1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2020-08-13 11:08

#155 一生に一度くらい、形容詞について考えてみようではないか! from Radiotalk

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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしいでしょうか。志賀十五です。
さて、今回のトークは、形容詞っていうものについて考えていこうと思います。
このトークをね、初めて聞くぞっていう方もいらっしゃると思うので、そういう初めての方に申し上げておくとですね、この番組って割と言語学の話をするんですよね。
なので、人生に一回くらいですね、形容詞って何なのっていうことを深く考える機会があってもいいんじゃないかっていうことでね、そしてそれが今日この時なんだっていうことでね、ぜひ聞いてみてください。
形容詞。 何なんでしょうね、形容詞。
形容詞が何をやっているかっていうことですけども、当然これは品詞の一つで、名詞とか動詞とかね、そういうものの一つに形容詞があると。
で、よく言われるのが、意味としては物の状態とか性質とかそういったものを表すのが形容詞だとか言われるんですけど、
言語学の立場から言うとですね、そういう品詞を意味から定義するのはあまりよろしくないと。
意味からだったら何とでも言えちゃうっていうことで、意味っていうのはあくまで付随してくるものと考えてですね、形の方で形容詞っていうのを定義してみようっていうのがね、
形容詞に限らず品詞っていうのを定義しようっていうのが言語学の立場となっております。
例えば、日本語の場合は動詞っていうのは、うだんで終わるとかですね、
歩く、食べる、殺す、こういったものは全部うだんで終わっているので、動詞と認められるということですね。
で、形容詞っていうのはどういう特徴があるか。
これも簡単ですね、日本語。
いで終わるってことですね。
暑い、寒い、かゆい、うまい、まずい、赤い、青い、こういったものです。
つまりどういった単語が形容詞に分類されるかっていうのは、言語によって異なるということですね。
例えば、英語の young っていうのは日本語で若い、これどちらも形容詞なんですよね。
で、young の対義語はとりあえず old っていうのが思いつきますよね。
これも形容詞なんですよ。
で、若いの対義語って何だろう。
老いたとか、年老いたみたいな。
なので、若いの対義語は日本語で形容詞にはないんですよね。
そういうことで、あまり意味から攻めていくとこういうことになりかねないので、あくまで形にこだわるっていうのが言語学の立場です。
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で、なんでこの形容詞を今回取り上げようと思ったかというと、形容詞ってかなり微妙な立場にあるんですよ。
どう微妙かというと、まず名詞と動詞っていうのはどんな言語でもあるっていうふうに言われています。
これも議論はあるんですけど、とりあえずそういうことらしいです。
物の名前を表す名詞と動作を表したりする動詞っていうことですね。
当然、今言ったのも意味から定義しているのであまりよろしくないんですけど、とりあえず名詞と動詞はどんな言語にでもあると言われています。
一方、形容詞はどんな言語にでもあるかというと、これが微妙らしいんですよ。
形容詞はどんな言語にでもあるぞと強く主張している人もいますけど、そうとは言い切れないという人もいます。
形容詞が面白いところは、これに加えて動詞っぽい形容詞や名詞っぽい形容詞があるっていうことなんですね。
英語の場合はどちらかというと名詞っぽいかなって感じがしますね。
例えば、He is a student. で、彼は学生だですよね。
He is young. で、彼は若い。
というふうに、He is で主語、そして be 動詞で名詞が出てくるか形容詞が出てくるかという感じで、かなり名詞に近いような振る舞い方をするんですよね。
文で現れてくる位置が名詞に似ているってことですけど、一方、日本語の形容詞はどうかというと、これはむしろ動詞に近いんですよ。
例えば、暑いっていうのが、暑かったとか、暑ければとか、こういうふうに活用があるんですよね。
つまり過去形があったり、条件形があったりするってことですけど、これは英語の形容詞が、例えば過去形で何か言おうとすると、He was young. っていうふうに、形容詞の方が何も形が変わらずに、be 動詞の方が変わりますよね。
日本語の形容詞の場合は、それに対して形容詞自体が過去形を持っているっていうことで、これは動詞とかなり近い特徴ということになります。
行くに対して行ったがあるみたいに、暑いに対して暑かったがあると、こういうことですね。
日本語の場合は、実はこの動詞っぽい形容詞に加えて名詞っぽい形容詞も持っているんですね。
これはいわゆる形容動詞と言われるものです。
形容動詞って名前がついてますけど、これは人によっては形容詞の一種として考えます。
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つまりきれいだとか静かだっていうのは、これはかなり名詞っぽいんですよね。
名前こそ形容動詞ですけど、本当は名詞っぽいんですよ。
それこそ学生だみたいな感じで、きれいだ静かだっていうふうにだっていうのが一緒に出てくるんですよね。
学生だったと同じようにきれいだったっていうふうに、きれいの部分は変わらず付属品のだとかだったっていうふうに付属品の方が形が変わるという意味で、
形容動詞ってかなり名詞に近い形容詞ということができます。
なので日本語って結構面白いんですよね。
2種類形容詞を持っているという点でですね。
しかも一方の形容詞は動詞に近くて、はたまたもう一方の形容詞は名詞に近いということですね。
ただこれは歴史をひも解いていくとこれもまた面白いんですよ。
というのが今お話ししたように暑い暑かったみたいにこういう形容詞は動詞に近いとお話ししたんですが、
もっと歴史をさかのぼると、暑かったっていうのは暑くあったの短縮形なんですよね。
つまりこれは日本語の形容詞も昔は英語の形容詞っぽかったっていうことなんですよ。
暑いっていう現在形はあるんですけど、それは過去形にしようと思うと暑くあったっていうふうに、
あるっていういわばbe動詞みたいなものですよね。
そういう助けを借りないと過去のことは言えなかったっていうことでかなり名詞っぽかったと言えます。
他にもですね、例えば早足とかいったりしますよね。
足が早いことですけど、こういうふうに早足っていうふうに、
その複合語の一部になることができたっていうことも名詞っぽいことの特徴なんですよね。
つまり名詞たす名詞の、例えば猿腕とかですね、
そういう名詞の足し算と同じように早足っていうのがあるので、
これもまた昔の形容詞は名詞っぽかったんじゃないかと言われている根拠の一つです。
一方、形容動詞のほうは今も昔も名詞っぽい形容詞であるっていうことなんですよね。
今までのお話をまとめるとですね、形容詞っていうのは意味としては性質とか状態を表すことが多いんですけど、
そういう定義の仕方はとりあえずあまりよくなくてですね、
日本語の場合は、いって終わると。
世界の言語を見回すと、名詞っぽい形容詞や動詞っぽい形容詞があって、
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日本語の場合はどちらも持っているということですね。
ただし、それも時代とともに変わっていくということですね。
もともと名詞っぽかった形容詞も時代を経ていくうちにですね、動詞っぽくなったりするということです。
なので、英語の形容詞はさっきも言ったように名詞っぽくて、
日本語の場合は動詞っぽいので、そこでちょっと変な日本語になっちゃったりするんですよね。
非日本語母語話者の方の場合。
例えば、「昨日は暑いでした。」みたいな日本語になっちゃうんですよ。
これは英語とかの場合だと、「学生です。」、「学生でした。」ということになるので、
暑いですに対して、当然暑いでしたというのが想定されるからですよね。
ただ日本語の場合は、「暑かったです。」が正しいというか、ちゃんとした、いわゆるちゃんとした日本語ということになっています。
でもね、よくよく考えたら、形容詞にですがつくっていうのもおかしな話なんですよね。
これはおそらく簡易的な丁寧語みたいな感じでしょうね。
本来だったら、「暑いございます。」とかっていうのが、いわゆるちゃんとした日本語なんでしょうけど、
簡易的な意味でとりあえず形容詞にですっていうのをつければ、「暑いです。」、「暑かったです。」丁寧語っぽくなるということで、
それが現代にも広まっちゃっているということですね。
というわけで今回のお話は形容詞のお話でした。
どうでしょうかね。僕自身は結構面白いなと思って話しているんですけど、皆さんいかがだったでしょうかね。
よろしかったらリアクションといただけるとありがたいです。
というわけで今回はここまでということで、また次回お会いいたしましょう。
よろしかったら番組フォローをお願いいたします。ではまた次回。ごきげんよう。
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