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2024-06-08 51:38

#109 「翻訳できない わたしの言葉」展について 前編(東京都現代美術館 八巻香澄)

東京都現代美術館 八巻香澄さんをゲストに「翻訳できない わたしの言葉」展ついてお聞きしました。 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://sorosoro-art.vercel.app/ep/109  番組の感想は、⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠#そろそろ美術の話を⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ でお願いいたします。

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Guest Profile

八巻香澄(やまき かすみ)

  • 1978年福島県生まれ。東京都庭園美術館にて展覧会企画と教育普及プログラムに従事。ラーニングのためのスペース「ウェルカムルーム」や「さわる小さな庭園美術館」、小さなこどものためのプログラム「あーととあそぶにわ」、障害のある人との協働プログラムなどを企画。
  • 2018年より東京都現代美術館に勤務。主な展覧会に、「装飾は流転する」(2017、東京都庭園美術館)、「MOTサテライト2019 ひろがる地図」(2019、東京都現代美術館)、「あ、共感とかじゃなくて。」(2023、東京都現代美術館)など。
  • 2020年から2022年までオランダ在住


Show Notes 美術館について

「翻訳できない わたしの言葉」展について

ダイアレクトについて

サマリー

「翻訳できない 私の言葉」展は、言葉の違いによる不平等さをテーマにした展覧会です。オランダでの経験や英語への劣等感、植民地主義について考えながら展示が行われています。展覧会では、テーマに基づいて活動している5人の作家さんが紹介されています。彼らは日本人の作家でありながら、世界中で起こっている美術の動きについても感じることができるのが特徴です。八巻香澄さんによる日本語が話せない子供たちの映像作品などが展示されています。八巻さんは、子供たちと目を合わせることを通じて、コミュニケーションを取る時間を作りたいと語っています。東京都現代美術館で開催されている「翻訳できない わたしの言葉」展では、展示物としての映像作品のクオリティや多様性、そして共同作業としてのボードゲームのプログラムについて語られています。展覧会では、ゲームやワークショップなどさまざまなイベントが行われています。

翻訳できない私の言葉
アートテラー・とにがそろそろ美術の話を。この番組は、私アートテラー・とにが アートに関わる方をゲストにお迎えして トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
本日は、東京都現代美術館 八巻香澄さんをゲストに トークをしていきたいと思います。
八巻さん、再びの出演ということで、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。お邪魔します。
前回から1年も経ってないですもんね。
あれは、去年の夏だね。
新しい展覧会が始まって、オープニングの時に言っていただいたのが、
ポッドキャストの反響が意外とありましたみたいな。
そうそう。めっきり私、ボードゲームの人になっちゃって。
この番組のせいで。
ボードゲームの言葉が振られるんですね。
そうですね、割り返しね。
どういう感じなんですか? 私もやってますよ、的な感じですか?
そういうことじゃなくて、とにさんが聞いたんだけど、 ゲーム好きなんだって。
私、展覧会の告知したはずなのになぁ。
確かに、そう言われると2時間中、そんなにボードゲームの話ばっかりしてなかったですよね。
うん、と思うけどね。
その印象が強すぎたんですね。
いいです、いいです。
でも、今回も最後の方にボードゲームのコーナーがあると。
今回はゲームのコーナー。
じゃあ、やっぱりボードゲームの人じゃないですか。
前回の展覧会も反響が本当に大きくて、
そのポッドキャストも反響が大きくて。
そしたら半年も経たないで、また新しい展覧会が始まってたんで。
そうなんですよ。
あの時にはもう決まってたんですか?
やるよっていうことは決まってたんですけど、
やっぱり展覧会をやってる時って関連イベントとかもいっぱいあるし、
私、割り返し展示室にいるじゃないですか。
いますね、確かに。
あんまり事務作業が進まないので、準備できてなかったですね。
共感展が終わってから、わーって作った展覧会で。
この番組では第90回、91回目に取り上げているわけですけど、
共感とかじゃなくて展が終わったのが大体何月くらい?
11月ですね。
11月に終わって、今のこれからいっぱいお話いただきますけど、
この展覧会が始まるのが4月ですもんね。
半年もない。
そうなんです。作家にすごい迷惑をかけたし、
その間に手術2回しちゃったからね。
ちょっと軽く聞きましたけど。
軽くみんなにめっちゃ言ってるんですけど、
まず盲腸に粘着になって、次に乳がんになって。
そうそう、フェイスブックで知りましたけど。
そうなんですよ。
軽く言ってますけど。
一つ目の盲腸は軽くていいですけど、今は大丈夫なんです。
本当はちょっと放射線治療に戻しつつ。
その中でこの準備をしてたんです。
悪いことじゃないけど、全然。
でも聞いてる人に勇気を与える。
そうなんです。病があっても明るく生きていこう。
仕事はそこそこで元気に生きていこうっていうメッセージを出したいなということで、
あえて割と言ってる。
なるほど、なるほど。
そうですよね。
逆オファーじゃないですけど、
山木さんからしかもこの番組出たいみたいな感じで言っていただけましたしね。
話をいっぱいしたいっていう。
なかなかそういう方はあんまりいないのでありがたい。
ウェルカムでございます。
今日もたっぷり話をしていただきたいと思うんですが。
さあ、ということでその展覧会。
なんていう展覧会でしょうか。
翻訳できない私の言葉というタイトルの展覧会です。
山木さんから次の展覧会聞いてなかったんですけども、
ラインナップでこの翻訳できない私の言葉っていうフレーズを聞いた時点で、
山木さんだなってすぐわかりました。
みんなにめっちゃバレてるの。
これ共感点の人だよねみたいにバレてるの。
すいませんね。
このタイトルはどういう思いとか、どういう展覧会なのかというのをぜひぜひ言いましょう。
タイトルは翻訳できない世界の言葉っていうめちゃくちゃ売れてた絵本があるんですけど、
それは丸パクリしました。
あの絵本すごい素敵な絵本で、
世界中に言葉ってたくさんあるけれども、
文化によって感じ取れることとか、感覚、考え方ってすごい違うじゃないですか。
それが言葉に表れてるよねっていうことを紹介してる絵本で、
例えば日本語だとコモレビとかが紹介されてて、
コモレビって他の文化圏にないんだよ単語としては。
英語にできない?英語とかフランス語とかにもなんないですか?
なんてない。
まあ説明しようと思えばできるんだろうけど、一言であの漢字をふわっと理解できるっていうのは、
言葉があるからだよねみたいなことを知れる、すごい素敵な絵本なんだ。
それ以外に例えば英語圏だったらこの言葉とか、他のフランス語圏だったらこうだってあるんですか?
それはそれですごい素敵なんだけど、
もうこの展覧会は世界の言葉じゃなくて私の言葉にしてるっていうのは、
言葉のその素敵な漢字はさておき、
何語を喋るかとか誰に向かってどういうふうに喋るかっていうことが生んでしまう不平等だったり、
レイチェルの話
なんかそういうことをちょっとみんな思い知ろうじゃないかっていう。
それはだから日本語の圏と英語圏の人が言葉で通じないはわかるけど、
日本語圏なら日本語圏の中でってことですか?
例えば英語と日本語ここが違うよねっていうのを知るのすごく楽しいことなんだけど、
例えば海外に行った時に日本語しか喋れないとそこそこ不利益あるわけじゃないですか。
なんで?とか、あともっと少数言語で喋ってる人はもっと不利益があるわけじゃないですか。
で、なんかこう紅葉語は英語とかフランス語にさせられてみたいな旧植民地エリアとかね、
なんで?みたいなことをちょっとちゃんと考えたいなっていう、
ガチ目の社会派な展覧会なんですよ。
でもこれをやろうと思ったきっかけはなんかあった?何かを見て、
ちょっとこれはまずいなじゃないけど、今声を上げなきゃみたいな。
やっぱりオランダに暮らしてたから、前回に引き続き、すいませんけど、
オランダに暮らしていて、なんか言葉についていろいろ考える機会がたくさんあったんですよね。
それ列挙するとめちゃくちゃ長くなるんですけど、レイチェルの話だけしていいですか?
全然いいですよ。
レイチェルの話は僕は何だか知らないから、何でもいいですよ。
レイチェルの話はなしですとか言いづらいし、よくわからないし。
レイチェルが誰なの?
レイチェルはいいおばちゃんなんですよ。イギリス人のおばちゃんなんですけども、
私オランダに暮らしてたときに、子どもたちに英語の絵本を読んだり、
英語の歌を、手遊び歌とかを教えるみたいなボランティアをしてたんですよね。
レイチェルはそれの元締めをしているイギリス人の気のいいおばちゃんなんです。
あっちはイギリス人なわけですね。ベラベラベラベラ喋るじゃないですか。
自分の国の言葉ですからね。
私も頑張って英語を喋る。子どもに向けてわかりやすいように頑張ってるんだけど、
そんなにはネイティブみたいに喋れないわけじゃないですか。
そこで私、日本人なので謙遜の心がございますので、
レイチェルに言ったんです。
私、あなたみたいに上手に英語を喋れなくてごめんね。日本人だから。って言った。
日本人だったら、そんなことないよ、カスミって言うじゃないですか。
普通の中では絶対言います。
そう来ると思ったの。違うのよ。
そこでレイチェルが言ってくれたことが、すごく私の中の言葉感をぐわらっと変えたんだけど、
いいの。間違ってても、日本語なまりでも、変な発音でもいいの。
その変な英語を子どもたちが聞くことが意味があるからって言った。
レイチェル、変なとは言わなかったよ。
でも、どんなにストロングアクセントでも、どんなに文法的にブロークンでも、
いろんな国のいろんな文化圏の人が英語でこういうふうに話すっていうことを知っていないと、
それを聞いている子どもたちも、世界中の人たちとお話ができないから、
だから、あなたの日本語が基盤にあるところから出てくる英語でしゃべってくれていいのよって言ったんです。
いい人でした、レイチェルが。
レイチェルいい人だった。
言語の不均衡と不公平
途中までレイチェルは悪い人なのかなと思って聞いたけど、いい人だった。
レイチェルのその話は、結構目から鱗で、
英語をちゃんと文法的に正しくとか、かっこいい発音でしゃべらなきゃいけないのかしらっていうものに
いかに自分がとらわれていたかというところが目から鱗で、
その話を聞いてからすごい苦手意識がなくなったんですよ。
すごい気楽に間違えたまましゃべれるようになった。
それはそれでもよくないかもしれないんだけど、すごく気楽になったし、
私、英語が一言もしゃべれない子供を連れて行って、向こうでインターナショナルスクールにぶち込んだわけですよ。
自分のお子さんのお手本ですね。
小学校3年生だったんですけども、
わかんないけど英語をしゃべれるようになってくれたんですけども、
最初に彼女の発音とかすごい直しちゃったの、私。
それカタカナっぽいから違う、本当はね、みたいな。
THっていうのはね、下を張りはたんでね、みたいなことを教えちゃってたんだけど、
あれ、やらなきゃよかったな、みたいな。
そうか、自分なりに覚えてた方でいいってことか。
なんかそれってよかったんだろうな、みたいな反省も。
それが要するに今回言うと、私の言葉ってことです。
自分の?
英語に対する劣等感みたいなものがちょっと払拭された。
でもなんで英語に劣等感を持たなあかんのっていうのはやっぱりすごくあって、
私、オランダにいた間にすごく植民地主義のこととかを調査していたので、
その辺も含めて日本に帰って、
日本で外国語で育ってきた人が日本語がわからなくて困ってたりとか、
そういう人に向けてなんかできないかなっていうことも考えていたから、
言葉を切り口に展覧会を作りたいなと思いました。
でもその言葉をっていう展覧会が意外とありそうじゃなかった展覧会だなと思うんですけども、
そういうふうに思いつきましたというか、その展覧会の構想で。
それの作家さんってパッと出てくるのかなって意外とイメージがわからなかったんです、僕は。
そこから探していくわけですから、じゃあこのテーマに合う作家さんをみたいな。
先にこの企画ありきだったんですね。
そうです。
結果探してみたらいたもんだったんですか、その作家さん。
いるんだな。
いるんだなっていうか、何でしょうね。
つながっていくんですよね、作家さんに。
オープニングというか、関係者向けのツアーというか、キャラリーツアーも行かせてもらってて、
最初におっしゃってたのが、その展覧会のタイトルはこうだけど、
決して言語学の展覧会じゃないんですよって言ってましたもんね。
そういうことですよね、今回の作家も別に言語学をテーマにしてる人ではないと。
そうそう、言語をテーマにしてる作品とかはたくさんあるわけですよ。
言葉をテーマにしてるのっていっぱいあるんだけど、
今回は言葉の違いによる不均衡、不公平みたいなことをテーマにしてるっていう感じかな。
外国語楽しいよねみたいな、そういう話ではない。
出展作家さんの紹介
今回出展作家さん5人ということですけど、この方たちはそういうテーマで活動されてた方ってことなんですね。
そう私が括っちゃっていいのかな。違うって言い出すかもしれないですけど。
でも、山木さん的にこの人たちとやりたいなって人が見つかったってことですね。
意外とそういう問題っていうのは、今回基本的には日本で活動してる方とか日本人の作家さんですけど、
世界中でも今こういう動きがあるなみたいなのは感じます?
それはね、特にヨーロッパだと植民地主義の創始国だった頃の反省をすごく一生懸命してるタイミングだから、
デコロナイゼーションっていうのはすごく一生懸命やっていて、
日本ってその歴史があるんだけれども、あんまりそれって言わないというか表さないっていうのはあるのかな。
でも現代美術ってやっぱりこの世の中で起こっていることを扱っているから、そういう作品はいっぱいあるわけですよ。
でも、見る側があんまりまだそういう社会的な文脈で作品を捉えるっていうことに慣れてないのかなっていう印象はある。
私の寂しさとか伝わらなさとかっていう方がなんか食いつきがいいなっていう気がする、現代美術に関しては。
だからこの翻訳できないってついてるのは巻絵なんです。
騙すための。
誰を騙そうとしてる?
お客さん。
この言葉に引っかかる人が、検索ワード的なことですね。
そうですね。タグラインとして入れてるけど、翻訳できない、伝わらない、私とあなたは違うみたいな、そういうことでは全然ないです。
この話が出るかもしれないですが、展覧会としてはネガティブなものじゃなくて、最終的にはポジティブに返ってほしいっておっしゃってましたよね。
だから、決して翻訳できない私の言葉だけ聞いちゃうと、確かにちょっと悲しいというか、実はポジティブな展覧会だということなんですが、
いろいろ聞いていかないと何のこっちゃかってことだと思いますので。
5人の作家さんがいらっしゃるということですけど、1人ずつ紹介していく感じにしますか?
いいですよ。どういう方法でも。
前回の出演の時には、共感展の時には、展示室内をツアーのように行ったんですけれども、
今回も後半はそういうことらしいんですけど、
映像作品が今回多いということで、映像作品に関しては今会議室でお話をしてってことですよね。
そうです。
じゃないと音が入っちゃうからってことですよね。
そうなんです。喋ってる映像作品ばっかりなので。
ということで、今回まず前半は映像作品の、映像インスタレーション作品を発表している作家さんを紹介していこうと思います。
じゃあ、まず最初誰からいきましょうか。
誰からでもどうぞ。
じゃあ、ここに書いて、なぐもさんからにしますか、なぐもさん。
はい、なぐもまえさん。
はい、どんな作家さんでしょうか。
うんとね、めっちゃ綺麗な人。
外観から入って。
大丈夫ですか?
そんなこと言ってちゃいけない。
なぐもさんはね、手話が本当に美しくて。
その美しさね。手話をされる。
そうなんです。聞こえないアーティストの方なんですけど、
初めてなぐもさんに出会ったのは、ダイアログ・イン・サイレンスっていうイベントっていうかな。
どういうイベントですか?
ダイアログ・イン・ザ・ダークって知ってます?
暗闇でレストラン的な感じでご飯を食べるやつ?
レストランじゃない、何も。
でも暗いところに行く?
暗いところで見えない方に扇動してもらって、体験するっていうのがありますよね。
それの聞こえないバージョンがあって。
じゃあ、音を塞がれ、耳を塞がれちゃうってこと?
聞こえない方に扇動してもらう。
手話でっていうよりも、全てを使って案内してもらうっていう感じなんですけど。
それでたまたま私が参加した回のアテンドがなぐもさんで、
すごいなこの人って思った。そこから追っかけている。
なぐもさんはその時からアーティストさんとしてそういう活動をしてるってことですか?
ダイアログ・イン・サイレンスはいろんな方がやってたと思うので、
アーティストとは限らないんだけれども、
でもその後いろんなところでお名前もお見かけするし、
活動されてるのもお見かけする機会があって。
最初はお客さんとの関係みたいな感じだったんですか?
手話が美しいっていうのは書作みたいなことですか?
トニーさん手話知ってます?
手話というものは知ってますけど、
一つも出てこないですね。
決まった動きを覚えていくっていうよりも、
目の前に映像が現れてくるんですよ、手話って。
ちゃんとした人がやると。
手の動きじゃなくて、その手の動きで見えてくるんですか?
手話がどこに行ってどういう気持ちになって、
その時天気はどうで、みたいなことが全部動きだけで。
しゃべり言葉のニュアンスみたいなものが手話にもあるんですね。
それがしゃべり言葉よりももっとすごいんですよ。
個人の感想ですけど、しゃべりでもすごい人はすごいと思うんだよ。
落語家みたいなのはすごいと思うけど。
でも知らなかった。
手話のすごい人たちだけで滑らない話とかやったら、
すごいのかもしれないですね、もしかしたら。
そうだね。
話術を超えた動きのやつだ。
そうだと思う。
永野さんはそれが上手いんですね。
永野さんは普段どういう作家さんをされてるんですか?
永野さんは普段ダンサーだったり俳優さんをしているので、
草薙剛さん主演のデフ・ボイスにも重要な役所で出てたりします。
それから別に作品を発表するとかではなく、どちらかというと演者側?
どちらかというと、ご自身の身体表現をされるっていうのが多いです。
本当に不勉強ながら、今回初めて知る作家さんだったんですけど、
これまで他に美術館とかギャラリーで展示とかではないタイプ?
そうですね。ご自身一人ではなくて、ユニットで一緒に造形作品作ったり映像作品作ったりということはされてたんですけども、
お一人でというのは今回初めてかな。
じゃあ今回のために作品を作ったことになる。
そうなんです。
本人もびっくりはしなかったですか、そのオファーに対して。
だってこれまでそういう美術館で展示もしたことがないのに急なオファーで。
どんな感じでした、リアクションは?
そういうびっくりした感じだよ。
ポッドキャストで表情で語るなんていうことね。
やりたいことはわかるんだけど、これはポッドキャストなんですよ。
ごめんね。
動きとか見えないから。
やっぱりびっくりされてました。
でもこの人にやってほしいなというのはあったんですね。
そうなんです。
私、手話を使う友人たくさんいるんですけども、
でもなぐもさんにやってほしいと思った。
今回なぐもさんはどういう作品を作ったことになる?
今回はね、母語の外で旅をするっていうタイトルなんですけど。
母語の言葉ですね、母語。
なぐもさんは聞こえないんですけど、音声日本語で育ってるんですよ。
何ですか、その音声日本語って。
今喋ってるのこれ、音声日本語。
耳では聞いてる?
耳は聞こえないです。
どうやって聞く?
そう説明すると長くなるんですけど。
人工内耳っていう補聴器みたいな機械を中に埋め込んでいる手術をされているので、
補聴器みたいに音を聞くことはできるんですね。
でもそれって喋り言葉がこう聞こえるっていうか、
周りの雑音も含めて全部聞こえてしまうという感じだから、
やっぱり聞こえてる人とは違う聞こえ方をしてるんだと思うんですけどね。
最近だと近年だと聞こえないお子さんが生まれた場合、
お父さんお母さんも頑張って手話を覚えてっていう風にしてくれることが多いんですけど、
なぐもさんが子供の頃はやっぱり聞こえてること同じように育てたいっていう気持ちが大きかったので、
人工内耳とか補聴器とかをつけて、聞いて喋ってっていう訓練をしましょうっていう風に。
なるほど。
ということは、なぐもさんはお話はできるということなんですね。
できる。
ずっとそれで育ってきたんだけど、高校生になってから手話に出会って。
それまで手話は使わないで生活してたの?
知らなかったんだって、手話の用語で。
なんかドラマで見るものぐらいな感じで。
社会のり子がやってるみたいな。
もうちょっとなぐもさん若いんで、出てきた例がもうちょっと若かったオレンジデールだった。
青いウサギじゃなかった?
青いウサギじゃなかったですね。
高校生になってから出会って、手話ってすごくいいなって思ったんだって。
これ私が使う言葉はこれだって思ったらしいんですよ。
今は例えばご家族と話すときには今でも音声日本語だし、
でも友達と話すときには聞こえない友達同士だと手話だしっていう風に、
いろんな方法を相手によって使い分けながら暮らしてるんですね。
その自分の日常を作品化するっていうもので、
3つのモニターがあるんですけど、それぞれのモニターで
お母さんと話してる、お友達と話してる、パートナーと話してるっていうのをちょっとずつ見ていくっていう。
これが今回のために取り下ろしてってことですね。
そうです。
なぐもさんの作品
これの中で、ちょっと言葉を選びますけども、
狙いというか、問いかけというか、なぐもさんはどう見てほしい、僕らに。
作品なんてどう受け取ってもいいんですけど、
3つの言語があるっていう、
そんな単純なことじゃないような気もするんですけど、
なぐもさんはこういうとこ見てほしいみたいなところはあったりするんですか?
なぐもさんってすっごくフレキシブルな人で、それがすごくいいとこなんだけど、
私は手話の人とか、私は日本語の人とかっていう風に、
自分で自分を決めてしまうんじゃなくて、
アイデンティティとかっていうんじゃなくて、
ラベリングをするんじゃなくて、
この人と話す時にはこうやってみようかな、こうやってみようかなっていう風に、
ちょっとずつ変えていく。
それ揺らぎっていう風に彼女は呼んでるんだけども、
揺らぎの中でその都度その都度チョイスをしていくっていう、
それを体験してほしい。
なるほど。
個別のアイデンティティ
なんとなくマイノリティの作家さんの発言というかこの時に、
なんとなく道徳的な感じだと、
そういう人たちに手を差し伸べてあげましょうみたいな教えじゃないですか。
学校教育って。
そういう人もいるから健常者の方はちゃんとそういう人のことも分かってあげてね、
みたいな感じが多いじゃないですか。
小学校から教育を受けてくる。
でも今回の展覧会って決してそうじゃなかったな。
全然そういう人はないです。
だから別にかわいそうっていうわけでもないし、
だからそれは今回全部にちょっと通じてるというか、
そういう展覧会ですよね、今回。
そうです。
永野さんは聞こえないっていう切り口だけども、
でも同じことって多分方言とかでもあると思うんですよね。
実家に帰ればお母さんとはベタベタの方言で喋るけど、
会社行ったらちゃんとちゃんとした感じで喋るとかっていう風に、
八巻香澄さんの作品
その都度その都度の切り替えってやってると思うんですよね。
それでじゃあお前どっちなのって言われたらすごく嫌じゃない。
結局お前東京弁喋るの?みたいないじり方ってあるでしょ。
そういうのっておかしいよねっていう。
一つに決めるっていう発想がおかしいよねっていうのが、
永野さんの言いたいことなのかな。
永野さんちょっと特殊な感じだから分かりやすいけども、
そういうぐらいのことはみんなあるんだよっていうことなんですね。
みんなあるのよ。
それはそうだと思いますよね、確かに。
ちなみに今回展覧会の作品のところにレゴブロックが置いてあったじゃないですか。
あれはどういう意図で置いてあったんですか。
遊んでいいよっていう意味。
そんな簡単なことなんですか。
作品の中でレゴブロックを組み立てながら、
うちの家庭はこんなだったっていうふうに、
家族の思い出を友達として喋ってるんですよ。
シュアパートですね。
友達との楽しく喋ってるパート。
テーブルがあって、お母さんここに座って、
台所に一番近いとこ。
お父さん何もしないからこっち側とかっていうふうに、
自分の家でどういうふうにみんなが座ってコミュニケーション取ってたかみたいな話をするので、
あなたのお家はどうですかっていうことをやってもらうためにレゴを置いてます。
これは観賞者は触っていいんですね。
みんなすごいの作ってる。
あなたの家庭はどうかって聞いてるのに、
船とかロボットとか作りやがってみたいな。
翻訳できてないですね。
しょうがないの、私が無表情で毎日毎日バラしてるんですよ。
でも今回初めて長野さんやってみて、感想聞きました?
一応初作品作ったわけじゃないですか。
でも多分彼女にとってはいつもやってる身体表現と同じ延長線上にあるんじゃないかなって思う。
八巻香澄さんの作品の内容
ただたくさんの人に継続的に見てもらえる機会っていうのはとても喜んでくれてると思います。
映像としては全部何分くらい?
3パーからわけですからね。
全部見たら20分くらいのが3本なので、
4,50分かかる感じかな、長野さんのところだけで。
見どころはお母さんです。
どんな会話をしてるんですか、お母さんと。
それはもう見てのお楽しみなんですけど、
聞こえる聞こえないに関わらず、
お母さんってこんな感じ?
世の中のお母さん。
お母さんってこんな感じ?って思う。
僕も確かにチラッと見たけど、
あれ本物のお母さん?
本物のお母さん。
すごいナチュラルですよね。
映像撮られてる割には。
長野さん聞こえないでしょ?
聞こえない人と喋るときにゆっくり口を大きく動かして喋るじゃないですか。
お母さんめっちゃ早口なんですよ。
そうですね。
そこからよく生まれましたねって言われる。
これは見どころ。
すごい早口のお母さんが見どころです。
いやいやでも面白い。
これは長野さんはこの作品がということですね。
それからもう一つ映像作品があります。
これはキム・インスクさん。
インスクさんはどんな人かというと、めっちゃ喋る大阪人。
もうわかりやすい。
女性の方ですね。
すごいコミュ力が高い。
日本語ももう韓国の方。
在日コリアンの方。
全然日本語はもうペラペラ。
喋りすぎるぐらい。
関西弁ってことですか?
大阪ってこと。
うっすら関西弁。
でも多分向こうに帰ったらバリバリになるんじゃないかなと思って。
この方はどういうところからお声掛けをしようと思いますか?
彼女の今回展示をしているi2iというプロジェクトがすごく面白いなと思って注目していて、
今回の展覧会にいいんじゃないかなというのでお願いして出してもらっています。
どんな作品なんでしょう?
目と目を合わせるという意味のタイトルがついているんですけども、
2メートルぐらいの高さの縦型のスクリーンが黒い空間にいっぱい立っているんですけど、
8面あるんですけども、そこに子どもたちが一人一人ダーンと写っていて、
その子たちが見ている、私たち鑑賞者の方を見てくれているから、
その子たちと目を合わせるという作品なんですね。
写っている子がどういう子かというと、滋賀県にあるブラジル人学校に通っている子たちなんです。
サンタナ学園って言うんですけども、
本当にいろんな顔立ちの子たちなんですよ。
日系の子もいるから日本人に見える子もいるし、サンバ踊りそうだねっていう子もいるし、
いかにもブラジルっぽいなっていう子もいるし、
もっと黒いなっていう子もいるし、もっと白いなっていう子もいるし、
本当にいろんな顔の子たちが一つの大家族のように仲良く過ごしている学校に
インスクさんが行って、バーッとコミュニケーションをとって、仲良くなって、
その子たちのポートレートを撮っているというものなんです。
写真じゃなくてビデオなんですよ。
1分間私とカメラと見ててねって声をかけて撮っているんですけど、
基本的に喋ってはないですよね?
写っている子たちはニヤッとしているくらいなんですけど、
実はインスクさんそのときに、「いいね!かわいいね!」みたいな感じで、
言ってはいるんですか?
スタジオありすばりに盛り上げているらしい。
こっち見て!いいよいいよ!みたいな。
っていうのをこの間聞いて、すごい愕然としたんです。
そうですね。そうとは思えない。
おだやかな時間が流れているような印象でしたね。
おだやかな時間かと思いきや。
ずっと喋っているんですよ。こっちではみたいな。
その1分撮り続ける中、どういう意図ですか?
写真って一瞬は切り取っちゃうけど、
でももうちょっと時間長く見つめ合いたいでしょう?
僕は結構人の目合わせの苦手なタイプ。
めっちゃ見てますけど、私。
そう、だから見てるなと思う。
あとだから収録の時とかは逆に見るようにしますけど、
これは結構苦手です。
それはそうだよね。それはあるよね。
でもそういうのをあえて人と人が向き合う時間を作りたいみたいな。
そうそう。で、これ1分間見てくださいねってお願いしてるんだけど、
できる子はできるんだけど、やっぱり途中でふっと目を反らしちゃったりするね。
赤ちゃんとかもっと2、3秒なんだけど、目が反れたら終わりなんですよ。
トニーさん撮れ高ないですよ。
でも分かる。多分俺苦手だと思う。
だからテレビとかたまに仕事いただいても、カメラに向かってって言われると結構きついんですよ。
いやいやいや、そこはちょっと頑張りましょうよ。
しかも無言なんですもんね。
これはきついね。喋ってたらまだいけるけどって思うけど。
だからね、それを思ってみると、この子は何秒もつかなーって。
でもこれはだから全子供たち、生徒たちと?
そうです、先生も含めて。
いっぱい日本の中にもいろんな学校があるわけじゃないですか。
なぜこの滋賀の大阪の方で東京にお住まいで、どういう出会いがあったんですか?
これが滋賀県にあるボーダレスアートミュージアムのノマという美術館があるんですけども、そこの上で始まったそうなんですけど。
やっぱりインスクさんが興味を持ってずっと関わっている理由っていうのは、
ご自身の生まれとしての移住がバックグラウンドになるわけじゃないですか。
ここのサンタナ学園にいる子たちも、親の仕事の都合でいきなりブラジルから連れてこられの、
でも日本語わからないの?みたいな環境に暮らしている。
でも言葉がわからなくても、ずっと目と目を見合わせて、わからないなりにも喋りかけていたら伝わってくる。
そこにすごく価値を置いていらっしゃるんだなと思う。
この作品は元々あった作品ですか?
去年のエビス映像祭で最初に発表されて、その後1年後の子どもたちのポートレートも足してあるので、
ちょっと同じ子が大きくなっているんです。
子どもの1年は大きいですからね。
でも今回展覧会作品では、子どもたちだけじゃなくて大きな画面もあって、また別の映像もありますよね?
大きな画面の方は、この学校がどんなところにあるかっていうのを伝えるために、
シガの風景とか映ったりとか、スクールバスの様子とかが映っていて、子どもたちにインスクさんがインタビューをして、
名前は?いつ来たの?日本の学校どう?みたいな話をずっとしているっていうのが聞こえていて、
展覧会の映像作品の特徴
ちっちゃい画面の方では校長先生にインタビューをしていて、
この校長先生が見どころなんだと思う。
どういうところが見どころ?
関西のおばちゃん。
この方も喋るんですか?
めっちゃ喋ります。ブラジル人なんですけど、イケブラジル人の方なので、
中田健子さんっていうお名前なんですけど、日本語でガンガン喋ってくれます。
会場にイヤホンがあって、ヘトンがあって、それで聞くこともできるし、
ちょっと長いのでということで、テキストも用意されていますもんね。
もし聞く時間がないような方はそのテキスト。
時間としてはインタビュー映像がどれくらいあるんですか?
インタビューは13分。
でも聞くことも聞ける時間ですね。
13分、13分で、26分で。
結構ありますね。
映像祭の時にも、今回みたいなインスタレーション的に発表されていたんですか?
そうです。
結構広いというか空間を使ってますもんね、この作品。
でもこれをテレビモニターで見たら全く意味がなくて、
やっぱり一人一人と向き合っている。
もしくは誰かと向き合っている時に、それを後ろから別の子が見ているみたいなところを
歩き回って体験してもらうというところに意味があるから、
インスクさんはすごくそういうインスタレーションの使い方が上手なんですよ。
だからできるだけ歩き回って、いろんなことを目を合わせてほしい。
全子供は全部で何人になる?
全員と目を合わせようとしたら。
何人なんだろう?ただ160個あります。
そんなに?
でも何回も出てきている子もいるから、160人はいない。
なるべくその人たちの目を合わせて。
見る角度によっては4面1時に見えるんですけど、
そこが3面同じ子だったりすると超ラッキーと思う。
ダブったみたいな。
面白いと思う。
でもこれやっぱり来ないと体験できない作品。
体験型映像インスタレーションって言っちゃうとちょっとあれかもしれない。
体験型映像インスタレーション。
何度も歩き回って、どこまで逃げてもお母さんの声が聞こえてくるみたいなのを体験してほしい。
それはだから音量とかも考えるんですか?
めっちゃ調整してます。
音声を小さくしようと思えば小さくできるし、大きくしようと。
どんだけ小さくしても、あのお母さんの声が聞こえてくるんですよね。
そうか、じゃあそれはしょうがないですね。
そういう声質なんだと。
今回でも他にも、後半でもいろんな作家さん紹介しますけど、
映像作品はまだ他にもあるじゃないですか。
全体的には結構映像が多かったなって印象があるんですけど、
これは最初から狙いだった?
映像作品の展示とクオリティ
それともたまたまこの5人に声を掛けたら映像が揃っちゃったんですか?
言葉がテーマなので、喋っている映像作品になりがちですよね。
だから全部見ると3時間とか4時間かかっちゃうんですけど、
私これまで映像作品展示したことがほとんどなくて、
工芸品なミュージアムにいたじゃないですか。
映像作品のこと全く知らなくて、
こんなに機材にお金がかかるとは思いませんでした。
それは何の機材ですか?
プロジェクターとかモニターとかを借りてくるの。
その金額。
高かった。
どれくらい借りたことになるんですか?
数で言うと、モニターだけでも結構な数ですもんね。
そうですね。
しかもたまたまですけど、
ちょうど開催している法政人エージェントの絵っていう、
そっちも閉じる。
また別の展覧会も。
50個くらいモニターあるもんね。
映像全部見るともう4,5時間かかっちゃうじゃないですか。
そうなんです。
これはたまたまなんですか?
そうです。たまたまですけど、
でも全館でみんなを苦しめてやろうっていう。
いろんなところから漏れこえてくる声は、
現日に行くと何時間かかるんだろうってみんな言ってる。
法政人だけでも大変なのに、
こっちの展覧会でも3時間かかる。
そうなんですよ。
セット券で売ってるんだけど、
それはセット券だからって、
同じ日に見るのは無理だなと私たち判断しまして、
セット券なのに別の日に来れるんですよ。
なるほど。
途中で諦めて別の日に来てっていう。
なるほど、なるほど。
でもどうですか?
映像作品を今回取り扱ってみて、
まあ確かに機材高かったのは悪いかもしれないけど、
作品としてというか。
映像の良さが長い時間をそこで過ごせるっていうことかな。
もちろん海外でもじっとそこで過ごせるっていうのはあるかもしれないけれども、
音がしていて光がコクコクと変わってっていうところに
身を置いていられるっていうのは、
映像の良さだなって思いました。
でもやっぱり映像作品って結構みんなが苦手意識じゃないけど、
ちょっと思うのは、
どれだけ見なきゃいけないんだろうとか、
あとループ、
どこから入ってっていいんだろうみたいなことがあると思うんですけど、
今回どう捉えてますか?
うーん、諦めてます。
学芸者が諦めてたらしょうがないですよね。
そうなんですよね。
私も昔は映像作品って苦手で、
いつなんだよって、
次行こ次行みたいな感じだったんですけど、
これに関してはお付き合いしてみてほしいな、
言葉を聞いてほしいから。
ただ見切れないよねっていう方のために、
いろいろハンドアウトだったりとか、
字幕も充実させてたりとかっていうのもあるので、
その辺でちょっと諦めてください。
いやいや、全然大丈夫ですけど。
今映像が本当に氾濫してるじゃないですか、
YouTubeもあって、
TVerもあってみたいな。
僕はしないけど、結構若い人は倍速視聴みたいな。
結構真逆を行くというか、
結構ゆったり見る展覧会ですよね、
そういう意味で言うと。
ゆったりのんびりに。
見ていただきたいということでございます。
ボードゲームのプログラム
ちなみに今回いろんな関連プログラムもあるということなんですけども、
どんなことをやるんですか、今回。
関連プログラム。
今回作家さんが結構パフォーマンスの方が多いので、
作家のパフォーマンスとかが多いんですが、
それと全く関係なく、
私ボードゲームが好きじゃないですか。
前回言ってたように。
で、お馴染みのですからね。
勝手にお馴染みのにしてますけども。
なので、ゲームをやりたいなと。
ちょっと待ってください。
やること決定だからいいですけど、
そんな自分が好きだからやりたいからやれるもんなんですか?
音楽的に。
ダメ?
いいんですけど。
実際何をやるんですか?
このダイアレクトっていう。
ダイアレクト。
ボードゲームではないんです。
ボードゲームと言いながらもうややこしい。
ボードゲームと言いながら、
テーブルトーク、ロールプレイングゲームと呼ばれる種類のものなんですけども、
参加者みんなで物語を作る。
話しながら。
物語を作るトリガーとしてカードを使ったりとかはするんだけれども、
っていうゲームがあって、
このジャンルで言うと、
ダンジョン&ドラゴンズみたいな、
ファンタジーの物語をみんなで作ろうみたいなのが多いんですけども、
このダイアレクトっていうゲームは、
言葉が生まれて、
ちょっと意味が変わっていって、
最後その言葉が滅びるっていうストーリーを、
みんなでプレイヤーで作っていくっていうものなんですよ。
難易度高そうですね。
難易度高いです。
どれくらい難易度が高いかというと、
プレイするのに5時間くらいかかります。
これはどこの国のもの?
これはアメリカのなんですけど、
日本でも翻訳されて売られていますので、
現在ミュージアムショップで3850円で販売しています。
買えることもできる。
でもこの関連プログラムでは何人くらいでやるんですか?
5時間もあるから、そこでプレイはできないわけ。
だからこの間テストプレイをやって、
全部それを録画しておいて、
それを編集して、
こんな感じのゲームなんですっていう資料を作って、
うちのウェブサイトに上がっています。
こんな感じでやるんですっていう説明レクチャーと、
一部分プレイしてみますか?
みたいなワークショップを予定しております。
言語の多様性と変化
言語が生まれてどのように進むかっていうのは、
ちょべりばっていう言葉はもう使わないよみたいな話ですか?
ダッサイの出してきましたね。
死語といえば。
そういうことではないんですか?
そういうこと。
死語とかではない?
流行語ではなくて、
例えばね、
アイソレーションって呼ぶんですけども、
ある共同体の中だけで使われている言葉っていうのを考えるんですよ。
最初に。
例えば、いろんな設定が、
バックドロップっていう設定がいろいろあるんですけど、
とある学校の寄宿者とか、
秘密基地を作っている子どもたちとか、
いろんなバージョンがあるんですね。
いろんなバージョンがある。
たぬきになってみるとかね。
昭和たぬき合戦って書いてある。
平成たぬき合戦、ポンポンめっちゃパクってることなんですけど、
とにかくこれから滅んでしまう共同体を設定して、
ここで大事なものは何だろうか、
そこでこの人とこの人はどういう関係性なんだろうか、
みたいなことを会話だけで作っていく。
何人ぐらいでプレイするものなんですか?
3人から5人です。
2人じゃダメなんですね。
2人じゃダメ。
ちょっとやっぱり共同体だからそれぐらいで設定を決めて、
なんで5時間もかかるんですか?
すぐ終わらせられる気がある。
まずどんな共同体なのかを話し合って決め、
それぞれのキャラクターを決め、
共同体が生まれたら言葉が生まれますよね。
それが何年かとか時間が経つと、
ちょっとずつ意味が変わってくる。
言葉の意味が。
最後共同体が滅亡したり解散したりする。
そうするとその言葉がその後どうなるのか、
みたいなことを話し合う。
そうするとやっぱり5時間かかるんですよ。
最後、ヤジばっか飛ばしてる感じがする。
最後、どんな終わりになるんですか?
ハッピー、やったー、終わった。
どう終わるんですか?これ。
ほんとね、しみじみする。
みんなそれだってなるみたいな感じですか?
考えて、じゃないんですか?
そういうカタルシスを求めてはいけない。
あとゲームって言ってるけど勝ち負けとかないから。
これみんなでどれだけ物語を作れるかっていう、
共同作業だから。
共同創作作業だから。
それが最後に新しい言葉が生まれましたよっていうのを
みんなで頑張るのはモチベーションがいける気がするんですけど、
最後その言葉が死滅するのために頑張るんですか?
死滅するために頑張るわけじゃないんだけれども、
いや、そうなっちゃうよねっていう諸行無常を噛み締める。
なんかでもすごい日本的な発想ですね。
アメリカのあれなんですね、これが。
でもね、滅びゆくものを味わうみたいに言ってしまうと
すごく危険なところで、
例えば今回愛の輪を取り上げてますけども、展覧会でも。
滅びの文法で語っちゃいけないわけですよ。
それが滅ばないように、どれだけ言語の多様性が保たれるか、
その文化を支えている人たちが幸せでいられるかっていうことを
考えなきゃいけないから、
このゲームで滅んだヤッターにはならないわけですよ。
いかに滅ばないように頑張っても、こうなってしまうことがある。
じゃあその時に私たちはどうすればよかったのかっていうのを考える
超真面目なゲームなんです。
糸お菓子とか、そういう言葉が今は使ってないみたいなことを考える。
糸お菓子を使ってない。
全然違うかもしれないですけど、たまに年配の方が
今の若者たちの言葉を見たら言うじゃないですか。
日本語はなってないみたいな。
って言ってるけど、平安時代の人たちからしたら
糸お菓子で過ごした人たちからしたら
だいぶお前らも言葉変わってるよって思うんですよ。
正しい日本語かのように言ってるけど、ゴザルの時代とかもあるから
そういう風に言葉ってどんどん変わっていくなって
俺はずっと思ってる。
だから若い人たちが新しい言葉を使うことに
何の抵抗もないんですよ。
どんどん生まれるでしょう、そりゃあと思うけど。
なんか言いがちじゃないですか。
でもね、流行とはまた違うんだよな。
コミュニティでの言葉なんですね。
流行だとやっぱり新しさが大事だから
使われていくのも当たり前だよねってなるけども
そのコミュニティで何が大事なものとされているかとかが変わってくると
意味が変わるとか。
具体的にはどんな言葉が生まれたんですか?
今までやってみて。
山木さんが生んだ言葉。
いやいや、私ね、まだプレイしてないの、これ。
友達いないからさ。
5時間も一緒に遊んでくれると
あと4人見つけるの超大変じゃないですか。
そうかそうか。
テストプレイは誰が?
テストプレイはプロにやってもらいました。
これのプロがいるんですか?
これというかゲームのプロに。
油がいて。
で、それを横でニヤニヤしながら見守ってました。
それは気になる方はYouTube。
はい。
現日のYouTubeチャンネルに出てるってことですか?
はい。
これをやるんですか?
やるんです。
東京都現代美術館での展示会
6月22日にレクチャー&ワークショップ。
でもこういう機会じゃないとやらないだろうから楽しそうな感じをしますよね。
いつかゲームやりたかった。
ついに実。
記念すべき第1号のゲームがこのじゃん。
大体やれると思う。
でも記念すべき第1号というか、
前の前の展覧会で演劇クエストをやっているので
ゲームの作品を作っていただいたので、
おらんこそんさん。
ゲームは?
2回目。
こういうのもやるんですね、今回。
前回の教館とかじゃなくて展もたくさんイベントあったじゃないですか。
今回も盛りだくさん。
ちょっと6月は毎週土日ある感じで死にそうになってますけど。
なんでそんな頑張るんですか?
わかんない。
やりたいことがいっぱい出てくるんですか?
作家がやりたがるしね。
私もやりたがるし。
したらしょうがないんですよね。
そうですね、しょうがないですね。
しょうがないです。
ぜひぜひ気になる方は。
だからこれにこれなくても美術館でも販売もしてるということで。
ダイヤレット売ってます。
5時間一緒に遊んでくれる気の合う仲間を見つけてください。
ごめんなさい、本当にあれなんですけど。
やりたいと一回も思わなかったです、今話を聞いて。
えーどうしようこれ。
私めちゃくちゃやばいな。
俺がおかしいんだと思う今。
えーどうしよう。
面白そうな、面白いメンバーだったら楽しそうです。
私もトニーさんとやりたいとは思わないわ。
トニーさんとやるならこっちにする。
これ早辞典にする。
これから流行り流行って。
それは面白そうです。
これはじゃあ今やるんですか?
やんない。
これは後でやんない。
やんない。
さあ、ということで。
あっという間に時間になりましたということで。
今日の収録が前半は終わりということでございますが、改めて告知をお願いいたします。
え、私?
そうですよ。改めて。
今のところダイアレクトの告知になってましたから。
ダイアレクト6月22日。
それの告知もしていただいて、展覧会のね、告知をしていただかないと。
はい。翻訳できない私の言葉。
2024年7月7日日曜日まで東京都現代美術館企画展示室1階で開催しております。
はい。ということで次回も山木さんをゲストに翻訳できない私の言葉展についての話を続けていきたいと思います。
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