1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #406 「君は文法を知らない」 ..
2022-01-08 09:43

#406 「君は文法を知らない」 from Radiotalk

北海道方言のトーク
https://radiotalk.jp/talk/701297
ハ行の歴史のトーク
https://radiotalk.jp/talk/425873

西アフリカの名前システムの記事
https://www.bbc.com/news/world-africa-37912748

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:06
始まりました、志賀十五の壺。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。なすのよいちです。
今回は、お便りをいただいているので、そちらをまず読み上げたいと思います。
こちら、けいりんさんからいただきましたギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。
こんにちは。いつも楽しく聞いています。
ちょっと前の、詩益と北海道弁の大難に去るの話は、目から鱗でした。
さて、先日、私のおしがしゅさんが、誕生日と明日ってある意味対になるような言葉なのに、なんで日の読み方が違うんだろうと言っていました。
なんとなく由来から違うような気はするんですが、それ以上明確に答えることができません。
誕生は音読み、日は訓読みですし、日の読み方について何か法則のようなものはあるのでしょうか。
お答えいただけると嬉しいです。ということで、けいりんさんどうもありがとうございます。
まず前半のサルですね。サルラサルっていうのは北海道方言、あるいは東北の方でも見られるもので、逆詩益って言われるものですね。
興味のある方はぜひ、関連トークとしてURL貼っておくので聞いていただけたらと思います。
本題の方の誕生日と明日ですね。確かに言われてみれば、誕生日の方は日という読み方で、明日の方はにちと、こういう読み方になっているわけなんですけど、
何か法則性があるかというと、たぶんないんじゃないかなと思いますね。
ちょっと調べてみたら、明日っていうのはどうやらもともと仏教の言葉みたいですね。
由来はいろいろあるみたいなんですけど、そこに何か法則性があるかというと、ちょっと何も言えないんじゃないかなと思います。
例えば誕生日みたいに、何かこうポジティブなね、前向きな時には日という読み方になって、明日みたいにちょっとネガティブなね、そういった時には日という読み方になると、
そういった法則性があると、それはそれで美しいんですけど、どうやらそういうわけではなさそうです。
なんだ法則性ないんだなぁつまんないなぁと思われるかもしれませんけど、この法則性がないというところが言語の一つ面白い側面だと思うんですね。
今回はそういったことをお話ししていこうと思います。
けいりんさんのお便りにあるように、誕生日と明日っていうのが対になっているような場合でも読み方が違うと。
03:13
片方は日、片方は日となっていて、そこに何か法則っぽいものもないわけなんですけど、
まあ体型としては美しくはないかもしれないですね、法則がないということなので。
ただ、母語話者にとっては、法則性とか文法みたいなものっていうのは、ある意味でどうでもいいものなんですね。
母語話者っていうのは言語が使えるものであればいいし、
法則があろうがなかろうが正しい形しか口から出てこないので、
だからまあ誕生日と明日っていうのがこう、うまく対応してないっていうかね、
美しい体型になっていなかったとしても、まあそれで生きていけてるわけですよね。
言語っていうのは恐ろしく規則的で美しい体型であるものであると同時に、
こういうなんていうかな、説明のつかないような不規則なものもたくさん含んでいて、
特に母語話者にとっては別に説明がつかなくったって、まあどうでもいいんですよね。
でこのお便りをいただいたときに僕がちょっと思いついたのは、
英語でyoungとoldっていう2つの対になっている形容詞がありますよね。
youngは若い、oldは年を取ったとこういうことになってるんですけど、
こういうペアって日本語にはないんですよね。
今言った通りyoungっていうのはまあ若いっていう形容詞があるわけなんですけど、
oldに対応する形容詞はないんですね。
年老いたとか年を取ったとか、
まあ少々無限的な言い方っていうかな、
形容詞でバシッと一単語で表すことはできないんですね。
これもある意味で規則的ではないってことなんですけど、
別に日本語にはoldにあたる形容詞はないですけど、我々は困ってないんですよね。
規則的でなくても美しい体型でなくても、
一旦もう使い始めちゃったらっていうかな、
使ってる言語はまあそれはそれで完成してるっていうことなんですね。
あるいは日本語の濁音と言われるものも、
実は美しくない体型というか不規則的なんですね。
確かに字面の上では濁音だから正音に点々つければいいだけなので、
カキクケコの濁音はガギグゲゴこうなるわけですけど、
06:02
ハヒフヘホの濁音がバビブベボっていうのは、
全然体型的ではないんですね本当は。
というのがカキクケコとガギグゲゴっていうこのペアを見比べたときに、
両方発音する位置が同じなんですね。
専門的には南高外音っていう上語の奥の方で発音する音なんですよね。
カーとガーどちらもそういう音になっています。
ところがハヒフヘホとバビブベボは発音しているその位置が全然違いますよね。
正音の方は、これも専門的な言い方ですけど、
正音摩擦音と言われる音で、
喉で摩擦を起こすハーっていう音なのに対して、
バーっていうのは唇を使う、これも専門的には両親破裂音と言われる音で、
実際に発音していただけたらわかると思うんですけど、
全然口の中で違うところを使っているということになっています。
ただ、日本語ボク合わせにとってはそれはどうでもよくて、
ハヒフヘホの濁音はバビブベボっていうことになっているし、
それが発音する位置が違おうがどうだろうがどうでもいいんですよね。
こういう言語の不規則な側面というか、体系的ではない側面っていうのも
一つ面白いところではないかなと思います。
こういう美しくない体系とか不規則性っていうのは、
歴史的に説明できることもあります。
さっきの明日っていうのは仏教由来だからとか、
もしかしたらそういう説明ができるかもしれないし、
ハヒフヘホっていう発音は元々バビブベボと同じく、
唇を使うパピプペポっていう音だったと、
そういうふうに考えられてるんですね。
それが歴史的に変化して、現代ではハヒフヘホになっちゃってると。
ただ、そういった歴史的側面っていうのも、
和者にとってはどうでもいいことなんですね。
言語がどういう変遷をたどってきたかっていうのは、
あんまり関係なくて、繰り返しになりますけど、
言語っていうのは使ってしまえばそれまでっていうか、
そこに規則があろうがなかろうが、
ある意味でどうでもいいことなんですね。
余談ですけど、誕生日っていうことでちょっと思い出した話があって、
西アフリカのガーナとかトウゴとか、
こういった国のアカン族とかエウェ族っていう民族の、
その赤ん坊を名付けるシステムっていうのが面白くてですね、
こういった人々は赤ん坊が生まれた曜日に従って名付けるらしいんですね。
09:08
月曜日生まれだったらこういう名前、火曜日生まれだったらこういう名前。
で、こういった名前は後々ちゃんとした名前をつけるので、
かなり期間限定な名前なんですけど、
曜日に従って名付けるっていうのはなかなか面白いなということでちょっとご紹介しました。
詳しくは概要欄のリンク読んでいただけたらと思います。
ではまた次回のトークでお会いいたしましょう。
お相手はシガ15でした。
09:43

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