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2024-03-17 05:31

#61 ユースバルジ-超若年化社会-

少子高齢社会は問題ですが、逆に「多子若年化社会」だとどういう問題が発生してくるかという話です。

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ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします。
今回は、ユースバルジという概念を紹介します。
日本は超高齢社会で、少子化対策が極めて重要というフェーズな社会なわけですが、
じゃあ逆に、超若年化社会で若者がめちゃくちゃ多いとどうなるかという話です。
ユースバルジとは、若年層にあたる15歳から29歳までの人口が相対的に多くて、
人口ピラミッド上で下の方が膨らんで見える現象のことです。
日本の若者が全然いない人口ピラミッドからすると、
人口ピラミッドで29歳以下の若年層が非常に多い状態って羨ましく見えます。
想像するに、なんとなく国全体が若くて活気があって、未来に希望があるという感じがします。
でも社会というのはそんな簡単で単純ではなくて、しっかりと作用・反作用・効果・副作用があるんですね。
日本は人口1億2500万人に対して、15歳から29歳までの若年層が1800万人なので、
若年層比率は15%弱です。
これが30%とかになるとはどういうことなのかということなんですけど、
人口が急増する人口爆発がまず背景にあって、
結果としてユースバルジー型の人口ピラミッドになるわけです。
これは人口動態上必ずそうなるよね。
ユースバルジー型の人口ピラミッドができるには、
1回人口爆発が背景で起きるっていうプロセスがあります。
で、ユースバルジーになると必ず政治や世の中が不安定になってきます。
若者がめちゃくちゃ多いということは、
労働市場に新たな労働力が大量に流入するということなので、
仕事にありつけない若者が大量に発生します。
このような社会では兄弟が多いから、
実家で商売をしていたとしても家業を継承できなくて、
若年失業者が増加することになります。
つまり基本的にユースバルジーになると、
若者の失業者が大量発生するから、
潔気盛んな若者がニッチもサッチもいかなくなって、
もう暴動を起こすしかなくなるっていう状態が発生するんです。
もしかしたら、若者イコール潔気盛んで暴力的というのは
偏見じゃないかと思うかもしれませんが、
実際そのような現象が事実としてこれまで起きているということです。
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今だとユースバルジー概念を適用すると、
どうして中東の情勢が安定しないのかというイシューに対して、
政治的理由やら経済的な利害関係やらいろいろな背景はあるけど、
そのさらに背景、最も根本的な人工胴体の構造が問題の起点になっていると捉えることができます。
アラブの春も、Facebookを駆使した若者が原動力になっていたし、
テロリズムについてもイスラム教というよりも、
むしろ若者の潔気盛んさや失業率と結びつけて考えた方が公平かもしれません。
はい。同じように、日本や欧米もユースバルジーやユースバルジーに伴う相乗を経験しています。
日本における1950年代、60年代の安保闘争もそうだし、
アメリカでベトナム反戦運動が広がって、カウンターカルチャーが台頭したのも、
ユースバルジー比率が上昇した1960年代から70年代にかけてでした。
ここから言えるのは、国全体が若くて活気があることと、パワーがありすぎて社会が不安定になること、
良くも悪くも国民が力づくで政治的要求を通せてしまうということはセットだということです。
まあ直感的にイメージするとすれば、身も蓋もなく言ってしまえば、
年寄りの暴力ってたいして怖くないですけど、
若年層が暴力に出てきたらかなり怖いっていうことでしょうね。
実際結構要求が通ってるわけだから。
言い換えると、高齢化社会の活気のなさと治安の良さはセットだし、
ユースバルジー型社会の活気に満ち溢れた様子と治安の悪さもセットだということです。
以上、ユースバルジー概念について紹介しました。
ということで今回はここまでです。また次回もよろしくお願いします。
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