「耳で覚える宅建ラジオ」第14回は、宅建業法から「重要事項説明②(売買・交換の35条記載事項)」についてお届けします!
今回は、不動産の「売買・交換」を行う際に、重要事項説明書(35条書面)で説明しなければならない項目を徹底解説します。
試験で受験生が最も引っかかりやすい「代金そのもの」や「引渡しの時期」は、実は重要事項説明では「不要」(※後で作成する37条書面に記載します)という決定的な違いを分かりやすく整理します。
さらに、登記された権利や法令上の制限といった基本事項に加え、水害ハザードマップの提示ルール、アスベスト使用調査の記録内容(※自ら調査する義務はなし)、インスペクション(建物状況調査)の結果の概要(※原則1年以内、RC造などは2年以内)、代金「以外」に授受される金銭の額と目的など、試験で頻出する項目を網羅!
恒例の「◯✕1問1答クイズ」もご用意していますので、ぜひ挑戦してみてください。
【今回のハイライト】
- 最大の引っかけポイント:「代金そのもの」や「引渡しの時期」は35条書面には載らない!
- 災害・環境リスクの明示:水害ハザードマップの提示と概ねの位置表示、アスベストの調査記録の説明
- 中古物件の安心ルール:インスペクション(建物状況調査)の結果の概要を説明
- お金に関する重要事項:代金「以外」の金銭(手付金など)の額と目的、損害賠償額の予定
- 耳で解く!◯✕クイズ:一緒に考えて知識を確実に定着させましょう
通勤中や家事の合間の「耳学」で、37条書面と混同しやすい35条書面の記載事項を確実にマスターしましょう!
※本番組の音声コンテンツは、AIツールを用いて自動生成されています。日々の学習の補助としてご活用ください。
感想
まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!
00:17
第14回の学習を始めましょう。
いきなりですけど、あなたが家を買うとき、一番気になるのって何でしょうか?
広さとか、駅からの距離とか、やっぱり一番は値段ですよね。
そうですね。間違いなく値段でしょうね。
ですよね。でも、実は、不動産取引で最も重要とされる物件の取り扱い説明書には、
その一番肝心な値段が一切書かれていないんですよ。
えー、初めて聞くとびっくりしますよね。
普通に考えたら、詐欺じゃないのってパニックになりますからね。
なぜそんな不思議なルールになっているのか、さあ、これを紐解いていきましょう。
はい、よろしくお願いします。
今回のテーマは、宅建試験で超重要かつひっかけ問題の宝庫と言われている重要事項説明、いわゆる35条書面の記載事項ですね。
はい、あの膨大な暗記エリアですね。
ええ、ただ今回は単に個別のルールを丸暗記するようなことはしません。
全てのルールには、そう定められた理由がありますから。
理由ですか?
そうなんです。制度の全体像と背景の理屈を丁寧に理解していけば、
本番の極度の緊張の中でも、あ、これひっかけだって迷わずに正解を導き出せるようになります。
丸暗記からの脱却ですね。
それはリスナーのあなたにとっても最高のアプローチだと思います。
では、細かいルールに入る前に、根本的なところを確認させてください。
はい、何でしょうか?
そもそもこの35条書面って何のために存在するんでしょうか?
簡単に言うと、35条書面での説明というのは、契約前に行う商品の取扱説明書の読み合わせなんです。
取扱説明書ですか?なるほど。
ええ、これから何千万という買い物をして物件を手に入れる買い主、つまり権利取得者に対して、
この物件はこういうスペックですよ、こういう制限がありますよ、って説明するわけです。
犯行を押す前に最終確認してもらうための制度なんですね。
その通りです。だから、既に自分が住んでいて物件の長所も短所も知り尽くしている売り主には、わざわざ説明する必要はないわけです。
確かに、売り主にあなたの家はこういう家ですって説明するのは変ですよね。
へえ、ナンセンスですからね。では、もし買い主が一般の消費者ではなく、プロの不動産業者、つまり宅建業者だった場合はどうなると思いますか?
えっと、プロが相手なら、いちいち手取れ足取り説明しなくても、書類を見れば一瞬で理解できそうですよね。
ああ、ここはこういう制限なのね、みたいな。
完璧な推測です。相手が宅建業者の場合は、35条書面という書類そのものを交付するだけでよくて、口頭での説明自体は省略できるというルールになっています。
03:02
なるほど。誰を守る制度なのかという根本が分かれば、自然と導き出せる例外ですね。
そうなんですよ。プロ同士の取引なら、自己責任で書類を読めということですね。
非常に合理的です。さあ、ではここからが本日のメインイベントです。試験で毎年のように受験生が引っかかる最大級のトラップに行きましょう。
はい、お願いします。
リスナーのあなた、ここでマルカバスカで答えてください。問題。売買契約において、物件の代金そのものや引渡しの時期は35条書面で説明しなければならない。さあ、どうでしょうか。考えてみてください。正解は、却下です。なぜなら。
なぜなら、ここが非常に面白いところなんですが、代金や引渡し時期というのは、最初から物理的に決まっている物件のスペックではないからです。
スペックではないというと。
あの、建物の土台や屋根とは違って、これらは売り主と買い主がテーブルに向かい合って、もう少し安くなりませんか?とか、来月末の引渡しでどうですか?ってギリギリまで交渉して決まるものなんですよ。
ああ、人間同士の約束ごとなんですね。確かに取説に、この家の値段はあなたの交渉力次第で変わりますなんて書けないですもんね。
そういうことです。35条書面はあくまで交渉の前提となる事実を伝えるものなので、まだ決まってもいない代金や引渡し時期はそもそも書きようがないんです。
なるほど。じゃあ、交渉して合意した値段はどこに書くんですか?
それは、お互いが合意した証拠として契約成立後に作成される契約書、そなり37条書面に記載されるべき内容になります。
役割分担が明確なんですね。35条は事前の取説で、37条は事後のレシート兼約束の証拠。
ええ、その理解で完璧です。この理屈を知っていれば、同じように登記の時期も交渉で決まるものだから、事前の35条にはなじまないとはっきりわかりますよね。
はい、すごくすっきりしました。ただ、ここでちょっと疑問が湧くんです。
何でしょうか?
メインの代金そのものが35条書面に入らないなら、一体どんなお金の話が事前の取説に入ってくるんでしょうか?まさかお金の話が一切ないわけじゃないですよね?
もちろんです。代金そのものの説明は不要ですが、代金以外に受注される金銭については、その金額と目的を35条書面で説明することが必須となっています。
代金以外の金銭ですか?具体的には?
えーと、手付金や権利金などのことですね。
つまり、スマホを契約する時の感覚に似てますね。本体価格そのものは交渉次第で変わるから取説には載ってないけど、初期設定のオプション料金とか早期解約のペナルティーみたいな隠れたコストは書いておかないと。
非常にわかりやすい比喩ですね。
あとでそんな金払うなんて聞いてないぞって大クレームになりますからね。
まさにその後出しじゃんけんを防ぐという感覚です。どんな目的でいくら払うのかを明確にしないと後々のトラブルに直撃しますから。
確かにそうですね。
06:00
だから、万が一契約違反があった場合の損害賠償額の予定や違約金についても同じ理由で事前の説明が必要なんです。ペナルティーの重さは契約するかどうかの重要な判断材料ですからね。
なるほど。隠れたコストやペナルティーは犯行をおそなりに教えておいてねということですね。さてここまではお金という見えない罠の話でしたが、見えない罠は他にもありますよね。
法令上の制限です。この土地にはこんな建物を建てちゃダメですよというルールのことですが、これも絶対全員に説明しないといけないんですか?
これをより大きな視点に結びつけてみましょう。売買契約において、憲兵率や要責率といった法令上の制限は、その土地にどれくらいの大きさの家を建てられるかに関わる超重要事項です。
そうですよね。マイホームを建てようと土地を買ったのに、法律の制限で小さな小屋しか無理ですって言われたら大惨事ですよね。
ええ、絶対に事前に教えてほしいはずです。しかしこれが建物の解釈、つまりアパートの賃貸契約の場合はどうでしょうか?
ああ、アパートの一室を借りるだけの人がその土地の憲兵率を知らされたところで、だから何?ってなりますね。
そうなんですよ。
借りる人は自分でその土地に家を建てるわけじゃないですからね。
そこが重要なポイントです。だから建物の解釈契約では、憲兵率や要責率などの説明は不要になるんです。
なるほど。ワンルームマンションを借りようとしている学生に、不動産屋が20分もかけてこの土地は第一種低層住居専用地域でなんて説明するのは不条理ですよね。笑ってしまいます。
無駄な時間ですよね。法律は無駄を嫌いますから。なぜその説明が必要なのかという目的から逆算すれば、売買では必要、解釈では不要という違いも丸暗記せずにすっと頭に入ってくるはずです。
目的から考える、すごく頭がすっきりします。さて、お金の罠、法律の罠と見てきましたが、不動産購入において最も知らなかったでは済まさないものがありますよね。
はい。命に関わる安全性と災害リスクへの対応ですね。
そうです。
近年、気候変動の影響もあって特に重要視されているのが水害ハザードマップです。これは取引の種類を問わず、売買でも解釈でも必ず説明が必要です。
必ずですね。
はい。具体的には市町村が作成したハザードマップを提示して、この物件はおおむねこの位置にありますよと示すことが求められます。
ここリスナーのあなたへの引っ掛けポイントになりそうですね。マップを見せて位置を示すだけでよくて、避難所はここ、避難経路はこうでという細かい内容まで説明する義務はないんですよね。
はい。宅建業者は不動産のプロであって、防災の専門家ではありませんから、避難経路などは状況で変わるため、業者が断言してしまうのは逆に危険なんです。
ああ、なるほど。あくまで位置を示すのが義務なんですね。ちなみに、もしその市町村にマップが存在しない場合はどうするんですか?
その場合は、役所などに紹介した上で、存在しない旨を説明すれば義務を果たしたことになります。
09:04
存在しないならないという、シンプルですね。そしてもう一つ、命に関わるものとして、古い建物の安全性、具体的にはアスベストと耐震診断があります。
はい。アスベストの使用の有無については、すでに調査の記録があれば、その内容を説明します。
記録があれば、ですね。耐震診断もですか?
ええ。昭和56年5月31日以前の古い基準、いわゆる旧耐震基準を建物で、こちらもすでに耐震診断を受けていれば、内容を説明するというルールです。
ここが実に興味深いところなんですが、アスベストも耐震診断も記録があれば説明するだけで、宅建業者自体がお金を出して新しく調査する義務はないんですよね。
そうなりますね。
これって、家を買う飼い主のあなたからすると、調べてくれないのって少し不安になる不親切なルールではないでしょうか。
これは重要な問題を提起していますね。
おっしゃる通り、飼い主の安心だけを100%追求するなら、すべての物件で最新の調査を義務付けるのが理想かもしれません。
ですよね。
しかし、法律というものは現実社会で機能しなければ意味がありません。
もし、すべての古い物件に数十万円あるいは数百万円単位の調査費用を義務付けたらどうなるでしょう。
うーん、例えば地方の空き家を300万円で売りたいのに、売る前に100万円かけてアスベストの調査をしてくださいと言われたら。
誰も売りませんよね。
ああ、確かに。
結果として、中古物件の市場が完全にストップしてしまいます。
法律は飼い主の保護という理想と、中古市場を回すという実務の現実性の絶妙なバランスをとっているんです。
なるほど。業者に過度な負担を敷いて市場を壊さないよう、あえて調査義務までは課していないんですね。
飼い主を守ることも大事だけど、市場そのものが死んでしまってももともともないと、法律の奥深さを感じます。
ええ、本当にそうですね。
さて、古い建物の強制的な調査義務はない一方で、近年国が積極的に推し進めている制度があります。建物の健康診断、いわゆるインスペクションです。
はい。ここが2026年の試験における最大の山場になりそうですね。
ですよね。この既存建物状況調査、インスペクションも、先ほどのアスベストなどと同様に、既に実施していればその結果の概要を説明し、実施していなければしていないと事実を説明するルールです。
実施していれば結果の概要を説明する。ここまではシンプルですが、このインスペクションには有効期限があるんですよね。健康診断も10年前の結果を見せられても困りますし。
まさにその通りです。建物は日々雨風にさらされて経年劣化しますからね。原則として、過去1年以内に実施された調査のみが有効とされています。
なるほど。それ以上古いものは、現在の状況を正確に表していない可能性があるから、法律上は実施していないものとして扱われるわけですね。
12:05
ええ、そうです。しかし、2026年の法改正で、ここに非常に重要な例外ルールが追加されました。リスナーのあなた、ここテストに出ますよう耳を澄ませてください。
ええ。鉄筋コンクリート像、つまりRC像や鉄骨鉄筋コンクリート像と呼ばれるSRC像の共同住宅、身近な例でいえばマンションなどについてですね。
はい。
この有効期限が過去2年以内に緩和されたんです。
RC像とかSRC像とか専門用語が出てきましたけど、要するに木造のアパートよりもコンクリートでできた巨大なマンションの方が頑丈で劣化が遅いから有効期限が1年から2年に伸びたってことですよね。
ええ。すごく物理的な理由ですね。
資料にあった鉄骨2という語呂合わせ、これ最高ですね。映像として頭に焼き付きます。
完璧な覚え方だと思います。試験を作る室内者というのは、こういった最近変わったばかりの例外ルールを狙うのが大好きですからね。
鉄骨2ですね。覚えました。
ただ、数字を無機質に丸暗記するのではなく、建物の構造上の違い、つまり木よりコンクリートの方が長持ちするという物理の基本を理解していれば、本番でどっちが2年だったっけ?とパニックになることはありません。
全体像から細かい例外ルールまで一気に視界が開けた気がします。それでは、今日の重要ポイントを総括しましょう。
はい、お願いします。
35条書面は、契約前に渡される取扱説明書です。だから、交渉で決まる代金そのものや引渡しの時期は書きません。それは、契約成立後のレシートである37条書面の仕事です。
そうですね。
その代わり、手付金や医薬金といった隠れたコストや、ハザードマップ、アスベスト、インスペクションといった命に関わるリスクはしっかり伝えます。
ええ。
そして、誰に伝えるか。当然それを知らない買い主や借り主だけです。この軸を持っていれば、もうどんなひっかけ問題が来ても迷いませんね。
ええ、見事な総括です。そして最後に、今日の試験対策のソースには載っていなかった少し踏み込んだ問いをリスナーのあなたに投げかけてみたいと思います。
おっ、何でしょうか。
最近の不動産業界では、パソコンやスマホを使ってオンラインで重要事項説明を行うIT重説が広く普及しています。
はい、便利になりましたよね。
ええ。遠方に住んでいる人でも画面越しで説明を受けられるようになり、非常に便利になりました。しかし一方で、先ほど話題に出た水害ハザードマップが示すようなその土地のリアルなリスク。
リアルなリスクですか。
例えば、川との不気味な高低差や周辺の空気感などを、私たちは画面上のデータやファイルだけで本当に肌で感じ取ることができるのでしょうか。
うーん、確かに。画面で見るとただの青い線でも、実際にその土地に立って川を見上げると、ここは絶対水が来るなって本能で感じるような現場の迫力ってありますよね。
15:02
そうなのです。IT化が進み、すべてがデータでやり取りされる時代だからこそ、宅検手として現場のリアルな情報をいかに血の通った言葉で伝えるかという力が今後より一層問われていくはずです。
デジタルでは伝わらない空気感ですね。
ええ。資格取得はゴールではなくスタートです。その先を見据えて、プロとしてどうあるべきか、ぜひご自身で考えてみてください。
さて、これらはすべて何を意味しているのでしょうか。試験に受かるための知識が、実はそのままお客様の財産や命を守るための盾になる。単なる暗記を超えたプロフェッショナルとしての在り方を問われる、とても深いテーマでした。
はい、本当にそう思います。
契約前の取扱説明書を届ける責任の重さを改めて感じますね。今回もこのディープダイブに最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回もまたあなたの学習を加速させ、知識を知恵に変える情報をお届けします。どうぞお楽しみに。
16:00
コメント
スクロール