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こんにちは、志賀十五です。 今日も志賀十五の壺をやっていこうと思います。
お便りをいただいたので、まずそちらを読み上げたいと思います。 ラジオネームはるはるさんからです。
志賀十五さん、はじめまして。はるはると申します。 中国人ムイムイさんのラジオから志賀さんのラジオを知りました。
私は母語が日本語の日本人です。 今回は方言についてのお話ですね。
以前、中国人の友人と方言の話になって感じた違和感がありました。 友人、中国人の方言のイメージと、私日本人の持っている方言のイメージが少し違っていました。
日本国内では、方言と言ってもお互いに通じるレベルだと思いますが、 中国の方言では、関東語や上海語や文章語など、
全然お互いに通じない方言もあるからでした。 今回の志賀さんのラジオを配置をして、別の視点からのお話も聞いて、この違和感がクリアになったと感じました。
ありがとうございます。 ということで、
こちらこそ聞いていただいてありがとうございました。 こういう感想のお便りを
いただくっていうのはね、 かっこよく言うと東川明理に尽きるって感じですね。 まあかっこよくもないか。
ムイムイさんのラジオからということでね、僕が紹介するまでもなく皆さんご存知だと思うんですけど、
ムイムイさんのライブ配信とかも時々お邪魔しているんですよね。
ムイムイさんもなんとこの番組を聞いてくれてるってことでね、 嬉しいですね。ありがとうございます。
で、この方言の話はリンク貼っておこうと思いますけど、
ムイムイさんのラジオの番組のリンクも貼っておくので、そちら飛んでいただけたらと思うんですけど、この方言の話はね、
いつだったかな?こないだの土曜日かな?土曜日にすんごいリアクションをいただきまして、
はるはるさんももしかしたら押してくれたかもしれませんけど、そのリアクションのボタン。 休日だったってこともあったのかもしれないし、
どっか何か回覧板か何か回って、このトーク聞くようにみたいなことがあったのかもしれないし、わかんないですけど、
ザーッとリアクションが来てね、非常にありがたいトークでございます。
まあ簡単に言うと、方言って何なのっていうのは難しいよっていう話ですね。 簡単すぎて何を言うてるかわかんないと思うので、ぜひそちらのトークも聞いていただけたらと思います。
というわけで、はるはるさんお便りありがとうございました。
おいで、今日は何の話をしようかなと思ったんですが、 トークのタイトルにあるように
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ハヒフヘホっていうのをちょっと言語学的に考えてみようかなと思います。 これね、いろんな見方があるんですよ。ハゲオって結構面白くてですね。
実はこのハゲオの話って過去にもやってて、それの再録という形になるんですが、
簡単に言うとハヒフヘホっていうのは歴史的にいろんな変化をこむってきたっていう話なんですよね。
結論先取りで言っちゃうと、ハヒフヘホっていうのは 昔ファフィフフェフォっていう唇を使うことだったんですよね。
で、さらに歴史を遡るとおそらくパピプペポっていう音だったろうと。 まあそういう話なんですね。この話は実は
この間ライブ配信でもやったんですよね。で結構 わかりやすい話だけに受けも良かったってことで、もう一回ちょっと撮り直してみようかなと思っている次第でございます。
つまりこれは母っていうのは昔パパだったってことですね。
あるいは蝶々飛んでるやつ。蝶々っていうのは歴史的金遣いでテフテフって書きますから、
歴史を遡るとテプテプだったということなんですね。 なんか不思議な感じがしますね。全然違う単語な気がします。
そもそもハヒフヘホがパピプペポだったとか、なんかいきなりそんなこと言われたって、
何を言うてんだって感じなんですけど、 まあ証拠はあるといえばあるんですね。いくつか。
まずハヒフヘホっていうのとパピプペポっていうのを比べたときにね、 これなんか変なんですよ。どう変かというと、例えば他の声音と濁音のペを見比べたときに
カキクケコとガギグゲゴ、 あるいはタチツテトとダジズデドとか、
こういう声音濁音のペアって音を出している口の中の位置っていうのは変わってないんですよね。
カキクケコとガギグゲゴっていうのは 上顎の奥の方ですよね。口の奥の方を使っていると。
一方タチツテトとダジズデドっていうのを比べたときに、 まあこれは歯茎を使う音っていうふうに言われるんですよね。
なので声音と濁音のペアって普通は 音を出している位置って変わんないのに、ハヒフヘホとバビブベポって全然違うじゃねえかってことなんですね。
バビブベポだったら唇を使う音なんだから、それの声音は パピプペポじゃねえと何か割に合わねえじゃねえかってことなんですよね。
まあこれはなんていうかパズルゲーム的に考えるとそういうことが言えます。 第一、バビブベポっていうのは破裂音って言って何か口の中で、
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この場合唇ですけど、閉鎖を作ってそれを解放するような音なのに、 ハヒフヘホっていうのは喉の奥の方とかあるいはそれ以外のとこで、
摩擦を使うような音ですよね。その時点で全然違うじゃねえかってことなので、 そういうとこでもおそらく昔はパピプペポだったんだろうということなんですね。
まあこれでもまだ納得できないと思うので、さらに話を進めると、
都語って言って、都島ってありますよね、沖縄の。 あの辺で話されている琉球諸語の一つには、
人っていう単語がピトゥって言うんですよね。 これは大昔は同じような発音だったんですが、
沖縄の方、琉球では、都語ではピトゥってそのまま変化せず残っていて、 本土の方ではヒトっていうね、
ヒっていう摩擦音に変わっちゃってると。 まあこういうことなんですね。
あるいは、これはね、 文字資料としてもちゃんと残ってるんですね。
これね、さすがにねパピプペポだったっていう資料は残ってないんですよ。 パピプペポからちょっと唇が緩んでファヒプペポっていう音に変化したと考えられているんですね。
だからまあちょっとでも楽して発音したいっていう、 そういうモチベーションで破裂音が摩擦音になったっていうことなんですよ。
でそのファヒプペポっていう摩擦音が唇使うことさえも放棄して、 まあ喉の奥の方でファヒプペポっていう音に今落ち着いているわけなんですけど、
フだけはね唇今でも使ってますけど、 つまりまあ3段階あったってことですね。唇を使うパピプペポ、
で唇を使う摩擦音ファヒプペポ、 で唇さえ使わない現代のファヒプペポっていうね3段階あって1個前の段階は
ちゃんとね文字資料として残ってるんですよ。 例えば
キリシタン資料って言って、 江戸時代鎖国が始まりますけど、それ以前には南蛮貿易とか言って
ヨーロッパの人々と交流はあったんですよね。 その頃いろいろ言葉の記録っていうのも
そのヨーロッパの人たちによってなされてたんですよ。 でそういう人たちが
書いている記録を見ると当然ローマ字を使って書くんですよね。 でそれを見るとねハルっていうのはファルって言ってFを使って書いてて、
でヒトっていうのはフィトっていうF使って書いてて、 っていうふうに
HじゃなくてFを使って書いてるんですよ記録を取ってるんですよね。 でこのことは江戸時代以前のその辺の時代の発音は
Fに聞こえるようなファヒプペポだったということがわかるんですね。 あるいはこういう謎々が昔あってっていうのが
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母には2回会うけど父には1回も会わないものなんだっていう謎々があるんですね。
まあこんな言い方ではないんですけど、でその答えが唇なんですよ。 これどういうことかっていうと母っていう発音がその当時
ファファっていう音だったので唇を2回使うから2回会うってことなんですよ。 で一方父っていうのは全く唇関係ないので1回も会わないってことで
まあ母には2回会うけど父には1回も会わないもの答えは唇とこうなっているんですね。
というわけで今言ったようにこの五重音標を比べた時にその声音と濁音で発音の位置が違うこととか
琉球語でピトゥみたいなのが残っていることとか キリシタン資料とか昔の謎々とかこういうことから昔の日本語の
ファフィフフェフォはファフィフフェフォでさらに遡るとパピプペポだったとこういうことなんですね。
実はねパピプペポがファフィフフェフォみたいな発音になるっていうのは日本語だけではなくて英語でもありますよ。
例えば iphone とかみんな使ってますかねまあ僕は iphone 使っているんですけど iphone の phone って
ph で書くけどフォーっていう音ですよね。 まあ鉄学とかフィロソフィーって言いますけどあれも ph で書きますけど
まあ f の音で発音していると。 というわけで割とね世界のいろんなとこで唇を使う
破裂音が摩擦音に変わってたりします。 というわけでね今日のお話はファフィフフェフォっていうのがね
意外な歴史を辿っていたというお話でした。 よろしかったら他のトークも聞いていただけたらと思います。
それではまた次回お会いしましょう。ごきげんよう。