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2025-06-13 30:00

トロイア戦争は夏に始まり,恐竜は春に絶滅した【第238号音声版】

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地球の傾きが生み出す季節の物語.歴史学と古生物学が解き明かす,時を超えた季節の記憶.

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いちです。おはようございます。今回のエピソードでは、トロイア戦争は夏に始まり、恐竜は春に絶滅したという内容をお届けします。
このポッドキャストは、僕が毎週メールでお送りしているニュースレターSteamニュースの音声版です。
スティームニュースでは、科学、技術、工学、アート、数学に関する話題をお届けしています。
スティームニュースは、スティームボート乗組員のご協力でお送りしています。
というわけで、このエピソードでは、スティームニュース第238号から、トロイア戦争は夏に始まり、恐竜は春に絶滅したという内容をお届けしています。
このポッドキャストは、僕が毎週メールでお送りしているニュースレターSteamニュースの音声版です。
このエピソードでは、スティームニュース第238号から、トロイア戦争は夏に始まり、恐竜は春に絶滅した。
このエピソードは、地球の傾きが生み出す季節の物語、歴史学と古生物学が解き明かす時を超えた季節の記憶というタイトルでお送りしていきます。
というのもですね、このエピソードを収録している6月12日なのですが、日本の大部分が梅雨入りをしたシーズンでもあるんですね。
梅雨というのは、世界的にはこれ浮きのことなんですが、日本では梅の雨と書いて梅雨あるいは梅雨と読む。
僕は梅干し大好きですし、梅の雨っていうのでいいなと思って気に入っていたんですが、どうも語源を調べると梅雨っていうのはカビが生える雨、カビの雨と書いたそうなんですね。
梅じゃなくてカビだったの?というのでまぁちょっとショックを受けたんですが、これ梅雨の別名、これサミダレ、5月の雨と書いてサミダレとも言います。
5月というのは旧暦の5月ですね。で、一般的には旧暦と季節って一致しないんですよ。
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思わせぶりなタイミングでチャプター変わってしまったんですが、そうなんです。旧暦と季節というのは必ずしも一致しないわけなんですね。
というのも日本の旧暦、これは古来、太陰太陽暦という月の満ち欠けを元にした暦だったからなんですね。
月の満ち欠けというのは1年におよそ12回あるわけなんですが、これ厳密に言うと地球と太陽の関係とは直接は関係がありません。
ところが季節というのは地球と太陽の関係なので微妙にずれていってしまうんですね。
太陰太陽暦、つまり旧暦とそれから季節の関係というのはちょっとずつずれていきます。
このずれを放置したものが太陰暦になるんですが、日本が採用していた暦は何年間に一度そのずれを調整するので太陰太陽暦という風に呼びます。
ただずれることはずれてしまうので、これ不便ですよね。
何月に春が来る、何月に夏が来るっていうのがずれちゃうんです。不便なので日本ではその太陰太陽暦、旧暦に加えて
24世紀72号というね、別の暦を併用していました。24世紀というのは24の季節という意味なんですが、有名なところだと
立夏とか夏が経つと書いて立夏ですね。それから月至夏に至るとか、これが24世紀になります。これは厳密に太陽暦とリンクしているので季節のずれがありません。
これを並列に太陰太陽暦と使うことで日本では、これはもともと中国の習慣ではあったんですが、旧暦のカレンダーと季節のカレンダーを併用していたということになるんですね。
明治以降は日本も太陽暦を採用して、6月梅雨みたいな太陽関係が生まれていくんですが、その太陰太陽暦とつまり月の運行とそれから太陽の運行と別々のカレンダーを使ったのかというと、これ一つには行々との関係があるんじゃないかなと思うんですね。
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日本はもちろん農耕もしていますから、水田ですね。米を作る農耕もしていますから、これは季節、シーズンがすごく大事なので太陽暦の方が向いているんですね。
その一方で日本は海に囲まれていて漁業もやっています。漁業も盛んな国ですね。漁業従事者、漁師さんにとっては太陰暦の方が便利なんですね。
太陰暦というのは月の運行にリンクしているので、毎月1日が新月になります。毎月15日が満月になります。新月と満月の日というのは大潮になりますから、このカレンダーとリンクしているというのが便利なんですね。
おそらく江戸時代に太陰太陽暦である旧暦とそれから24世紀72後というのを併用することが定着していくわけなんですが、おそらくその農業従事者、漁業従事者両方を満足する方法として定着していったんではないかなと思うわけです。
農業される方、お米作られる方はこの24世紀72後に従ってスケジュールを組んで、漁師さんたちは旧暦に従ってスケジュールを組んだんじゃないかというお話です。
で、その季節がそもそもどうして発生するのかというと、これは地球が太陽の周りを光転しているわけなんですけれども、その光転する光転面という面、太陽の周りを地球が回る面に対して
地球の地点軸が少し傾いているからなんですね。正確に言うと23.4度傾いています。ということは、あるタイミングでは地球は太陽に向かってお辞儀をする格好であったりとか、またあるタイミングでは太陽に対して踏んぞり返っているタイミングであったりします。
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ここら辺の図はメールで送りしているニュースレター、スティームニュースの方で引用させてもらっているので、そちらで見ていただければと思うんですが、地球が太陽に向かってお辞儀をするタイミングもあれば、太陽に向かって踏んぞり返るタイミングもあるということですね。
地球が太陽に向かってお辞儀をしている日を、そのタイミングを月始と呼びます。地球が太陽に向かって踏んぞり返っているタイミングを当時という風に呼びます。
太陽に向かってお辞儀をしている、太陽に向かって近づいているように見える、近づいているわけではないんですが、太陽の光をよりたくさん浴びようとしているように見える、北半球の場合ですね。
北半球が太陽の光をより多く浴びようとしているタイミング、これが夏ということになります。逆に踏んぞり返って、北半球では太陽の光をあまり浴びていないというタイミング、これが北半球の冬になります。
これ、北半球と南半球で季節が反転するのも図を見ていただいたら、すごく明瞭にはなるんですが、北半球が太陽に向かってもうちょっと光をもっとちょうだいと言っている時には、南半球はもういいからという風に遠ざかる感じになります。
実際には、人類というのは体温調整を行っていますから、暑い寒いのが二年があるわけですね。場所によっては、ずっと暑いとかずっと寒いという地域も出てくるわけなんですが、他に地球というのは海に覆われていますから、浮き寒気に分かれる地域も出てくるわけですね。
内陸部というのは、ずっと寒気というところもあるんですが、この海の沿岸部というのは寒気と浮きが交互にやってくるというところも多いです。
日本もその梅雨を浮きと考えて、残りのシーズン寒気と考えれば、浮きと寒気が交互にやってくる地域という風にも呼べるんじゃないかなと思います。
先週、先々週かな、タイに住んでいる友人から、タイ人なんですけれども、季節って何種類あると思う?タイではね、ホット、ホッター、ホッテストの3種類よって言われたことがあるんですけれども、つまり暑い、めっちゃ暑い、めちゃくちゃ暑いの3種類なんですかね。
日本だとね、もっと細かくあるなぁという気はします。寒いから暑いまで寒いでしょ、暖かいでしょ、雨のシーズンあるでしょ、暑いシーズンあるでしょ、死ぬほど暑いシーズンあるでしょ、涼しいシーズンがちょっとだけあって、めちゃくちゃ寒い、凍るっていうシーズン。
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全部で7種類ぐらいあるんじゃないかなっていうね、気がします。そんな季節なんですけれども、歴史上のイベントで、文字では残されていないんだけれども、季節がある程度推定できるというものがね、あるので、そのご紹介をしたいと思います。
1つ目が、トロイヤ戦争ですね。僕のメールでお送りしているニュースレター、スティームニュースでもトロイヤ戦争っていうのは、時々取り上げるトピックなんですが、このトロイヤ戦争、これギリシャのね、神話に出てくるんです。
長い間神話と思われていた戦争なんですが、ドイツの考古学者ハインリヒ・シュリーマンによって、実際に戦争があったということが示されています。ずっと伝説だと思われていたことが本当にあったっていうことなんですけれども、日本で言うと
そうですね、ヒミコはね、まあその神話というよりは実在したというふうに考えるほうが自然ですけれども、アマテラス・オオミカミというね、太陽の女神ですが、実在したみたいなね、そのぐらいの衝撃がまあこのトロイヤ戦争が実際にあったという発見から
感じた衝撃じゃないかと思います。で、そのトロイヤ戦争がどの季節に起こったのかというのは記録が残されてはいないんですが、推測がついています。
神話によるとトロイヤ戦争の発端というのはパリスの神端というね、事件なんですね。これは神々の女王ヘイラー、大神ゼウスの奥様ですね。ヘイラー、そして知恵の女神アテーナ。
アテネと呼んだり、アシーネと呼んだり、まあ読み方いろいろ変わりますが、今回はアテーナで統一したいと思います。知恵の女神アテーナ。そしてアイとビの女神アプロディーテ。
これはアフロディーテと呼んだりとか、ローマ名で呼ぶと神々の女王ヘイラーというのはユノですね。
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女神、知恵の女神アテーナはミネルバーになります。アイとビの女神アプロディーテはローマ名ビーナス、デヌスですね。英語名がビーナスになります。
この3人の美女、美女じゃないですね。神様だから美神ですね。この3人の美しい女神に最も美しい女神へと書かれた黄金のリンゴが投げ込まれるんです。別名フワのリンゴです。
誰が一番美しいのかって、それは戦いになりますよね。そのリンゴが投げ込まれたので、この羊飼いのパリス、男性ですけれども、パリスは誰が一番美しいのかって神々の中から選ばなきゃいけない。
その結果、戦争になるというのがパリスの神パンという神話ですね。結局この美しい女神3人がいる中で、みんながパリスを買収しようとするんですよね。もうしなくていいのに。
プロディーテがパリスに、パリス独身の若い青年でしたから、美女と結婚させてやる。プロディーテだって美女なんですけれども、美女と結婚させてやるっていうふうな条件を出して、パリスもそれでコロッと行っちゃうわけですね。
で、その美女っていうのが実は寄婚者で、その寄婚者を巡って、今の言葉で言うNTRですかね。戦争が起こるというね。のがこのトロイア戦争の伝説なんですが、
神話によるとこのフワのリンゴが投げ込まれているので、リンゴがなってないといけないから、じゃあこのパリスの神パンは秋かな。伝説によるとパリスの神パンの直後に戦争が起こっているから、じゃあ冬ですかってなるんだけれども、
これ、当時の常識として冬に戦争するっていうのはちょっと考えにくいわけなんですね。古代の資料にはトロイア戦争、海戦の日付というのはいくつか書かれてはいます。書かれてはいるんですが、戦争が始まった正確な季節に関する決定的な情報というのはまだないです。
歴史家エポロスによれば、トロイの陥落はタルゲリオン月、現在の5月から6月の23日か24日に起こったということを書いているんですが、これは戦争の終わりに関するもので、始まりに関してはまだ謎に包まれています。
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戦争が始まった時期について、古代の資料というのは具体的な季節を示してはいないんですが、この羊飼いパリスが美女ヘレネですね、人妻でもあったヘレネを拉致して、
ギリシャ連合が軍を編成してトロイアに向けて出向した直後に始まったとされているのですから、
それがいつなのかというと、リンゴをどれだけ信じるかによるんですね。リンゴがなっているのが秋だとすれば、その直後秋から冬ということになってしまうんですが、
古代地中海における軍隊の集結と大規模な遠征の開始っていうのは、これは気象条件に左右されます。
当時のいくつかの証拠から、これは春から初夏にかけてとしか考えられないんですよね。
これはもう古代ローマになってもそうなんですが、冬の間っていうのはやっぱり軍を動かせないので、春から初夏にかけてという可能性が非常に高いんです。
ということはこのパリスの侵犯というのも、おそらくは春先に起こって、春から夏にかけてこの軍が動いたのではないかということが想像されるわけですね。
トロイエ戦争が始まった正確な季節について、古代の明確な記録はないのですが、古代地中海の軍事作戦の時期や航海の状況から推測すると、トロイエ戦争が始まった時期は初夏である可能性が高いです。
伝説によるとトロイエ戦争は10年にわたって継続されたと言われています。古今学上の証拠はないのですが、トロイエ戦争は夏に始まり、夏に終わったと言えるかもしれません。
さて地球上最大のイベントといえば恐らくは恐竜の絶滅ではないかと思います。というのも同じタイミング、恐竜が絶滅したタイミングで、おそらくはこれが恐竜絶滅の理由にもなったのでしょう。
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小惑星が地球の床炭半島に衝突して、およそ75%の種を絶滅させたと考えられているからです。そんな絶滅はどの季節に起こったのかということなのですが、
2022年に学術士ネイチャーに投稿された論文では、その絶滅が春に起こったというふうにしています。
日本でも恐竜がお花見中に絶滅した説が唱えられたところなんですが、
お花見の証拠がもちろん残っていたわけではありません。ただ恐竜絶滅の引き金になったと考えられる隕石あるいは小学生の衝突の瞬間に死んだ魚の骨を調べると、
骨の成長度合い、年齢みたいな骨の断面の年齢から、春にその魚が死んだことがわかるそうなんですね。
というわけでどうも恐竜は春に死んでいったようなんです。
で春に死ぬというと、平安時代のアーティスト、歌人、蔡英明を僕は思い出します。彼はこんな歌を残しているんです。
寝願枠は花の下にて春しな。その木さらきの餅づきの頃。
まあこれ、現代語風に訳すと、寝願枠は春、花の下で死にたいものだと。
木さらきというのは旧暦2月なんですが、これは現在の春ですね。
その木さらきの餅づきの頃。餅づきというのは満月ですが、旧暦の15日前後ですね。
十五夜お月様の頃。今、花とそして月に囲まれて死んでいきたいという風に、このサイン行は言っているんですが、実際その通りに亡くなったそうです。
すごいですね。
サイン行というとね、僕の小学生、中学生、高校生まで住んでいた兵庫県の乗せ口というところに、すぐそばに津泉形木という、当時はね、昔は滝があったそうなんです。
24:22
今は滝は残ってないかなと思うんですが、川はあります。
その津泉形木にサイン行がやってきて、歌を読んだサイン行、津泉形木という伝説が残っていまして、これは落語のネタにもなっています。
彼はね、京都の方なので、乗せ口には十分ね、徒歩圏内。徒歩圏内って現代の意味ではないですよ。昔の旅人が徒歩で移動するには、全然1日2日の距離という意味なんですけれども、
サイン行をやってきたかなぁというね、感じのところではあります。サイン行、やっぱりね日本代表するアーティストだとね、僕は思うんですね。
このサイン行、アーティストサイン行と、そして地球を代表する生物恐竜、同じ季節に死を迎えていたというのは、まあなんかちょっと
春のね、死を望むという、どうせ死ぬなら春の満月の日がいいなっていう、ちょっとこうポエティックな日本の感覚と恐竜、お花見と繋がるかなと思ってご紹介をさせていただきました。
今後、古生物学、文献学、歴史学というのがより精緻になっていくと、トロイア戦争から恐竜絶滅の日付まで推定されていくのかもしれません。
そこらへんね、また新しい学説が出次第、今こういったスティームFM、そしてスティームニュースでご紹介していただけ、ご紹介していこうかなと思っています。
最近の話題だと、日本だとヒミコが亡くなった日付を推定するなんていうのも文献学であったりとか、古天文学ですね。現代の天文学ではなくて、歴史上の天文現象を扱う古天文学なんかでもホットな話題にはなっています。
というわけでね、今日は旧歴、太陰太陽歴と、そして24世紀72後が併用されていたという話題から、古代の、歳行を古代と呼ぶのはちょっとおかしいかもしれませんが
27:14
歴史上の人物がいつ亡くなったか、それから古代の生物がいつ亡くなったか、亡くなったっておかしいか、絶滅したかということがいろんな手段によって推定されていくんだ、推定されるんだというお話をさせていただきました。
メールで送りしているニュースレター、スティムニュースでは今週の書籍として、アンモナイト学入門という本を紹介させていただいています。アンモナイトってね、面白いです。アンモナイトって恐竜と一緒にね、絶滅してるんですが、恐竜と違って世界中でね、化石が見つかっています。もちろんエジプトでも見つかっています。
むしろね、アンモナイトのアンモっていうのは、エジプトの太陽神アモンから来ているそうなんですね。アモンが石になったんで、アンモナイトなんだそうです。アンモナイトはね、あの日本の都会、東京とか大阪のビルなんかに埋め込まれていることがありますので、ぜひね、
探してみてもらえるといいなと思います。そこはね、またメールでお送りしているニュースレターの方にリンクを貼っていますので、見ていただければなと思います。
というわけね、今回もLook at Us Nowを聞きながらお別れです。Steam FM1でした。最後まで聞いてくださってありがとう。
ご視聴ありがとうございました。
次回もお楽しみに!
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