サイコパスの特性
ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします。
前回からの続きで、会社組織の中にいるマイルドサイコパスの話です。
まずは理論のところから。
サイコパスは、反社会性パーソナリティ障害とは違って、反社会性因子が低めに発現している場合もあり得ます。
サイコパスの因子は4つあって、
1つ目が対人因子、
存在な自己意識とか他者操作性とか、
虚言癖がこれにあたります。
2つ目が感情因子、
共感性の欠如、
良心の過剰や罪悪感の欠如などがこれにあたります。
3つ目が生活様式因子、
刺激を求める、
衝動性、
無責任、
他者に規制する形のライフスタイルなどがこれにあたります。
4つ目が反社会性因子、
幼少時の問題行動や非行、
犯罪を繰り返し行う、
他方面における犯罪を犯すなどがこれにあたります。
この辺は基本的な定義の話なんだけど、
現実においては、ここにさらに、
サイコパス、精神病室者本人の能力の肯定が存在するということになるわけです。
要は、頭の良い、能力が高いサイコパスと、
能力が低いサイコパスがいるわけ。
反社会性っていうのは、社会のルールを守れないということだけど、
先進国の現代社会というのは、
頭が良い人が有利になるように構築されているから、
仮にサイコパスであっても能力が高いんだったら、
わざわざ反社会的なことをする必要はないんです。
犯罪という手段を用いると、ばれたときリスクが高いですから、
普通に他者を押しのけて、他者を操りながら、
持ち前の能力を生かしてバンバン偉くなる方が合理的ということになります。
これは結果的に高社会的であり、
一応は社会に順応しているとも言えます。
ただやっぱり普通の人とは少し異なっていて、
すぐに怒ったり、異常なまでに事故中だったり、
恐ろしい人間ではあるんだけど、
身体的暴力はあえて持ちいないという意味で、
マイルドなサイコパスであるとされています。
リーダーシップとサイコパス
さらに付け加えるならば、本当に怖い人っていうのは、
良い人のフリをしながら近づいてきます。
耳障りの良い言葉を並べながら、
心の隙間に入り込み、他者を操る。
だから表面的には非常に魅力的な人物にさえ見えます。
サイコパスって人口の1%いるとされているから、
周囲に何人かはこういう人がいてもおかしくはありません。
アメリカだと、指導的地位にある偉いポジションだと、
サイコパスの割合が4%になるなんて説もあって、
だからこそ、リーダーシップ理論を悪用することへの批判が出てきたとも言えます。
リーダーシップ理論に話を一旦戻すと、
特にアメリカにおいては、
会社で出世するには、とにかく自己アピールすることが大事です。
堂々として、自信満々で、声が大きく、よくしゃべる。
こういう人は出世しやすいというのが、研究によって明らかにされています。
もし興味ある方は、ジェフリー・フェファーって人の本を
何冊か読んでみるといいと思います。
そういう出世しやすい特性というのと、サイコパシーの特性、
表面的な魅力や一見強いリーダーシップ、
コミュニケーションやプレゼンを臆することなく行える能力というのは、
結構重なる部分が多いです。
したがって、サイコパス的な人物がリーダーの素質があるというふうに誤解され、
評価されることにもつながる。
さらに、サイコパシーの特性である存在な自己愛は、
サイコパス本人に権力を嗜好させます。
本人も権力を握りたいと思っているし、
会社もリーダーの素質があるというふうに誤解している。
したがって、会社の指導的地位に立つことが多い、という起序です。
彼らは現代社会の捕食者であり、加害者でもあるわけですが、
数千年、数万年という人類史的なメタレベルでは、
そうとも限らないという話を次回したいと思います。
というわけで、次回に続きます。