イベント「声の読書感想文」参加(8/30担当)。
青木真兵・海青子『彼岸の図書館——ぼくたちの「移住」のかたち』夕書房,2019.10,284p
サマリー
たなは、青木真兵・海青子著『彼岸の図書館』の読書感想文を語ります。この本は、都会から田舎へ移住し、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」を開設・運営する夫婦の物語であり、たなは自身の退職後の膨大な蔵書問題へのヒントを求めて読んだと述べます。自身の蔵書を管理するため、AIを活用した個人蔵書管理システム「TanaShelf」を開発中であることや、「彼岸」というタイトルが示唆する、既存の価値観とは異なるオルタナティブな場の可能性について考察を深めました。
『彼岸の図書館』の紹介と著者夫婦の挑戦
声の読書感想文。8月30日担当のたなです。
ここでは、青木真兵さんと青木海青子さんが書いたというか、
著者となっている『彼岸の図書館——ぼくたちの「移住」のかたち』というタイトルの本を読んだ感想を語りたいと思います。
この著者2人は夫婦なんですけれども、この若い夫婦が都会から田舎に引っ越しまして、引っ越しが移住というふうに言われてますけれども、
移住しまして、人文系私設図書館ルチャ・リブロという図書館を開設するという、そういう話なんですね。
この2人が移住を決意し、移住をして図書館を運営するという、そういう物語が語られています。
ただ、この語られているというのは本当に文章で書くというよりは、ポッドキャストで語ったもの、対談が多いんですけれども、
誰かと語っているものを文字に起こして文章化した、そういうものがかなりの部分を占めています。
それプラス、この2人が書いた文章が所々に挟まっているという感じなんですね。
この本は、そうやって、非常に珍しいですよね。
田舎に自分たちで図書館を作るということをやった。
なぜそんなことをやったのか、やったらどうだったのかということ、このことに興味を持てる人は、面白く読める本ではないかなと思うんですね。
読書の動機:大学教員の蔵書問題
その話は、ちょっと私ここでは置いておきまして、その話とても面白いんですけど、
おそらくほとんどの人が考えつかないような角度からの読みをちょっと語りたいんですけれども、
私がこの本に興味を持ったのは、自分で図書館を作った、ということなんですね。
どうやって作ったんだろうかということにとても興味がありまして、
それで読もうと思ったんです。
というのは、私は大学の教員をやっているんですけど、もうあと1年半ぐらいで退職なんですね。
それで、大学の研究室にある膨大な本を引き取らなきゃならない。
その本はどうしたらいいんだろうか。
おそらくこれは、本をたくさん持っている大学教員の共通の悩みですね。
自宅に十分なスペースがあって、そこに本を並べることができれば全然問題ないんですが、
すでに自宅には本棚が本で埋まっている、そういう場合が多いですよね。
もうこれ以上本棚を置けないという場合に、じゃあどうするかということなんですけれども。
大学の研究室に匹敵するような部屋を新たに借りて、そこを新たな研究室とするという、そういうやり方もあるでしょうし、
あっさりと学者を辞めるということで、本を売り払ってしまって、あるいは捨ててしまって、
それでスッキリするというのも一つの方法かもしれません。
ですけれども、どちらもやりたくない。
なんとかある程度の本は手元に置きつつ、しかしその本を全部丸々置いておくスペースもお金もないという、
そういう時にどうすりゃいいのかということで、何かヒントが得られるかなと思って読んだという、そういうところがあります。
自宅図書館と蔵書活用の可能性
自宅に本棚をたくさん並べて、自宅自体を図書館のようにしてしまうというのは、一つの案かなと思うんですね。
もちろんそれでただ自分で生活しているというだけでもいいと思うんですけど、
そこを図書館として時々開放して、誰かに蔵書を利用してもらうということがあればですね、
本を死蔵するのではなくて、本が生きるということで、持っていても意味があるなと。
ただ自分で読むと言ったって、そんなに読めませんから、多くの人に活用してもらうということでいいだろうなと。
そういう感じを持ちましたね。
ただ、ともかく膨大の本を自宅に置くスペースがない場合はどうしたらいいのかという問題があるわけです。
そのことはこの本には、その問いに対する答えは書いてませんよね。
田舎に引っ越して、かなり大きな家を買うなり借りるなりして、そこに本を置ければいいんですけど、
ちょっと田舎に引っ越すというのも大変ですし、引っ越せるような状況でもない場合どうすればいいかという問題があるわけですが。
個人蔵書管理システム「 TanaShelf」の開発
ここからはですね、私のこの本を読んでの考えたことになるんですけど、
要するに大事なのは、自分がどんな本を読んでいるか、読んでいるかじゃないですね。
読んでいる・・・あまり読んでないんで。
自分がどんな本を持っているか、あるいは買ったかということを把握できるようになるということが図書館を作るということなんじゃないかなと思うんですね。
本を書架に並べて背表紙をずらっと並べてそれを一覧できるようになればですね、こういう本を持っているんだなということがわかるわけですけども。
私の場合はですね、本は本棚に入りきれないので床に積み上がっていくという、積ん読と言いますけども、
本当に鍾乳洞のようにですね、積み上がった本がですね、所狭しとある、これはもう大学の研究室も自宅も同じで何があるのか全然わからないという状況になってきているわけですよね。
これを、どんな本を持っているのか、あるいはもう処分してしまったような本もあるんですけども、どんな本を自分は買ったのかということがですね、
把握できれば、図書館を作ったということの半分ぐらいはですね、実現できるんじゃないかという感じがするわけですね。
そこで私が考えたのは、図書館のようにですね、図書館というのは蔵書管理をしていますよね。
蔵書管理システムを作って、自分の蔵書をですね、みんなそこに登録すると。
そうすると、パソコンの画面上で自分の本を一覧し把握することができる。もちろん検索もできる。
そういうふうになるだろうと。
それだけでも意味があるんじゃないかと。
で、もちろん全部本をですね、退職したときに持っていることは多分できないでしょうからね。
だから、かなりの分は廃棄するでしょう。
それから売ることもあるかもしれません。
古書店に売却するということもあるかもしれない。
けれども、最近はですね、シェア書店とかシェア図書館というんでしょうかね。
要するに棚単位でですね、本棚の棚単位でそこを借りてですね、本を売ったり貸したりすることができるような、そういうものがあるそうで。
そういうのを使うとですね、本自体を例えば倉庫に置いておいて、貸し倉庫にですね、置いておいて、
時々そこから出してきてですね、そういった本棚に並べて売ったり貸したりする。
それをじゅんぐりじゅんぐり入れ替えればですね、多くの本もそれなりに生かすことができるんじゃないかと。
自宅が狭くてですね、自宅を本図書館にできなくてもですね、それに近いことができるんじゃないかなとか思いましてですね。
で、数日前からですね、このAIに助けてもらって、その個人蔵書管理システム、とりあえず名前をですね、
TanaShelf、シェルフは棚ですね、本棚の棚。TanaはTanaka、私の名前の一部なんですけども。
私TanaRadioっていうのをやってますけど、Tana棚ですね、シェルフ。そういう名前をつけてですね、
今システム開発中で、とりあえず2日ぐらいでですね、バーコードリーダーで本を数秒で登録することができるようなシステムができたんですよね。
でも、もう少し開発を続けますけども、そんなに大変なものじゃなくて、長くとも1ヶ月ぐらいでシステムはできると思いますので、
どんどん登録してですね、自分がどれぐらいの本を持っているか把握できると嬉しいなというふうに今思っているところなんですね。
この本の話から随分と離れてしまいましたけれども、私はそういう関心でこの本を読んで、
もうちょっとですね、この人文系私設図書館、どういうふうに運営しているのかということの具体的な様子なども書いてあるかなと思ったんですけど、
この本には書いてなかったので、もしかしたら他の本に書いてあるかもしれませんから、ちょっと他の、この2人のですね、書いた本探してみたいなというふうに思っているところです。
「彼岸」の概念とオルタナティブな場
それからですね、この『彼岸の図書館』というタイトルなんですよね。
彼岸ということがくっついているのはどういうことかということについては、これは一種の謎解きみたいなもので、ここで語ってしまうと、いわゆるネタバレになってしまうかもしれないのであまり言いませんけれども、
でもキーワードなので、ちょっとここで触れておきたいんですが、彼岸というのは岸の向こう、向こう岸ですかね。川があって向こう岸ということですよね。
で、その反対が此岸、こちら側の岸ということですけど。
彼岸というのは一般的にどういう意味なのか、ちょっと私もよくはわかりませんが、一種のあの世みたいなイメージがありますよね。
三途の川を渡って向こう側へ行くみたいなイメージがあります。
つまり、この私たちが生きている世界とは違う世界というイメージがあると思うんです。
私たちが生きているこの世界とは違う原理で動いているというか、違う価値観で人々が生きているというか、あの世ならば生きてないのかもしれませんが。
ともかくですね、あくせく働き、いろんな問題が起こるこちら側の世界とは違ったですね、そういう世界というか場所としてありたいというですね、そういう願いがこの彼岸の図書館にはあるんじゃないでしょうか。
この図書館に行けばですね、そういう普通に生きていれば抱えるいろんな悩みですね、そういったものを少し解きほぐしてですね、それで楽になれるというか、そういう場をイメージしているんじゃないかと思うんですね。
で、こういう、そういう場ですね、そういう場というのは、今いろんなところでできてきているんじゃないかと思うんですね。
で、例えばこのLISTENというポッドキャストのプラットフォームの中も、一種の彼岸のポッドキャスト、ポッドキャストというか、ポッドキャストプラットフォームというふうに言っていいのかもしれません。
まあ、有料配信できるようにはなってますけど、有料で配信している人はほとんどいないですよね。つまり、ある種、物には値段がついているという、そういう世界とは違う世界なんですよね。
で、そこではですね、声で語るということで、なかなか普通は表現できないことが表現できたりしますよね。
で、それから結構、まあ一人語りも多いですが、2人3人で語る、そういう番組も多いですよね。
で、そこでいろんなことが、普通のマスコミとかでは扱われないようなことも含めて語られているというのも、ある種の彼岸の性質を持っているんじゃないでしょうか。
ということなので、このLISTENでポッドキャストを配信したり聞いたりしている方の感性ともですね、きっとこの本の内容あるいはこの著者の生き方は響き合うところがあるんじゃないかなというふうに思うんですね。
少なくとも私はそういうところに非常に共感しまして、自分でもそういう場を作れたらいいなというふうに思ったりしました。
おわりに
ということで、読書感想文としてこういうのがいいのかどうかわかりませんが、この本を読んで私が考えたことを語らせてもらいました。
それではまた。
17:49
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