1. ストーリーとしての思想哲学【思想染色】
  2. #34 エポケー 知識の限界を超..
2023-09-10 05:44

#34 エポケー 知識の限界を超える思考法

判断中止(エポケー)という概念=思考法があります。知的に誠実な態度を保つスキルであり、とても役に立つと思うのでお勧めです。

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ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします
今回は、哲学の話です
エポケーという概念があって、この概念を知っていると普通に役に立つので紹介しますという回です
哲学の話なんだけど、割と簡単だから肩の力を抜いて聞いてもらえればと思います
エポケーというのは、和訳だと判断中止という言葉が当てられていて、その名前の通り、意図的に判断を中止するという意味です
考えるのをやめるとか、思考停止とは全く別のものです
エポケーというのは、古代ギリシャ時代のピロンっていう人が言った、物事を疑う懐疑主義における思考方法です
難しい言い方をすれば、知識や真理に対する確信を保留して判断を保留すること、これがエポケーなんですけど
別の言い方をすれば、主観的な見解や人間の感覚には限界があることをピロン派の哲学者たちが指摘しているということです
これを簡単に言えば、例えば僕たちは空が青いと思ってます
でもエポケーをすると、その空が青いっていう判断を一時的に保留して
空が青いっていうのはそれは本当なのだろうかと
そうすると、もしかしたら空が本当は青くない可能性
あるいは僕たちの目とか感覚が本当に正しいのかとか、そういったいろいろな論点っていうのが浮上してきて
それらについて考えることになります
で、実はこれって意識しないと結構難しいんですよ
僕たちって、これは自明であると信じ込んでいることを基本的に疑いませんから
意図的にエポケーしようと思わないとできない
というか、やる意味を感じないからできないと言った方が正しいかな
空の青さを疑う意味ってないから
意味のないことはやろうと思えばできるっちゃできるけどしないみたいな
じゃあそのエポケー、空の青さを疑うみたいなことにはあんまり意味がないのかっていうと
意外とこれを実生活とか仕事とかで意図的に行おうとすると結構役に立つという感覚があります
まず、人間関係とかで怒らなくなりますね
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例えば誰かから何か失礼な対応をされた時とか
普通反射的にムカッとしちゃうじゃないですか
それは相手の対応を価値判断して
いやーこれはないわっていう風に判断してるからムカつくわけです
でもムカついたら意図的にエポケーすれば
心の中でちょっとエポケーしてみようかって思って判断を中止すると
思考がさっきみたいに次の段階に進みます
具体的には何でもいいんだけど
名前を間違えられたとか
名前を全然覚えてくれないとかされると
反射的にムッとしちゃうかもしれないんだけど
価値判断を中止すると
もしかしたら何か事情でもあんのかなっていう方向に思考が進むわけですね
これはどういうわけなんだろうっていう方向に思考が進むと
もしかしたら何らかの理由によって
固有名詞を覚えるのが苦手でそうなってんのかもしれないし
あるいは全然別の理由があるのかもしれないしそれは分からないけど
こういうもしかしたら相手に何か事情があるかもしれないっていうのを
受け入れるためには反射的にムカッとしてはダメですよね
世の中にはいろんな人がいるし
外国の人だったらなおさら文化が違ったりするから摩擦が起きやすいです
これらの人を受け入れようとするならば
まあ大げさに言えば多様性を受け入れるんだったら
前提としてエポケイする必要が結構出てくるんじゃないかなっていう話をしてます
もちろんこれは我慢するとかそういう話じゃなくて
目的に合わせて怒らないようにする
人を受け入れるとかそういう目的に合わせて
方法の一つとしてエポケイっていうのが結構便利な思考方法だよっていう話です
はい
以上がエポケイの初級編です
初級編ということはエポケイには上級編もあって
減少学という学問でこの概念を応用します
というわけで次回は減少学という哲学の話なんですけど
次回に続きますので聞いてみてください
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