1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2022-04-23 09:59

#436 ゲルマン諸語の中の英語 from Radiotalk

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本題

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https://note.com/rt_official/n/n0407f8a1a0a2

レイさんとのコラボ
1 https://radiotalk.jp/talk/787367
2 https://radiotalk.jp/talk/788593
3 https://radiotalk.jp/talk/789807

レイさんの番組
️‍パンセクシャル・レイのフランスよりボンジュール
https://radiotalk.jp/program/62694

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主要参考文献
『はじめてのドイツ語』 (福本義憲、講談社現代新書)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:05
始まりました、志賀十五の壺。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。大きなのっぽの古時計です。
今回のトークは、ゲルマン諸語の語順ということでやっていこうと思うんですけど、
本題に入る前にいくつかお知らせをしたいと思います。
一つは、ラジオトークの公式ノートっていうブログ的なものに取り上げていただきました。
インタビューを受けてそれが記事になってるんですね。
ひょっとすると、もう読んでくださった方いらっしゃるかもしれませんが、まだ読んでない方、
概要欄に記事のリンクを貼っておこうと思うので、読んでいただけたらと思います。
番組の裏側っていうか、裏話的なことを多少お話ししてるっていう感じですかね。
二つ目のお知らせは、これもラジオトークなんですけど、
レイさんっていう方のやってらっしゃる番組にお邪魔してコラボしました。
全部で3つエピソードが上がってるので、こちらも興味のある方ぜひ聞いていただけたらと思います。
僕自身がなかなかコラボっていうのをやるわけではないので、珍しいといえば珍しいんですけど、
レイさんの番組も面白いので、ぜひそちらも覗いてみていただけたらと思います。
そんなもんですかね。
今日の本題はゲルマン諸語の語順。
ゲルマン諸語っていうのは、言語の集まりで、
ヨーロッパの北の方で話されている言語と言っていいんじゃないかなと思います。
北西部って言えばいいですかね。
代表的なのは英語です。
で、英語の他にもドイツ語、オランダ語、あとはアイスランド語、
それと北欧のノルウェースエデンとかデンマークとか、こういった言語がゲルマン諸語に属す言語です。
これらの言語は姉妹言語で、系統関係のある言語なんですよね。
もともとゲルマン諸語と言われる一つの言語だったものが、だんだん分かれていって方言差となり、現在では別個の言語として各地で話されています。
姉妹言語というだけあって、語彙とか文法とか、いろんな面で今言ったゲルマン諸語の言語は似てるんですよね。
03:07
例えば英語とドイツ語を見比べたときに、私は本を読むっていうのが英語だとI read the bookですよね。
で、これがドイツ語だとIch lese das Buchっていう風になって、
Iはイヒ、リードがリーゼ、ザがダス、ブックがウフに対応するっていう風に発音の上でも非常に似通ってるし、語順もそのままなんですよね。
I read the book. Ich lese das Buch.
ではゲルマン諸語の語順はこういう主語動詞目的語SVO語順かというと、ここがね面白いところなんですね。
英語の場合はSVOっていう風にかなり固定化されてるんですけど、
例えばドイツ語の場合、従属説あるいは副詞説になるとSOV語順になるんですね。
例えば理を表すbecauseみたいなものがつくと、because I the book readみたいな語順になるんですね。
つまり日本語と同じSOV語順になります。
こういう風に聞くと、ドイツ語を含むゲルマン諸語の言語では、従属説で語順がSVOからSOVに変わってるんだという風に思われるかもしれませんが、
実は逆で、もともとの語順がSOVで、それが主文というか主説になった場合、英語と同じSVOになるっていうのがおそらく定説なんじゃないかなと思います。
さっき言ったように英語の語順はもう固定されていて、becauseがつこうがなんだろうが、I read the bookっていうこのSVOの形は崩れないんですよね。
一方英語を除く他のゲルマン諸語、ドイツ語なりオランダ語なり何なり、こういった言語では日本語と同じSOVの語順が元となっていて、最後のこのV、動詞が2番目の位置にきているっていう風に分析されるんですね。
で、こういう語順をそのままですけどV2語順とか、あるいは定形第2位の原則とか言われたりします。
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それで移動した動詞の前の位置、つまり文の最初の位置、1番目の位置っていうのは話題の位置っていう風に決まってるんですね。
なので、その本は私が読んだみたいな場合は、the book read Iみたいな語順になるんですね。
で、こういった特徴は英語では見られないものです。
英語の場合は動詞の前の位置っていうのは主語しか来れないし、かつ主題しか来れないんですね。
一方、英語を除くゲルマン諸語なんかでは、主題であれば目的語であっても文頭に出ることができるんですね。
このV2語順の肝というか大事なとこは、定形動詞が2番目に来るということで、動詞句が2番目に来るっていうことではないんですね。
どういうことかというと、例えば英語のmustにあたるような助動詞がある場合は助動詞が2番目に来て、その後に来る本動詞っていうか具体的な意味を表す動詞は文末に出るんですね。
だから英語でI must read the bookっていうところを、これを他のゲルマン諸語で言うとなると、I must the book readみたいな言い方になるんですね。
同じことは現在完了とか、あるいは受動態についても言えて、I have read this bookと英語で言うところを、ドイツ語なんかではI have the book readみたいな言い方になるし、
受動態のthe book is read by the studentみたいな英語は、the book is by the student readみたいな語順になるんですね。
こういうふうに英語を除くゲルマン諸語では、定型動詞、つまり主語と一致したり、次性を表したりする動詞が2番目に出てきて、その動詞の前の1番目の位置は主題の位置であるというような特徴があるんですね。
こういうV2語順、定型第二の語順は、英語を基準として考えると不思議に思われるかもしれませんけど、本当は逆で、
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ゲルマン諸語では、そういう定型動詞が2番目に出てくるっていうのが、ある意味普通で、英語みたいにSVOで固定されてるとか、助動詞と本動詞がくっついとかなきゃいけないみたいなのは、ゲルマン諸語の中では一質なんですね。
英語って結構スタンダードな言語って思われてるかもしれませんけど、こういうふうに結構ね、変わってるんですよね。
まあそのことだけでも、今日はね、伝わればいいかなと思います。
というわけで、最後まで聞いてくださってありがとうございました。また次回のトークでお会いいたしましょう。
お相手はシガー15でした。
またねー。
09:59

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