1. そろそろ美術の話を...
  2. #043 ゴッホを推したヘレーネ..

東京都美術館学芸員 大橋菜都子さんをゲストに、ゴッホやヘレーネについてお聞きしました。

https://sorosoro-art.vercel.app/ep/043 番組の感想は、#そろそろ美術の話を でお願いいたします。

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Guest Profile

東京都美術館学芸員 大橋菜都子(おおはしなつこ)

  • 東京都美術館学芸員。一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了。東京都江戸東京博物館学芸員を経て、2011年より現職。
  • これまでに、「ゴッホとゴーギャン展」(2016年)、「プーシキン美術館展 旅するフランス風景画」(2018年)、「コートールド美術館展 魅惑の印象派」(2019年)、「伊庭靖子展 まなざしのあわい」(2019年)などを担当。専門はフランス近代美術。

Show Notes

過去のトークショーの話題

  • 新印象派―光と色のドラマ|東京都美術館
  • 新印象派作品の点の数を数えてみよう! | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

ボストン美術館展の話題

  • ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション|東京都美術館
  • 上野公園前 あんみつ みはし

東京都美術館の成り立ちの話題

  • 佐藤慶太郎 - Wikipedia
  • 東京都美術館生みの親 佐藤慶太郎(PDF)
  • 東京都美術館の成り立ちを紹介する資料映像「佐藤慶太郎と東京都美術館のあゆみ」を制作しました|東京都美術館
  • 佐藤慶太郎記念 アートラウンジ|東京都美術館

東京都美術館が所有するコレクションの話題

  • my sky hole 85-2 光と影
  • 堀内正和 《三本の直方体 B》

東京都美術館の自主企画展

  • Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる|東勝吉|増山たづ子
  • 伊庭靖子展 まなざしのあわい|東京都美術館

ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセントについて

  • ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント|東京都美術館
  • ゴッホの弟・テオ
  • クレラー・ミュラー美術館 - Wikipedia
  • ヘレーネ・クレラー=ミュラー
  • ヘンク・ブレマー(ヘレーネが美術を学んだ美術教師)
  • ポール・ゴーギャン
  • クレラー・ミュラー美術館のたとえ
  • ポーラ美術館
  • 原美術館 ARC

あの時に貸してほしかった・・・

  • 黄色い家(通り)

結婚25周年でヘレーネがアントンからプレゼントとしてもらった絵

  • 悲しむ老人


00:00
♪~
はい、アートテラートニーのそろそろ美術の話を
この番組は私アートテラートニーがアートに関わる方をゲストにお迎えして
トークを繰り広げるポッドキャスト番組です
本日は東京都美術館学芸員大橋夏子さんとトークをしていきたいと思います
♪~
というわけでご出演いただきましてどうもありがとうございます
よろしくお願いします
前の内覧会の時に出てくださいって気軽にお願いして
気軽に引き受けてくださったそうですけど
はい、気軽にぜひ私でよければっていう話だったんですけれども
その後この番組を聞かせていただいたら
なんと1時間かける2
(笑)
そして、ご補点というよりも後半
根掘り葉掘り割と
プライベートな部分もある
プライベートな学芸員のことをお伺いされるということで
ビクビクしながらお待ちしておりました
しかもよりによって最初に聞いたのが小野さんの会だったそうです
あれをやるのかと思わされたという
特殊会ですからね
練馬のね小野さんの会
楽しくやっていけたらなと思います
でもトークショーというかトークするのが6年ぶりですよね
そうですね、新印象派遣の時に一緒にトークをさせていただきました
そうなんです
いつも会うたびにこの話してるから
またこいつこの話してるよとお会いしたら思うと思うんですけど
もう謝ることしかできません
新印象派遣をトークでやる
盛り上げ用だったんですよね
ちょっといまひとつ伸び悩んでたかなんかで
ちょっと手こいでみたいな感じでトークショーが企画されて
下北沢のとある場所でトークするみたいな
で、なんかどうやって盛り上げようかっていう時に
じゃあ新印象派遣ってこう点々点々で点描だから
あの点っていくつあるんですかみたいな
なんかこう流れで聞いたら
研究者は誰も調べてないですそれみたいなことをおっしゃられて
じゃあ当日までに僕数えますわみたいな
体当てじゃないけど
大橋さんに公開想像の画像を送ってもらったんですよね
作品を
それはシニアックの
なるべく点がわかりやすくて細かい時期の方がいいのかなっていう
サンブリアックの海
ラ・ガルドン・ゲラン・ミサキ作品211という作品なんですけど
もう海と陸と空みたいなすぐシンプルな絵が来たんですよ
こういう絵がね
これをパソコンに取り込んで拡大しては
一個一個点を数えると
15時間半かけて数えたのよ
当日発表しますみたいな
これでも美術館にとってもすごい貴重なサンプルになるしと
そうですよね
当日いろんなとこやって
その最後のメイン企画ぐらいの感じで行ってて
大橋さんにいくつだと思います?って
03:02
軽く振っちゃったの俺がね
軽くですよ
芸人だから僕はもともと
もしそういう風に言われたら
想定よりも低めに見積もって言うんですよ
その方が盛り上がるからね
例えば5万と思ってたら2万って言っとけば
5万って盛り上がる
その流れで大橋さんに聞いたら
10万ですか?って言われたら
答えが7万2千3百5十だったの
全然盛り上がらない
あんなに15時間半かけて数えたのに
ほんと申し訳ない
10万に比べたらね
冷静に考えてほしいけど
15時間半かけて7万2千3百5十数えるって相当だよ
申し訳ない
新人でしたのでお許しいただける
あれ以来学芸人さんは芸人じゃないってことを
ちゃんと実感したの
でもすごいトークも盛り上げてくださって
それ以来ですもんね
その後前の2016年でしたっけ
ボストン展の時に
あんみつ屋さんでの何か
上野のみはしで
対談みたいな
美術館の広報室の取材を
トニーさんに受けていただいて
その時にお話をさせていただきましたよね
すごいですよね
場所わざわざあんみつ食べながらやったんですよね
なんでかよくわからないけど
ここでやればいいものを
上野をご紹介しつつ
みたいな感じ
それもありましたもんね
それ以来ということで
そして今今回来ている
僕ら今収録東京都美術館ですけども
大川さん何年目になるんですか
2011年の4月から
こちらに来ましたので
まる10年ですね
11年の時はまだここがリニューアル準備期間でしたので
ここじゃなくて入屋の方の準備室に
勤め始めたんですけれど
110年になりました
リニューアルして以来ずっといる状態ですよね
気づけば
僕はもう何度も来てますし
多分110年だか何だか
90周年の時にコメントも
公式ホームページに寄せたりとか
ありがとうございます
僕が人生で最初に来た美術館が
お父さんが日本画会社さんで
公募店でここに来てたの
子供の時にも来てますし
1回の収録の時に
相方と初めて来た美術館も東京都美術館で
そうおっしゃってましたよね
僕は東京都美術館にすごい縁があるんですけども
多分聞いてる人は東京都美術館
何それとも言わないですけど
東京都美術館のコウホーさんがおっしゃってたんだけど
東京都美術館ってみんな来てるのに
印象に残ってない美術館じゃないかみたいな話してたんですよ
大型展を見に来るので
展覧会見に来て帰っちゃうから
全体を意外と覚えがない
06:03
印象残りづらい美術館みたいなことを言ってたのが
すごくそうなんだって思ったんですけど
確かに名前の通り東京都にある美術館で
東京都の上野公園の中にある
日本で初めて誕生した公立の美術館になります
今年で1926年に開館ですから
95年
あと5年で100周年を迎えます
それまでは美術館がなかったってことですか?
そうですよね 博物館はあったんですけれども
アートミュージアムっていう意味ではなかったので
初めての美術館になります
その時はまだ東京府美術館
そうですね 東京都ではなくて東京府の時代ですので
東京府美術館として開館をしました
建物も今のとは違いますよね?
今のここの建物の隣にちょっと空き地があるんですけれども
あそこにギリシャ神殿風の建物が建っていました
それが今移転した場所として
1975年に今の建物ができてるんですけれども
その時に空白期間ができないように
隣の建物を残したまま
こっちの建物を建てたんですね
しかも東京都美術館って
都のお金だけじゃなくて
民間の力もあるんですよね?
そうですね まさに都というよりも
当時の府というよりも
1926年の時に佐藤慶太郎さんという
九州の石炭省の方が100万円を寄付してくださって
できた美術館です
これ今の金額でいうとどれくらいなんですか?
今の金額でいうと40億円相当になると言われています
ポケットマネーで美術館を作っていいよみたいなことですよね?
その頃に新聞とかでも
欧米には美術館というものがあって
そういう文化的なものが人々の生活の根本にあって
潤している
日本にもそういうものが必要なんじゃないか
っていう風潮があったんですね
その佐藤慶太郎さんがその新聞記事を読んで
じゃあ自分がお金を出そうというので
その慶太郎さんの全財産の半分にあたる100万円を
ポンと寄付してくださった
これはすごいですね
地元にっていうパターンもあったわけじゃないですか
九州じゃなくわざわざ東京に行くのはえらいですよね
ここに首都になるんですかね
東京に作ろうっていう風に考えてくださったので
ここに今もあります
しかもちゃんとあれなんですね
佐藤慶太郎アートラウンジでしたっけ?
そうですね
佐藤慶太郎記念アートラウンジというものが
09:00
東海の1階に今あります
あるんですけど
大体みんな美術館来たら地下に降りて
そのまま特別展示室見て帰っちゃうんで
佐藤慶太郎に触れることなく買える
そうなんですよね
以前は全然表にも出て
申し訳ないことに出ていなかったんですけれど
その2012年にリニューアルをした時に
佐藤慶太郎記念ラウンジというものを作って
今銅像もありますし
検証した映像もそこでご覧いただくことができます
当時の模型もありますもんね
建築模型があったり
美術展のチラシもいっぱいあったりするんで
安物にすごくいい場所なんですけどね
意外とみんな知らないかなという感じですよね
そうですね
他の美術館の展覧会の情報とかも得られるので
ぜひお立ち寄りいただけたらと思います
あとはカフェで買ったメニューを
テイクアウトしてそこで飲むこともできる
ちょっと今コロナ禍で椅子はやってないんですけれど
安物は今できると
椅子があるかな
いい家具も入っていて
なんでこんなに詳しいんだろう
東京都美術館って
いろいろとお世話になってるからかな
ただあれですよね
東京都美術館ができました
今東京都美術館です
これ意外とみなさん知らない部分でいうと
コレクションたくさん持ってるイメージあるじゃないですか
美術館ですから
コレクションが多分十数点
36点の書の作品と屋外彫刻のみになります
そうなんですよね
コレクションが少ないというのは特徴ですよね
たぶんみなさんがふんわりしたイメージしか
持っていただけないのは
常設展示室がないということもあるかと思うんですけれど
もともとは20世紀の大体の部分は
現代美術館的な役割を果たしていたんですけれども
実は1995年に今の東京都現代美術館ができたんですけれども
その時に東京都美術館で収集して保管してきた作品は
全部基本的にはそちらに移管してるんですね
なのでここは展覧会を開催するスペースとして
基本的には残っています
そういうことですね
あと屋外の作品が10何点くらいあるんでしょうか
館内で見られるものも含めて12点
あるんだけど銀色の玉が印象が強すぎて
あれ1点の印象を持っているのか
みんな写真を撮るやつですか
パチンコ玉とも言われていますけれども
井上武吉さんの『My Sky Hall』という作品なんですけれど
写真を撮るとちょっといい感じに歪んで面白い部分でもあって
あの印象やっぱ強いですよね
そうですねあの領土なりにもいろんな作品があります
12:00
僕が子供の時に来た時の写真家なんかが
兄弟で写ってる写真があって
それが多分これの前で撮っているんですよね
井上武吉さんのまた別の作品なのかな
これは堀内さんの作品で
堀内雅一さんの『三本の直包帯B』という作品なんですけれど
なんかやっぱ子供の時にそっちを選んだっていう
自分のセンスを褒めたいですよ
銀の玉の方ではなく
ちょっと地味なとか言っちゃいけないけど
ちょっとアートテラーの片鱗があったのかなって思います
多分その写真はホームページに上げましょうか
ぜひぜひ
まあでもそういう意味でだからあれなんですね
でもそうそうちょっと前までは
ベディア主催の前回元三景新聞の藤本さんが出てくれて
ブロックバスター展みたいな話をしたんですけど
東京都美術館主催の展覧会もやるようになったんですよね
前からもあったと思うんですけど
より力を入れてる感じしますよね1年に1回
はい2012年にリニューアルオープンして以降
特に自主企画展にも力を入れていまして
毎年夏にギャラリーというスペースを使って
自主企画展を開催しています
今年は何をされていましたか
今年はウォールズ&ブリッジズ展というので
5人の作り手を紹介する展覧会をやっていました
この自主企画展が評判いいんですよね東京都美術館さん
ありがとうございます
すごい気合が入ってて切り口面白くて
今回のその5人も言い方悪いけどあんまりメジャーじゃない人っていうか
特に東京ではほとんど知られてない人を取り上げて
しかもその5人はあまり特徴、共通点はないんだけども
ただなんかこう自分の人生かけてずっと
制作打ち込んでるパターンの人なんか見つけてきて
っていう展覧会が結構口コミでも評判良くて
そういうのは大橋さん担当されたりするんですか
そっちの自主企画展の
そういうこともあります
私は2019年に茨康高校展「眼差しの淡い」という
現代作家さんを取り上げた企画展を担当してました
そうか、じゃあその辺りはまた後編で聞くとしまして
今回、大橋さんにわざわざ出ていただいたのは
今の展覧会の告知もかけて出ていただこうと思いました
今、今年の芸術の夏期大本命の展覧会じゃないですか
国庫展「響き合う魂」ヘレネとフィンセント開催されておりますが
この展覧会どんな展覧会なんですかって
今聞こうと思ったんですけど
ちょっと前にTBSラジオで熱く語ってきておいて
なんか知らん感じで聞くのも
どういう立ち位置で聞いたらいいんだろう
何も知らない
でもね、初の
どんな展覧会なんですか、これ
先日初のレギュラー番組でお話しされていた通りですけれども
あとは1週間でラジコ無くなってしまうので
15:01
これはちゃんと残りますので
ぜひ、ちょっと僕もまだ不勉強で知らないんで
どんな展覧会なんですか
まず、じゃあそうですよね
展覧会タイトルのヘレネ
フィンセントはフィンセント・ワンゴッホでわかるんですけど
ヘレネって誰なんですか?
そうですね、ヘレネというのは
ヘレネ・クレラーミラーという女性の名前になります
20世紀初頭にゴッホに魅了されて
ゴッホ作品を集め始めて
世界最大の個人収集家になった人物です
これはもう個人収集ではこの数以上で
90点ぐらいですか?
油彩画だけで言ったら
そうですね、油彩画で90点以上
版画塗装描画も入れると
版画塗装描画が約80点ですので
ゴッホ作品だけで約270点を収集しました
ゴッホ作品ってちなみに全体で
油彩だけに絞った時に何点ぐらいあるって考えられる?
全部合わせて2000点ぐらいになるんですけれど
10年しか活動してなかった中で2000点っていったら
まあ多い方ですよね
そうですね、油彩画でおよそ900点
塗装描画でおよそ1100点という形ですね
それだけ売れてないってことなんですね
しかも2000点が売れてないんで
すごい在庫抱えてる感じですよね
そうなんですね
在庫じゃない、どこに保管してたんですか?2000点
自分で持ってたものもありますし
親しい友人ですとかお世話になった方に
プレゼントしたものもありますけれども
大部分は弟のテオが持っていました
そういう人がいないと
よく弟が援助してたみたいな
画材とかその話は今までよく聞いて
ふむふむって思ってたけど
保管もしてこないと大変ですね確かに
自分の家パンパンになっちゃいますよね
そうですね
ただ今美術館で見るように
木枠につけて額に入ってるっていう状態ではないので
最悪くるくる丸めることもできてしまうので
比較的コンパクトにもできるかもしれません
ゴッホが生前1点だとか2点しか売れてないみたいな話の中で
ヘレーネさんはゴッホに惹かれたとですよね
きっかけみたいなのあるんですか?
そうですね
初回で1点ともよく言われるんですけれども
実際には数点おそらく売れていたことは分かっています
生前は発表の機会も限られていましたし
何より37歳で亡くなってしまいますので
なかなか高い評価を得るというのは難しいことでした
ヘレーネはゴッホが生きている間
多少時代は重なっているんですけれども
生きている間にはゴッホのことを全く知りません
ゴッホが亡くなって18年後ぐらいに
18:00
初めてゴッホ作品をヘレーネは購入するんですけれども
ゴッホの作品の高い精神性に魅了されたとよく書かれたりします
今のとおりヘレーネさんもオランダ人なのですか?
ヘレーネはドイツ生まれです
結婚してオランダが生活の拠点になります
別にオランダに住んでいるから
ゴッホとか単純な理由じゃなくてと思うんですね
そこも結構大きいんですよね
ヘレーネがゴッホに興味を持つのは
まずヘレーネは元々芸術に
全く関わりのない生活を送っていたんです
30代後半になって美術の世界に足を踏み入れるんです
娘さんがイタリア旅行に備えて
美術の鑑賞の講義を受けることになるんですけれど
その時の先生がヘンク・ブレマーという人物でした
娘から話を聞いてヘレーネもブレマーの講義に興味を持って
自分も通うようになるんですね
娘と一緒にですね
そこで美術の世界にのめり込んでいくんです
ブレマーは熱狂的なゴッホファンだったんです
その時点で
そこまでの話として
ブレマーはオランダで美術を教えているんですけれども
オランダでは比較的早く
ゴッホの没後すぐから
ゴッホの展覧会が開催されていくんです
開古展的なもの
それはなぜかというと
説明するとどんどん長くなっていくんですけど
全然大丈夫です
ゴッホの大部分の作品をテオが持っていました
弟のテオもゴッホが亡くなって半年後に亡くなってしまいます
そうするとその作品群は
テオの奥さんだったヨウ
それからまだ1歳だったフィンセント・ヴィレムという息子
その2人が相続するんです
ヨウのふるさとはオランダで
ヨウは夫も亡くなったのでオランダに帰ります
夫はまだフランスにもともといたけど
身分になっちゃって実家に戻る
そうすると彼女たちが相続した作品もオランダに移るんです
ヨウは自分の亡くなった夫が評価していた
ギリの兄のゴッホの作品をどうにか世に出して
ちゃんと評価してもらいたいと思うので
展覧会を開催するのに尽力したりするんです
そうするとオランダで展覧会が開催されて
その展覧会の1つをブレマーが見て熱狂的にゴッホファンになって
少ししてからその講義を受けたヘレーネがゴッホファンになっていく
じゃあゴッホ亡くなってからしばらくはフランスでは展覧会やってないんですね
いくつかはあるんですけれども
オランダほど大規模なものができる形ではないんですね
どっちかというとフランスでは雑誌に発表されたゴッホの手紙とか
21:03
そういったものを通してゴッホのことが知られていく
じわじわ知られていって
20世紀に入った頃から展覧会も活発に行われていくようになる
みたいな感じなんですけど
オランダにだからその当時としてはゴッホ最大のコレクションじゃないですか
予算が引き継いだ
それがオランダに行ったっていうのが結構ポイントなんです
そうですね
なのでオランダでのゴッホ評価っていうのは
フランスに先駆けてやっぱり広まっていくところがあります
そもそもこのヘレーネさんは
ちなみになんでこんなお金持ちなんですかっていうのは
旦那さんと結婚したからですか?
秘密業界っていうのは
そうですね
もともと夫のアントンが社長になった会社っていうのは
ヘレーネのお父さんが作った会社なんですけど
そうなんですか
そうなんです
お父さんがお父さんの会社の
お父さんがまだ生きてた時に
ビジネスパートナーだった人物の弟が
夫になるアントンなんです
結構ややこしい家庭で
まあ政略結婚とまではいかないですけど
そこの結びつきを強める意図もあったと思うんですけど
ヘレーネとアントンは結婚して
アントンはまたちゃんとやり手だったんですね
なるほど
事業を拡大して
莫大な富を作っていくんです
でもアントンは美術を興味持たなかったんですか?
多分本質的には興味は持ってないんじゃないかと思うんですけれど
ヘレーネが買い付けに行く時には一緒に行ったりですとか
ヘレーネにゴホの作品をプレゼントしたりとかしてもいるので
理解はあるんですね
そうですね
そういう経済的にも精神的にも
ちゃんとサポートをしてくれたからこそ
ヘレーネがこれだけのゴホ作品を集めることができたわけです
そしてしかもこれで美術館まで作っちゃうんですよね
ただただコレクションしただけじゃなくて
これがやっぱりヘレーネのすごいところで
自分のためだけであれば自分の家に飾って楽しめばいいわけですけれども
ヘレーネは集め始めて割と早い段階から
美術館を作りたいっていう夢をしっかりと持つので
集める作品にしても
初期から晩年までとか体型だって収集をしていきます
これ今さらなんですけど
女性コレクターってこの当時って珍しかったんですか?
そうでもないんですか?
珍しいですね
そうですか
さらに美術館まで作るとなるということですか?
そうですね
やっぱり今の日本だってちょっと動きにくいところがいっぱいある中で
20世紀初頭のヨーロッパでっていうと
やっぱりそんなに自由には動けなかったと思います
美術館はでももともとの計画からちょっとずつ変わっていったみたいな話は
24:00
ありましたよね?クレラー
そうですね
1911年にヘレーネは美術館を作りたいという夢を持ちます
実際クレラーミラー美術館となって開館するのが1938年に
27年後だいぶかかりますね
その間にやっぱり建てようとした土地も変わりましたし
建物も変わりました
土地が変わったのはもともともう少しハーグの近くに建てようと思ってた土地があったんですけれど
こういう時代ですのでどんどん近代化していくんですね
そうするとヘレーネはもっとやっぱり田舎で
自然の中で芸術を楽しんでほしいというふうに考えていたので
より田舎に変えていくんです
東京都美術館みたいな場所じゃないと思うんですね
この駅の都心のど真ん中じゃなくて
まだ一応緑が見える場所ですけどこんなところではなくて
行かれたことあります?クレラーミラー美術館って
そもそも海外行ってないですか?
どんなところにあるんですか?実際クレラー
田舎にあります
すごい広い国立公園
その国立公園ももともとはクレラーミラー夫妻の土地なんですけど
その中にあります
じゃあ都心から行くとなるとアクセスも悪いんですか?
悪いですね
アムステルダムから車で行けば1時間少しくらいかもしれないんですけど
公共交通機関で行こうと思うと
本数の少ない電車とバスを乗り継いで
日本でいうとポーラ美術館的な立ち位置っぽいか
そうですね
そんな感じかもしれないですね
山っていうよりは原アークとか
原ミュージアムアーク
あのくらいのイメージです
それはやっぱりヘレヌさんがそういうところの方が環境としていいと思ったってことなんですか?
そうですねその自然の中で芸術を楽しみたい楽しんでほしいっていう思いは強くあったみたいです
ちなみにコレクション何点くらいも?
その5本以外も足すと
5本以外も足すとどのくらいでしょうね
クレラーミラー夫妻が集めた作品自体は1万1000点くらいだったと思うんですけれど
その後も収集を続けていますので
もっと増えていっているんですね
増えていってますね
その1万何千点の中でやっぱり一番割合として占めているのは5本なんですか?
一人の作家でいえばやっぱり5本が多いと思います
お金は当然あったわけだから他の画家も集めようと思えば集められるのにやっぱり5本が推しだったんですね
そうですね他の画家の作品も当然集めてはいるんですけれども
やっぱりヘレーヌが情熱的に一番集めたのが5本作品でしたので
どちらかというと5本を軸にして
27:01
その前後の近代絵画の流れがわかるようなコレクションというのが手厚く揃っています
悲しい話だなと思うのは最終的に美術館を作ったら1年後に亡くなっちゃうんですよね
そうなんです初代館長になるんですけれども翌年亡くなってしまいます
亡くなった時に写真が残っているんですけれども
そのクレラーミラーの5本の展示室に質疑が暗示されているという写真があります
それは当然美術館を閉めた後ですよね
そうでしょうね
一般開館日じゃないってことですか
おそらくそうではないかと思いますけど
ちょっとびっくりしちゃいますよね
本当にお花とかも飾ってあってそこに質疑が
5本でも飾ってあるんですか
飾ってありますね
やっぱり5本に囲まれてだったんですね
なるほど
ちなみにアントンさんはどっちが長生きだった
アントンの方がもう少し長生きします
この前個人的に聞いたのが
その後2代目館長娘さんとかがやったんですかって気になったら
全然違う人でしたよね
サムが
サム
謎の男サム
サム・デフェンテルという人物が2代目館長になりました
展覧会ではあまり今回触れてはいないんですけれども
サムっていうのが
何者なんですかサムは
長女と同じ学校に通っていた男性なんですけれど
ヘレーネと親しい友人になりまして
本当に生涯にわたって大親友
でも年としては子どもの友達だから
子どもと同じ世代の人と大親友
サムは当然男ですよね
そうです
なんでサムが引き継いだんだって話になっちゃいますよね
ここだけ聞くと
だって子どもが2代目館長になるのも
サムが友達すぎだったのよ
仲が良すぎて
仲は良すぎてですね
3000通以上手紙も残っているんですけれども
ヘレーネとサムが
恋愛的な要素はないです
プラトニックだったというふうに聞いていますけれど
サムの方はヘレーネに愛の告白をしたとか
という話もあるんですけれど
ヘレーネはもちろん夫のアントもいますし
子どもも4人いますし
親しい友人であり続けたというふうになっています
子どもも4人いるんですけれど
そういうこともあって
長女は特に
やっぱり2人の関係を非常に怪しんでいて
もともと友達だったはずですけどね
そうですね
母親との関係はあまり良くないですし
他の子どもたちも
ヘレーネが期待したような感じにはどうも育たなかった
30:04
ヘレーネ側から考えるとなっていたので
自分がのめり込んでいた美術の話をできる
友人としては
たぶん子どもたちとはそういう話があまりできなくて
サムだったんでしょうね
気になるなサム
サムめちゃくちゃ気になる
やっぱりそういう人生って
皆さん興味をお持ちになっていて
展示室の最初も
ヘレーネが美術の世界にのめり込んだきっかけとなった
ブレマーの肖像画を
ヘレーネの隣に飾っているんですけれども
それは同じフローリス・フェリステルという
画家が描いた肖像画ですし
今回はコレクションの話なので
2人を並べて展示しているんですけれど
ブレマーとヘレーネはどういう関係だったんですか
というふうに聞かれることもあります
結成はですね
僕も含め気になっちゃうんですね
ヘレーネの先生でした
としか言いようがないということですね
ヘレーネはこういう人ではなかった
本当に美術が好きで
そうだと思います
今回特に展覧会準備していく中で
ヘレーネさんを調べる機会が多いわけじゃないですか
大橋さんも共感というか
憧れたりするんですかヘレーネさんに
憧れるというか
すごい人だなとは素直には思いますね
ブレマーという専門の方がアドバイザーにいるにしても
それまで美術のことを全然知らない世界で過ごしてきた人が
ここまで作品を集めて美術館を作ろうという
すごく強い意志がないとここまでできなかったことなので
すごい意志の強い情熱的な方だったんだろうなと思いますね
これこそラジオでも質問されて僕は答えに詰まったというか
こういう展覧会って誰が考えてるんですかみたいな質問があったんですよ
多分学芸員さんと
そういうメディアの方が考えてるんじゃないですかって言ったんですけど
今回この展覧会をやるにあたって
どういう大橋さんがヘレーネを軸にいきましょうみたいな感じで決めてたもんなんですか
展覧会によって成り立ちは様々なんですけれど
今回の展覧会はシラルファン・ヒューフテンという
語法研究の第一人者のような方がいらっしゃって
その方が監修者に入っています
基本的にはシラルさんが構成を組み立ててくださったものを
やりとりを重ねてこういう形にしたという展覧会になります
何とかヘレーネさん軸だなってのがあったんですか
クレラーミラー美術館のコレクションを主にした語法展をやるという形が
33:05
多分最初に決まっていましたので
その時にどこを軸にするかというところで
英語のタイトルはコレクティング・ファン・語法というふうにつけてるんですけど
収集するということに焦点を当てていく展覧会にしましょうというのはありましたね
前も語法展やられた時語法と語言で友情のテーマがあったじゃないですか
これは別にすごく素人っぽい話事を聞くと
一般の人って別に語法は見に行きたくて来てる部分もあるじゃないですか
クレラーミラーから語法が60点来ましたよ
それでも多分満足すると思うんですよ一般の人は多分
でもここに何か味付けをするのはこだわりとかはあるんですか
こだわりはありますね
一般のお客様をなめちゃいけないと思っているんですけれど
特に語法展の場合はこれまでも繰り返し繰り返し開催されてきていますので
やっぱり新しい切り口とか見せ方っていうのは常に考えてます
というのも見る人も年齢が上がったり環境が変わったりして
同じ作品を見ても受け取り方って変わるとは思うんですけれども
見る人だけに任せるのではなくてこちら側としても
やっぱり見ていく文脈と言いますかストーリーですとか
どういう作品が隣にあるかとかどういう作品の後に見るかとか
それによってもやっぱり見え方って結構変わってくると思いますので
できるだけ新しい体験をご提供できるようにとは思っています
この中でラジオで話したけどほぼ毎年のように語法展ってやってるじゃないですか
それは結構珍しいですよね
他の画家では意外とピカソ展ですら毎年やってないじゃないですか
どうしてこんなに語法展をやってるなと思います?
人気があるので見込みやすいので
マスコミの方も当然やりましょうって言いやすいところですし
あとは語法と語言展をやった時に
語法よりも語言の方が大変だったんです
大変というのは?
語法は世界で一番語法作品を持っている
語法美術館がアムステルダムにあって
第二にクレラーミラー美術館があります
正直この二つの美術館が協力してくだされば語法展ってできちゃうんですよね
でも語言ってポール語言美術館みたいなものはないんですよ
そうすると世界各地にある語言の素晴らしい作品を
書き集めてこないと実現することが難しいんですよね
36:03
っていう事情も多少はあるかなと思います
でもそういう意味で言うと語法は毎年やってるからこそ
いろんな切り口も考えなきゃいけないしってのはありますよね
そうですね もちろん新しいお客様も必ずいらっしゃるんですけれど
いつか飽きられるんじゃないかっていう不安も感じつつ
でも語法の作品はいいものなのでとは思いますけど
語言 ちょっと話戻っちゃうんですけど
最近語言のこと 語言ってみんな語言表記が普通になってきたじゃないですか
それこそ僕もブログが一応チェック出るので
語言で書くと語言で赤字で書いてくるのが増えてきたんですけど
展覧会は多分20何年でしたっけ 語法と語言展
2016年か
ここまでは語言だった気がするんですよ
ここから語言がどうしてですかっていう
どちらも別に間違いではないです
その展覧会の中で同一が取れてればいいと思ってます
発音としても語言語言の間であったり
フランスでも場所によって発音が違ったりもするので
正直どちらでもいいと思ってはいるんですけれど
個人的には今語言派で
そうですよね 変わってきましたよね
語言研究者が語言がいいって言ってるっていうこともあるんですけれど
それもありますし 本当は語法と語言展の時も語言にしたかったんですけれど
やっぱり記者さんたちとか新聞社さんたちが使ってる
共通のハンドブックみたいな表記で語言って書いてあったり
新聞表記は語言ですって言われることが多くて
さすがにタイトルに使うなら語言しましょうかっていうので
諦めました
でも本当に早く定着してほしいんですよ
僕が語言って言うと語言ですよって指摘されたりするんですよ
こっちは合わせに言ってるのに
だから本当にみんなで一律で
今日から買いましたみたいなニュースを流してほしいんですよ
表記揺れ 特に語言は
カタカナにするのでも難しいんですよね
だから本当はどっちでもいいですし
今回で言えば特にオランダ語の地名とか人名は
本当にやめてほしい
しかも語法もファン語法に表記が増えてきましたよね
前までは語法だけだったのが
なんか本付けがちじゃないですか
そうですねやっぱり
名字としてはファン語法なので
そこが外れるっていうのはすごくおかしなことなんですね
なので図録とか書き言葉では
基本的に展覧会から発信するものは
ファン語法に統一をしてるんですけれど
39:02
とはいえ展覧会名とかはもう官用表記で語法でいいだろう
だってあれでしょうね英語だったら
番号じゃ伝わらないって言いますよね
語法じゃ伝わらないんですよね
そうなんです
オランダ本家は番号具なんです
番号具まで言うか
ちょっとオランダ語の発音は分からないですけど
少なくともファン語法ではない
へー
この展覧会の人気商品の語法だけカタカナで書いてあるTシャツは
海外の人から見ると
海外の人が日本語Tシャツ
何の日本語使ってるの?みたいなのあるじゃないですか
あれと同じように何が語法?みたいなことなんですか
恥ずかしいですね
そこまで親しみを持ってもらえるならもういいのかなって
でも本当にブームが下火にならなくないですか
語法展があれなんか思ったより今回入らなかったなってことが
たぶんここ最近の語法展見ててもそんなにない気がしますよね
語法はやっぱり強いですね
語法の魅力はなんだと思いますか?
これこの前TBSラジオで最後急にぶっこまれて
なんて答えたんですか?
全力投球してるとこじゃないですかみたいな
そうでした
あれはもうどうみそくるかい
台本にないものが来たから
えー?みたいなこんなところで
本質をつくような質問が来るのかなみたいな感じだったんで
これは聞いておこうかな
あーでも難しいですね
やっぱり展覧会をやってる以上は
見る人がそれぞれ好きなところを見つけてくださればいいとは思いますけれども
やっぱり個人的には本当に作品が強いなとは思います
特に実物を見た時のパワーがすごく強いので
たぶん画像も世の中にあふれてはいるんですけれども
展覧会を開催したら実物を見たくなるっていう気をすごく起こさせる作品だなとは思いますね
他の画家よりもってことですね
その部分は
あとはやっぱりその作品だけではなくて
モホの耳切り事件であったり
37歳で自殺をしたとか
そういう人生の部分がフィクションの部分も含めて
かなり多くの人に広まっているので
見たいっていう風に思わせる要素もあるのかなと思いますけど
モホのエピソードで
モホの耳切りだとかいろいろあるじゃないですか
大橋さんだけが知っているとっておきエピソード的なのがあるんですよ
へー
とっておきエピソードそんな
世の中的にはモホって精神的に大変狂気の画家みたいになってるけど
意外とモホの優しい一面とかわからないですけど
42:00
意外な面がわかる
でも狂気っていうよりは
今回の展覧会でも初期の素描と刃が20点展示してますけど
本当に勉強熱心で真面目だなと思います
晩年の作品がすごく知られているので
うわーって描いたような厚塗りの作品が知られているので
1日で描いたとか勢いで描いたみたいなイメージが結構強いかなと思うんですけど
というよりも結構もちろん1日で描いた作品とかもあるんですけど
それもやっぱりそれまでの下積みがあった上で描けるようになったもので
本当なんかパリに行けば印象派とか新印象派の表現を
すごく学んで自分のものにしてそういう作品を描いたりとか
すごく勉強熱心で真面目で地道な努力を積んでるんだなっていうのを今回実感はしましたね
基本的には独学になるんですか?
そうですね ほぼ独学ですね
一応学校に登録してた期間もあるんですけれども
そんなに長くはないですし
最初の登録は実際に授業に行ったかどうかもわからない
あとは知り合いの画家とかに教えてもらったりということはありましたけど
いわゆる師匠的な感じではないんですね
手取りや足取りを教えてもらったというよりは
そうですね 本から学んだことが多いですし
アントン・マウフェっていうギリのいとこにあったる画家が
ハーグ派の画家がいるんですけど
彼からはかなり画家になる最初の時点で
いろんな大事なことを教えてもらっています
画材一式プレゼントしてもらったり
もちろん技法的なこともそうなんですけれど
それだけじゃなくてプロの画家とはみたいな
アトリエの広さとか
そういうことも教えてもらったりしてたみたいですね
でもそうですね 素描の話で出ましたけど
結構一般の人って
別にバカじゃなくても何もないですけど
やっぱり油彩画の方が大事みたいな感じがあって
素描って結構足早に見がちじゃないですか
今回結構素描見どころですよね
そうですね
素描ってやっぱり油彩画よりも紙ですし
鉛筆とか弱い素材で描かれているので
展示できる期間も限られていますので
実際クレラーミュラー美術館に行っても
あんなに素描を見ることはできないんですよ
本場でもってことですね
はい なのでぜひ見ていただきたいポイントでもあります
5歩だと思えないですね
いい意味でというか
こんなに真面目に描いている
実直な感じというか
そうですね
正直20点は多すぎたかなとか思ってたんですけど
結構皆さん熱心にご覧になって
あそこが見られてよかったという感想をいただけて
逆に5点とか6点だったら
45:01
いつものように素描をねて多分
素通りしてたのかもしれないですけど
結構やっぱ20点どんと
ワンフロアみたいな感じ使っていると
じっくり見ようって気になった感じはありますよね
結構広めにスペースを取りましたから
おまけじゃなくて
これもメインなんだよっていうのが伝わるぐらいの
広さを結構取りました
ちなみにその中での素描の中も含めてもいいですけど
特にこの作品見てほしいっていうのはありますか
大橋さん的に
どれも見どころだと思うんですけど
どれも見どころですけれど
そうですね
特にヘレーネが集めたものではないんですけれど
ファンゴコービジュス館から来ている
黄色い家はぜひ見ていただきたいというのは
そうですね
黄色と青の色彩っていうのも
どうしても画像では伝わりきれない
すごい様々な色の黄色の重なり方ですとか
あと一般の方には関係ないですけど
2016年にゴホとゴーギャン展という展覧会を
させていただいた時に
ゴホとゴーギャンをテーマにしたわけですよ
黄色い家っていうのは
南フランスのアルルで
ゴホとゴーギャンがまさに2ヶ月の共同生活を送った場なんですね
あの時に貸してほしかったんですよ
本当のこと
その時は来てなかった絵だったんですか
そうなんです
大事な絵ですよね
ゴホとゴーギャン展にとっては
あの時に出したかった
リベンジなんですね
その時も一応出展以来はしてたんですか
はい でもちょっと難しいということで
すごくその2人にとっては大事な絵だったんですけれども
残念ながらその時に展示することができなくてですね
ゴホとゴーギャンの黄色い部屋の寝室の絵もあるじゃないですか
今回は外観の絵ですけど
そのゴホとゴーギャンが住んだ黄色い絵の絵ってのはどれくらいあるんですか
黄色い絵を描いた油彩はもうこれしかないですね
その外観はそれしかないんですか
油彩画はもうこれしかないです
じゃあ相当貴重ですね そう考えると
はい まだゴーギャンが一緒に住む前なんですけど
これ描いたのが9月で翌月にゴーギャンがやってくるんですけど
これ外観見ると結構広いじゃないですか
これ全部が住んでたんですか2人
いやいや 一番手前の黄色い絵のブロックの右側の部分だけです
じゃあ他にも黄色い絵に住んでた他の人もいたんですね
そうですね こっちの棟には誰か住んでたんだと思いますね
じゃあイメージ勝手にシェアハウス的な
すごい広いところに2人住んでるイメージだったけど
結構狭いところに2人住んでたんですね
そうです 全然奥行きもそれほどなくてですね
1階に1部屋アトリエがあって
48:00
こっちがゴッホの寝室 こっちがゴーギャンの寝室
っていうだけのシンプルな部屋なんです
でももともと何人も声かけしたじゃないですか
そうなんです 12客一層買って
たくさんの芸術家たちがここに来て
共同生活を送ることを夢見て
よく聞いたんですけど それはその狭いところに12人住ませるつもりだったんですか?
なかなか厳しいですね
とらくないわって思いました これ見て
単純に人望がないだけかなと思ったけど
いやいやいや三つ盛り甘すぎないですか?
そこに12人住ませたら
来たらちょっと引っ越したかもしれないですけどね
あとね 呼んでる先の人はまさか知らないでしょうしね
その部屋の大きさとかは
ありますよね ここにみたいなことですよね
他に例えばヘレーネさんがコレクションした中での
おすすめ作品はありますか?
一都杉はもういろんなところで言ってますからね
一都杉以外がいいんじゃないですか?
ヘレーネさんのエピソードで言えばやっぱり
この「悲しむ老人」っていう作品は
その夫アントンが結婚25周年の日に
その結婚記念日にヘレーネにプレゼントした作品なんです
すごいエピソードとしてはすごいいいですけど
とんでもない映画
25周年のお祝いでこれ
嬉しさとあれが色とこうどうすかね
天秤としてなんか
じいさんが苦しんでるというか
悲しんで両手を顔に寄せて
うずくまるような感じで
アントンとしてはもうこれ以上買ってくれるの?
これが最後にしてくれみたいな
アントンの気持ちがそこにもしかしたら入ってるかもしれない
これともう一点ファンタンラトゥールの
描いた女性の肖像画を一緒に
2点プレゼントしたんですけれど
結婚記念日にこの堂々たる
綺麗な格好をした女性の肖像画と
悲しむ老人と
どういう意味?
アントンのユーモアも当然ありますし
この悲しむ老人だけ見るとあれなんですけれど
ヘレネはもともとこの半顔を持っていたんですね
元となった
その半顔ヘレネはとても気に入ってたんです
っていう話があった上で
アントンは油彩画をプレゼントしてあげる
よかったよかった
アントンのプレゼントセンスえぐいなと思いました
それだけ見たと
そのエピソードがあってもやっぱり
考えるところはありますね
そういうの聞くと
でも本当に夫婦仲良かったんですね
そうやって聞くと
そうですね
サムとかいろいろありますけれども
サムは後任だったって言ってましたね
アントンもしてたって言ってましたもんね
51:01
3人で一緒に出かけてる
さっきの写真とかもありますので
仲良かった
サムはアントンの会社に勤め始めたんです最初
ややこしい
いろんなことが近場でするのに一族ですよね
これはちょっと長くなっちゃいますけど
もともとサムはアントンがたまたまいないときに
訪ねてきてヘレネと会う
で仕事を探してるってことで
ミラー社に就職させてあげたりとか
そんなこともあって
自分らしい一族ですねそう考えると
まだまだいろんな話が来てますけど
そろそろ時間がやってきたってことですね
この展覧会は12月12日まで
東京都美術館で開催されています
予約制なんですよね
日時指定予約制になりますので
オンラインで事前にご予約いただければ
間違いなく入れます
21日後まで開かれるということですよね
今画面を見てもし全部売り切れていても
明日になれば1日増えますので
諦めずに見ていただければと思います
ぜひぜひ
この展覧会は福岡市美術館
名古屋市美術館にそれぞれ巡回するということですね
展示品は変わっちゃうんですか?
変わりません
全く同じラインナップで巡回します
でも展示構成とか変わったりするんですか?
それは変わらない?
展示する順番は会場によって少し変わると思います
興味ある方はぜひ
これは福岡市美術館や名古屋市美術館は
それぞれの学芸員さんが少し構成を変えるということですか?
会場の作りや大きさもそれぞれ違いますので
変わりますね
それぞれの学芸員さんが担当されて
ちなみに今回展覧会は限らずですけど
自分がやった展覧会から巡回先に行って
こう来るのね、みたいな思うことってあるんですか?
こう来るのねってまだいい意味で
思い方とか逆もあると思うんですけど
そうですね、なるべく見に行くようにはしていて
説明が来てもキャプションの方では変わらないんですか?
そうですね、同じです
そういうのも含めて
ぜひ東京のバージョンをまずは見に来ていただきたいなと思います
[音楽]
はい、ということで次回はですね
大橋さんのご経歴を交えつつ
さらに美術についての話を続けていきたいと思います
[音楽]
54:12
[音楽]
54:21

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