1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #118 「違くない」ってなんか..
2020-06-25 10:35

#118 「違くない」ってなんか違わない? from Radiotalk

参考URL https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/045.html

「劣ってない」より「劣らない」を挙げるべきでしたね。

#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

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始まりました、志賀十五の壺。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀です。
さて、今日は何のお話をするかというと、 こういう表現、皆さん使ったことございますかね。
違くて、とか 違くないよ、とかこういう表現ですね。
で、こういうのは教科書的な意味で言うと、 間違いということになります。
というのが、これもともと違うっていうのが、 辞書形というか、デフォルトというか、
修飾形なんですよね、違う。 で、これ違うって無断で終わっていることから分かるようにですね、
本来、動詞なんですよ。 なので、「違くない」ではなく、「違わない」にならないといけないし、
あるいは、「違くて」じゃなくて、「違って」にならなきゃいけないと、 こういうことなんですね。
だから、違うって無断で終わっているので、 ちょうど歌うと同じ活用の仕方をするはずなんですよ。
歌わないとか、歌ってとか、歌えばとか。 なので、違う場合も
違わないとか、違ってとか、違えば。 こういうふうに活用するわけなんですが、
なぜか今、「違くて」とか、「違くない」とかね、 こういう表現の方がね、
僕の印象としては、特に若者の間において優勢なんじゃないかっていうね、 そういう気がちょっとしています。
でね、ちょっと自分自身を振り返ってみたときにどうかなぁと思ったんですが、
違くない?とか、違くて。
言うかなぁ、ちょっとね、あんまり その内省が効かないっていうか、
ちょっと反省しづらいですね、なぜか。 で、なぜこのいわゆる間違った言い方、
違くないとか違くてっていう表現が出てきたかというと、 一言で言えばこれは形容詞化ということです。
つまり動詞だったのに形容詞になっちゃっているということなんですね。 違うっていうのを
よく似た形容詞、 近いっていうのとちょっと比べてみるとですね、近いっていうのはこれ形容詞ですから
近くないとか近いとか近ければとか近かったとか近くてとかこういうふうになりますよね。
で、これと同じパターンを動詞の違うにも当てはめているとこういうことになります。 なので違くないとか違ければとか違かったとか違くてとこういうふうになります。
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で、なんでこういう形容詞っぽくなっちゃっているかっていうのは、 少し考えればわかると思うんですけど違うっていうのが
意味としてはかなり形容詞っぽいからということですね。 形容詞っていうのは大まかに言ってそのものの性質とか状態とかを表すんですよね。
一方動詞っていうのは もっと動的なダイナミックな変化を表したりするものなので
おそらくそういう意味の近さからですね形容詞っぽく活用させるようになったと。 これは多分ね
言語学やってるやってない関係なくねちょっと考えればわかると思うんですよね。 でこれねいつ頃からあんのかなってちょっと調べたらですねなんと20年前
2000年の これはなんだNHKのサイトにですね
違くないという言い方はなぜいけないのでしょうか みたいな私は自然に使ってしまいますがみたいなねこういう投稿なのかなまあこういう
質問がNHKのサイトにございますから少なくとも20年前にはもう使われていたということですね
もう今となってはですね僕 iphone 使ってるんですけど iphone の
予測変換でも 違くてとか違くないが出てくるんですよね
だからねかなりね優先になっているなという感じがします さっきあの形容詞に近いっていうことを言いましたけどまぁ実際英語とかはね
あのディファレントっていうのは 形容詞ですから
まあそういうこともあるし あと違うに対応するのが同じだっていうことですけどあればまあ形容詞というよりは
形容動詞ですけど やっぱりその違うっていうのが動詞のカテゴリーにあるっていうのは
もしかしたらちょっと変わっているのかもしれませんね その世界の言語を見回した時にちょっとこれはわかんないんですけど
もしかしたらそうかもしれません でねこのね違かったとかね違くて違くないこういった表現の面白いところは
当然形容詞っぽく 活用しているということなんですが
その終止形は 違いっていうのを想定しているはずなんですよ
先ほど近いとなぞらえてお話ししましたけどまさに 近いっていうのが近くてとか近くないとか近かったみたいな言い方になるとと一緒で
違いっていうのがあって 違くてとか違くないとか違かったとかこういう表現があるはずなのになぜかね
違いっていうのは全くね 使われてないんじゃないかと思います
ではなんだろうなこの親玉はいないのに古文ばっかり活躍しているみたいな感じですよね ただね違いっていうのは
ほぼないと思うんですけどちげーっていうのはありますよねちげー だからこの違いがないのに違いがあるっていうのもまた面白いですよね
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でこれがね将来どうなっていくかは 微妙ですね
そのうち違いっていうのが成立しちゃって辞書にも乗るようになるのかなぁとかね ちょっとわかんないですね
なので今のところ動詞の違うっていうのは 違わないとか違ってみたいな動詞型の活用も保持しているし
一方で新しくできた形容詞型の活用違くないとか違くてとか違かったとかね そういうのも獲得しつつあるっていうね
今ちょっと過渡期というか揺れている時期だとは思いますこれからどうなるかはね
まあ 我々次第ということですけどね
で何もですねあのこういった 違くてとか違かったとか近くないとかこういった言い方が悪いとは言いません
他のトークでも結構言ってるんですけど悪いとかいいとか 間違いだ正しいとかそういうことは別に
まあ 僕自身としてはどうでもいいので
ただなんでそういうふうになっているかというのが興味あることなので まあ今回ねもしかしたら興味ある方もいらっしゃるかもしれないし
お話しいたしました でその理由っていうのが
その理由ってのはその違うっていうのが同士なのに形容詞っぽくなっているのはその意味が 形容詞っぽいからだっていうふうにさっきお話ししましたけどで実際ね
そういうふうに 解説するんですよねその nhk のさっき言ったサイトもそうだし
あるいは 実際そういう学術的な論文もそういうふうに言ってるんですけど
どうなんですかねまあそう言われたらそうなんでしょうけど 他にねそういう例がないので
つまり かなり形容詞っぽい同士意味的に形容詞っぽい同士が実際そういう形容詞っぽい
活用ねあの獲得しつつあるかっていうと他に例がないので ちょっとねー
説明自体は理にかなっているけど 正しいかどうかはちょっとねー
まだ僕自身としてはピンときてないとこあります 例えば優れるとかですね優れるとか勝るとか
を取るとかこういうのって意味的にはかなり形容詞に近いですけど 別に形容詞的な
ね活用してい はないので
例えばを取ってないっていうのを お得ないみたいなねそういう方
をしてないので だからねそのもし他のどうしても同じような
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他のどうしてもって夏の他の意味的に形容詞 ぽい同士が同じような変化をしてたりすると
まあ納得できるんですけど ちょっとねまだそういう例がないのでこれから出てくる可能性もちろん
ございますし僕が気づいてないだけかもしれないので なのでもし皆さんの周りで
動詞が形容詞っぽく活用している例があったら 違う以外でね教えてほしいんですけどね
どうですかね なかなかその自分が無意識にしゃべっている母号を反省するというのは難しいことなので
気づきづらいと思うんですけどね そういうわけで今回はその違うっていう同士が形容詞っぽくなっちゃってるよっていう話でした
まあまだこの現段階ではですねその公の 文章とか
あるいは まあちゃんとした場で話すときとかは
まあ違ってとかね違くないとかは言わない方が無難でしょうね その正しい正しくないとか言い悪いとかじゃなくてその実用的な面でですね
それに腹が立つ人とか目くじら立てる人もいると思うので 実用的な意味で注意はした方がいいと思いますこれはね言語学とは別の話でね
生きていかなきゃいけないんでね社会的に というわけで今回はここまでということで
よろしかったら番組クリップお願いいたしますではまたお会いしましょう ごきげんよう
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