1. 【10分言語学】志賀十五の壺
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2025-06-21 10:01

#766 バスク語ミステリー from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

バスク語は少数言語でありながら独自の進化を遂げ、系統的に孤立した言語としての特徴を持っています。このエピソードでは、バスク語の特性や助動詞の面白さについて深掘りし、オーストラリアの言語との関連性にも触れています。

バスク語の紹介
お便りいただいております。ラジオトーク宛てに、ギフトと一緒に、フクミクフさん、バスク語風だったらシュクミクシュさんですかね、からお便りいただきました。ありがとうございます。
バスク語を勉強している者です。バスク語という少数言語について、こんなに上手にわかりやすく説明できる方がいるなんて、と感動しております。
ありがとうございます。過去にバスク語のエピソードは何本か撮っているんですけど、シャープ542とかかなと思います。
今さっき十五さんの番組を知ったので、これから少しずつ過去の収録を聞いていきたいと思います。ということで、シュクミクシュさん、ないしフクミクフさん、どうもお便りありがとうございます。
最近ね、こうやって初めてお便りしますとか、最近聞き始めたという方がちょいちょいいらしてね、ありがたいことですね。
で、今回はそんなバスク語を掘り下げていこうと思います。かなりミステリアスな言語なんですね。BGMです。
始まりました。4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ビルエバンスです。
バスク語というのを初めて聞くぞっていう方もね、それなりにいらっしゃるんではないかと思います。
言語学やってたりとか語学オタクの方にとってはかなりメジャーなんですよね。マイナーなためにかえってメジャーだというような、そんな感じです。
バスク語はお便りにあったように少数言語で、バスク人というね、民族によって話されている言語です。
昔撮ったエピソードでもね、お話ししてますけど、フランシスコ・ザビエルはね、バスク人だったと言われております。
で、そのバスク人がいるところというかね、バスク語が話されている地域はどこかというと、バスク地方ということなんですが、バスクチーズケーキのバスクですね。
フランスとスペインの国境付近で話されています。
このバスク語が面白いところは、ヨーロッパでありながらヨーロッパ系の言語ではないということです。
言語の特徴
ヨーロッパの言語っていうのは大抵インドヨーロッパ語族の言語に含まれるんですよね。
すなわちインドヨーロッパ祖語という一つの共通の祖先の言語まで遡れる、そういった言語が大多数を占めています。
ただし例外もあって、フィンランド語やエストニア語といった言語は、これはウラル語族という言語のグループなのでインドヨーロッパ系の言語ではありません。
系統的に異なる言語なんですよね。
ウラル語族に加えてもう一つの例外が、今日お話ししているバスク語でございます。
系統的に孤立している言語なんですね。
バスク語の中にもいくつか方言はありますが、いずれにせよバスク語は他に親戚の言語がない、系統的に孤立している言語です。
一説によるとこのバスク語というのは、コウカサス地方の言語と関係あるんじゃないかというね、そういった仮説もあります。
コウカサスについては最近確かエピソードを撮ったと思うので、ちょっと遡っていただけたら見つかると思います。
コウカサス、ないしカフカースというのは国会とかスピカイに挟まれている地域ですけど、
そこから民族の移動があって、コウカサス地方の言語の話し手たちの末裔がバスク人であるというね、そういった説もあるし、
あるいはヨーロッパにはもっとたくさんの言語が話されていて、それをインドヨーロッパ系の言語が塗りつぶしてしまったと、ヨーロッパを。
その名残というか、インドヨーロッパ系の言語がぶわっと広がる前の名残がバスク語であるという説もあります。
いずれにせよヨーロッパ系の言語とは全然違うんですよね。
おそらくここからの話は過去のエピソードでもお話ししているはずですが、バスク語の大きな特徴は能覚型言語だということです。
能覚型ないし能覚絶対覚型の言語です。
この能覚とか絶対覚の話は過去にいっぱいやっているはずなので、詳細はそちらに譲りますけど、
端的に言うとバスク語では自動詞の主語と他動詞の目的語が同じように表されて、他動詞の主語だけ別語に表されます。
これは日本語みたいな言語と違って、日本語は自動詞の主語と他動詞の主語、どちらもがというのをくっつけて、他動詞の目的語だけ別語のマークをつけます。
もう一回バスク語のことを言っておくと、バスク語は自動詞の主語と他動詞の目的語が同じように扱われて、これを絶対覚と呼んで、
他動詞の主語だけ能覚というものがつくんですね。
詳細は過去のエピソードを検索していただけたらと思います。
助動詞の詳細
バスク語は能覚型言語だということに加えて、バスク語の面白いところは、助動詞というのを使うところです。
助動詞を使うという、ただそれだけだと別に大したことないように思われるかもしれませんが、
このバスク語の助動詞の面白いところは、助動詞に認証の情報が入っているんですね。
認証というのは1認証とか2認証とか3認証とかいうことで、要は私かあなたかそれ以外かということですね。
バスク語の助動詞が担っている認証は何の認証かというと、まず主語の認証が表されます。
これはよくあると思うんですね。
動詞に主語の認証を表すというか、主語に応じて動詞が変化するという言語はたくさんあります。
さらにバスク語は目的語の認証も表すんですね。
さらにさらに間接目的語の認証も助動詞で表されるので、どういうことかというと、
例えば、私が彼に本をあげたというのと、あなたが彼に本をあげたというのは助動詞の形が変わります。
これは主語が私とあなたで異なっているので、それに応じて変化するというのはイメージしやすいと思うんですよね。
それだけではなくて、私があなたに本をあげたというのと、私が彼に本をあげたというのも違う助動詞の形になるんですね。
主語は両方同じ私ですけど、間接目的語があなたと彼で違うので、それに応じて、間接目的語にも応じて助動詞の形が変わります。
それに加えて直接目的語が変わればまた助動詞の形が変わるので、助動詞の変化形というのがすごく多いことになっちゃうんですよね。
この辺の話はおそらくシャープ542でやっていると思いますので、そちらも併せて聞いていただけたらと思います。
バスク語の場合は動詞が変化するというよりは助動詞が変化するというか、助動詞が主語や直接目的語や間接目的語の情報になっているという感じなんですよね。
同じような言語が実はオーストラリアの言語にあって、オーストラリアのいわゆるアボリジニと言われる人々の言語ですね。
その中でも特にパマニューンガンと言われる言語のグループに見られるウンパン詩というものがあります。
このウンパン詩というのも過去のエピソードで取り上げていて、シャープ635です。
シャープ635でパマニューンガンのウンパン詩の話をしていて、ウンパンというのは要は運ぶということですね。
何を運んでいるかというと、主語や目的語の情報を運ぶ、そのためだけの単語というのが存在するんですよね。
これもやっぱりバスク語と同様に、動詞それ自体が変化するというよりは、動詞以外のところでそういった情報を表しているということなんですね。
今回は主に関連トークが2つぐらいありますので、シャープ542とシャープ635、どちらもぜひ合わせて聞いていただけたらと思います。
というわけで今回のエピソードはここまでということで、最近は新しいリスナーさんからのメッセージも増えてきてありがたいことでございます。
お便りはいつでも募集しておりますのでお気軽にお送りください。
番組フォローがまだの方はどうぞよろしくお願いいたします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
10:01

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