1. 【10分言語学】志賀十五の壺
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2025-09-16 11:05

#791 時間は未来から過去へ流れる?時の流れの言語学 from Radiotalk

主要参考文献
瀬戸賢一 (2017)『時間の言語学: メタファーから読みとく』東京: 筑摩書房.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

ポッドキャストでは、未来から過去へ向かう時間の流れという独特な視点が紹介されています。言語学的な観点から日本語における過去と未来の表現方法が考察され、時間に対する感覚がどのように形成されているのかが探求されています。

時間の流れの認識
未来に向かって突き進もうとか言うと、未来というのは前にある気がします。そして、過去を置き去りにするとか、過去を振り返るとか言うと、過去は後ろにある気がしますよね。
そして、時間は流れるものとかよく言われますけど、その時、多くの人がイメージするのは、時間というのは過去から未来へと流れていくと、おそらく皆さんそのようにイメージするんではないかと思います。
しかし実際は、その逆で、未来というのは後ろにあって、過去というのは前にある。そして時間の流れというのも、未来から過去へと時間は流れていくんだと、そのように考えられて、その証拠が言語の中にもあります。
始まりました。4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。クエンティン・タランティーノです。
時間の言語学という本が、ちくま書房から出ております。瀬戸健一先生の本で、今回のエピソードで興味が出た人は、ぜひそちらの本を読んでいただけたらと思います。
1個ずつ片付けていくと、まず過去は前にあって未来が後ろだという、そういう話からいきますね。
確かに過去が前で未来が後ろだっていうのは言語的にも表れていて、日本語の例を中心にお話しすると、3日前とか逆に3日後とか、
そういう言い方をするときは、前が過去で後ろが未来です。
さらに前行ったじゃんとか、後から言うわとか言った場合も同様で、前が過去で後ろが未来です。
言われてみれば確かにそうなんですけど、でもイメージとしてはやっぱり、未来が前で過去が後ろっていう感じがしますよね。
ここで瀬戸先生が考えているのは、2つ時間の捉え方というのがあって、
1つは我々自身が移動していく、動いていく、歩いていくようなそんな時間の流れで、その場合は過去から未来へと移動してるんですね。
そういう自分が動いているという時間の捉え方だと、確かに未来に向かって歩いていくっていうことなので、前に未来があって後ろに過去があると。
そういう解釈になるんですね。
こっちの瀬戸先生風に言えば、動く事故の時間の捉え方の方が我々にしっくりくる感じがするんですよね。
動く事故とは別に、動く時間という時間の捉え方もあって、ちょっと変な説明になってますけど、
動く時間という捉え方では、我々は、さっきまで動いてましたけど、今回は止まってて時間の流れを見てるっていうような、そういう時間の捉え方です。
動く時間においては、時間というのは未来から過去へと流れていくんですね。
これが冒頭お話しした2つ目の意外な事実で、過去っていうのは未来から過去へと流れていっていて、
その流れていく先が前方なので、過去が前、そして未来が後ろということになるんですね。
時間が未来から過去へ流れていって、しかも未来が後ろで過去が前でっていうこの動く時間の捉え方は、
なんか我々の感覚と、少なくとも僕の感覚とは全然違うんですけど、
ただ言語の表現を見てみると確かに、3日後とかいう未来は後ろだし、3日前とかいう時は過去だしっていうことで、
言語にはちゃんとそれが反映されてるんですよね。
ただ、動く時効の方、自分が動く方の時間の捉え方も言語に反映されていて、
例えば、前と他何とか言った時はこれ未来のことなので、これは動く時効としての時間の捉え方です。
が、3日前と言った時はこれは動く時間の方の時間の捉え方なので、
同じ前という表現ですけど、動いているのが自分なのか事故なのか時間なのかによって、過去を表すか未来を表すかが変わってくるんですね。
時間の捉え方の多様性
同じようなことは先っていうのにも言えて、後先考えずとかいう時はこれ未来を表しているわけですが、
先月とかいう時は過去のことを表すので、これもやっぱり動く時間なのか動く事故なのかの違いです。
というか、よくよく考えてみたら、前とか先っていうのが過去にも未来にも使われるっていうのは変な話なんですけど、
それは2つの時間の捉え方があるという、そういったカラクリなんですね。
この瀬戸先生の時間の言語学を読んだのはずいぶん前で、
いつかエピソードを撮ろうと思って、下手したら何年か経っちゃってるんですよね。
かなり面白いんですけど、考えすぎると具合が悪くなるっていうかね。
自分の感覚とちょっと違うので、言葉は動く時間の方を元に表現してるけど、
自分のイメージとしては動く事故、未来に向かっていってるっていう感じなので、ちょっと具合悪くなるんでね。
なかなかエピソードを撮る踏ん切りがつかなかったんですが、前とか後ろとかっていうのはもともと空間的な表現ですよね。
時間的な表現ではなくて、端的に言えば目がついてる方が前で、背中側が後ろなわけですよね。
それを空間的な表現が時間的な表現に拡張されてるということですけど、平たく言えば比喩ですね。
今回は日本語の話ばっかりですけど、いろんな言語で空間的な前後関係が過去とか未来に拡張されてるっていうのはあると思います。
そこで思ったのは、なんで前後関係なのかなということですね。
上下関係とかでもありっちゃありな気はするんですよね。
重力は上から下にかかるというか、上から下に落ちていくので、上が過去で下が未来みたいな、そういった表現があってもいいかなと思うんですよね。
日本語でもあると言えばあって、4月上旬とか下旬とか中旬もありますけど、この上旬とか下旬っていうのはある意味時間的な流れですけど、
でもどうなんですかね。これってカレンダーから来てるんじゃないかなと思うんですけどね。
そのカレンダーを見て、カレンダーの上の方、下の方っていうことなんじゃないかなと思うんですけど、
ちょっとこれ調べてみないとわかんないですけど、もしかしたらこの上旬とか下旬っていうのは上下関係を時間的な関係に拡張しているのかもしれません。
あとは右とか左とか、そういう左右が時間関係に拡張される言語もあるのかなとかね、ちょっと思うんですよね。
で、なんとなく左から右に時間が流れていってるような気がするんですよね。
つまり左が過去で右が未来っていうことですけど、多分それは横書きのものをよく見てるからだと思いますね。
日本語を含め様々な言語で左から右に文字を書くっていう習慣があるので、それで左から右に時間が流れてるっていうような感じがするんじゃないかなと思います。
楽譜とかもそうですからね。あとは数直線とか数学の数直線とかグラフとかも左が0、倍によってはマイナスもあって右に行けば行くほど大きくなるっていうような書き方なので、
それに引っ張られて左から右に時間が流れていく気がするのかもしれません。
と考えると、アラビア語っていうのは右から左に書いていくので、アラビア語話者にとっては右が過去で左が未来なのかもしれません。
そういったことを考えるのも面白いですが、今回お話しした重要なポイントは、時間というのはまず未来から過去に流れていくんだということですね。
そういう動く時間という時間の捉え方では、時間は未来から過去へと流れていて、さらに未来は後ろで過去が前だということですね。
それに対して動く時刻というものもあって、それでは我々は未来に向かって動いているということなので、そういう時間の捉え方もあるんだというお話でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。番組フォローも忘れずよろしくお願いいたします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
11:05

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