1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #98 外国人はなぜ「コニチワ!..
2020-05-28 10:09

#98 外国人はなぜ「コニチワ!」と言いがちなのか?(音韻論) from Radiotalk

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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
本日は、日本語の発音の特徴についてお話ししていきたいと思います。
過去にですね、日本語の発音について、みなさんが意外と知らないんじゃないかっていうところをお話ししているので、リンクも貼っておこうと思うので、もしよかったらそちらも聞いてみてください。
で、今回、その関係あるお話としてですね、タイトルにも書いてあるんですが、外国人というか、非日本語母語者が「コニチワ」っていうのを聞いたことないでしょうかね。
コニチワ。コンニチワだろって思うんですが、なぜか外国人というか非日本語母語者はコニチワになりがち。
これは何でなんだろうというお話をしたいと思います。
ここからお話しするのは、例えですけど、ちょっとね、人間の発音というか言語を話すときは、料理を出すのと同じものだってちょっと考えてみてほしいんですよね。
つまり、言語の音をそのまま相手に届けるのではなくて、一回お皿に盛り付けてから相手に届ける、発音していると、そういうふうにお考えください。
このお皿のことを専門的には音節とか、英語だとシラボですけど、とか、日本語だとモーラとかハクとかいう言い方をしたりします。
そういうところと関係があるんですが、なるべくそういうのを使わず、そういう専門的な言葉を使わずお話していきたいと思います。
日本語の場合ですね、発音するときにお皿に盛り付けるのは単純というか、あんまり大量の食材をお皿に載せることができないというふうにお考えください。
つまり基本的な盛り付けのルールは、しんと母音この2つ、あるいは母音だけとお考えください。
つまりこれは、ひらがなでもカタカナでも、かな一文字に相当するということですね。
なので、あいうえおは母音一つだけ、これが一つお皿に載っていると。
あいうえお以外のかな、かきくけこ以降は基本的にしんと母音の組み合わせで、かだったらけいえいというのがお皿に載っていると。
こういうことですね。
ただ、例外は3つ存在しまして、一つは長音と言われるものです。
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これは、いわゆる伸ばし棒で書くようなものですね。
スーパーマンとかでもいいですけど、伸ばし棒で書くもの。
あるいはお母さんとかお父さんみたいに、あーとかうーって書くこともあったりします。
一つの例外はこれ、長音です。
長音だけでお皿に載ることができます。
例外2つ目は側音と言われるもので、小さいつで書くものですね。
これも我々の感覚としては、それだけ発音しろって言われても困るなという気もするんですけど、側音も側音だけでお皿に載ることができます。
最後の例外はんです。
んもこれは、何だろうな、音声学的に言えば死音だけということになるんですが、死音だけでお皿に載ることができます。
こういうですね、長音、側音、発音、発音ってんのことですけど、この3つの例外を除いてですね、基本的には母音だけか死音母音の組み合わせでお皿に載って発音されているとお考えください。
一方ですね、ちょっと英語の例でいきましょうか。
英語の場合は必ずしも日本語と同じようなルールで盛り付けているとは限りません。
むしろ、死音母音で組み合わさっているような、そういう盛り付けの仕方の方が少なく感じるかもしれませんね。
猫とかね、キャット、これは死音母音死音っていう形でお皿に載って出てきます。
あとはペンっていうのもpen、死音母音死音でお皿に載って発音されています。
日本語もそうじゃないかと考えられるかもしれないんですけど、日本語の場合はpenがお皿に載っているのではなくてpeとnっていうふうに分かれます。
penです、あくまでpen。
で、まさにですね、こんにちはがこんにちはになるのはここが原因なんですね。
つまり日本語の場合はこんにちは、こんにちは、それぞれカタカナでもひらがなでもいいんですけど文字で、5文字で書き表されるわけなんですが、それぞれ一つのお皿に載って発音されます。
こんにちは。
一方英語の場合はんっていうのを一つだけでお皿に盛り付けるっていう習慣がないんですね。
なんだろうな、漬物だけお皿に乗っけて出すことはないみたいな。
漬物は他のお皿と一緒にしましょうみたいな感じですかね。
なのでこんにちはっていうふうに盛り付けてたのを英語母語化者の場合はこんにちはになってしまう。
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んっていうのを前のお皿と一緒に盛り付けちゃうっていうことなんですね。
なのでこんにちはっていうふうになってしまうんですよ。
これは発音だけに限らずですね。
例えばおばさんとおばあさんって我々区別できるんですけど、これがね、割と非日本語母語化者の場合は難しい場合もあります。
つまり調音だけを一つのお皿に盛り付けるっていうことができなくて、おばあさんもおばあさんも同じ盛り付けの仕方に感じてしまうんですよ。
これは小さいとでっかく速音も同様で、さっきからとかがさきからになっちゃうとかね。
これもやはり速音だけお皿に盛り付けるっていう習慣がないのでそういうことになっちゃうということです。
当然ですね、これは我々が英語をしゃべるときに気をつけなきゃいけないことでもあります。
例えばですね、なんでもいいですけど、バドミントンにしましょうか。
カタカナで言うときはバドミントン、6文字だっていう感覚があるんですが、英語ではbadmintonなのでお皿3枚しか使わないんですよ。
日本語6枚も使うのに。
これもやはりですね、今言ったお話が関わっていて、
例えばbadで一皿に乗って出されるところを日本語の場合そういうことができないので、
つまりシーンで終わる形でお皿に盛り付けられないので仕方なくdを取り外してbaで一皿。
次のお皿がdだけなんですけど、dだけでシーンだけでお皿使えないよってことなので仕方なくボインを付けてドになると。
ここでもう2皿使っちゃうんですね。baド。
で、ミントトンについては、これもやはりシーンで終わることはないのでンっていうのを取り外して、
日本語のYUはですね、このンっていうのはお皿1枚使うことができるので、ミンとンとこうなって倍になってしまう。
で、計6枚使ってしまうということなんですね。
まとめるとですね、この音をどういうふうにお皿に盛り付けるかっていうのは、言語によって異なるっていうことですね。
英語の場合今言ったようにシーンで終わるっていうのもそうですし、スプレーみたいにシーンが頭に3つ並ぶような盛り付け方も可能なんですよね。
日本語の場合は親密なんて考えられないみたいな感じなので、いちいちボインをくっつけて別々のお皿に盛り付けてスプレーとこういうふうに発音します。
もちろんですね、今お話ししていることは全部たとえの話ですので、この盛り付け方がいいとか悪いとかそういうことではありません。
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こっちの盛り付け方綺麗なのにこっちはなんか汚らしいなとかそういうわけではなくて、
それぞれの盛り付け方があるという事実を知っていただけたらと思います。
そういうことでですね、今お話したのは最初の方をちょろっと言いましたけど、音節とか網羅とか拍とか言われる言語学的な専門用語で言うとそういうことなんですけど、
気になる方いらっしゃったらぜひWikipediaだけでもチラッと見ていただけたら勉強になると思います。
さあいかがだったでしょうか。どうなんでしょうね。
割と思いつきで喋った割にはまとまって話せたんじゃないかなとちょっと自分で思っています。
リアクションもそうなんですけど、ご意見ご感想等もね、いただけると非常にありがたいのでぜひお願いします。
では今回はこの辺で、よろしかったら番組クリップお願いします。ではまた次回。ごきげんよう。
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