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2024-04-19 04:55

62 日記 | 映画「オッペンハイマー」で原爆被害の直接的描写がないことについて

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4月19日金曜日の声日記。映画「オッペンハイマー」で原爆被害の直接的描写がないことについての私の意見を語っています。

#声日記 #映画 #オッペンハイマー

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4月19日、金曜日の声日記です。
今日は午前中2コマ授業なのですが、今、1コマ目と2コマ目の間、少し時間がありますので、ここで収録をしています。
ここのところ、今週の火曜日に見に行った映画「オッペンハイマー」の感想をずっと話していますが、
今日はこの映画に対して賛否両論あるうちの否の方ですね、批判的な意見の中で、こういうものがあります。
この映画の中では、原爆被害の直接的な描写がない、それが、この映画が原爆の恐ろしさをきちんと伝えられていない、そういう観点からの批判というものがありますけれども、
このことについて私がどう考えるかということをちょっと一言お話してみたいと思います。
結論から言いますと、私はこの原爆の直接的な描写、原爆被害の直接的な描写がないということは、むしろその方が良いだろうというふうに思うんですね。
この映画の中でそういう描写があったとすると、この映画自体がちょっと変わってしまうだろうというふうに思うんです。
何でそういうふうに思うかというと、この映画はですね、監督も言っていますけれども、オッペンハイマーの視点から描いた作品なんですね。
単純にそうは言えませんけれども、他の視点もあるんですが、メインはオッペンハイマーの心の中、内面世界というんでしょうか、心象風景というか、そういうものを描いた映画だと思うんですね。
この監督の解釈では、オッペンハイマーの中に広島長崎での被爆地の被害者たちの具体的な姿というものはなかっただろうという解釈なんだろうと思います。
ですのでそれが映画の中でも出てこないということなんだろうと思います。
そしておそらく私もその解釈は正しいというふうに思います。
で、そのことがですね、良いのか悪いかというのはまた別の話です。
この映画を見て、そしてオッペンハイマーについて考えて、オッペンハイマーのしたこと、考え方、そういったものが良いとか悪いとかいう議論はできると思うんですけれども、
でもこの映画に関してはオッペンハイマーを描いた映画なんだということからすると、この映画の作り方ですね、これは間違ってない、非常に良くできたものだろうなというふうに思うんですね。
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ただこの映画ですね、単にオッペンハイマーの心の内を描いただけでもないんですね。そこが面白いところで。
もう一つの視点として、ストローズというですね、一種のオッペンハイマーの敵役に当たるような人のことも出てきて、第二の主人公と言ってもいいぐらいの存在ですが、そのストローズが関わるところではモノクロの映像に変わると。
ですからもう一つのストローズの物語というものがそこで描かれているということもこの映画を面白くしているものですね。
しかもそのストローズが言うことというのはですね、決して無茶苦茶なことばかりではないんですね。結構的確なことを言っている場面もあるわけでして、それがオッペンハイマーにぐさっと突き刺さるような場面もあるわけでして、そこがですね、見どころだと思うんです。
そういったいろんなところを見ながら、あとは観客がいろんなことを考えればいいということなわけですね。もちろん被爆者の実相どうだったのかということにも関心がいくでしょう。
だけどそれは別にこの映画に求める必要はないわけで、この映画以外のところでいろいろとですね、情報を集めたりあるいはそういうことを描いた映画もありますから、被爆者を描いた映画なども見ながらですね、さらに観客がいろいろと考え、議論していくということがいいのではないかなというふうに私は思いました。
ということで、今日の声日記、これで終わりにします。
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