1. 現役リフォームプランナーの業界裏話
  2. 10年後も20年後も食える仕事か..
2025-02-10 22:39

10年後も20年後も食える仕事かどうかは重要だ‥という話 #310

【市場性さんの質問】
新築系の職人さんとリフォーム系の職人さんは、異なるのでしょうか?
職人さんは、ハウスメーカーやリフォーム会社に紐づいており、それぞれ両方から仕事をもらっている職人さんは少ないのかという点が知りたいと思いました。
質問の意図は、今新築物件の在庫が大量に積み上がり、新築ハウスメーカーがヤバい状態にあると聞きました。そこで一番心配なのが職人さんの仕事がなくなってしまうと、ひいては職人さんがいなくなってしまうことが非常に問題だと思いました。

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お聞きの皆様、おはこんばんちは。現役リフォームプランナーの寸尺かんなです。
何回か前に、私の履歴書シリーズを配信した際に、コメント欄で市場生産から、新築の工事をする職人さんと、リフォームの工事をする職人さんというのは違うんでしょうか、と。
今、新築が全然売れなくなっていて、ここであぶれた職人さんたちが仕事がないということで、さらに今の職人不足に輪をかけるんじゃないかということを心配されて、質問をいただいていました。
この時、簡単にコメント返しでお話はしていたんですけれども、このことについて今日はお話ししようと思います。
本当に今の世の中というのは、3年から5年ぐらいで、世の中が真っ逆さまに変わっていくという、時代が変わっていくタイミングがすごい早いなと思うんですよね。
まず、2019年、2020年、この辺りでコロナが始まりましたよね。始まったあとしばらくは、2019年、2020年、2021年ぐらいまでというのは、実はすごい新築小建て住宅がバカ売れしていたんですよ。
我々のリフォーム業界よりも、この新築住宅を扱っているハウスメーカーがめちゃくちゃ儲かっていたんですよね。
例えば大手のDハウスとかSハウスとか、こういったところがちょっと安めの、15坪から30坪弱ぐらいの小さな敷地に建てる2階か3階建ての小建て住宅を急激にやり始めたんですよね。
いろいろ税制が変わったりとか、いろいろあって、今までずっとお金持ちというか地主が長らく自分たちがいっぱいそこら中に持っている敷地に建っている古い家、昭和の時代から建っているような木造のお家とかを空き家で放置していたり、人に貸したりとかして、ずっと何もせず持っている人が多かったんですよね。
もうほったらかしている方がお金がね、一番お金がかからないっていうことなんですよね。下手にリフォームとかしてそのリフォーム費用を回収できるかどうかっていうのは全く見込みがわからないんでね。
多くのお金持ちがもう自分たちが持っている不動産を放置しているっていうことがずっと長らくあったんですけれど、徐々にですね、そういった税制もこれから変わってきますし、あとは相続税とかそういった問題があるので、相続対策を兼ねて徐々にね、みんな今まで遊ばしてた不動産や建物をいろいろ解体したりして、
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敷地を売ったり、活用したりというふうにどんどん動いていってるんですよね。今まで広い、2,300坪ぐらいあった大きなお家、庭が広いような大邸宅が全部さらちになってですね、ここに5軒から10軒ぐらいの似たようなパフパフの家が建つみたいなことをずっとやって、
これはね、2019年から2021年ぐらいのコロナの一番、不要不急はもう外出るなみたいなね、ああいうこと言ってた時期っていうのはすごい売れてたんですよね。おそらくね、この勤め人たちが暇になったというかね、家にいる時間が長くなったので、家の需要が増えたっていうことが一つと、
みんな仕事に行かなくなって暇してるんで、家でも見に行くかっていうことでね、ある程度お金に余裕がある人たちが家を買いに行くっていうね、そういう時期があったんですよね。この頃はもちろん私たちリフォーム業もそれなりに忙しくはしてたんですけれど、もっともっと新築の方が、
はぶりが良かったんですよね。これがね、ピタッとコロナがだんだん収束していくのとね、ほぼ時期を同じくするかのようにして、どんどんどんどん売れなくなっていって、今はね、あっちこっちに売ってはいるんですよね、文庄住宅がね。ですけど、全然売れないっていう状態で、ずっとね、オープンハウスの旗が立ったままっていうのがね、そこを賢に点在している状態になってます。
で、もう大変だと思うんですよね。ですけれども、どんどんどんどん今ね、資材費とか燃料費が上がっているので、建てないわけにいかないみたいなんですよね。だからもうとにかく、今予定している家とかは建てていったりとか、まあしてたんですよね。
で、その流れが今一旦止まって、まだね、売れる見込みがないんで、なんか止まってるっていうところがね、そこ賢に見受けられるっていう状態になってます。
もうね、だからコロナがだんだん収束していくのと同時進行で、どんどん物価が上がっていった、特に燃料ですよね。まずはガソリン代がドカーンって上がって、それに伴ってどんどんどんどんいろんなものが値上がりしていき、で、それと同時に人件費が上がっていき、で、まあその材料も上がっていき、資材も上がっていくっていう状況になってですね、もう今大変な値段なんですよね。
だからそのパフパフの家といえども、ものすごくお金がかかってるんで、コロナ前とはね、もうもっと値段が上がってるから、結局買いにくくなってるんですよね。
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そういったことがあって、今もう新築の方が暇になってきてるんで、職人さんがあぶれてるんじゃないかっていうね、最初の質問に戻っていくんですけれども、これはね、ちゃんと新築の方で今まで食べてた職人さんは、逆に今リフォームがめっちゃくちゃ忙しいので、そっちにちゃんと移行してるんで大丈夫なんですよね。
新築が得意な職人さんとリフォームが得意な職人さんってね、ちょっと微妙に実は違うんですね。新築の家を基礎から立てれるっていうのは全部やるんで、一番最初に修行する、職人さんね、若い時に修行するのには新築から覚えていくっていうのが一番いいんですよ。
ですけれどね、ある時からはリフォームに、リフォームっていうのはね、早くなるべくコストを抑えてコストを下げるっていうのは、つまりなるべく今現在あるものを生かしながら変えていくっていうことですよね。
そういった要領を、やはりリフォームは数をこなさないとわからないんですよ。だから新築ばっかりやってる人っていうのは、ゼロからものを作っていくってことをやるんで、このリフォームのノウハウっていうのは、ある程度バカず踏まないと覚えられないんですよね。
だからそういったちょっと新築が得意な人とリフォームが得意な人ってやや別れるんですけれども、これはね、もう食べていくためにそういうこと言ってられないんで、今はだいたいどっちもやるし、新築が少ないとなればそっちの職人さんがリフォームの方に流れてくるっていう風になってます。逆にリフォームの方が仕事が減ってくれば新築の方に行ったりっていうね、割と流動的に職人は動いてますね。
それこそ今大阪万博をやるんで、ああいう公共工事ですよね。大きな国とか都道府県とかがやるような大きな公共工事とかの方に職人が流れていったりとかですね、常に職人さんは流動的に動いているっていう状況があります。
ただですね、先日NHKで姫路城を修復したときのいろいろ振り返りのドキュメンタリーやってたんですよね。この修復工事自体は2009年から2015年だったかな、それぐらいに平成の大工事ということでやったときの、それに携わっていた職人さんたちのインタビューとかをやってたんですよね。
この時でさえね、かなり昭和の姫路城っていうのはもう400年経ってるんですよね。だから400年前に建てられてから今も現存している非常に貴重な国宝のお城なんですけれど、この400年経ち続けているということは当然何十年かに1回必ず修復工事をしてきているわけですよね。
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私たちが記憶している限りだと昭和に1回大きなリノベをしているんですけれども、この時はね、もうその写真とかがテレビで出てきたらすごい数の職人さんが修復に携わっているんですよね。
それに対してこの2009年から2015年にやっている平成の修復ではね、わずか2、30人ぐらいしか職人さんがいないんですよ。それも全国からかき集めた上に、ちょっとした技術を要しないような作業には外国の人とかそういった人まで入れて何とかやり抜いているんですよね。
だからね、これは次のね、また今度令和とかね、またそのさらに何年か経ってからの大規模修繕の時にはどうなっているのかなっていうね、すごいね不安になりましたね。
だからとにかく職人さんは数が減っていってるんですよね。この平成の大改修の時は、昭和の大修繕の時に携わっていた、当時若かった職人が今は大ベテランになってね、自分がその若い人に指導できる立場としているので、うまく回っているわけなんですよ。
だからこれね、今この経験があるベテランの職人さんたちが引退していったり亡くなっていったりとかした後っていうのがもうないわけですよ。
でもね、圧倒的にその昭和の時に例えば100人でやってたのが、今平成で2、30人になってるってことは、次ね、その令和とかそのさらに先ってなったらどんどんどんどん先細っていくわけですよね。これはね、多くの、例えば農業とか林業とか多くのことに言えることなんでしょうけれど、これどうしていくのかなって思うんですよね。
日本がね、今またトランプ政権になり、石破さんがあってますけれど、これからどういうふうに変わっていくかわかんないんですけれど、ただですね、高度経済成長期のように日本が一気にまた工業とかね、産業とかで世界第2位の国になるようなことは多分ないんじゃないかなと思うんですよね。
だからその今よりも、例えば今また半導体とか、あとAIとか、そういったことで何とかアメリカと協力し合ってやっていくっていうことはね、継続していくんでしょうけれども、そういういわゆる大国になるってことはもうありえないんで、緩やかに衰退していき、衰退っていう言葉はね、よくないのかもしれませんけど、でも私はなんとなくこのヨーロッパみたいになっていくと思うんですよね。
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経済的にすごい大国ではないけれども、緩やかに過去の遺産を大事にしながら、観光立国としてインバウンドで食べていく国っていうふうになっていくと思うんですよね。
なので、なんて言うんですかね、今までみたいにね、昭和の我々の親の代からの何かブルーカラーはちょっと肉体労働でちょっと悪い仕事っていうかね、他に選択肢がなかった人がやる仕事っていうね、そういう価値観をずっと植え付けて、
ガーッとね、工業でここまでのし上がったんですけれどね、戦後やけの原からね、だけど徐々にホワイトカラーがいいっていうふうにどんどんシフトチェンジしていき、
子供たちには自分たちみたいに手の指が汚れる仕事じゃなくて、綺麗な白いワイシャツ着て、厳しい屋外で作業する仕事じゃなくて、屋内で綺麗にデスクワークで食べていけるようなね、そういうふうにエリートになってほしいみたいなね、
そういう感じでですね、子供たちにいい学歴でいい会社で勤めるみたいなね、そういう価値観を追求してきたのが今の状態で、そこからまたもう世の中は大きく変わってきてるんですけれども、この価値観だけは今もまだ生き残っちゃってるっていうんですかね。
私、時々驚いちゃうんですよね。今の40代前半とか若い人と喋ってても、まだまだいい大学に入れていい企業で働かせるっていうね、それは最良というか、子供のレールとして最良なんだっていうふうに思ってる人まだまだ多いんだなと思って、もちろんそれが悪いっていうわけじゃないし、
そういう生き方が全くなくなることはもちろんないと思うんですけれど、でも皆さんお分かりのように今もどんどんAIでできることが増えてきてるので、今まで多くの例えば事務員さんがやっていたような仕事っていうのは当然もう全部AIにとって変わるでしょうし、
これはもうそのAIに限らずいろんな仕事がもっともっと効率よく人の力を使わずにできるようになってるんでね、となると人間にしかできない仕事、人間っていうのがとにかく10年後も20年後も食える仕事ってなんだろうっていうね、逆算の考え方っていうのはないのかなっていうふうにちょっと思っちゃうんですよね。
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もう今までね、そのブルーカラーっていうのできたらやりたくない仕事、産経で、もうその教養がなくて貧しくて、もうこれしかやることがないからやってるんだみたいな、そういう価値観はちょっともうマジでやめないと、私はねこれ別に自分の業界だから何とか人をね増やしたいから別になんかこう洗脳してるわけじゃもちろんなくて、
向き不向きもちろんありますよ、体力がない人が職人はもちろん向いてないでしょうし、厳しい部分があるんで、メンタルが弱い人ももちろん向いてないかもしれませんが、でもねこれから社会に出ていくっていう中で、
いろいろね、一つのキャリアの選択肢として絶対に手に職っていうところはまた立ち返らなきゃいけないと思うんですよね。
誰も彼もが向いてる仕事なんていうのはもちろんないので、それは職人も一緒です。この仕事がこれから絶対食いっぱぐれがないし、絶対いい仕事ですよって私はよく言ってますが、だからといって万人に向いてる仕事だとはもちろん思ってません。
職人が向いてない人はたくさんいらっしゃると思います。ですけれども、それと同じくですね、サラリーマンが向いてない人だっていっぱいいるし、正直ね、そんな大手企業、今私の友達の夫がP、超大手、某M電工ですね。
ここで、前だったらこんなところに私たちの世代で入ってるっていうのは超勝ち組だったんですけれども、大変なことになってます。もうどんどんどんどん会社の業態が、ここの会社が多分なくなることは絶対ないんですけれど、その分ですね、こういう生き残っている大手企業っていうのはものすごくシビアなんで、もう採算が合わない事業っていうのはどんどん撤退していくし縮小していくし、
逆に新たにどういった新規事業をやったら当たるかっていうことも考えてるんで、中にいる従業員っていうのはね、ものすごく生き残るのが大変だと思うんですよね。だからサラリーマンもものすごく大変。
今までだったら大手企業に入ったら安泰だなんていうのはもうだいぶ前から崩壊しているのに、それにも関わらずまだそういういい大学に行き、いい企業に入るっていうことが何かまだいいことだと思われているっていうことにやはりすごい疑問を感じるんですよね。
この問題と職人不足でみんな職人目指しましょうっていう話は合体させてはいけないテーマなのかもしれないんですけれど、どうしてもいろいろちょっとそういったことは考えてしまうんですよね。
私はどうしても日本はアメリカと友好国というか、アメリカの支持のもとで正直植民地っていう言葉はなくても植民地のような存在なので、アメリカの動きに連動するようにできてますけれど、正直言うとヨーロッパ的な生き残り方っていうんですかね。
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ヨーロッパを目指すべきって言ったら変な言い方ですけど、ヨーロッパを参考にしていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですよね。職人ですよ、やっぱり。これから観光でいろいろ残っている歴史的な建造物とかそういったものを観光資産としてやっていくとなるとね、こういう建造物を保存していく。
回収していく。そして日本にはいろんな伝統工芸とかありますよね。陶器、染め物、漆、職人とかね、まあいろいろいろいろあって、こういったものもですね、ヨーロッパ見てるとずっと継承していってるじゃないですか。アルチザンというかね、イタリアとかスペインとか、ずっと脈々とこの職人が若い世代にこのノウハウを継承していくということをずっと代々やってるんですよね。
これは本当に尊敬されている仕事なわけですよ。医者や弁護士ももちろん大事な、なくてはならない仕事ですけれど、それと同じぐらいですね、廃棺工も大工も電気屋もめちゃめちゃ大事な仕事であって、こういう人たちがいないとね、成り立たないわけなんで。
これは例えば美容師さんとか、全部そうですよね。髪の毛を切りに行くっていうのはほとんどの人が、自分で切る人もいるかもしれませんけど、やっぱり切りに行くじゃないですか。こういう仕事っていうのはどんなに機械が発達しても、やはり人間がやる仕事として必ず残りますし、結局だからこういう肉体労働っていうものをね、肉体労働っていう言葉もね、だから知識労働と肉体労働に分けて、
肉体労働の方が質の低い仕事、できることなら避けるべき仕事だっていうふうにね、一段下げてね、下げすんできたっていうことがね、結局、しっぺ返しで帰ってきたんじゃないかなっていう気はしますよね。
だから今後は本当に職人不足で、それこそいよいよ家が傷んできたから直したいな、リフォーム工事したいなと。お金もあるし、お願いしますって言ってもですね、やってくれる人がもういないので、もう2,3年先まで埋まってますと。だから2,3年待ってくださいみたいなことになり得るんじゃないかなと思いますよね。
お金がある人はすごくいい職人をね、かき集めて、自分たちの好きなタイミングでできるかもしれないけれども、そんなにお金が出せない人はですね、ただ順番が来るのを待つしかないとかね、ある程度のことは自分でやらなきゃいけないみたいなね、そういうふうになってくるでしょうね。
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だからそういう意味でもね、職人っていうのは本当にこれから人手がないからっていうだけじゃなくてですね、何て言うんですかね、やりがいもあるし、そしてずっとなくならない仕事っていうことは、つまり継承していける仕事なので、
自分の蓄積、ノウハウやスキルを蓄積していった先にまた継承していけるものでもある。今やってる仕事がもう10年後にはなくなるっていう仕事は、それはもうやばいですよね。ちょっとこれは怖いなと思うと思うんですけれど、この仕事は絶対なくならないんで、自分もやってる限りはどんどん上達していく。
そしてその自分たちの培ってきたものをまた次の世代に引き継いでいくっていうね、そういった仕事になるので、そこにはね、やはりプライドとか誇りっていうものが出てくるので、いい仕事だとどう考えても思うんですよね。
はい、というわけでね、職人はいい仕事ということでね、もちろん向き不向きはあるんですけれども、何か仕事を探すという時にですね、一度はね、検討する余地があるんじゃないかという話をさせていただきました。ごきげんよう。
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