1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #561 線文字Bと仮名文字 from ..
2023-07-04 10:09

#561 線文字Bと仮名文字 from Radiotalk

ヒエログリフと万葉仮名
https://radiotalk.jp/talk/964988





かかず
かきて
かけば

主要参考文献
『世界の文字の図典 普及版』 (世界の文字研究会編、吉川弘文堂)
『暗号解読(下)』 (サイモン・シン、新潮文庫)
『線文字Bの解読』 (J. チャドウィック、みすず書房)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:07
始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。おさるのじょうじです。
シャープ528のエピソードで、 ヒエログリフと万葉仮名っていうタイトルで配信してるんですけど、
そこでヒエログリフっていうのは、機能というか仕組みとしては、万葉仮名に非常によく似てるみたいな話をしました。
ので、そちらまだ聞いてない方は、合わせて聞いていただけたらと思います。
今回は、 線文字Bと仮名文字というタイトルでね、お話ししていこうと思います。
線文字Bって何なんだっていう方もいらっしゃると思います。 あるいはね、世界史勉強してた方はなんとなく覚えがあるかもしれません。
これはミノワ文明の文字で、 現在のギリシャの
クレタ島のクノソスというところで発見されたんですね。 で、発見したのは
アーサー・エヴァンズという人で、 このエヴァンズ自身は
この線文字Bで書かれた言語は ギリシャ語とは別個の言語だろうというふうに考えてた
みたいなんですよね。ただその後の研究により この線文字Bで書かれている文字はギリシャ語
もっと言うと 古代ギリシャ語よりさらに前の段階のギリシャ語だっていうことがわかりました。
で、その線文字Bの解読に尽力した先生として アリス・コーバーという女性の先生とか
あるいはマイケル・ベントリス この方建築家だったらそうなんですけど
マイケル・ベントリスや ジョン・チャドウィック
こういった先生方がね 中心となって線文字Bは解読されたということなんですね
そもそもこの線文字Bっていうのは何の言語を表してるっていうのもわかってなかったし
当然どんな音かっていうのもわかってなかったんですね ただ音節文字であろうということは検討がついていました
つまりカナですね音節文字 もしこれがアルファベットみたいな音素文字と言われるものだとしたら
つまりシーンと母音にそれぞれ1個ずつ文字が与えられているとしたら もっと文字の数は少ないはずだ
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しかし線文字Bは100個ないぐらいなんですね もし線文字Bが逆に表意文字
漢字みたいなものだとすればもっと文字の数は多いはずだということで アルファベットみたいな音素文字と漢字みたいな表意文字のちょうど中間ぐらいの数だったということで
おそらく音節文字 これはシーンと母音がペアになっている文字ということですね
よくシーンをコンソナントのC、母音をバウエルのVでCVということがあるんですけど このCVがペアとなっている音節文字だということは早くから指摘されていました
ただ音節文字であることがわかってもそれが実際どんな音かっていうのはさっきも 言ったようにわかってなかったんですね
でさっきも言ったアリス・コーバーというね先生が発見したのはというか注目したのは 同じ文字列は
同じ単語であろうと まあこれは誰でも思いつくことだと思います
さらに同じ文字列で 後半部分だけが
違う文字になっているっていうのもあるんですねそういったグループがあると まあ今回サムネに1000文字Bを載っけてるんですけど
もしかしたらねものによってはサムネ見られない方もいらっしゃると思うので概要欄に 1000文字Bを貼っつけておきますがこれも文字化しているかもしれません
つまり 前半だけ
同じ文字列で後半違う文字列になっているっていうのはこれは活用しているだろう というふうに睨んだんですね
で実際ギリシャ語とかあるいはラテン語っていうのはそういった言語です それが名詞か動詞かは置いといて
例えば名詞としとくと まず前半っていうのは変わらない語感と言われるところで
で後半は語尾つまり主語の時の語尾 直接目的語の時の語尾間接目的語の時の語尾っていうふうに
語感に語尾がくっついているっていうふうに考えたんですね サムネの画像にあるようにですね
共通しているのは2文字目までで だから音節で言うと2音節CVCVまでで
でその後に語尾がくっついているというふうに普通はみなします なぜなら同じ文字が使われているのは2文字目までだからです
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コーバーはそうではなくって 3文字目のCまでが語感でその後の
母音以降が語尾であるっていうふうに考えたんですね そうするとCVCVC
ここまでが語感 で以降に語尾がくっついている
これは語感と語尾の境目っていうのが文字の境目と一致していないということです なぜならこれは
線文字BっていうのはCとVが真と母音が一つになった音節文字であるため ということなんですね
確かにそういうふうに考えた方が都合が良くってサムネの一番目と2番目っていうん ですかね
は 3文字目まで同じ文字が使われてて4文字目だけ違う文字が出ていると
つまりこれは語尾に同じ母音が出ているっていうことを意味してるんですね それが実際どんな音を表しているかはわかりませんが
同じ語感だということは3文字目はすべて同じシーンを持っているということがわかるん ですね
同じシーンで終わってる語感だからということです これを別の単語にも当てはめるとどんどん仕組みっていうのがわかっていくんですが
でこれはね日本語で考えるとよくわかって もし日本語っていうのが滅んじゃって金文字だけまさに音節文字だけ
残っていたとしたら同じような分析が流されるかもしれません どういうことかというと例えば書くっていう動詞の
まあ活用というかね 書かずと書き手とかけばとこういったものが残っていると
で普通は 共通して現れる語感っていうのは一文字目のかーだけだっていうふうに考え
ますね それに語尾の数とかきてとかけばっていうのがくっついていると
でコーバーがやったのはそうではなくって 多文字目のシーンまで
が互換であるとで実際それは正しいんですね日本語の場合も まあローマ字で言うと経営系までが変わらない互換でそれに
あーずーとか言ってとかエバーみたいなものが語尾としてくっついていると いうことですね
そうなるとかけば書き手かけばの 2文字目は
すべて同じシーンを共有しているまあこの場合経営で書くようなシーンですね まあ下行であるということがわかります
まあ我々は当然日本語知っているので音がわかっているわけですけど もし音がわかんないとしても
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そういった分析の仕方ができるということなんですね でこのルールを例えば別の動詞刺すみたいなものに当てはめれば
まあ刺さず刺してさせば そういうふうにしていけばどんどん文字の表が埋まっていくんですね
で1000文字 b は実際の音はわかってなかったんですが さっきも挙げたベントリスが繰り返し出てくるものを地名と睨んで
地名を当てはめてみたらうまくいったんですね なので1000文字 b の解読は
理屈とひらめきっていうのがうまく合わさって 達成されたということなんですね
今回の話はね簡単に読めるものとして新潮文庫の暗号解読というものがございます のでそちらぜひ読んでみてください
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう お相手はシガ15でした
10:09

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