夜
あなたを殴れば店員が来る
っていう単歌になりますよね
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だけどこの歌は最初の句を6文字にして
バーミアンの桃パッカンと割れる夜
あなたを殴れば店員が来るっていう風にしてるんですね
今読んでちょっとあれって思いませんでしたか
最初の句を6文字でバーミアンのっていうことで
人の目を引き止める効果があるんですね
6文字で長いので
あれこの歌なんだろう
これから何言うんだろうっていう
あの怒りを下ろすみたいな効果が生まれます
なので単歌って意外と57577にはまらない歌もたくさんあって
最初の句の文字を6文字にするっていうのは
人の目をとどまらさせる
怒りを下ろすような効果があるっていう風に
覚えていただければなと思います
こんな感じでですね
これからはちょっと単歌を作るテクニックについても
たまにお話ししていきたいなと思っています
はいいかがでしたでしょうか
今回は柴田葵さんのバーミアンの桃パッカンと割れる夜
あなたを殴れば店員が来るをご紹介しました
単歌の世界の歩き方は毎週金曜夜8時に配信しています
また来週金曜夜にお会いしましょう
それではおやすみなさい