2025-11-28 12:06

#19 クセつよブランド研究:音響機器メーカーZOOM

スモールビジネスやその周辺のカルチャーついての情報をシェアしていくポッドキャストです。

音響機器メーカーZOOMの“良い意味でヤバい”魅力について。小型化、多機能、手頃な価格で世界のギタリストやクリエイターに愛される理由を熱弁します。

サマリー

このポッドキャストでは、日本の音響機器メーカーZOOMの歴史やユニークな製品特性が探求されています。ZOOMの特徴は、小型化や多機能性にこだわり、音質と価格のバランスを取ることで、多くのファンを獲得している点です。

ZOOMの歴史と成長
このポッドキャストでは、スモールビジネスやその周辺のカルチャーについての話題をお届けしていきます。
再生ありがとうございます。シララ株式会社の伊東宏之です。
今日は「ZOOMがヤバい」ということをお話ししたいと思います。
もちろんこのヤバいは、良い方の意味でのヤバいなんですけれども、
さらに言うと、このZOOMはオンライン会議のZoomではなくて、
日本の音響機器メーカーのZOOMについての話題になります。
このイントネーションがちょっと合っているかわからないんですけれども、
おそらく日本の音響機器メーカーの方はZOOMというイントネーションでいいんだと思います。
このZOOMは、エレキギターを弾く人とか、音楽系や動画系のクリエイターの方なら、
一度はその商品を手に取ったことがあって、愛されているメーカーなんじゃないかなと思います。
というか、僕自身がもうこのZOOM大好きなんですね。
まず、このZOOMの歴史をざっとご説明したいと思います。
ZOOMは1983年に創業ですね。
なので創業42年。
このドッグイヤーとかラットイヤーとか呼ばれる時代では、
もはや歴史ある老舗企業と言っていいかもしれませんよね。
1990年に北米支社を設立して、
初の自社製品である小型ギター用マルチエフェクター9002で世界的に知られるようになります。
この9002というのが何かというのは後でご説明しますね。
2000年代に入ると、今度は録音機器ですね。
ハンディレコーダーH4が登場して、宅録や映像制作者に爆発的に普及したと。
そして大きな節目が2017年に上場したということですね。
これによって世界的なブランドに成長したということになります。
ここでちょっと小ネタなんですけれども、オンライン会議のZoomが一気に普及した時に、
こちらのZOOMの株価が急騰したことがあって、
つまりですね、間違って買われたんじゃないかという説もありましたよね。
それにですね、この両者おそらく仲がいいというわけではなくて、
このZOOMという商標権をめぐった争いもあるみたいです。
ではですね、このZOOMのここがやばいという点についてご説明したいと思います。
何がやばいかというと、商品の個性、言うなれば癖の強さなんですよね。
エフェクターの革新
もっと具体的に言うと、やたらと小型化にこだわるんですよ。
これがいいんですよね。
やっぱり持ち運びのしやすさっていうのは、この音響機器において正義ですからね。
それに妙に尖った機能を入れてくるんですよね。
ここにある種の可愛げというとちょっと変な表現かもしれないんですけども、
妙に惹かれる人が多いんだと思います。
でですね、先ほどお話ししたギター用小型マルチエフェクター9002についてちょっとお話ししたいんですけども、
まずそのマルチエフェクターとかエフェクターってなんだっていうお話をしたいと思います。
でですね、これはエレキギターの、簡単に言うとエレキギターの音を加工する機械をエフェクターって呼ぶんですね。
コンサートでギタリストの足元にスイッチ付きの小さなお弁当箱みたいのが並んでたりしますよね。
あれです。
あれがまずエフェクターと呼ばれるもので、
エレキギターってそもそもエレキギター用のスピーカー、つまりギターアンプにつないだだけだと基本的にぺけぺけした音が出るんですよね。
それに対してギャンギャンゴリゴリした歪みを加えたりとか、
あとやまびこのようなエコーを足したりとか、何なら音程そのものまで変えたりすると。
この音の変化、イコールエフェクトを加えるのがエフェクターなんですよね。
ただ一つのエフェクターについて基本的には一つの機能しか持ってないんですよ。
なのでギターを弾く人の足元には歪み用のエフェクター、エコー用のエフェクター、音程変化用のエフェクターみたいな感じで大量に小さいお弁当箱が並ぶわけですよね。
これはなかなか管理も大変なんですよ。
これをデジタル化して一つにまとめたものがマルチエフェクターと呼ばれるものです。
このマルチエフェクターは1980年代の後半から各社で開発が活発になりました。
そこに1990年になって登場したのが9002という小さい怪物ですね。
この9002の凄さって電池(バッテリー)駆動する手のひらサイズのマシンの筐体に12種類ものエフェクトを内蔵したというところなんですね。
そんなものがそれまでおそらく存在しなかったし、たぶん他のメーカーもあんまり考えなかったと思うんですよね。
マルチエフェクターのサイズって基本的には床に置かれるという性質上、お風呂のバスマットを一回り小さくしたようなサイズ感なんですよね。
これが一般的だったんですよ。
今でも基本的にそうなんですけれども、これが1990年に登場した9002の場合は文庫本ぐらいのサイズになって、ギターのストラップに引っ掛けて使えるようなレベルまで小型化したと。
やっぱりそれは衝撃的だし、プロも使うし、やっぱり大ヒットしますよね。
その後、ZOOMは床置き型の標準サイズのマルチエフェクターも次々に発表しているんですよ。
そういった標準的なサイズのものでもやっぱり結構個性があって、ZOOMが取ったポジションというのは、とにかく機能がてんこ盛り。
それでお値段が絶妙にお手頃価格。音質とかスペックはそこそこなんだけど実用に耐えるみたいな。
言うなればコンシューマー寄りの立ち位置を取ったんですね。ここがまさにZOOMらしいところなんですよ。
もともとデジタル処理に強いメーカーなので、ギターの音をシンセサイザーみたいにしたり、ロボットボイスっぽくしたり、我々コンシューマーが聴いた瞬間におもろ!ってなるようなエフェクトを搭載してるんですよね。
みんなすげーってなるんですけれども、冷静に考えるとちょっと使いどころがわからないみたいな、そういうユニークな機能を持っているエフェクターを結構発表していました。
なのに値段が安いというところですね。なのでこういったところでそのユニークさとか値段のバランスも含めてZOOMを好きになっちゃうというそういうファンを確実につかんだんだと思います。
ZOOMは先ほどお話ししたみたいに録音機器にも手を広げていきます。2000年代にはハンディーオーディオレコーダーとかハンディービデオレコーダーを発表しました。
これがまた多機能、小さい、そこそこの性能スペックでお値段お手頃というZOOMのフォーマットにどんぴしゃだったんですね。
そして普通の一般的なICレコーダー、会議とか議事録音に録音するようなICレコーダーと違うところとしては、大音量の音も録れる。つまり音楽用途に強いというところですね。
なのでミュージシャンが自分のライブとか練習の記録用に使うようになってヒットしたんだと思います。
もちろん大手のプロ用の音響機器メーカーもハンディレコーダーを出したので競合はしたんですけれども、やっぱりZOOMはここでもスペックは必要十分で多機能価格は絶妙に安いというスタンスを取っているんですね。
ZOOMの独特なビジネスモデル
なのでスペック的な話で言うと厳密な音質クオリティだと多少そういう方なんですよね。
ちょっとハイエンドのメーカーにひけを取ることはあるかもしれないんですけれども、そこまで求める人はほとんどいないという線引きをしているというところですね。
こういう商品の一貫性でわかりやすいポジショニングをして顧客をがっちり掴むというところが、スモールビジネスでも参考になるんじゃないかなと思いました。
その後も録音とか録画機器とか配信用の音響機器を出し続けて、もちろんYouTuber、そういった配信者にもフォーカスして確固たる地位を築いたというのが現在のZOOMの状況です。
やっぱりギター用のマルチエフェクターなんかも今も積極的に最新機種を発売しているんですね。
他社と比較してしまうと、ローランドとか海外メーカーの方が音質の面で優れているというふうにされていた時期もあったという印象はあるんですね。
もちろんちょっとだけ他社の方が価格も高いですし、そういった意味でもちょっとZOOMは安っぽいイメージもあったことは否めないかと思うんですね。
特にギターの音質にこだわる人だと、ギターの歪みの音抜けの面の課題を指摘する人が多かったような印象はあります。
ただ、その後のデジタル技術全般の進化とか、もともとのZOOM社のデジタル信号処理、これはDSPと呼ばれるものですね。
ここの強みによって、今やそういった音質面とかスペック面でも見劣りしない状況になっています。
ですので、現在はプロの人とかでも用途によって当たり前のように現場でZOOMのエフェクターを使うことが見られるようになったわけですね。
まとめると、ZOOMは全部は取りに行かないという、従来の表現で言えば選択と集中の会社でもあると思うんですよ。
実際、手がける領域はエフェクターと録音と配信周りで、例えば先ほどのローラントとかヤマハみたいにシンセサイザーとかギター本体、楽器全般に手を広げるということはしないんですね。
なので、ここに完全に選択と集中が見られると思うんですよ。
ただ、その選択した領域の中に入ると話が一気に変わるわけですよね。
その領域の中においてZOOMは全部やる、しかも全部ZOOM流のやり方でやるという独特の方針が浮き彫りになってくるわけなんですね。
なので、ここでいうZOOM流というのはどういうことか改めて考えると4つあって、
1つ目がたくさん機能を入れる、全部乗せの精神。
2つ目はその中に変態的な尖りを挟んでくる。
そして3つ目はあり得ないレベルの小型化への執着。
ここなんか日本企業らしさも感じますよね。
4つ目が「買えるから試せる」というレベルのちょい安価格というところですね。
つまりローランドとか海外勢がハイエンド競争をしている横で、
ZOOMは機能をてんこ盛りにして小さくしてちょい安くして、それで独特のスパイスを振りかけてくる。
これが結果的にファンを生んで長く愛されている理由なんじゃないかなと思いました。
まとめるとZOOMは大企業の成功法ではなくて、
ずらしによる総力戦で戦ってきた会社だと言えるんだと思います。
というわけで今日は私も大好き、日本の音響機器メーカーのZOOMについてお話をしました。
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