1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2020-05-25 09:45

#96 オーストロネシア語族のおはなし from Radiotalk

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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
過去にですね、僕、インドヨーロッパ語族についてお話ししてるんですよね。
そこでお話ししたのは、ヨーロッパの多くの言語、
フィンランド、ハンガリーなどを除く多くの言語と、
あるいは地理的にインドとかイランに
話されている言語、ペルシャ語とかヒンディールドゥ語とかが、
もともと一つの言語から枝分かれ知っている親戚同士だ、みたいなお話をしたんですよね。
で、そういう同じ共通の祖先から
派生している言語の集まりのことを語族というふうに言うと。
なので英語を含むですね、ヨーロッパからインドにかけて広い地域で話されている言語の語族は、インドヨーロッパ語族そのままですけど、
そういうふうに言われます。日本語でもインオー語族とか言われたりします。
でですね、こういう語族っていうのはインドヨーロッパ語族以外にもあるんですね。
アフリカにもありし、パクワニューギニアにもありし、新大陸側でもですね観察されます。
で、今回お話しするのはオーストロネシア語族です。
でこれはですね、オーストロっていうのはこれ南のっていう意味なんですよ。
アウストラロピテクスとか皆さん覚えてますかね。あれと一緒ですけど南。
でネシアンっていうのは、これはですね、マレーシア、インドネシア、メラネシア、ポリネシアと一緒ですけど、
島っていう意味なので、つまり南の島語族ということなんですよ。
なのでこれはその名が表す通りですね、南の島というか太平洋の島々で話されている言語は全部親戚だっていうことなんですよね。
でですね、例外としましては大陸でも多少あるんですけど、オーストロネシア語族の言語はあるんですけど、
オーストロネシア語族っていうのは、マレーシアのマレー半島とかですね。
でちょっと注意していただきたいのは、このオーストロネシア語族に入らないのはオーストラリアとパプアニューギニアは入らないです。
オーストラリアとパプアニューギニアはまた別の言語が、変わった言語が話されているんですけど、
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もちろん英語依然っていうことですが、オーストラリアの場合、太平洋に浮かんでる島々は全部親戚の言語が話されています。
でですね、面白いのはですね、一番端っこの方から考えてみるとハワイ語とかモアイのいるイースター島、ここラパヌイっていう言葉が話されてますけど、
一番南はニュージーランドですね。一番西側がマレーシア、インドネシアとかを飛び越えてですね、なんとマダガスカルもマラガシ語っていうのが話されているんですが、これもオーストロネシア語族の言語なんですよ。
これはね意外と知られてないんですよね。あんなアフリカのすぐ横にあるのに、言語としてはアフリカの言語というよりも、
むしろマレーシア語とかインドネシア語に似ているということなんですよね。
ニュージーランドで話されているマオリ語っていうのも、オーストラリアがすぐ横にありますけど、あんまり関係なくて、オーストロネシア語族に属していると。
でですね、インドヨーロッパ語族のところでもお話ししたんですけど、その共通の祖先を持つ単語っていうのが観察されるんですよ。
オーストロネシア語族の場合はインドヨーロッパ語族よりもわかりやすい例が多いです。
例えば語っていうのがリマって言うんですけど、大抵の言語でリマですね。サモア語もリマ、ハワイ語リマ、イースター島のラパネイはリマっていうのがRになってますけど、Lじゃなくて同じですね。
マオリ語もRのリマ、フィジー語もリマ、タガログ語もリマ、マレーシア語もリマっていうふうに、この語っていう数字は特にですね、古い形を保持してるんですよね。
数字は身体部位って残りやすいんですよね。
あと親族名称とかですけど、父とか母とかそういうのですけど、そういうのって基本的な語彙として残りやすいので、こういう言語の歴史を調べるときはよく活用されるんですが、オーストロネシア語族の場合は特にこの語リマっていうのがよく残っています。
すごいですよね。こんなしまじまに、当然ですね、当時はカヌーというかね、で移動したわけなんですよね。すごいなぁと思いますよね。
長旅ご苦労という感じですけど、西はマダガスカル、東はイスター島、南はニュージーランド、北はハワイまでみたいな、全部カヌーで移動してますから、もうご苦労なことでっていう感じですよね。
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でですね、このオーストロネシア語族っていうのの祖母、つまり一番の祖先はどこで話されていたか、これもわかってるんですよね。インドヨーロッパ語族はいろいろ諸説あるんですけど、トルコの一地方だというふうには言われていますが、オーストロネシア語族の場合ははっきりしています。
それはなんと台湾なんですね。これは意外に思われるかもしれませんけど、台湾でもともと話されていた言語はオーストロネシア語族の言語です。めちゃくちゃ多種多様なオーストロネシア語族の言語が話されています。あんな小さな島でお互い通じないぐらいの言語を話してるんですよね。
もちろんですね、中国の大陸側とは全く傾向的に関係のないオーストロネシア語族が話されています。台湾からどんどん広がっていったんですよね。
でですね、台湾から出て行って、ハワイやイースター島、ニュージーランド、そしてマダカスカルとめちゃくちゃ長旅してるんですが、ふと思うのはですね、日本がめちゃくちゃ近いってことですよね。なので日本とオーストロネシア語族、なんか関係あるんじゃないか。
これはね、わからないんですよ。ちょっとね、はっきりしたことは僕も言えないですけど、オーストロネシア語族と関係あると主張する人もいます。
まあね、そんなマダカスカル行くぐらいだったら日本に来たほうが早いじゃないかってことなんで、当然関係ありそうな気がするんですよね。
特に文法は全然オーストロネシア語族と違うんですけど、日本語。語彙はオーストロネシア語族となんか関係があるんじゃないかと見る人もいます。
つまりですね、文法はアルタイ系の言語。アルタイ系ってちょっとまた別の話になっちゃうんですけど、また機会があったらお話しますけど、アルタイ系の言語で。
語彙はオーストロネシア語族系の言語で、そのハイブリッドの言語が日本語だと主張する人もいます。
どうでしょうね。 まあそういう見方もできるという感じですけど、
ということでですね、今回お話したのは、太平洋の島々の言語っていうのはすべて親戚同士で、太平洋だけではなくマダカスカルの言語も親戚であって、
その大元っていうのは台湾で話されていた言語がどんどん広がっていったと。
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こういうお話をいたしました。
オーストロネシア語族ってインドヨーロッパ語族に比べたら多少マイナーな気はしますけど、
でも確実に共通の祖先から派生した同じ語族の下にあるというふうに見なせるので、
僕個人としてはもうちょっとメジャーでもいいんじゃないかという気はします。
というわけで今回のトークはオーストロネシア語族についてでした。
興味がある方またご自身でね調べてみたり、あるいは質問をマシュマロで送っていただけたらと思います。
では今日はこの辺で。よろしかったら番組クリップお願いします。
ではまたごきげんよう。
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