1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #288 「好き」と「愛してる」..
2021-04-01 08:47

#288 「好き」と「愛してる」のちがい、教えます from Radiotalk

Twitter
https://mobile.twitter.com/sigajugo
LINEオープンチャット
https://line.me/ti/g2/1-H1J1-BG2v9VTOvbipREA?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default
プロフカード
https://profcard.info/u/31eXCSsd5bM8oreupQEn3geWoEi1
マシュマロもあります。
https://marshmallow-qa.com/sigajugo?utm_medium=twitter&utm_source=promotion
BGM: MusMus
http://musmus.main.jp/

#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:02
始まりました、志賀十五の壺。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。
さて、今回のトークはですね、
好きと愛してるのちがいを考えていこうと思います。
人によっては、この好きと愛してるに大したちがいはないと思われているかもしれませんし、
あるいはご自分の恋愛観というかね、人生観に基づいて、
好きとはこういうことだ、愛してるとはこういうことだっていうね、明確な定義をお持ちかもしれません。
まあそういうのは、それこそ好きにしたらいいんですけど、今回のトークはですね、
例のごとく言語学的にこの2つを考えていくと、そういうことになっております。
初めてこの番組お聞きになる方もいらっしゃるかもわかりませんので、言うとくとですね、
そういったことをよくやるんですね。
言語学的に考えたらどういったことが言えるだろうかと、そういったことをお話ししている番組となっています。
端的に言えばですね、好きっていうのは形容動詞で、愛しているっていうのは動詞ということになってますね。
好きっていうのは、好きだっていう形がいわゆる収支形で、
何か就職するとき、連帯就職のときは好きな人とかっていう感じでなっていうのが出てくるので、
こういうのは日本語学や国語学では形容動詞と言われるものです。
一方、愛しているっていうのは元の形っていうかね、ているっていうのがついてるので、
元の形っていうのは愛す、あるいは愛するという形ですよね。
これは動詞ということになっています。
好きの方は形容動詞と言ったんですけど、これ動詞ってついてるのでちょっとややこしいんですが、
形容動詞っていうのはむしろ形容詞に近いんですよね。
事実、日本語教育の現場では、な形容詞っていうふうに言われています。
さっき言ったように、好きな人みたいになっていうのが出てくるので、
好きっていうのはな形容詞ということになりますね。
一方、われわれが普通形容詞と言っている、暑い寒いとか、いいで終わるものはいい形容詞と言っています。
ただ、われわれが中学校とかで習うような伝統的な教育というか、国語では形容動詞という言い方になっているんですね。
というわけで、品詞が違いますと言ってしまえばそれまでなんですけど、
その品詞の違いっていうのがどういうところに見られるかっていうのをこれから見ていこうと思います。
03:01
この好きと愛しているだけを見ていても、違いっていうのはなかなか見えづらいところがあるので、
君とかあなたっていうのを付け足したらどうなるかっていうのを考えてみましょう。
好きの方は君が好きとこうなりますよね。
なので、がっていうのが出てくるわけですが、
一方、愛しているの方は君を愛しているっていうことで、をが出てくるんですね。
ここに明確な違いが出てくるわけなんですけど、
このをっていうのはね、述語というか文の最後の要素ですね。
が、動詞の時にしか出てこられないんだと思います。
多分そう言っていいんだと思うんですよね。
愛しているっていうのはさっき言ったように動詞なので、君を愛しているとをが出てこれるわけですね。
好きの方は形容動詞なので、君を好きとはちょっと言いづらいかなという感じです。
このことは実は別のところでも観察できて、
例えば、水を飲むという風に、飲むっていうのは動詞なので、当然をっていうのがここで出てくるわけですけど、
飲みたいといった場合、このたいっていうのがつくと全体が形容詞になっちゃうんで、
水が飲みたいとこういう風になるんですね。
このことからもやっぱり形容詞っていうのはをっていう目的語を取りづらいということになります。
水を飲みたいと言えなくもないので、ちょっと微妙なとこはあるんですけど、
一応、形容詞は基本的にをがついた目的語は取れないということになります。
ここでちょっとややこしいのは、よく言われるのが、ががつくものは主語だっていうのがあるんですよね。
俺が行くって言った場合のこの俺っていうのはがでマークされてて、すなわち主語であるということですね。
じゃあ君が好きと言った場合、君は主語かっていうとまあそうではないですね。
やっぱりこれは目的語と言わなくてはいけないものです。
このことから言えるのは、日本語で目的語というのは意外と見た目で判断できない、
つまり目的語は必ずをがついているとは言えないということなんですね。
この好きっていう形容動詞は、主語も目的語もがが出てくる述語であるということができます。
普通はね、私は君が好きっていうふうに主語ははで出てきちゃうんですけど、
好きなこととかっていうふうにちょっと形を変えると、私が君が好きなことみたいにね、両方がが出てくるんですよね。
06:09
ただやっぱりこのがが連続しちゃうと、ちょっと気持ち悪いというか、どっちが主語か分かりづらいっていうのもあって、
私が君を好きなことっていうふうに目的語の方ををに変えることもあるし、
あるいは私が君のことが好きなことっていうふうに目的語の方にことっていうのを入れることもあります。
いずれにせよ、好きという形容動詞はをでマークされた目的語を取りづらくて、
一方、動詞の方の愛してるは動詞なので、君を愛してるというふうにをが平気で出てくるということになっております。
もう一つ形容動詞と動詞の違いがはっきりと現れるのは、受動態にできるかどうかですね。
君はみんなから愛されているっていうふうに、動詞は愛されているっていう受動態があるんですけど、
好きの方は受動態が作れないんですね。
好かれているっていうのがあるじゃないかと皆さん思われるかもしれませんが、これは好きだという形容動詞の受動態ではなくて、
動詞すくの受動態なんですね。
だから君は好かれているっていうのを元に戻すというかね、と君をすくっていうのが受動態というか受け身分の前の形ということになります。
ということで今までの話をまとめるとですね、
日本語の動詞っていうのは、Oでマークされた目的語を取れるっていうことと、
受動態を作ることができるというこの2点で結構特別な品種であるということができると思います。
一方好きだっていう形容動詞の方は、Oでマークされた目的語を取れなくはないけど、やや取りづらいし受動態も作れないとこういうことになります。
以上、動詞であるということはどういうことか、あるいは動詞らしいとはどういうことかということを、
好きと愛してるを比較対象することでお話ししました。
これね、英語の場合はlikeとloveは両方動詞なので、あんまりそういったことが言えないんですよね。
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました。また次回お会いいたしましょう。ごきげんよう。
08:47

コメント

スクロール