2025-06-04 36:19

#EXTRA3 「(小野田対談)坂爪真吾の新書はなぜこんなに面白いのか③」(ゲスト:文筆家 坂爪 真吾)

(本エピソードで使用した資料はこちらから)

⁠https://drive.google.com/file/d/1IbYY4aMO7LHsqg9Bpst-FQWMeIiGtWbq/view?usp=sharing⁠

 

坂爪 真吾(さかつめ・しんご)1981年新潟市生まれ。東京大学文学部卒。2008年、障害者の性問題の解決に取り組む非営利組織「ホワイトハンズ」を立ち上げる。脳性まひや神経難病の男性重度身体障害者に対する射精介助サービスを全国各地で実施。2015年、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」を立ち上げる。「見えづらい」「つながりづらい」と考えられてきた風俗の世界で働く女性たちに対して、SNSでの情報発信やデジタルアウトリーチを通してつながり、弁護士とソーシャルワーカーの相談会につなぐ仕組みを構築。9年間で延べ1万人以上の女性に支援を届ける。2025年4月、夜職従事者のための伴走AI「YOLUMINA」の開発を行う団体・ヨルミナを立ち上げる。

⁠⁠X:https://x.com/shingosakatsume⁠⁠


著作のご紹介風俗嬢のその後 (ちくま新書 1847) ⁠⁠https://amzn.asia/d/0cX3Kkw⁠⁠

「身体を売る彼女たち」の事情――自立と依存の性風俗 (ちくま新書)

⁠⁠https://amzn.asia/d/8LGimaD⁠⁠

パパ活の社会学~援助交際、愛人契約と何が違う?~ (光文社新書)

⁠⁠https://amzn.asia/d/9IJMASB⁠⁠

性風俗のいびつな現場 (ちくま新書)

⁠⁠https://amzn.asia/d/aXRCVDq⁠⁠


内容:朗読①『性風俗とは何か』 / 曖昧さゆえの利益 / 社会課題領域における言語化の重要性 / 当事者の言葉から得たキーワード / セカンドキャリアに至れた人と至れなかった人 / 自分の時間を切り売りするということ / 私たちの問題としての性風俗 / 脱がずに生きていくために必要な力 / 朗読②『性風俗とは労働か』 / 労働者性という定義の曖昧さ /法的保護が利益の最大化を阻害し得るというジレンマ / 業界の自主規制の限界と椅子取りゲームの類似性 / ハードローとソフトロー / 媒体独自の表現 / 坂爪新書の唯一無二の面白さ/ 問いが問いを生み、それを抱える


ようこそsocial hive WAITING CAFE 点描の弧へ。

ここは東京文京区本郷三丁目駅の裏にある、小野田総合法律事務所併設シェアオフィス『social hive HONGO』のメンバーが立ち寄るWAITING CAFEです。

毎週この時間のWAITING CAFEは、決まってメンバーの誰かがふらっと立ち寄って面白い話をしてくださるんです。

まるで世界の見え方がほんのちょっと、変わってしまうような。

※番組へのお便りは、socialhivehongo@gmail.comまでお寄せください。


聴き手 :⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠岡田壮麻(スタートアップ支援家)⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

常連 : 和賀未青(株式会社ニイラ代表)

HP:⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://niila.info/index.html⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

制作 : 小野田峻(弁護士/小野田総合法律事務所)ほか 

小野田総合法律事務所 : 

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠HP:⁠⁠⁠⁠https://www.ot-lawoffice.jp/⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠


X [Twitter] :⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ social hive HONGO(@socialhiveHONGO)⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

*ご感想は 「#点描の弧」 でお願いします。

BGM:zippy(作曲家。X [Twitter]:zippy@zippy_zippy_)

ーーー

Welcome to social hive WAITING CAFE Tenbyo no Ko.

This is the WAITING CAFE where members of "social hive HONGO," a shared office attached to Onoda Law Office, located behind Hongo 3-chome Station in Tokyo's Bunkyo Ward, stop by.

Every week at this time at WAITING CAFE, one of our members stops by to share an interesting story.

It may be a story that will change the way you see the world just a little bit.

サマリー

坂爪真吾氏と小野田氏の対談では、正風俗という概念が取り上げられ、短期的な利益を追求するための曖昧な境界線について論じられます。労働の定義や社会的な問題に対する視点が共有され、特に個々の強みを引き出すことの重要性が強調されます。今回のエピソードでは、労働者性と西風俗の業界におけるジレンマに焦点を当て、経済的依存や意思決定の自由の観点から労働者の位置づけを探ります。また、坂爪真吾が提唱する複雑な法制度とその影響についても考察されます。坂爪真吾が語る新書の魅力とその独自の表現手段が明らかにされます。また、社会課題を言語化する重要性についても触れられ、リスナーに新たな視点が提供されます。

00:13
ようこそ、socialhive WAITING CAFE 点描の弧~。
ここは東京文京区、HONGO3丁目駅の裏にある法律事務所併設シェアオフィス、socialhiveHONGOのメンバーが立ち寄るWAITING CAFEです。
毎週この時間のWAITING CAFEは、決まってメンバーの誰かが、ふらっと立ち寄って面白い話をしてくださるんです。
まるで世界の見え方がほんのちょっと変わってしまうような、そんな話が聞こえてくるかもしれません。
socialhive WAITING CAFE 点描の弧ス新しい当たり前をデザインする実践者たちの日常
今回も引き続き小野田さんと坂爪さんの対談をぜひお楽しみください。
なお、対談内で触れられている坂爪さんのご著書と、小野田さんが使用されている資料は概要欄にリンクを添付しておりますので、適宜ご覧ください。
正風俗の概念
正風俗とは何か。結論から述べると、あらゆる境界線を曖昧にすることで短期的な利益の最大化を追求する仕組みである。
正風俗が劣機とした労働なのか、一攫千金を狙える闘技なのか、守るべき文化なのか、許しがたい作種なのか、はたまた人為的にコントロールすることの難しい現象なのか、議論が分かれる部分であるため、ここでは仕組みというニュートラルな表現を用いることとする。
正風俗は道徳や倫理よりも、安心や安全よりも、過去や未来よりも、何よりも今日の収入が優先される世界である。今だけ金だけ自分だけを自で行く世界だ。社会のルールやマナー、常識に従っていては短期的な利益の最大化はできない。境界線の内側にいる限りは、大きなリターンは得られない。
一方で、境界線を踏み越えることは当然だが大きなリスクを伴う。法に触れる行為をして身柄を拘束されてしまえば、それ以上利益を出すことはできない。そのため、境界線を踏み越えるのではなく、曖昧にするという手法が使われる。
労働者性を曖昧にすることで、衛生観念を曖昧にすることで、倫理観や順法意識を曖昧にすることで、自他の境界線を曖昧にすることで、利益を最大化する。グレーゾーンを作り出すこと、もしくは自らを灰色の存在にすることで、白の世界、表社会では得られない利益を、黒の世界、裏社会よりは安全な方法で稼ぐことができる。というわけだ。
ここは本当にすごい。ここだからすごいって書いてある。
すごい。ありがとうございます。
本の冒頭で、西風俗とは何かっていう問いを立てて、それに答えますよっていうこと自体めっちゃ大ぶろ式。
ですよね。まじで大ぶろ式広げてるんですね。
なのに、ちゃんともう答えを出したいって書いて。
西風俗とは何か。結論から述べると、あらゆる境界線を曖昧にすることで、短期的な利益の最大化を追求する仕組みである。
いやもうこれちょっと惚れ惚れするっていうか。
いや嬉しいです。
ありがとうございます。
曖昧な利益の関係
だからここまで読んだ人間、これ本当に最後の章に出てくるんですけど、最終章の第4章の誰もが脱がずに生きることのできる社会とはっていう章に出てくるんですけど、
これここまで読んだ上で、この一文読むと、はあっていうか、いやそうだねって。
だからいろんなものをあえて曖昧にした上で、曖昧になってるからこそ利益が最大化されるんだっていう。
ある種その曖昧にするっていうことの共犯関係みたいなものが、例えばお店と当事者とお客さんとみたいな。
でも曖昧であるがゆえに起こる不幸とかダメージもある中で、じゃあそういう不幸とかダメージが起こるから曖昧さをなくしてしまったら、利益の最大化っていうところにつながらない。
要は稼ぐ場所にならなくなってしまうみたいなことが当事者にとっていいのかみたいな。
でもかといって稼ぐ場所がそこしかないっていう状況になっちゃってること自体がおかしいじゃんっていうメタの批判がさらにあり得るみたいな。
だからそういうある種こう冒頭というか岡田さんとかの話にもあった多面的っていうところがある中で、
多面的であるってことは言語化難しいはずなのに、ここまでバスッとこうできてる。
ここまで綺麗な言語化がされてると、例えば僕は起業化シーンをずっとやってますけど、むちゃくちゃバウンスをしやすい。
なるほど、その視点からですね。
し、精度設計しやすい。だからこの社会課題領域を一言で表すならどうなりますかって言われた時に、
やっぱり僕相談に来る方々とかって実際の自分の取り組みは優れてるけど、一言で表現できない。
みたいな社会起業家とか団体さんとか。
それ難しいですもんね。
でその一言で表現するっていう作業に時間かけるんですよね。
なんでかっていうとそこが曖昧だと具体的な事業が落とし込めないとか、その団体の理念と事業が一貫してないとか、
あるいは外部の企業連携の時に企業の人に分かってもらえないとか、あるいは寄付者とか投資家の人に分かってもらえないとかがあるので、
社会課題領域って本当にこういう一言で表すのむっちゃむずいんですけど、ここまで綺麗に言語化されてると、
もうこれをテーマに例えば法律考えましょうとか、予算の付け方考えましょうとか、むっちゃやりやすいなと思って。
たぶん社会課題って言えば言語化できれば半分ぐらい解決したんじゃないかって思うんですよね。
やっぱでもそう思うんですよね。
どうしても変な形で言語化しちゃうとどんどん失敗するじゃないですか、どう見ても。
なのでちゃんとしっかりまとめた形で言語化できれば半分ぐらいは解決じゃないかなとは思うので、そこはちょっと気合い入れて書いた部分はありますね。
これはどの段階で導けたんですか、この一文。
確か医学部に受かった女の子の話。
すごかったです。
あの辺ですね。
彼女の話。
もともと家で症状で逆体ウエディングでささまってたような人だったのが、一年おっきして医学部受けて、そのABで稼いだ金で全部私学の学費払ってみたいな、
なかなかすごい豪快な話があったんですけど、その方がやっぱりその境界線ということをワードとして出してくださって、
これ使えるよっていうのでインタビュー中にひらめいたっていうのがありましたね。
やっぱりそうなんですね。
彼女の言葉から。
だから彼女の言葉と、あとはヨーロッパの方の大学院で、
赤瀬家庭の彼女の。
玲子さんですね。
すごかったですね。
原語化できる人たちですもんね、自分のやってきたことを。
彼女、特にここに出てくる方々みんな本当に貴重な話してくださってますけど、今の2人の話はめっちゃパワーワードというか、
パンチラインというかすごい話だなって。
あれは本当グザっときますもんね。
でこれ、風俗場のその後のこの本を読んだ方の読書感想みたいなのもちょっと読んだんですけどね。
皆さんもちろん本当に良書だとか、面白かったっていう声ばっかりの中で、
セカンドキャリアに至れた人たちが出てくるけど、至れなかった人たちがたくさんいるんじゃないかみたいな。
これはもちろん、ある意味、至れた人たち、セカンドキャリアに到達できた人たちがいて、
こういうこともできるんだよって紹介するわけじゃなくて、
そこから逆算して、ある種の抽出、抽象化して抽出化して、
この現象のある種再現可能性を高めるにはどうしたらいいかっていう本。
だから当然そういう意味では成功例しか挙げられてないのは、本の目的上、当然そういう本ですよね。
これでもやっぱりこの外側に逆に言うと失敗とか、なかなか抜け出せないとか、そういう例もたくさんあったってことです。
多分抜けない人は多数派だと思うんですよね。
もしくは何でもかかっちゃうみたいな人、もしくはメジャーだと思うので、
そんな綺麗にさっぱりスポーンと抜けるって人は本当にレアだと思うんですが、
でもやっぱりそういった人も当然一定数存在されているので、
しっかり分析して抽出して、しっかりと要点を。
その一定の分析を加えてこういうふうな道のりをたどれば卒業しやすくなるんじゃないかって言葉もある程度言えるものが出てくると思います。
で、特にこれ坂津さんの本全般にかかることなんですけど、
これ西風族だからって言って、
じゃあ特殊な話なのかっていうと、
これ私たちの問題なんだっていうことをよくおっしゃるじゃないですか、本の中で。
じゃあなんで私たちにつながるのかっていうときに、
この風俗上のその後の本の初めにの部分で、
ちょっとこういう一フレーズが出てくるんですけど、
AIに人間の仕事が奪われていく中で、
望まない形で自分を切り入れするしかない状況に追い込まれる必要はこれからますます増えるだろう、
いう一部分が出てきてて、
これってみんなに当てはまるんじゃないかなっていう。
そうなんですよね。
そういう結構視野を広げると、
みんなそうなっちゃうんじゃないかっていう場合もやっぱり思うところがあるので。
ちょっと読み間違えた。
追い込まれる人はこれからますます増えるだろう。
そうですね。
本当は望まない形、自分がもしくは自覚しない形で、
そういった一種の技術枠的な、
隙間割合的な世界に押し入れられちゃう人が増えてくると思うので、
そういった意味では谷元じゃないよなっていう話はあるのかと。
ある種の新中心じゃないですけど、
政府属っていわば自分の体とか時間を切り売りしてるっていう風に抽象化するなら、
よく考えたら自分たちも切り売りギグワーカー、スポットワーカーの話もありますけど、
切り売りせざるを得ない状況に追い込まれるっていうのは確かに増えるだろうなって考えると、
誰しもにとって他人事ではないみたいな。
逆にこの終わりの部分に書かれていることが、
まさにソーシャルハイブとか僕らも意識しているところなんですけど、
ちょっと短いのでまた読むと、
政府属は見えづらく関わりづらい世界だと思われている。
しかし実際は私たちの生きている空間と地続きの世界である。
普通の人たちがありふれた理由で普通の仕事と同じように働き、喜び、傷つき、悩んでいる。
私たちの社会の祝図に他ならない。
脱がずに生きるために必要な力は一人一人の心の中、そして私たちの社会の中に既に備わっている。
ちょっと途中中略して抜粋しておましてもらいましたが、
この必要な力、脱がずに生きるために必要な力は一人一人の心の中とか社会の中にあるんだっていう、
その捉え方がすごくソーシャルハイブなり僕も共通するところだなというか、
何かを授けるとか何かを教えるとか何かを引き上げるとかっていうんじゃなくて、
もともとあるよという、ここに込めた思いみたいなところっていうのは。
よくソーシャルハイブもエンパワーメントですよね。
力を引き出す。
基本的に風俗で働いた人ってガッツがあるじゃないですか。
多いんですよね。
困った時に自分で風俗で働いてお金を稼いで何とかするって思うんだけど、
力というかパワーがある人が本当に多いので、
そこは多分全然プラスに問われてもらって構わないと思うので、
そういった自分が持っている強みですよね。
一種のストレングス的な部分に視点を持って当ててもらって、
それを意識、自覚した上で何とか行動していけば必ず、
社会のキャリアが実現できるんじゃないかって思うんですよ。
社会的な強みの引き出し
本当にたくさんあったので、
そういった意味で自分の強みって間違いを自覚できないものだと思うんですけど、
そういった強みを持ってもきちんと引き出して活かしていくみたいな、
そんなふうなことができればと思って答えたところで終わります。
就労を妨げる要因、就労を実現するための条件を分析していくと、
本書のテーマの一つである、
西風俗とは何かという問いに対する答えが朧げながら見えてくる。
そもそも西風俗は労働なのだろうか。
税務所、風俗所は個人事業主になり、
稼いだ収入は給与収入ではなく事業収入になる。
しかしそのことを意識している女性は少なく、
確定申告を行う必要があること自体を知らない人も多い。
ゆかりさんは労働ではないと言い切っていた。
確かに納税もしない、スキルも必要とされない、
ただ楽しいだけの仕事は労働ではないだろう。
労働と恋愛、労働と遊びの境界線を曖昧にして稼ぐ仕事、
と言い換えてもいいのかもしれない。
一般の仕事で働くことに困難を感じた女性が西風俗の仕事を選ぶ。
男性客が西風俗店の女性に求めることは、
素人らしさや恋人らしさであり、
プロの労働者であることを求める男性客は少ない。
在籍女性がプロの労働者であることを売りにしている店も少ない。
つまり、女性も男性客も店も、
労働者性のジレンマ
西風俗の仕事に労働者性を求めていないのだ。
むしろ、労働者性を曖昧にすることで、
三者それぞれが価値を得たがっている。
通常の労働では得られない収入、
通常のサービスでは得られない体験、
通常の経営では得られない利益を得て、
おいしい思いをしたい、という気持ちがある。
一方で、遅刻や当日欠金をせずに真面目に出勤し、
リピーターを確保して売り上げを上げ、店舗に貢献する、
という労働者性の強い働き方をすることもできる。
現在のデリヘルは、広告に多額の費用を投じて
集客する形になっているため、店舗としては、
リピーターを確保して初めて利益が出る仕組みになっている。
男性客から、また会いたい、と思ってもらえるためには、
女性側にも接客の努力が必要になる。
かな子さんのように、個人でオリジナルイベントを開発するなど、
日々の接客技術の研鑽を怠らない人、
自己管理のスキルが高い人だけが長期継続的に稼ぐことができる、
という現実もある。
つまり、西風族の仕事は、
労働者性が求められていない一方で、
完全に労働者性を排除することもまた難しい、
というジレンマを内包している。
法制度の影響
で、この部分が、
特に弁護士として意識することというか、
いわゆる法制度の線引きをし直すとか、
ある種、税法上どう扱うかみたいなときの、
その労働者性っていう問題がすごく…
まさに、そうですよね。
弁護士案件の世界では。
さらに、女性も男性客も店も西風族の仕事に、
労働者性を求めていないというのは、
確かになるほどなと思う反面、
ただ女性が置かれている立場のことを考えると、
いわゆる労働者性の要件って、
ある種、意思決定の自由があるかということと、
あとは経済的に依存しているかどうかという、
意思決定の自由の依存性と、
経済的な依存性のある種、
縦軸と横軸の四省元を作ったときに、
要は、指示通りに仕事をしていて、
かつ、副業、兼業をせずに、
その会社の収入だけを得るという、
つまり、年効序列で、就寝雇用で、
この会社の社員として、
この会社の指示、上司の指示に従い、
収入源はこの会社だけ、
という立場の人が、労働者。
労働者性の要件って、実は法的にとか、
概念的にはっきりしていなくて、
厚労省のサイドとか、業界団体サイドとか、
弁護士サイドでも違ってくるというか、
今、四省元切っただけでも、
要は、会社の指示に従わなきゃいけなくて、
かつ、収入は会社だけっていう人は、
労働者なわけですよね。
それってつまり、労働者性が認められるので、
法的にも労働者として扱われる。
でも、例えば、フリーランスとか、
あるいは副業とかってなってくると、
そこが曖昧になってくる。
ただ、その人たちは労働者じゃないとすると、
労働法制の外に置かれてしまう。
けど、それでいいのか、
みたいなところが、ここ数年。
それこそ、ギグワーカーとか、
スポットワーカーの話の中で。
そういうふうに、ある種、
労働者性っていうものを拡張するか、
拡張して法整備をするか、
それとも既存の法律の拡大、
巡用とか類推とかっていうことをしていくとか。
例えば、フリーランス新法が最近だと、
様々な意見の形成
それはもう、基本的には下請け法と、
基本的には同じ図式なんだけど、
下請け法の適用ではなく、
フリーランス新法っていう新しい法律を
作ったわけですけど。
そういう意味では、
基本的にはパッチを当てていくっていう方向なんでしょうけど、
国としては。
話戻すと、
労働者性っていうものの要件を、
いわゆる一般的なさっきの
意思決定の自由があるかと、
経済的に依存しているかどうかっていうので見ると、
もの労働者だと思うんですよ。
うーん。
そうですよね。
実際上は。
そう。
本来は、
労働者として守られるべき。
だから、
要は、
国とか法律が、
政府属という労働を
励行できないみたいなことは、
分かるけど、
でも他方で女性の置かれている立場を考えると、
もろ普通の一般的な労働者同様、
構造とか経営者とかのパワーバランスとか、
サービス提供の過程で、
ないがしろにされる立場なので、
いやいや、
これは法的に保護すべきだろう、
っていう側面もあるわけ。
うーん。
ですよね。
この辺がだから、
やっぱり、
弁護士として、
こう、
読んでて、
一番いろいろ考えたと。
うーん。
そうですね。
そうですよね。
労働者としても、
すごく難しい部分があって、
そういうところも今やっぱり、
セックスワーク論っていうのは、
結構この20年ぐらい前から、
あったんですよね。
セックスワーク、
イズワークっていうことで、
性労働も労働として認めて、
法的な保護とかも与えてですね、
ちゃんとしっかりと与えて、
人間が守れるような形で進めていこう、
っていう運動が一部であったんですが、
方法は多分、
現場では広がってないんですよね。
もともとセックスワークとかでも、
現場では誰も使ってないし、
そもそもとして。
なので、
確かにまあ、
そのまあ、
もちろん、
理論上は、
よく分かる部分はある一方で、
やっぱり労働制度を認めちゃうと、
おそらく利益がガタベリする。
うん。
すごく減ってしまうし、
基本的に風俗は、
お金稼ぐために、
皆さんやってるわけなので、
じゃあどっちか選べって、
多分いられたら、
絶対労働制がないけど、
稼げるものに、
皆さん行くと思うんですよね。
そこは多分なんか、
結構西洋の問題とも同じで、
生還生成のリスクがないけど、
稼げない店と、
ある人が稼げる店って言ったら、
皆さんある方にガーッと行くんですよね。
うん。
そういう世界なので、
だから基本的に、
労働者性を、
なんか想定に持ってくるのは、
ちょっとなんか、
うん、
うん、
なんか難しいかなと、
自分としては思ってますね。
そうですね。
だからそこを、
だからつまりだから、
なんていうんですかね、
さっきの4商言なんですけど、
連動させると、
議論がロックされちゃうっていう。
うんうん。
ガチッとそうなんですよね。
ロックされる。
だからそこをひとまず置いておいて、
でもかといって例の、
あのー、
コロナ禍で、
うんうんうん。
ラブホテルとか、
そういうまあ、
夜の世界の、
事業者だと補助金が得られないとか、
あるいはまあ、
平時から融資を受けにくいとか、
あとは何ですかね、
例えば今なんか、
北海道の大手のキャバクラグループが、
なんか海外市場で上場しようとしてるんですけど、
あのー、
あのー、
あのー、
あのー、
あのー、
日本国内だと上場できないので、
海外で上場しようとしてるとかっていう話も…
うん。
ありますけど、
だからそういう事業者として、
きちんと認めることで、
業界が健全化されるっていう側面も。
うん。
ある、、
例えばまあきちんと長保が残るとか、
税金を収めてもらうとか、
うんうん。
でもかといっても、
dishwasher を人に伝えたいとか、
あの、
Schrödinger でこんな言われてる、
うん。
で いわゆる労働とか労働者性みたいなことが全面に出ちゃうと そのそもそもお客さん来ないとか単価が下がるとか市場としての魅力が減るみたいな
で それを当事者は望まないとか そうなんですよね なんか一回だしかな そのえっと長野かどっかで その女性が安全に働けるようにお客さんにあの
身分名 女性の提示 利用時に求めるっていうルールを作ったところがあって それを一応全県でやったんですけど そしたらその他のグループがその県に入ってきて
うちらはその身分でしょ 無しで受けるよ ってガーって結果が流れちゃって 結局まあウーヤウーヤで終わっちゃったみたいな
のがあったので 意外とそういうなんか業界みんなでこう 明日について何かするのが難しい世界だなって思ったりしましたね やっぱり
そうです まあでも一つのソリューションとしては今言ったみたいな そのいわゆるハードローとソフトローの議論があって
いわゆる国の法律みたいなガシッとした法律とハードロー で業界団体が自分たちで例えばガイドラインを定めるとか
自分たちでこういうルールに従うからあえて法律を作るのはやめてくれみたいな形で ガイドラインを定めるみたいなソフトローとかって言ったりするんですけど
ハードローの議論で全部整理しようと思うと無理が来るから まあせめて当事者が
業界が自分たちで自分たちのルールを策定して運用してくれよと そうなんですよね それ本当に心の中でマジ思ってたんですけども
業界ちゃんとしっかり声を上げてやるよとか思ったけど誰も声を上げないですからね 自民党やNPO大体3社がグラファンとか
市民キャンペーンとかやるんですけど本当業界が動かないですねマジで でも確かに難しいというか椅子取りゲームをしている中で自分だけ椅子取りゲームの割を食うというか
それは嫌だよね お前が椅子座らないんだったらうちら全部椅子座るよみたいなことになっちゃうわけですよね きっとね
そうなんですよ その辺がなかなかいかんと申し訳ない部分がある
今2ヶ書を朗読したところにフォーカスして喋ったんですけど もうちょっと本全体のことで言うと
そのひとつなぎの文章っていうこととかフィールドワークを追体験できるような本になってるから ある意味部分を切り取りにくいので延長はしにくいなぁと思っている中で
逆に言うと風俗上のその後に関しては個々の体験談とか あるいは本人の価値観に基づく
例えば日本のこういう風政風俗が産業として成り立っているのはおかしいとか あるいはその学業とか生活を維持するためにはこういう業界に飛び込まないといけない状態がおかしいっていう
ある種の一つの意見を対象者の女性の方が話してるじゃないですか それはもうどうしてもどうしたって一つの意見になるから
そこは逆に言えばそうじゃない意見を持っている人からすると いやなんだその意見はとかお前は世間知らずとかこういうこともあるんだとかっていう
ある種のこう誰かの正義感とか誰かのモヤモヤをかきたてる側面があるとすると これまでの本よりはなんかこう炎上リスク
まあそう確かにそうですねあるで比べればまあじゃああるじゃありません でも他方でそこをさすが坂爪さんだなと思うのはただそれもそれで何か誰かの代弁
というか いろんな人の声を届けるっていう構成になっているし
そこにさらに坂爪さんからフォローが入っているのでやっぱり全体として読めばきちんと多様な考え方が受け取れる
って言うで かつまああの体験ベースなのにやっぱりパンチラインは顕在だったんじゃって言う
大きいメイソいやなんか本当に良いフレーズがポンポンあって で特にこの風俗上のその後読みながら特に思ったのは体験談ベースのこういう本て
なんか漫画とかドラマそれこそ漫画化したいと話してるけど しやすいと思うんですよ
でも僕これ漫画とかドラマでは表現しきれないなぁって思ったんですよ なんでかっていうと漫画とかドラマ僕漫画はそれこそ好きだしドラマとかも要は
演劇とか映像制作とかにもかかわったりもするので 脚本にした場合とかって考えるんですけどやっぱ漫画とか脚本にしちゃうと一つの
新書の魅力
ストーリーラインに落とし込まないといけないじゃないですか うーんまあそれ確かにこの部隊とかストーリーにしか言えないとそうですね
でかついわゆるストーリーの中の希少転結とは言わないまでもある種の山とか 引きとか
ある種の情報の簡略化とかっていう作業が入っちゃう とするとこの本の面白さが
だいぶ失われてしまうんじゃないしっかりそうかもですねそれは言えるかも だからそれこそ闇木牛島くんとか九条の滞在真部先生の作品とかは本当に現場を
捉えた漫画として一つの トップランナーだと思うんですけどでも他方でやっぱり漫画にするゆえに抜け落ちてしまうもの
とか整理されてしまっているものがだいぶあるなぁって漫画読みながら思うんですよ まあ確かにそうですね確かにレフォルメしてたりとかですねそこからしても漫画て表現が
うんだから改めて坂爪さんの本読んであ 漫画とかドラマにできない体験
ダンものってあるんだなっていうかルポ物ってあるんだなって 思ったというかこれだからあのそういう意味では濃度が濃いっていうところにもつながるんです
けど例えば俳句とか単価とかって575とか51571って文字数少ないけど 僕よく言うんですけどその文字数でしか表現しできないことを表現してるんですよ
ね だから俳句と単価とかと小説を比べたら小説のが圧倒的に文字数多いから小説のが優れてる
かって言うとそんなことなくて優れたしとか優れた俳句単価とかってその文字数でしか 表現できないことをその文字数で表現している
アーマー確かにそれはありますねやっぱり一緒だったら10万字 で表現
10万に使うつかで本に乗っても表現するのがためじゃあベストな媒体ではあるので だから坂爪さんの音で坂爪新書というテイストでしか表現できないものが表明
表現されているので だから他のコンテンツにメディアミックスじゃないですけど切り替えるというか乗せ替えるのが
ムズイなっていう そこはちょっとじゃなくてうまくこうなんかうまくそうなんていうかアレンジできるようになるし
そうですねでもそれでもやっぱりね漫画家とかドラマ家でより多くの人に知ってもらうっていうのがいいと思うのでできれば
ぜひちょっと楽しみにしたいということはあります
社会課題と言語化
坂さん引き続き聞き耳を立ててみましたけど今回のお話いかがでしたか
はいあのそうですね社会課題を言語化するっていうところで思ったのが思いを持つのが大事だよって言われるけど
それを言語化するっていうふうには確かにあんまり言われない気がして
思いから始まって思いを持つことが大事っていうのはすごく聞くけどそれを例えば分かりやすくとか
今回の坂爪さんみたいな話のそのフィールドワークを用いてきちんと自分なりに答えを出せるようになることみたいなことまでは私もしていないしできていないしそれこそ女さんと数年間ずっと育て話してきた中で出てきた言葉もたくさんあるので
そういうチャンスっていうのが私は社会福祉を仕事にしてますけどやっぱり必要なことだと思うんですよ別に起業家になりたいとかならないとかそういうことは置いといてもいろんなケースを積み重ねてきているんだからこそその社会課題にすごく近い存在ではあるんだけど
それを言語化できるようになるっていうのは一つ大きな課題というかなんていうのかなやっていったほうがいいことなんだろうなっていうのはすごく思いました
でその年数とかキャリアがあるからないからとかじゃなくてある人もない人も一緒にやったら面白いのかもしれないなっていうのは思いました
確かに今日はすごく限定的に政府属の方のお話をされてましたけども本当はすごくすべからく皆さんが必要な話をされてたのかなっていうのは今も聞いてて思いました
ねあとその労働者であるって言った見方をした時には確かに私も職員組合とかに所属病院時代には所属してて結構労使協議とかやったりしましたけど
労働者で守られるべき存在であるっていう権利の主張とか考え方もできるけれど一方でなんか全部法律に定められていれば安心安全なのかっていうことでもなかったりもするだろうし
なんかその間っていうか寛容さみたいなのかなんかそのあたりはどう折り合いをつけるのかいいのかなって答えのないオチを考えてました
いいですねちゃんとホールドしてますね掴んでじっくり味わってますね
窮屈になるしでも守られた方がいい世界なのかもしれないしそれはそれでちょっと上からなのかなとも思ったり
どんどん問いが上がっていく感じがしますね労働者制とはっていうところとかじゃあそもそも法律とはみたいな
それを作る我々はどういうものかみたいななんかどんどんすごく問いとホールドが吹いてくるような感じがしました
今回カフェに立ち寄ってくれたのは文筆家の坂爪慎吾さんでした
ご著書のご案内はぜひ概要欄をご覧ください
概要欄からはソーシャルハイブ本郷を運営している小野田総合法律事務所のホームページもご覧いただくことができます
また番組のお気に入り登録やフォロー、SNSのアカウントのフォローもお願いいたします
そして番組ではお便りを募集しています
概要欄のお便りフォームから感想やご質問をお寄せください
明日はどんな自分をデザインしますか
それではまたのご来店お待ちしています
36:19

コメント

スクロール