1. そろそろ美術の話を...
  2. #128 素朴派の美術を肯定する..
2025-03-15 58:59

#128 素朴派の美術を肯定する力について(世田谷美術館 東谷千恵子)

世田谷美術館学芸部普及担当マネージャー 東谷千恵子さんをゲストに、世田谷美術館の成り立ちや特徴、教育普及についてのお話をお聞きしました。⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://sorosoro-art.vercel.app/ep/128⁠  番組の感想は、⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠#そろそろ美術の話を⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ でお願いいたします。

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Guest Profile

- 東谷千恵子(あずまや ちえこ)

-- 世田谷美術館学芸部普及担当マネージャー


Show Notes

世田谷美術館について

企画展について





サマリー

世田谷美術館で開催されている「緑の惑星」展覧会では、植物とアートの関係について深く探求され、ジェームス・タレルの作品が紹介されています。また、アートが生命や心と結びついている様子を考えるきっかけとなるお話も広がっています。世田谷美術館で行われた多くの学校とのコラボ授業では、子供たちが自由に植物を使った作品を制作しました。その結果、素朴派の美術に触れた子供たちの創造性が引き出され、展覧会は成功裏に開催されたと語られています。多くの作品が世田谷美術館で展示され、素朴派の影響と出会いについて話されています。彼女は画家を目指していたが、素朴派の展覧会で衝撃を受け、美術の本質について考える経緯が語られています。また、世田谷の魅力やコミュニティとの繋がりも強調されています。世田谷美術館における素朴派の美術の重要性と、それを支える人々との関わりが紹介されています。安嶋氏は自身の趣味であるダンスを通じて、アートと身体の表現の関係について深く掘り下げ、地域のイベントでのパフォーマンスも紹介しています。

世田谷美術館の展覧会
はい、アートテラー・とにのそろそろ美術の話を、この番組は私、アートテラー・とにが、アートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
今回は前回に引き続き、世田谷美術館学芸部、普及担当マネージャー、東谷千恵子さんをゲストにトークを続けていきたいと思います。
番組内でジェームス・タレルについて触れていますが、作品の不具合により体験展示は中止になりました。
それでは本編をどうぞお聞きください。
どうですか?前半やってみて。
えっと、喋りすぎました?
大丈夫です。いつもの感じです。
でも、喋りすぎましたってわけではないかもしれないですけど、喋ろうとしてたことが入りきってないので、多分後半にたくさん来てます。
ここからいろいろとやっていかないことも。
話題的には全部喋った気がするんですけど。
そんなことない。改めて前回、前半にも言いましたけど、今ね、
展覧会をやらないでお馴染みだったあずま屋さんが企画賞を出し、その第2弾の企画がやっているということで、
世田谷美術館コレクション船、緑の惑星、世田谷の森の植物たちという展覧会が開催されています。
これをたっぷりここからお話ししていきたいなと思うんですが、出展作品がこのチラシに載っているんですけど、
ジェームス・タレルの作品
ちょっとびっくりしたのが、ジェームス・タレルのテレフォンブース体験って書いてあるんですけど、
ジェームス・タレルって光の、神奈川21世紀美術館の調節作品で、屋根がない。
地中美術館のようなやつです。
このジェームス・タレルのテレフォンブースってどういう作品なんですか?
世田谷美術館がまずそれを持っているというのを、びっくりされる方は結構多いと思うんですけれども、
実は1997年にジェームス・タレル展というのを東館でやっているんですね。
東館と3館くらい、埼玉銀座美術館と、三島経営だったかな?
関東近郊で巡回したんですね。
もう一個、どこか違うところでやったかな?
広島はちょっとごめんなさい、忘れちゃいましたけれども。
その時に実は購入しているテレフォンブースという作品がありまして、
神奈川でご覧になった方は、神奈川のガスワークスって、最近あまり出ていない気もしますけれども、
その前にまず、なんで植物店にジェームス・タレルが出るんだ?という話ですよね。
これは館内でもだいぶ言われました。
これは作品自体はどういう作品なのか?
テレフォンブースってことは、電話ボックス的な?
そうですね。もう最近は見なくなった電話ボックスみたいな形をしているんですが、
もともとは多分ガスワークスって作品の方がもともとだと思うんですけれども、
光のアーティストと呼ばれているジェームス・タレルさんなんですけれども、
ジェームス・タレルさんは視覚だけではなくて、
全ての皮膚の感覚に光や色を感じるという機能があるというふうにおっしゃっていまして、
科学者でもあるので、ちゃんと根拠があるはずなんですけれども、
それを体感できる装置なんですね。
この中に入るんですか?テレフォンブースって。
ガスワークスは全身で光を浴びるものなんですが、
テレフォンブースはそれのちょっと小型版で、
首だけこんで、自分の肩から上のところのドーム状のところに、
ロスコホワイトというマーク・ロスコの白で塗られたところに、
青と赤の光源とフラッシュが点滅して、
青と赤、人間の脳内では青と赤の光だけで全ての色が見えるらしく。
代わりの三原色というと、そこに緑が必要だけど、人間はもう青と赤だけで。
青と赤で、その補色が脳内にできる。
これ、ちゃんとした名前があると思うんですが、
黒い点をずっと見て、急に違うところを見ると白い点が見えるじゃないですか。
補色の作業を脳内で補う作業があるので、
赤と青の光源だけで全ての色が見えるという装置なんですね。
でも、ますます植物関係ないんですけど。
今回は、植物展の初立てというのがありまして、
もともとこのセタビノモリシリーズというのが、私的には命のシリーズなんですね。
コロナのあたりで命というものをすごく感じたことと、
作品って単なるものなんじゃなくて、
例えば、みんな小学生のモナリザというのを知っているんですけど、
モナリザはいつの人だと思う?と。
モナリザって実は500年も前の人で、
なので、世の中にレオナルド・ヴィンチと会ったことがある人は一人もいないはず。
だけど、みんながレオナルドが描いたモナリザを知っている。
人間の体って100年ぐらいしか持たないけれども、
心というか精神、そういうものが乗っかったものは、
500年とか1000年とか長生きするものだから、
人の命と心とどっちが大事って、絶対どっちも大事って言えないんですよね。
本当にどっちだったら体のほうが大事なのかなと思いますけれども、
でもそのように作品がなぜ大事なのかというと、
高級品だからとかじゃ贅沢品だからとかでもなくて、
誰かの体が滅びちゃった後に、
その人の魂や心が乗っかってきたものが繋がっているからだよっていうことで、
改めて、やっぱり人が生きてたっていうことも含めて、
人が永遠には生きられないけれども、
永遠に生きようとする何かが残るものがきっとアート作品なんだなっていうことで、
それをちゃんとクローズアップしたいなっていうことで、
このシリーズを実はやってるんですけども。
動物展の時も、動物展と言いながら最後の部屋って動物がなくて、
命の森っていうところで終わってたと思うんですね。
今回もそのシリーズなので、
命と人が命にどう関わってきたかみたいなことを考えるのが、
実は私の中でもベースにあって、
その中で今度は人間とは全く別種の生き物。
植物と生命の関係
前回の動物展の方は、どちらかというと、
人の心を乗せる、自分の擬人化して、
人間を描く以上にもっと素直になった自分の心が、
たぶん動物に出てるなっていう流れできたのを、
今回はもう気持ちの乗せようがない別種の。
だけど、人間よりもすっごい人間どころか、
地球、今回子どもたちの授業でも地球年表って見せるんですけど、
地球の年表の中で、図を見ないと正確に答えられないけど、
36億年前に地球ができたんです。
46億年前。
45億年前に最初の生命が誕生してるんですけど、
そこから5億年くらいで植物が誕生してるんですよ。
でも動物が誕生するのって全然後で。
子どもたちがすぐ昔の動物って言ったらすぐ出てくる。
恐竜とかもたった2億年前だったりしてて、
そのくらい実は植物の方が活動的に。
最近、その授業でも調べたんですけども、
地球上の生物の総重量を調べまして、
NHKの特集番組が面白かったんですけど、
総重量の合計数を忘れちゃいましたけれども、
人間が0.01メガトンです。
全人類の重さを足しても。
全人類の重さを足して0.06メガトンぐらいしかない。
0.1もないわけですね。
メガトンです。単位はメガトンです。
メガトンですが、0.06メガトンで、
生物全体が2メガトンかな。
その中で植物は450メガトンあるっていう。
円グラフ作ったんですけど、
生物の区分けとしては、植物と動物が2大区分なんですよ。
勿論、菌類とかもいろいろあるんですけども、
圧倒的に多いのが、動物と植物の2文化なんですけれども、
総数の総重量で分けていくと、
8割9割が植物、地球上。
植物の方が重い、全体的に考えて重いってこと?
全然重いっていう。
圧倒的に昔からいるし、圧倒的に数も地球上多いし、
全然私たち、地球の主人公でもなんでもなくて、
そういうつもりでいるけれども、
実は植物ってものすごい存在なんだっていうことで。
すごいなと思ったし、その重さを測ろうと思った人がすごいですね。
これはイスラエルの研究チームですね。
数はなんとなく分かる。調べてみれば分かるけど、
植物って重いのかなって考えた研究チームもすごいですね。
すごい話だ。
植物って何かなって、ずっとこの2,3年間考えてたんですけども、
その中で、全然敵わない。
全然人知を超える何かっていうものが、植物っていう。
これ、話長くなるんですよ。
山って、日本の元々の山岳信仰とか山の信仰があるんですけど、
十二様とか群馬とかあっちの方であるんですけど、山が全てを決めている。
昔、何百年か前かには、
お祭りって秋にあるじゃないですか。
あれって、翌年の村の人口を決めてたんですってね。
決めてたんですか?
山が決めるんですって。
だから、基金が起きちゃうとか、山が決めたこと。
山を見ると、来年この村、何人くらいだなってわかるので、
その時に、この村すごい揃えるのやめましょう。
やめるパターンもある。
じゃあ、まあ、やめていいですけど。
ただ、人間が考えることよりも、
そうじゃない、もっと大きな力が世の中にあって、
それが一つ、植物だったり。
植物同士がコミュニケーションをとっているとか、
植物が山や世界をコントロールしたり、
さっき言ったように、人間、人口を山が決めたり。
もちろん、山がそのまま、
その翌年の食料の量がこのぐらいになるみたいなことを決めている。
それは、人間がもう全然計算できることではない。
そういうような、でっかいものが植物なんだな、というところから始まりまして。
全然、タネルにたどり着かなくなっちゃった。
そうだね。
ちなみに、このタネルの作品は、
毎週開期中の土曜日午後1時から8時まで、
確実13名が予約。
オンラインチケット発売サイトで予約ということですけれども、
体験もできる。
体験できますよ。
1人ずつ中に入って、12〜13分。
12〜13分浴びるんですか。
なかなかハードな作品ですけど、でも貴重ですもんね。
なぜこれがここにあるかというと、
簡単に、タネルがそういったわけじゃないですよ。
私の解釈で、これがここにあるのは、
高剛性を体験してもらおうという。
すぐ終わるじゃないですか。
すっごい遠回りしたけど、
そうは近くに来たよ。
確かに確かに。
植物すごいんですよ。
動物と植物どこが違うか知ってますか。
高剛性です。
動物は動くじゃないですか。植物は動かないじゃないですか。
なんで植物は動かないかわかります?
考えたことなかった。
急にチコちゃんに叱られるみたいな問題が出てきちゃった。
どうしよう。わからない人がいる。
植物はご飯を食べなきゃいけないんですよ。
待ってても誰もご飯をくれないんですよ。
自分で歩いて行って、ご飯を取ってこなきゃ食べられないんですよ。
なので植物は高剛性をするから、
自分でエネルギーを作れるんです。
動かなくても、その場にいればいい。
なるほど。
それの体験がタネルでできるということになる。
機械を簡単にする。
エネルギーを蓄えてもらおうかなと思って。
ぜひ気になる方は体験していただきたいなと思うんですけど。
それでこの130点、100点の作品もですけども、
やっぱり、あずま屋さんの展覧会だなと思うのの一番は、
世田谷区の小学生とのコラボと言いますか、
今回もそれが用意されているんですね。
今回はどういうものを用意されたんですか?
前回動物展というのをやった時には、
たった1校の学校と160人くらいいたんですけど、
これもいろいろご縁がありまして、
1校160人の子どもたちの動物の作品を、
展覧会の入り口に持って行ったんです。
そうしたら、それが本店よりも喜ばれたというか。
それは一般のお客さんも?
もちろんです。
そこだけ見に来るお客さんも結構。
オリジナルの動物を考えて、
生体みたいなものを説明しているみたいな感じでしたよね。
実際にいる動物でもいいそうじゃなくてもいいよ。
さっきから言っているように、
動物は自分の心を乗せるものなので、
自分の心の中にいる動物を捕まえて、
外に出してくださいという事業をして、
動物を描いてもらったら、
偉いそれが評判になりまして、
逆に他の学校から、
なんでうちには声がかからなかったの?みたいな話がありまして、
次はもっと多くの学校と一緒にやりたいなと思い、
去年の7月か8月に、
学校とのコラボ授業
世田谷区の学校の先生方と一緒にやる研修会。
これはその前の年の研修会で取りに行きました。
今年やったやつは、ゲストは呼ばずに、
その動物の時の報告を、
ある学校とこんな風にコラボで授業をやりましたよと言った時に、
うちもやりたい、うちもやりたいと。
その時来ていた先生方が今回全員、
日程が合わなかったので、
その時の参加者全員じゃないんですが、
その中で11校の学校と、
うまく話がつけられまして、
10月の頭ぐらいから、
こちらから授業に。
多い学校だと何回ぐらい行ったかな、
一つの学校でも結構5、6回行ったりとか、
授業をして、
カットされるかもしれない、さっきの私が、
どこへ行ってしまうのかわからない植物に対する熱い思いを、
子供たちに聞かせて、
その子供たちに一人一本、
鶴植物にはもちろん、
鶴植物を作ってくれとは投げかけていなくて、
ただ天井から吊るす1メートルの植物を作ってください、
という話をしまして、
10校、総数1,233名の子供たちが、
大変でした、もう。
それを各学校から集めて持ってきて、
鶴植物を作ったということですか?
そうです。
授業も、うちの普及の担当の職員が4人いるんですけども、
美術館の仕事も普通にありながら、
誰かが今日も学校に行っているみたいな。
手分けしていって。
それ以外に出張授業もやっているので。
前半で言った、監修教育の出張授業もあった上で、それとは別に。
同じ学校で、違う学年授業に向けて、
鉢合わせをしたりとか、
10月、11月、12月の3ヶ月間は、
ずっと学校に行っている感じで、子供たちと。
ほとんどの学校でだいたい、
1回の授業って45分。
45分を2回続ける授業を、
1つのクラスで2回やっているので、
クラスが多いと、もう何回行ったんだろうぐらい。
大変ですね。
楽しかったですけどね。
そこに、当館のボランティアの方たちも一緒に行って、
子供たちが、ちょっと普通の授業と違って、
何かを学ぶというよりかは、
美術館としてはお願いに、
この部屋を植物でいっぱいにしたいんだけど、
まだ足りないので、ぜひみなさん作ってくださいね、
という投げかけをしているので、
どんどんどんどん、その場で子供たちが進化していくというか、
枠をどんどんはみ出していって、
私も予想以上に、子供たちが激しい作品を作っていくのが見えたので、
どんどんやれやれという感じになってきて、すごい楽しかったです。
瀬戸川美術館に来たことがある人はわかると思いますが、
外が見える、半円形の部屋に、今大量に吊るされている状態。
すごい状態になっていまして、吊るすのも本当に大変で、
ボランティアと一緒に、ノーベボランティア100人ぐらいの人たちと、
5日ぐらいかけて展示をいたしまして。
これはやっぱり、東谷さんがやってきた、今まで企画展はやってなかったとはいえ、
それでやってきたことによって、ボランティアさんがたくさんいらっしゃらないと、
実現できない展覧会ですよね。
絶対実現できない。
あるいは、外部の業者さんにノーベ100人って呼んだら、
予算的に無理。
予算的に無いし、お金積んでも断られるんじゃないかなと。
そういう意味では、東谷さんがずっとやってきたことが、身を結んだ展覧会のような気がしましたけどね。
学校との付き合いがなければ成り立たなかったし、
ボランティアとの付き合いがなければ、絶対展示できなかったし。
展覧会の成功
私自身も妄想ですよね、これはね。
もう1年以上前から。
もう私の頭の中には、あの光景があって、そこに向けて、
もうひたすら進んできてという感じで。
そう、だから本当にインスタレーション。
東谷さんのインスタレーション。
東谷さんの仲間たちのインスタレーションを見ている感じでした。
よく区立美術館とかって、やっぱり区立美術館だから、
区の小学生、中学生展でやるじゃないですか。
それはそれで大事なんだけど。
そういう感覚で来ちゃうと、もちろん素晴らしいんだけど、
多分この展覧会の小学生、中学生とのコラボって、
そのイメージで来ると、多分アゼンとするというか、
全然違うよっていうのは伝えておきたいなと思いました。
やっぱりだから、素朴派とかと繋がってくるんですけど、
人間の上手い下手とか、できるできないとかじゃないところにある、
根源的なものすごい力が外に出たものっていうのがアートであれば、
今回も本当にメインになっているって言ってもいいくらい、
最後の最後に、子どもたちの天から降り注いでくる、
命の光を浴びて、タレルの光合成の後に、
さらに命そのものを浴びて、若返るんじゃないかぐらいの感じで、
100円ワークショップの開催
一番最後に出口にあたるので、
ただ一応そこの場所って、無料ゾーンにも、
展覧会の第6章にあたっているんですが、
そこの場所は出口からもそこの場所に入れるんですね。
100円ワークショップというか、毎週土曜日はそこでもワークショップを行うし、
いらしたお客様が自分の作った葉っぱをかけていくような、
スペースにもなっているので、
そこだけを見てほしいというよりかは、
展覧会を見終わった後に、あの後どうなったかなということで、
頻繁にまた戻ってきてほしいと思っているので、
その場所は無料にしてありますので、
何度も何度も来ていただいて、変化を楽しんでいただければ。
ちなみに、先ほどというか前半からもチラチラで、
100円ワークショップ、これも世田谷美術館での特別な企画ですけども、
僕が最初に見つかったところもありますけれども、
安前さんのほうから説明してもらってもいいですか?
これも最初は鑑賞教室がきっかけになっていて、
鑑賞教室の子たちに帰りがけにまた来てねって言うわけですよ。
そうすると本当にまた来てくれるんですよ。
昨日来た学校の子たちとかが来て、
ただ、そこでボランティアの鑑賞リーダーの方が、
たまたまその日にワークショップをやってたんですけど、
あの子たち昨日の学校の子だよ、これ参加させてよって言ったけど、
これもう事前申し込み制で満杯なんだよって言ったら、
めちゃくちゃ怒られちゃって。
ワークショップに申し込むのは親だろう。
この子たちは美術館が好きになったから、自分たちの意思で来てくれたのに、
その子たちが何も参加できないってどういうことだって、
思っともだなと思いまして。
確かにそれまで美術館って事前申し込み制で、
それはそれで大事なんですけど、
確かにもう小の親だろうなとも思います。
大体10組とか、結構少ないニーズしかできないですもんね。
なので、その子たちにまた来てねって言ってる分、
また来てくれた時に展覧会を見るだけじゃなくて、
もうプラスアルファな何か楽しいことをさせてあげるものをやらなきゃダメだ、
ということで、怒られたんだから協力してよね、
ということで、そのボランティアの人たちと一緒に、
毎回その時の展覧会の内容に、
展覧会を見た人はその展覧会がより分かったり面白くなったり、
展覧会を見ていない人たちは100円ワークショップに参加することによって、
展覧会が見たくなるような内容で、展覧会ごとに内容を組み替えて、
これは小さな子どもでも100円なら持ってこれるだろうということで、
100円以内で、材料費100円以内で作るものをボランティアと毎回頭を抱えて、
今回どういう手で進めようかということをやりつつ、
これももう20年になるのかな、
小さなお子様、もう2歳3歳でも一緒にいらっしゃる大人が手伝えば、
ちゃんと形になるもの、大人の方も満足できるクオリティの高いもの、
しかも材料費を大体60円から70円以内で収めるという条件に、
この手で毎回展覧会ごとに仕掛けているのが100円ワークショップになります。
これはもう開期中の毎週土曜日の午後1時から3時に来れば誰でもできるということですか?
誰でもできます。
ただちょっと今回は、私たちがその余裕がなかったために、
このみどりの惑星展では定番の缶バッジ作りのみになって、
いつもよりもっと力を入れています。
これは素敵です。
当時、アートツアーをやっている中で、
ワークショップに行きたいという一般の方もすごく多いけど、
子どもがいないからワークショップに行けないという人もいるわけです。
大人だと。
何かないかなと思って調べてみたら、こういうのがあって、
これ面白そうだからと言ってみんなでワークショップに行きましょう、
みたいなアートツアーがそこで見つかったという感じです。
ワークショップというよりかは工作教室みたいな、
教室?教えはしないんですけど、工作をやるみたいな感じなんですけど。
これを僕が何かの雑誌で紹介させてくださいと言って、
それでタイトルを100円あったら世田谷に行こうという、
もうファーストフードのパロディーとしてタイトルをつけたら、
あなたがそれをえらく気に入って、
これ使っていいですか?みたいに言われたけど、
僕が作ったものじゃない。
元ネタはもうファーストフードだからというのを言いましたよね。
そうなんです。
100円ワークショップの記録集を作った時に、
タイトルなんか軽くて面白くてキャッチーな何かないかなって。
だって記録集じゃつまんないじゃないですか。
そういうふうにトニーさんが100円あったらこれだよ、みたいになって。
使っていいですか?っていう連絡を。
そうですね。どうぞどうぞみたいなのがありましたね。
これも今回缶バッチ作れるということで、
ぜひよかったら皆さん合わせて土曜日に来ていただくのもいいかなと思います。
常連さんもたくさんいて、
世田谷美術館入るだけだったら入管料かかりませんので、
公園に遊びに来ている。
一応企画展開催中の土曜日って言ってたはずなんですが、
例えば企画展やってない合間の時なんかも普通にお客さん来て、
企画展の内容と連動してて言ったら、
企画展って何ですか?って言われたりするぐらい、
気楽にちっちゃな子供を連れて、すぐ楽しいことができる場所、家族連れで。
親子で一緒にものを作れるってすごく喜んでくださってまして。
これはこう言いつつ、
たぶん安前さんはこのプロデューサーに言ってますよね。
子供さんにいるこのプロデューサーに一回も来てないから。
圧を今掛けた感じ。
ぜひ皆さん来てください。
これ、いつも後半で皆さんに聞いている質問なんですけれども、
ガラッとここから変わりまして、
いつから美術に興味を持ってましたか?というのを、
ゲストの方に毎回聞いてるんですが、
安前さん。
私、たぶん幼稚園の頃には将来、画家になりたいと思ってたんですよ。
それがなぜだったのかまで聞かれちゃうと、
簡単に、たぶん上手だったからですよね。
どう考えても両親に操作されたようには思うんですけど。
これは美術関係ですか?
父が、
画家になりたかったんです。
画家になりたかったんだけど、戦争が来ちゃって美大に行かなくて、
美術部だったんだけど、
デザイナーにその後なったんですけど、
母は子供の頃から、
音楽か美術かをやりたくて、どっちもできなかったので、
私がピアノがすっごい嫌だったので、
なんとなく、私が美術の方向に興味を持つと、
二人とも満足そうだな、みたいな流れがあったようには思いますね。
でも、その時はプレイヤー側だったんですね。
ここからどういう道を進んでいって、
学芸員さんの道になっていますね。
今回はあまり今まで考えたことがなかったので、
なぜかと考えてみたら、
最初は、学芸員という仕事を知ったのは、小学校4年生の時から。
早いですね。
そうなんです。画家になりたかったんですよ。
ただ、小学校の時から美術クラブに行って、
図工の先生と仲良かったんですけど、
図工の先生は絵描きさんだったんですね。
美術との出会い
日展とかに出しているような。
その方が、
なんで学校の先生をやっているの?って聞いたら、
聞いたんですか?小学4年生が。
だって、画家なのに、展覧会とか見に行ったんですよ。
この先生は画家なんだと思ったんだけど、
じゃあ、なんで先生をやっているんですか?って聞いたら、
ここじゃ食っていけないんだよって言われて、
もしかしたら、学校の先生にならなきゃいけないのかと、
思っていた時に、
うちの父が仕事の関係で、
ある美術館で、
デザイナーとか、ちょじゅうつぎょう。
評論家みたいなことをやっていた。
美術じゃないんですけど。
その時に、本を出版する時の表紙に、
ある作家の絵を使いたいということで、
その時、ある美術館の方のお仕事で、
私も一緒にくっついて行って、
何日間か美術館の周辺で過ごす時に、
学芸員という仕事の人と知り合ったんですね。
その時、よくわかっているわけではないですが、
美術館という認識は、
私が子供の頃は、ほとんどデパートの美術館が多くて、
それでも西洋美術館とかの大きな美術館がありましたけども、
美術館に行くうちに、
美術館で働くっていう。
ちっちゃな子供だったくせに、
子供の相手にするの嫌だなと思ってたんですよ。
今は子供を色々やってるのに。
今でも私、子供好きじゃないですよ。
面白いなとは思いますけど、
圧倒的に大人の方が好きです。
この話は別に長くなるので置いておいて、
子供の仕事は嫌だなと思って。
学校の先生というのは、その時点で選択肢がないわけですね。
なかったんですね。
父にも、学芸員になるといいんじゃない?と言われて、
学芸員かと思って、何年か経ち、
でもね、もしかすると、
世田谷美術館の出会いは大きかったんですよ。
世田谷区民?
違います。
世田谷美術館に来てるんですか?
初世田谷美術館に来て何歳?
高校生ですよ。17か8で。
ちょっと歳がバレるじゃん。
芸術への衝撃
みんな計算しないように。
なので、父が美術が好きだったので、
芸術伸長を定期講読してたんですよ。
芸術伸長に、86年、素朴派万歳っていうのが、
サイブラリーで知らなかった。本物はないんですけど。
1986年3月号。まさに絵画の時ですよね。
素朴派っていうのがあるらしいよ。
聞いたことないよね。
印象派とか象徴主義派とか、いろいろあるけれども、
どうも素朴派っていう新しいジャンルがあるらしいよ。
世田谷美術館っていうのが。
当然ながらこれ、
世田谷美術館の開館を記念して特集を組んでくれた。
で、「世田谷美術館新しく美術館できる。ここ行ってみないか?」って言って、
その父の車で。
父は車の仕事をしていたので、
世田谷美術館の東京インターの入り口にあるので、
よく来るところで、「あそこは桐田公園のところだよ」って。
一回、遠出した帰り道に寄ったら、たまたま休館日だったんですよね。
閉まってて行けなくて。
そういう時って、行くつもりになって行けないと余計に盛り上がるじゃないですか。
確かに。絶対行かなきゃと思いますよね。
あそこ行こうと思って、それを目的にして、
開館記念展の芸術素朴展に来たんですよ、私。
このバナーの前で記念撮影したのが今でも残ってるんですけど。
その時に、それも私、画家になりたかったんですね。
高校生だったんですよ。
画塾とか通って、美大に目指してたんですよ。
美大に目指してると、ご存知のように、超アカデミックな。
それまでも、自分が絵を描くのが好きだったことを忘れるぐらい、
色とか構図とか指定されるんですよ。
こう描かないと浮かないよ、みたいなこと言われて。
一番絵を描くのがつらかった時代に、この展覧会を見ちゃったんですよ。
なるほど、アカデミックな絵をやらなきゃいけない時に、素朴化を見ちゃったんだ。
結構、ものすごい衝撃。
なんじゃこりゃってなって。
当時のアフリカ美術であったりとか、原始美術であったりとか、
子供の作品とかも扱われていて。
どうせ見ると素朴化とか、下手くそも大きくは言えないけど。
デッサンとか、私、やったことないんじゃねえの、みたいな感じなんだけど。
ドーンと衝撃が来て。
今までやってたことは何だったんだろうって。
そのあたりで、ますます描くのがつらくなっちゃって。
当然、美大は浮からないんですよ。
浮かない時に、
2年くらい浪人しても浮かんなくて。
美術って何だっけ?美術って何だろう?ってところに行って、
実はそこから理論の方に、現実学の方に入って行って、美学をやってたんですけど。
美術って何だろう?ちょっと考えてみて。
ちっちゃな子供の時みたいに、誰に言われるでもなく、
課題は来週までやらないとかじゃなくて、
気づいたら自然と描いてた。
で、なるまで描くのやめようって決めて、理論の方に入って。
そうすると、ますます仕事がないわけで。
世田谷の魅力
大学に行ったら学芸員資格が。
当然のように、そのときは一番学芸員が高かった時代だと思うので、
大学で学芸員課程をやった初日に、お前ら学芸員になれると思うなよって言われて。
でも、うちの父が仕事の流れで博物館に関わってたので、
そのときに企業博物館をやったときに、
学芸員を企業の中から育てるというやり方をしたところだったんですね。
会社の中で、今実際にいる詳しい人に資格を取らせて、学芸をやるっていう。
外部から雇うんじゃなくてって。
そういうふうに、そのときに資格持ってますって言えるようにでも取っておこうぐらいに思って資格を取り、
でもそのときも全然学芸員になれるとは思ってなくて、
なりたいなぐらいは思ってたのかな。
でも、どちらかというとイベント系の仕事をやりたいなと思っていて、
イベント会社とかを就職で受けていたんですが、
めっちゃ就職難の時期で、普通にみんな就職できなかった。
商標書き。別に焦ることもなく。
そういうもんだろうみたいな。
3月になっても、全然別に。
来年何しようかなぐらい思っていたら、たまたま募集が。
瀬田美濃ですか?
はい。
高校が瀬田谷の周辺、実は目黒なんですけど、ちょっと飛び出た目黒なので、瀬田谷の近辺に。
友達は瀬田谷の友達がすごく多くて、たまたますごく当時仲良かった友達の家によく遊びに行ってたら、
そこのうちのお母さんが瀬田谷区の区役所に勤めている人で、
「千代ちゃん、学芸の資格取ってなかったっけ?」
「なんか瀬田谷美術館で学芸募集してるわよ。」
今思うと、95年入社なんですけど、
95年って現代美術館と写真美術館ができた年なんですけど、
なので、どこまで行っちゃっていいのかわかりませんが、
瀬田谷美術館としては急な決意ができたということで、
募集が本当に3月の…
本当に急な決意になっちゃって。
多分、受けたのがもう3月の…
地下鉄サリンっていつでしたっけ?
3月20日です。
その辺りなんですよ。
本当に?
僕は3月20日生まれで、だから1996年の3月20日です。
あの本当に前後の試験だったんですよ。
あれ、97年か?
違います。95年です。
5年の1月が阪神大震災で、95年の3月20日が?
3月に入ってから募集はもっと前だったと思いますけど、
試験を受けに来たのがちょうどあの前後だったと思うんですよ。
4月1日からめちゃくちゃ急ですね。
ものすごくラッキーなことに、受ける人もすごく少なくて。
急だったのもあった?
多分。1日でどのくらい落ちてるか知りませんけど。
でも試験来た時には本当に、
あれ、今こんなにみんな学芸になりたい人がいるのに、こんなに少ないんだ、ぐらいな感じで。
その時に非常勤で受けたの。
非常勤受けに来たのが多分3、4人、5人くらいだった。
うち2人多かったですよ。
すごいですね。
この番組をちゃんと1から聞いてくれてる人は伝わると思うんですけど、
この番組で出てくれてる仲良いクリス美術館の人、
小野様ね、この番組で小野様って言われてる。
それから前回出てくる板橋くん、松岡館長、
2人とも同じような話してました。
クリス美術館に受けたらほとんど人数いなくて、
ここに残って、しかも2人ともずーっと続いてる人たち。
小野さんもずーっと背旅だし。
みんな共通してますね、それが。
だから縁なのかな。
機能職員の中でも、職員とかもっと広く、
アルバイトまで全部含めても、
開館記念展見に来てるのは私だけだと思いますよ。
それはでも伝えたんですか、面接の時に。
え、行ったかな。
見て衝撃を受けたんですよ、みたいな。
全然覚えてないですけど、行ったと思います。
やっぱりすごいなと思うのが、ずっと画家を目指してたわけじゃないですか。
それが、もし1年、2年ずれてて、
もう学校に入っちゃってて、その展覧会を見たら、
たぶん衝撃を受けようがないから。
もうもしかしたら、プレイヤーの道に進んでたかもしれないし。
タイミングがうまいことできてますね、今の話を聞いてると。
たぶんそれはどの方もきっと、
全部ちゃんと不合があって、
奥さんと出会われた時もね。
なんかずれてたら起きないことなんだよ。
振り返ってみると、もう運命としか思えないような。
そういうものって何でもあるんだろうな。
観賞教室の立ち上げもそうで、
たまたまその時、同じタイミングに何かが起きてるから動いたんだよ。
何かが動くっていうことは、絶対そこに
奇跡的な何かが動いてるんだなっていうのは、やっぱり思いますしね。
というわけで、今に至るんですよ。
すごいよくできた話です。
ずっと世田谷一筋というか。
一筋で、他に行きたいと思ったことはあるかな。
ないですね。世田谷はやっぱり大好きですね。
作品も好きですし、うちが扱ってるみたいな作品はすごく好きですし。
世田谷が好きっていう以上に、世田谷が好きって言ってる人たちが好きなんですよ。
そこは正直、たぶんどこにもない。
何か人が集まって、うちの美術館はね、とか言いながら、この周辺にいて。
私もこの地下の事務所にいると、上にもデスク実はあるんですけど、
昔の休館の時とか、階層工事の時に、上にカードキーがないと入れなくなっちゃったんですよ。
それが嫌で。
いわゆる学芸員さんは、そっちの部屋にいるってことですね。
前はそこも出入り自由で、外の人がいくらでも入ってこれたんですけど、
ちょっとセキュリティがあって、カードキーが付いちゃったら、外の人が入ってこれなくなっちゃったんですよ。
普通美術館はそうですよね。
不思議な話のようにしてるけど、普通そうですよね。
そうなんですけど、私はいつも1日に、少なくとも3、4人は、多いと20人とか30人とか、会いに来てくれる人たちがいるので。
だから美術関係者だけじゃなくて、観賞スタッフさん的な人たちもってことですもんね。
普段来てる人たちもいるますし、たまたま店なんか見に来た、昔の知ってる人って。
昔の美術大学の卒業生とか、マラソンでちょっと暑いから美術館入ってみたみたいな人とかが、
あずまやさんいる?って入ってくるんですよ。
それは関係ある人ですよね。
関係ある人です。
たまたまの人が、あずまやさんいる?とは来ないから、あずまやさんの知り合いをね。
そういう人たちが来て、会えなかったら寂しいじゃないですか。
なので、誰でも入って来れるところにデスクを移したんですね。
あずまやさんは、逆にここが職場だとずっと思って、ここを最近知ったのが、デスクは別のところにあった。
実はあるんです。
ほぼ毎日はいろんな人が。
そうですね。いると、だいたい誰かしら入ってくるので。
その人たちが、マラソンの延長とか、暑いから入ってきましたみたいな感覚で、
ここに来てくれるのがすごく嬉しいというか、そういうセタビが好きなんですよ。
世田谷美術館の役割
なので、他に行ったらまたその場所をそういうふうにしていくのか、それができるのかどうか。
でも、できないのかもしれないですね。
私の元上司で美術館を辞めちゃった人が、最初にそこも強くインプットしてくれて、
人がいなければ美術館じゃないという持論だったので。
あと、私への教えは唯一それしか教えてくれなかったと思うんですけれども、
私のこの仕事は人を楽しませる仕事だから、
人を楽しませるためには担当者が本気で楽しまないと絶対人は楽しんでくれないよというのが唯一の教えで、
でも絶対的な教えで。
なので、私自身がこの地下でどうやったら楽しくなるのかということを常に考えていると、
そこにいろんな人たちが巻き込まれていくというか、ついてきてくれるというか。
その人たちが逆に離れていったら、この美術館はおしまいだなと思っているので、
ある種の目安というか、アドバイザーというか。
でもここは区立の美術館なので、そもそもその人たちを楽しませるためにあるわけだから、
その人たちがまだこの距離にいてくれるんだなということを確認しながら、
美術館を何かを仕掛けていくということをやっていかないと、多分区立の美術館ってダメなんだろうなと思っているので、
そこがうまくバランスをとって、今かなっている状態にはなっているので、
幸いなことに離れていってはいなくて、
30年ずっとそのようにつかず離れず、もしくは途中でどこかで離れてもまた当たり前のようにここを使ってくれる人たちが、
何百人とこの周辺にいることで、私も安心できるので。
しかも今回、東谷さんにゲスト出演いただきましたけど、まだまだ普及の皆さん、面白い人たちが多い。
東谷イズムがどんどん。
別々の人間として。
みんな背たび合いがすごいし、
いろんな美術館の仕事柄が行っているけど、ここは本当にそういう意味では、すごくアットホームな美術館。
世田谷ってイメージって、どこか高級住宅地ってイメージがあって、
ダンスとアートの融合
他の区からするとちょっと敗訴なイメージがあるかもしれないけど、
来てみると、逆に一番下町みたいな美術館ですよね。
そう言っていただけると、それは本当にありがたいです。
足立くんみたいな感じですよ、美術館。
褒め言葉がよくわかんないけど。
ということで、いろいろ聞いてきたんですけど、最後これだけ聞こうかな。
毎回聞いてるんですけど、美術以外の趣味はありますか?ってのもいろんな人に聞いてまして。
安嶋さん、こんだけ忙しいけど、趣味って言ったら何になるんですか?
趣味はですね、ダンスやってるんですよ。
何系のダンスですか?
いろいろやってるんですけど、クラシックバレエとかやってて。
今日も私、4時までやってました。
4時までじゃない、3時までやってました。
習ってるんですか?
習ってます。
それはもう出るんですか?
出てます。
バレエ歴は何年なんですか?
10年です。
ちっちゃい頃からバレエやろうって聞いたことあるんですけど、何のタイミングでバレエやろうと思ったんですか?
年齢を意識したときに。
とにかく私、仕事がすごい好きなんですよ。楽しいし。
ふと気がつくと、自分の休みの日も美術館に行ったりとか、一緒に遊びに行くのも美術館の鑑賞リーダーの人とか。
気がついたら、あれ?全部美術館じゃんって思って。
これまで大丈夫なのかなって。
一応私、定年退職したら鑑賞リーダーになるつもりなんですけども。美術大学も入るつもりなんですけども。
それ以外に何もないって、どうなんだろうって。
ふと気づいた瞬間があったんだ。
それで、大体40から45くらいって言ったら、年齢わかっちゃうだろうって。
みんな計算してる。でも僕も今40から45の間ですからね。
これ人間の過渡期らしいですね。
そうなんですか?
人間は、自分はこれでいいんだろうかって思うタイミングが、人生に3回訪れるらしくて。
最初が、親元離れて就職するぐらいのタイミング。仕事するタイミングと。
その次が、人生最大の危機だしですよ。
12条越えと日差しが反対側から来るっていう。
本当に自分は生まれ変わるなら今しかないっていうタイミングが40くらいらしいです。
その時に人間は何か新しいことを始めるらしいんですけど。
それがダンスだったんですか?
ダンスだったんです。
なんでダンスだったのかな?
たまたまですよね。
友達に誘われてスポーツジムに行ったら、そこのスポーツジムにバレーがあって。
バレーは興味なくはなかったんですけど。
大人になってバレーって、そんなのちょっとねって思ってたら、
スポーツジムで行ったバレー教師が、めっちゃ本気なところで。
足も高く上げたりとか。
ぐるぐる回ったりとか。
そこにいた、私より一回り上の方。
当時だから60の方が、40代からバレーをやり始めたっていう方なんですよ。
めちゃくちゃかっこいいんですよ。
先生も全然本気すぎて。
大丈夫ですか?っていうぐらい大人に対して本気すぎて。
趣味のクラスとかじゃないんですか?
それでこんな世界があったんだ。
私自身は普段美術館で、
趣味ですからとか言うと、ぶん殴るぞみたいな勢いで。
趣味だからとか言う。
美術にかかるのであれば、プロとかアマとかじゃなく、
本気でしょって容赦しませんよっていうことをやってきた中で、
自分が受ける身になったときに、
そういうふうに本気出してる先生がいるんだってところからのめり込んでいって。
それがモダンとかコンテンポラリーとかもやり始めつつ、
去年10年になったので。
すごいですね。
もう回転とかもいけるんですか?
去年だから10年を記念して、大人のバレーコンクールに出たんですよ。
議員になりました。
これはなかなか今までいろんな格好で立ててくれましたけど、
これは一芸ですね。
でも私は素朴派バレーを目指したいんですよ。
ダラスって聞いたときに、
世田谷美術館さんってロビーで講演やるじゃないですか。
それがきっかけかと思ったら、それとは関係ないんですか?
もちろんずっと身体での、
人間体の身体表現がやっぱり基本だと思うんですよ。
絵を描くとか歌を歌うとか、もちろん文字なんかつい最近ですし、
最初に表現を始めたのって、きっと身体の動き、
手真似の手話とかも含めて、
だからやっぱりものすごい根源的なものとして、
身体を動かした何かっていうのは好きでしたし、興味もありましたけれども、
結局スポーツジムに行ったのがいいかな。
でもいまだにロビーでの講演はやってる?
ちょっとそれはね、大変すぎてお休みしております。
そのうち、来年が40周年でした。
じゃあ、あずま屋さんがやればいいんじゃないですか?
あ、あのですね。
出ます。
なので、特に最近やっぱり。
出ます?何が出ます?何に似てるんですか?
私、話の時間がないんですけれども、
結局基本は素朴派なんですよ。
なので、プロの優れた技ももちろん素晴らしいんですが、
仕掛けていきたいのは素朴派なので、
技巧的に優れてないけれども、何かにいじみ出てくる素晴らしさというものを、
私は個人的には興味があるので、
今現在開催中のこのミドリの惑星展でパフォーマンスもやるんですけれども、
2つありまして、1つは桜祭りで、みんなで割り立って、
カッパのダンス恒例を踊ろう。
桜祭りの中でやる、今回もフリーマーケットとか回るけれども、
パフォーマンスイベントがありまして、
これは群馬直美さんという画家がいらっしゃるんですが、
ネギをよく描いている。
植物の画家がいて、今回出品はしないんですけれども、
この方も昔からパフォーマンスを自分でもやっていらして、
プロのダンサーというよりかは、それは趣味なのかもしれませんが、
結構ガチでやっていまして、
この方が、今いくつだか言いませんけれども、
すごくお若い頃に、
葉っぱのダンス、光合成というものを自分で描きました。
この方は、光合成のように、葉っぱをものすごくリスペクトしていまして、
葉っぱの絵を描いているんですが、
それと同時に、光合成を振付に起こしたものがあって、
それが何十年か前に、
立川在住なんですが、立川の市長賞をいただいたらしいですね。
このダンスが。
その葉っぱのダンスを、私も何度か公演では見ているんですけれども、
それを昔からやりたかったことのうちの一つなんですが、
うちの広場の、くぬぎの木のランドマークと言ってもいいような、
大きなくぬぎの木が中庭にあって、
地域社会とのつながり
その木を取り囲んで、50人とか100人でこの葉っぱのダンスをやりたいという、
野望がありましたよ。
3月29日、30日。
もしかしたら、みんな花見しているかもしれない中に、
大人が50人で。
いやいや、誰でも参加できるので、
お子さんでもその場で誰でも参加できるので、
振付は簡単な振付なので、その場でウーマさんが多分説明してくれるし、
あと動画は配信されているはずです。
振付動画が。
振付動画が。
期間中に来ると、どこかのタイミングでやっていると思います。
動画は当館のホームページから、
ウェブサイトから見れますし、
その気になれば、当日この桜祭りの29、30日の1時と2時に、
くぬぎ広場にいらっしゃれば、一緒に踊ることができます。
私も踊ります。
その踊りは、このダンス、
高剛性のダンス、葉っぱのダンスを踊れるということですね。
そこにオリジナリティがあって、バレエとかを出したりするんですか?
葉っぱのダンスは、群馬さんの考え方が、
この世の葉っぱは全て一枚一枚違うが基本なので、
振付がありますけども、皆さん自由に踊っていただいて大丈夫です。
じゃあ、もしかしたら、あずまやさんのバレエも見れるかもしれない。
でもそれ以外に、ここに載っていないんですけど、
もう一つパフォーマンスイベントがあります。
クロージングパフォーマンスを。
展覧会のクロージング。
桜祭りとはまた別ですね。
4月13日ということですかね。
これはですね、当館でもずっとオリトミーというもの。
コンテンポラリーダンスに近い。
なんかうなずいてる方が。
コンテンポラリーダンスに近いんですが、
厳密に言うとダンスではなくて、
主体内教育の一環で行われているもので、
ただ一応舞台美術としてもやってるんですが、
今美術大学の授業の中でオリトミーというのも必須で入って、
実技の一つに入っているんですよ。
それを卒業生たちも巻き込んで、
わりと年間月1くらいでやってるんですけれども、
そのオリトミーを前にやった動物の展覧会のときにも一環として、
それはノアの箱舟を主題にしてやったんですが、
今回は先ほどから話して、
子どもたちの作品のある展示室を舞台背景として、
そこで植物の生命力とか、
そういったものをイメージした振付で、
オリトミーで講師に来てくださっている方たちが、
ワークショップをまずやるんです。
そのワークショップの発表なんですが、
前回も相当いい内容のものになったので、
出演するのは素人ですが、
公演として20人くらいの出演者で、
あそこを舞台に。
これは4月13日の最終日の閉館後になります。
これはどうしたら一般の方に見られるんですか?
ウェブサイトのほうで募集をかけていますので、
そちらのほうで結構面白くなると思います。
いわゆるバレエみたいに、
技巧的に高く足を上げるとか、ぐるぐる回るとかではなくて、
ある種の年を重ねた方たちが多分多くなると思いますが、
その方たちの体による表現という面白さを見てもらえるんじゃないかな。
これすごいじゃないですか。
飾ってあるのは子どもたちのパワーで、
そして子どもたちとの対比ですね。
上から若いエネルギー、下から生きてきたエネルギーみたいなのが
ぶつかるものが見れるんじゃないのかな。
すごいですね。
高校生よりもすごいことが起きそうですね。
とはに出演者は素人なので、
公演はウェブサイトからの予約制で、
ただし無料になっていますので、
ぜひそちらの方も。
私、担当者で前回出て、
うちの若手職員から結構怒られたんですが、
多分今回も出るんじゃないかな。
出ないの?って言われたので。
そこはもう出られないですもんね。
講師の方たちにも、出ないんですか?って言われたので、
まあまあ出ないわけにはいかないのかなという感じですね。
という宣言を今しております。
これが若手の職員たちに聞かれないことを望むのみです。
この放送。
ということで、あっという間に時間が来てしまいましたが、
収録いかがだったでしょうか?
良かったですか?こんなので。
全然良かったと思いますよ。
話し足りないものがそれぞれにいろいろ残っているような気もしますが、
大丈夫なのかな?
さっきあえて聞かないようにしたんですけど、
だって三部作なんですもんね。
また三部作の時に是非是非ご出演いただければと思います。
今もう三部作の三部作名。
一言だけ言うと、
動物植物と聞いて、
うちの職員は次は水族館って聞かれたんですが、
扱うのは最後は人間です。
全然どんなのか分からなくなりますが楽しみですね。
その時に是非また遊びに来ていただけたらと思います。
展覧会の告知
改めて展覧会の告知をよろしくお願いいたします。
世田谷美術館コレクションセン 緑の惑星 世田美の森の植物たちという展覧会。
こちら2月27日を開催中ですね。
4月13日、日曜日まで開催しています。
イベントも満載で、
ジェームスタレルのテレフォンブースの体験や、
クロージングパフォーマンスなどなど、
ウェブサイトから予約になっておりますので、
そういったものも調べた上でお越しいただけると、
ちっちゃなお子様から大人から小さなお子様まで楽しんでいただけるものとなっていますので、
ぜひ気をつけられると嬉しいです。
ありがとうございます。
58:59

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