1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #541 ドイツ語と日本語は語順..
2023-04-25 09:40

#541 ドイツ語と日本語は語順がいっしょ!? from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/598738
https://radiotalk.jp/talk/790621

主要参考文献
『はじめてのドイツ語』 (福本義憲、講談社現代新書)

Twitter▶︎https://twitter.com/sigajugo
Instagram▶︎https://bit.ly/3oxGTiK
LINEオープンチャット▶︎https://bit.ly/3rzB6eJ
オリジナルグッズ▶︎https://suzuri.jp/sigajugo
note▶︎https://note.com/sigajugo
おたより▶︎https://bit.ly/33brsWk
BGM・効果音: MusMus▶︎http://musmus.main.jp/

#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:06
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ローリングストーンズです。
今回はドイツ語の語順についてお話ししていこうと思います。
これがね、非常に面白いんですよね。で、過去のエピソードにも取り上げたことがございます。
関連エピソードをね、リンクに貼って、リンクを貼っておくので、そちらも合わせて聞いていただけたらと思います。
ドイツ語だけではないんですけどね、ドイツ語を含むゲルマン諸語と言われる言語のグループの語順は
V2語順とか、定型第二位の語順とかね、まあそういったことを言われるんですね。
V2っていうのは、V2のVはVerbのVで、
動詞が2番目に来る語順ということなんですよね。 で、英語も実はゲルマン諸語の仲間なんですよね。
で、英語の語順も、 例えば、she knows the manとか言った場合、
彼女はその男を知っている。 SVOで動詞が2番目に出てきていると。
なのでV2語順じゃないかと一瞬思うんですけど、 まあそうではないんですね。
で、今のshe knows the manの ドイツ語だとsie kennt den manっていう風になるんですね。
で、sieっていうのが彼女、sie。で、kentっていうのがknow。
で、denっていうのが定漢詞ですね、the。で、manはmanで同じ音になっていると。
このように見ると英語とドイツ語ってすごい似てるっていうか、 全く同じっていう感じがしますよね。
そのまんま単語を置き換えているというか、 ちょっと音を変えているだけっていうふうに見えます。
見えますけど、ドイツ語が英語と違うのは、 ドイツ語だと目的語の方を頭に持ってくることもできます。
then man can't see. これでその男を彼女は知っているというような意味になります。
英語はダメでこういうことができなくって、 the man knows sieとか言えないんですよね。
03:00
言えるとしたらthe man knows herですけど、そうなった途端に、 意味は変わってしまいますよね。
その男が彼女を知っている。 こういうふうに英語の語順っていうのは非常に
文法関係と結びついているんですが、 ドイツ語の場合は
たとえ目的語であっても動詞の前に現れることができます。 なんでこういうことができるかというとですね、
ドイツ語の漢詞っていうのが 主語か目的語か、
まあそういった文法関係によって形を変えるからなんですね。 今のthen manって言った時のthenっていうのは目的語の時の定漢詞
theということになっています。 英語はこういうことないので主語だろうが目的語だろうが
theっていうのが使われるので、 語順を変えてしまうと意味も変わってしまうということになってるんですね。
このドイツ語、 まあドイツ語をはじめとするゲルマン諸語のV2語順の面白いところは
動詞が2番目に来るというよりは 定形動詞が、あるいは定動詞が2番目に来るということです。
動詞句が2番目に来るんじゃないんですね。 これはどういうことかというと
例えば英語で現在完了の文っていうのは I have read this book みたいにね
I have read っていうのが動詞句として 2番目の位置に現れているわけなんですが
ドイツ語の場合はこうではないんですね。 ドイツ語でもこのハブプラス完了形みたいな構造っていうかね
これはよく使うんですよね。 ただドイツ語のこのハブプラス過去分詞っていうのは
もう過去形みたいな使われ方をします。 過去のことについていう場合はハブプラス過去分詞形を使うんですよね。
ハブじゃないこともあるんですけど ドイツ語の場合はどうなるかというと
英語風に言うとですけど I have this book read っていうような言い方になるんですね
ハブレッドっていうのが 切り離されてですね
ハブだけ2番目の位置にあって 過去分詞形のレッドっていうのは
文末に現れるんですね こういうのを専門的に枠構造と言ったりします
で同じような
枠構造は この現在完了みたいなやつだけじゃなくって助動詞を使った場合もそうで
06:02
英語で I can read a book っていうのも I can a book read みたいな言い方になるんですね
つまり助動詞だけ2番目にきます こういうふうに動詞区がセパレートされるっていうのは
一見変わってるようにね思われるかもしれないんですけど ゲルマン諸語っていう言語の
その親戚のね言語の集まりの中で見ると英語の方がイタンジーで ゲルマン諸語と言われるドイツ語やオランダ語とかね
そういった言語ではこういう枠構造っていうのが 基本的な構造になっています
このようにですね ドイツ語は動詞が2番目に来る
というよりは定型動詞が2番目に来る V2語順の言語であるということができます
いつでもどこでもこの定型動詞が2番目に来るかっていうと まぁちょっとそこは注意が必要なところで動詞が
文末に出てくる語順もあるんですね これは副文の時にそうなって
英語だとwhen とかねそういうのを使うときは 動詞が文末に出てきます
これも英語風に考えてみるとお茶を飲んだ時っていうのは when I tea drunk みたいな言い方になるんですね
一説によるとですね ドイツ語の基本語順っていうのはこの
I tea drunk みたいな SOV っていうのが基本なんだと
そう言われてるんですね まあこれもね考え方の問題といえばそうなんですけど
主説というかね普通の文は I drank tea となって 副文の時 when とか because とかがつくときは
I tea drunk となると まあ普通に考えると
主説のねよく使われる方というか まあメインの方が I drank tea なのでSVO という語順だっていう風になりそうなんですけど
一つのね考え方では I tea drank が基本語順となってでそれが主説となる時に
文末の drank っていう定型動詞がね 2番目の位置に移動しているっていう風に考えるんですね
なので ドイツ語は日本語と同じSOV語順だっていう風にね主張する研究もあります
09:03
まあいずれにせよですねドイツ語を含む ゲルマン諸語の語順っていうのは非常に興味深いものなので
今回ご紹介いたしました まあかなりシステマチックですよね
というわけで最後まで聞いてくださってありがとうございました 関連エピソードもぜひ合わせて聞いていただけたらと思います
番組フォローも忘れずよろしくお願いします お相手はシガ15でした
09:40

コメント

スクロール