レクチャーシリーズ「核時代を生きる」(全13回)は,核時代を生きた様々な人々を取り上げて,核兵器の歴史を多面的に理解することを目的としています。その第1回となるこのエピソード「核の歴史から学ぶ〜講義内容紹介〜」では,このレクチャーシリーズ全体の導入として,講義全体のテーマと内容を紹介しています(本エピソードの前半部分は、導入編の内容と同じです)。
なお,このエピソードは,私(たな)が2017年度後期に大学で行った講義「科学技術と現代社会 第1回 ガイダンス」の録画ビデオを元に作成しました。したがって,後半では,この講義の受講者に対するガイダンスの内容(教材・学習方法・成績評価方法など)の説明もあります。このレクチャーシリーズを聴くためには必要のない情報ですが,実際にどのような授業が行われたのかを記録する意味で削除せずに残しました。また関連して,この概要欄の最後には,受講者に配布したシラバスも掲載しています。
ビデオでは,スライドを示しながら説明していますので,そのスライドを下に掲載します。文字起こし欄に,そこで参照してほしいスライドの番号を【スライド1】などと記載していますので,必要に応じて参照してください。
また,録画ビデオ自体も下に掲載していますので,必要に応じて参照してください。
スライド
スライド1

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スライド9

スライド10

スライド11

録画ビデオ
シラバス


サマリー
このエピソードでは、核兵器問題を歴史的な視点から考察し、科学技術と現代社会の関係を理解することを目的とする本講義のガイダンスとして、講義の内容とスケジュール、教材、学習方法、講義の目的と達成目標、成績評価方法、授業サイト登録方法が説明されます。
講義の内容とスケジュール
【スライド1】では、だいたい時間ですので、「科学技術と現代社会」第1回ガイダンスの2回目を始めたいと思います。
【スライド2】今日のガイダンスの内容を項目として挙げておきますと、「講義のテーマ・内容」「講義のスケジュール」「教材」「学習の進め方」
「講義の目的と達成目標」「成績評価」、そして「授業サイト登録方法」、この7つの項目についてお話をしていきます。
これらの内容は、皆さんにお配りした2枚のプリントに、みな詳しく書いてあります。
ですので、ぜひ後でじっくりと読んでもらいまして、もし何かわからないことがあれば、シラバスの方にも書いてありますメールアドレスにメールを送って聞いてもらえればと思います。
【スライド3】まず、第1の項目である「講義のテーマ・内容」から行きます。
この授業は、「科学技術と現代社会」というタイトルですけれども、その意味は、「科学技術が関わる現代社会の諸問題」について取り扱うという講義です。
(後ろにプリントが2枚ありますので、取ってくださいね。)
この現代社会の諸問題はたくさんありますが、この講義ではその中から「核兵器問題」というものを取り上げています。
私は科学史が専門なので、どうしても物事を歴史的に見ないと気が済まないところがありまして、ここでも核兵器の問題を歴史的に扱いたいと思っています。
ただ、もちろん古い話ばかりするつもりではなくて、これは今現在につながる歴史です。
今日もJアラートが発令され、避難した人ももしかしたらいるかもしれませんが、北朝鮮が頻繁にミサイルを飛ばしていますので、
この問題は決して遠くの国の話ではなくて、あるいは大昔の話ではなくて、まさに身近な今の問題につながるものです。
ただ、この授業ではそれを今の視点から見るのではなくて、歴史的に見てみようということです。
つまり、今こうなってしまっているのは、歴史的に理由があるからです。
なぜこうなったのかということは、歴史を見ればわかります。
ですので、それを皆さんにぜひ知ってもらいたい。
そして、どうすればいいかということも、もしかしたら歴史の中からその方策を見出すことができるかもしれないと私は思っています。
今こそですね、歴史から学ぶということがものすごく求められている時代ではないかなと。
そういうふうに思いますので、そういった今現在の関心からですね、ぜひこの歴史を見ていってほしいと思います。
具体的にはどういうことを扱っていくかというと、この核兵器というものが歴史的にいつ、どこで、どのように生まれてきたのか。
その開発の歴史、それからこの兵器は残念ながら使われてしまいました。
もちろん皆さんがよく知っている広島・長崎への原爆攻撃ですね。
これについても扱います。
その後、核兵器は実戦では幸いにして使われていません。
今後はわかりませんけれども、少なくとも今までは使われていません。
しかし、その影響は、実戦で使われなくてもいろんな形で出てきたわけですね。
今現在私たちがこのように不安な気持ちでいるというのもその一つの影響だろうと思います。
そういったことについて考えていきます。
この授業では、ともかく問題をできるだけ多面的に見ていこうと思います。
ある一つの立場からですね、何か問題を決めつける、そういうことはできるだけ避ける。
こういうふうに考えられるけれども、また別の方面から見ればこういうふうに考えることもできるのではないかというですね、
いろんな考え方ができるようになってほしい。
そのためにこの授業ではいろんな人を取り上げます。
この問題に関わるいろんな人を取り上げて、それぞれの立場でこの問題はどう見えていたかということを学んでいきます。
そうするとですね、このように複雑な問題も、少しずつ絡んだ糸がほぐれていくような、そういうところがあるのではないかというふうに思っています。
その関わった人ってどういう人がいたのか。
ここでは、その主な人を挙げました。
科学者、軍人、政治家、被爆者、ジャーナリスト、市民(もちろん皆さん自身もこの中に入ってくるかもしれない)、
そういった様々な関係者の考え、行動、こういったものを見ていきます。
そして皆さん自身の考えと行動につなげてほしい。
皆さんもこの問題とは無縁ではありえません。
その、皆さん自身の考えを作り上げるための参考にしてもらいたいなと思います。
【スライド4】この授業は、次回から具体的な内容に入っていきます。
まずは「原爆構想の始まり」という、原爆という最初の核兵器ですね。
これがまずは人の頭の中に生まれるんですね。
そこから話を始めます。
そして人が考えたものは、モノとして実現する可能性があり、しかも実際に実現してしまいました。
その開発過程というものが第3回で取り上げられます。
これは第二次世界大戦中の主要な国は、みんなこの原爆というのを作ろうとしました。
例えば日本もそうです。
日本も戦時中は原爆の研究をやっていました。
もちろん全然できませんでしたけど。
その研究は各国がやっていましたが、戦争中に原爆を作ることができたのはアメリカだけでした。
ですので、この授業ではそのアメリカを取り上げます。
「マンハッタン計画」というのはアメリカの原爆開発計画のことですよね。
それからこの原爆を作るということと使うということはまた別の話です。
第4回、第5回ではそれが使われるに至るその過程について学んでいきます。
原爆を使うということについてはいろんな議論がありました。
特にアメリカの中でも日本に対して原爆を使うことには反対の意見がありました。
でも使われた。
どういう理由で反対されたのか。
しかしどうして使われてしまったのか。
そういったこともこの授業で学びます。
そして使われた後、何が起こったか。
もちろんこれについては皆さんもよく知っているでしょう。
非常に悲惨なことが起こったんですね。
特に人体に対して大きな影響がありました。
その「原爆による被害」。
これもできるだけこの授業では多面的に扱いたいと思っています。
ただこの原爆による被害、
それまでにない大きな被害が生じたわけですけれども、
しかし意外とこれはよく知られなかったし、今でも知られていないかもしれない。
そういうものです。
だからこそ核兵器というものがいまだになくならないのかもしれません。
核兵器が今でもなくならないことの一つの理由は、
核兵器の恐ろしさをみんながよく知らないことです。
なぜそうなったのか。
これも歴史的な理由があります。
つまりそれは隠されたんですね。
原爆の被害情報というものはコントロールされ、
多くの人が知らないようにさせられた。
その歴史も学びます。
この前半第7回までは大体第二次世界大戦から直後ぐらいまでの話です。
中間学力考査を挟んで後半は第二次大戦後の話に入ります。
第二次大戦後、核兵器はどういう役割を果たしたか。
やはり兵器として非常に大きな役割を果たし続けました。
なぜかというと、それは米ソ冷戦というものがあったからですね。
皆さんは米ソ冷戦が終わった後の時代に生まれた人たちでしょう。
ですので米ソ冷戦というのは歴史の、ずいぶん昔の過去の話というふうに思うかもしれない。
けれども皆さんの親御さんたち、あるいはおじいさん、おばあさんというのは、
それを肌身で感じていきました。
私もそうです。
大体私が皆さんの親御さんと同世代だと思うんですけれども、
冷戦時代ずっと子供から青年になるまで時代を過ごしてきました。
意外と日本人はこの冷戦の時代、のほほんと暮らしていました。
そんなに核兵器の脅威をこの時代に感じていたわけではないですね。
でもこれは日本だからです。
世界中、特にアメリカとソ連は今の日本人と同じかそれ以上の恐怖を感じながら何十年も生きてきたんですね。
だからこそ核兵器というものがどんどんと強力なものになっていったんですね。
その恐怖というものが核兵器を発展させていったわけです。
その結果何が起こったか、これをこの授業で取り上げていきます。
第9回は被害の側面ですね。
冷戦下においても被ばく者が新しく生まれてきた。
決して広島・長崎だけが被ばく者を生み出したわけではないということですね。
そういったことを学びますし。
にもかかわらずいまだに核兵器がなくならずに核兵器が存在し続けるのはなぜなのか。
その理由が第10回、11回、12回、13回、そのあたりで扱われます。
この問題もいろんな側面から取り上げます。
例えばアメリカ人。
世界で一番核兵器をたくさん持っている国の人たちは、核兵器についてどう思っているんだろうか。
日本人とはやはりかなり違った考え方を持っているはずですよね。
しかしそういったものに反対する人もたくさんいます。
特にこの授業では核兵器を生み出した張本人である科学者たちがこの核兵器についてどう考えてきたか。
そのことについても扱います。
そしてこの恐ろしい核というものが世界でどのように管理されているのか。
あるいは管理が行き届かずにいろんな問題を生み出しているのかということも学びます。
北朝鮮問題はまさにここでの問題です。
今までの授業では第12回のこのテーマで扱ってきました。
しかし今学期はちょっと違う扱いになるかもしれない。
単にこの12回のテーマの中でほんの少しだけ扱うにはちょっと大きなテーマになりつつあるので
1回丸々使って北朝鮮問題を扱うことになるかもしれません。
ちょっとその辺はまだ決めてません。
第13回は日本人を取り上げます。
日本人は広島・長崎以降ずっと原爆に反対してきた。
一言で言えばそういうふうに言えるかもしれませんけど、
でも問題はそんなに単純じゃない。
「核と日本人」の問題というのはもっといろんな側面から見る必要があるだろうと思います。
この辺の問題を深める回も設けたいと思っています。
第14回、最後の講義の回はいつも一番新しい新鮮なトピックスを取り上げることにしていて、
前期は核兵器の違法化について扱いました。
これ一言で言えば核兵器禁止条約の制定という話です。
皆さんも7月あたりのニュースで聞いたと思います。
やっと核兵器に関してもそれを禁止する条約ができたんです。
今月、もうすぐだと思いますけれども
その調印が始まろうとしているそういう時期なんですね。
国連加盟国の半数以上100カ国以上がこの条約に賛成して、
この条約に加盟していく手筈になっていました。
おそらく実際にもそう進んでいくでしょう。
しかしこの条約には反対している国もたくさんありまして、
日本もそうなんですけれども、
どういうふうになるかよくわからない状況であったわけですが、
特にこの北朝鮮問題がこれほど大きくなってしまった今現在においては、
核兵器禁止条約の話題というのがどこかピンとこない、
そういう現実味の薄い話題になってしまいましたので、
一応授業では取り上げますけれども、
前期とはまた違った形で取り上げることになるかもしれません。
こんな感じで講義が進めていきたいと思っています。
このスケジュールの中で第8回と第15回この2回、学力考査を行う予定でいます。
教材と学習方法
【スライド5】次に教材の話に移りたいと思います。
この授業では、他の講義でもそうでしょうけれども、
参考書を指定しています。
ちなみに教科書は使いませんので、
教科書販売所で何か買わなければいけないということはありません。
しかし主な参考書としてこの2冊の本を皆さんに紹介していますので、
これは教科書販売所で買うことができますから、
もしこの授業をしっかりと詳しいところまで学びたいという人は、
この本をどちらか一方でもいいですし両方でもいいですし、
手に入れておくといいかもしれません。
この両方の本は図書館に入っていますので、
まずは図書館で見てみるというのもいいかもしれません。
上の方の『原爆はこうして開発された』というこの本は、
マンハッタン計画について詳しく書かれた本です。
この事業の前半の講義のところで非常に関係する本です。
それから下の方の『核時代の神話と虚像』。
これについては後半の授業、
第二大戦後から今日に至るまでの非常に現代的な話題を
取り上げた本になっています。
【スライド6】これらの本はできれば手に入れてほしいということで、
なくても受けることが可能です。
しかし次のこの「授業サイト」は必ず登録して使うようにしてください。
これは必須のものです。
ここに書いてあるURLにアクセスして
登録を済ませるとログインをして使うことができるようになっています。
登録方法については皆さんにお配りした紙に詳しく書いてありますが
このガイダンスの最後でも少しだけ簡単に説明したいと思います。
このサイトには今皆さんが見ているこの授業スライドファイルであるとか、
あるいは皆さんが今聞いているこの私の講義、
この音声ですね。
これも音声ファイルの形で聞くことができます。
それから様々な参考情報、
文献リストや参考ページへのリンクなども載せておきますので
そういったところからも事業内容を深めることができるでしょう。
そしてこの授業サイトの一つの特徴となっているのが
小テストです。
毎回の内容に関して数問ずつ
小テストが受けられるようになっていまして、
これはオンラインですので自動採点されて
その場ですぐに点数がわかります。
何度でも受けられますので、
いい点数がとれるまで
満点が100点がとれるまで、受けることができます。
これは単に理解度チェックというだけではなくて、
学力考査の準備にも使えます。
学力考査の問題はその多くが
この小テストの問題を少し改変したものから出されますので、
この小テストを受けておくと
学力考査に対しても準備をすることができるということです。
それから掲示板も設けられています。
登録した人が自由に書くことのできる掲示板です。
ここに質問だとか、あるいは講義を受けて考えたこと、
自分の意見、そういったものを自由に書き込んでもらえるようにしてあります。
特にこの授業は皆さん自身に色々と考えてもらいたい、
そういう問題がありますので、
できれば皆さん活発に書き込んで
意見を戦わせてもらえればなと思っています。
【スライド7】ではこのような講義、そして教材を使って
皆さんはどういう学習を進めることができるでしょうか。
その一つのモデルをシラバスの方に書いておきましたので、
詳しくはやはり紙のシラバスを読んでほしいんですけれども、
ここでは簡単にスライドで紹介したいと思います。
できれば「予習」をしてください。予習は、
「授業スライド」をプリントアウトしてあらかじめ読んでおく、
その程度でいいです。
また「小テスト」もあらかじめ受けることができますから、そこで受けておいて、
どんなことが問題になるのか知っておくこともいいと思います。
もちろん答えもそこで知ることができますから、
あらかじめ答えを知るということにもなるかもしれませんが、
そういうことがこの授業で扱われるんだということが
あらかじめわかるかと思います。
ただそれじゃ面白くない、
講義を受けて初めて答えがわかる方がいいという人は、
予習のときには小テストを受けないという選択ももちろんあります。
授業中は、予習で使ったプリントアウトを持ってきて、
そこに講義を聞きながらいろんなメモを書く。
そんなのもいいでしょうね。
そしてこの授業では毎回最後に「振り返りシート」という
一枚の紙をみなさんにお配りします。
それは授業の最後に回収してまた次の回にそれを配ってということで、
私とみなさんの間で行ったり来たりするような、
そういう紙なんですけれども、
その紙にはみなさんが毎回学んだことの
いわばエッセンスをそこに書き込んでいってもらう。
この学期が終わる頃には、
この講義全体でみなさんがどんなことを学んだのかということが
一目でわかるようなそういうシートになるはずです。
これは成績評価にも反映されますので、
ぜひ毎回出席してこのシートを提出してもらいたいと思っています。
そして授業が終わった後も、
それでまた次の週まで何もしないというのではなくて
できれば復習をしてください。
予習や授業中に使ったプリントアウトをもう一度読み返してみる。
そこで講義で聞いたことを
ぜひ自分の言葉でまとめ直しておいてください。
そういうのを「ノート整理」と言いますけれども、
これをやっておくことが非常に重要だと思います。
また小テストもここでしっかりと受ける。
先ほど言いましたように、
満点を取れなければ満点を取れるまで何度でも繰り返し受けることができます。
おそらく多くの人は2、3回受ければ満点を取れるでしょう。
ですのでそんなに時間はかからないと思います。
これを受けてほしい。
これは皆さんの理解度を上げるだけではなくて、
先ほども言いましたように
期末学力考査にも役立ちますし、
またこの小テスト自体も全体の成績評価の一部を構成しますので
受けた方がいいと思います。
それから「掲示板」もこの授業が終わった後、
考えたこと、疑問に思ったことをいろいろと書き込む。
そういうことをしてもらいたいですし、
また最後に授業に関連した「読書」をしてほしい。
こういうことも付け加えておきます。
これは後でお話ししますがこの授業の目標の一つにもなっています。
この授業を通していろんな本を読んでほしいという、
そういう私の思いがあります。
講義の目的と達成目標
【スライド8】では、次は5番目として
「講義の目的と達成目標」についてお話しします。
この授業を皆さん何のために受けるか、考えたことがあるでしょうか。
あるいはこの授業だけではないです。
皆さんは一学期中にたくさんの授業を受けると思うんですけれども、
それぞれの科目を何のために受けるか、
ちゃんと考えながら受けているでしょうか。
単位を取れないと卒業できないから、
そういう理由もあるでしょうけれども、
それだけではなくて、やはり何らかの
自分にとっての目的というものを考えておく方がいいかと思います。
私の方としてはこういう「目的」を掲げています。
「良識ある社会人として、また人としても優れた科学技術者として
必要な教養と倫理観を身につける」ということのために
この授業でいろいろと学んでほしいと思っています。
つまり、この授業では核兵器の歴史を学ぶわけですけれども
核兵器の歴史そのものがそれほど重要なわけではありません。
もちろん重要なことはあるんですけれども、
でも学ばないからといっていけないわけではない。
選択科目ですから学ばない人もたくさんいるわけですよね。
ですから別のことでもいいんです。
けれどもともかくこの授業を通して
皆さんが社会人あるいは技術者として
必要な教養を何らかの形で高める、
そういうことに役立ててほしいと思っています。
これは私たちが今いる大学、
東京電機大学の大きな方針に沿ったものになっています。
「技術は人なり」という言葉を聞いたことがあると思いますけれども、
技術者というものは人としても優れた存在にならなければ
良い技術は生み出せない。
逆に言うと人として不十分な人は、
いくら技術のことを学んでもそれを十分
人々のためにうまく生かすことはできないということだろうと思います。
この授業ではその技術として
核兵器というかなり特殊な技術を取り上げます。
皆さんが関わる技術とは全然関係ないかもしれません。
でも、皆さんが将来関わる技術においても
多かれ少かれ似たようなことが起こる可能性がないとは言えないわけですよね。
ですので自分の問題としてぜひこの講義を受けてもらうと、
この目的が達成できるのではないかなというふうに思っています。
【スライド9】次に「達成目標」ということでもう少し細かい目標を挙げます。
三つありまして、一つは「講義内容をきちんと理解すること」。
二つ目が「講義で学んだことを自らの教養や倫理観と
関係させて考察することができるということ」です。
そして三番目は「この講義に関係あるような本を楽しんで読むということ」です。
これらは皆さんが、先ほど言いました
人間として必要な教養を身につけていく、
そのことをもう少し具体的な形で書いたものです。
この授業ではいろいろな知識を学ぶと思います。
ですから、その知識を学んでいるかどうかということはやはり大きなことです。
一番目の目標というのは一番比重も大きくなりますが
しかし本当のことを言うと知識をたくさん知ることが
それほど重要なことではありません。
本当に大事なのは二番目と三番目の方です。
これが十分達成できていれば私はいいかと思うんですが、
知識を学んでいるかどうかというのは成績をつけやすいので、
点数をつけやすいので、便宜的に比重が大きくなっています。
成績評価方法
【スライド10】では、今お話ししたことに関連することですが、「成績評価」の話です。
成績評価はいくつかの要素を組み合わせて成績をつけていきますが、
一番大きな比重を占めるのが「学力考査」で、
中間と期末が2つあるというのは先ほど言いました。
これは皆さんの知識理解について確かめるというもので、
全体のそれぞれ30%と40%を占めます。
ですので合計70%分がこれに学力考査で評価されます。
さらに知識理解に関して「小テスト」も加味することにしました。
全体の15%分はこの小テストの点数でつけたいと思います。
ただこの小テストの点数というのは先ほど言いましたように何度でも受けられるものです。
しかもそこで成績に反映される成績は、
例えば3回受けた中で一番いい成績です。
これを成績に反映させますので、
100点取れるまで受ければ100点が成績になるということです。
だけど全体の15%ですから100点満点の15点分にしかなりませんけれども、
でもそこは頑張れば確実に点数が取れるということは言えるわけです。
それから「振り返りシート」、これ毎回の授業の最後に出してもらうものですけれども、
達成目標の2番目に関する評価ということで全体の15%。
以上で足し合わせますと100%になります。
ですがさらにもう10%分上乗せ分というのを設けています。
これが目標の3番目である読書ですね。
これに関して皆さんが何かこの授業に関連して読書をしたということがあれば、
それを紙に記録してもらってそれを提出してもらいます。
これが全体の10%分。
多くても10%つまり10点分なのでそんなに大きな割合は占めませんけれども、
でも多少は意味があるかと思います。
この「振り返りシート」と「読書記録シート」というのは、今回は皆さんにお示ししませんけれども
次回の授業でお渡ししたいと思っています。
授業サイト登録方法
【スライド11】では最後に、途中でも出てきました「授業サイト」、
これにもう今日から登録して使ってみたいという人のために「登録方法」を簡単に紹介します。
詳しくは紙の方を見てください。
登録方法は3つのステップで進めます。
まず最初は皆さんの個人情報を入力してもらいます。
ユーザー名、パスワードの他に皆さんの氏名である学籍番号、メールアドレス、
こういったものを入力して送信してもらいます。
そうしますと確認のためのメールが届きますので、
そこにあるURLをクリックしてまたサイトに飛んでください。
まずユーザーアカウントが作られました。
そしてさらにこのクラス、金曜2限の「科学技術と現代社会」というクラスに登録するために
登録キーというものを入れてボタンを押してもらいたいと思います。
登録キーというのは皆さんにお配りした紙の、
登録方法の紙の表面の下の方に表が書いてありまして、
ここに「科学技術と現代社会」の金曜2限というところがあると思います。
その登録キーを間違えずに入れてもらえばうまくいくはずです。
登録が済みましたら、後は自分が入力したユーザー名とパスワードで
ログインしてこのサイトを使えるようになりますので、
まだコンテンツはそんなにたくさんないんですけれども、
ぜひいろいろと活用してもらいたいと思います。
以上でこの科目のガイダンスは終わります。
何かわからないこと等があれば、前に来て私に聞いてもらえればというふうに思います。
ではこれで終わりにしたいと思います。
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