1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #528 ヒエログリフと万葉仮名 ..
2023-03-11 10:22

#528 ヒエログリフと万葉仮名 from Radiotalk

ヒエログリフの本の話
https://radiotalk.jp/talk/437543

主要参考文献
『図説 ヒエログリフ事典』 (マリア・カルメラ・ベトロ、創元社)
『世界の文字の図典 普及版』 (世界の文字研究会編、吉川弘文堂)
『ロゼッタストーン解読』 (レスリー・アドキンズ、ロイ・アドキンズ、新潮文庫)
『暗号解読(下)』 (サイモン・シン、新潮文庫)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
たりし、びわまるです。今回は、ヒエログリフをテーマにね、お話ししていこうと思います。
ヒエログリフ、まぁ、エジプトの古代文字ですよね。
なんていうか、魅力的ですよね。なんとなく神秘的な感じがして、僕も昔からね、ヒエログリフは好きで、
過去のエピソードでも話したことあるんですけど、クリスマスだったかな、
にヒエログリフの本をね、プレゼントしてもらった記憶がございます。
ヒエログリフは、長らく使われてこなかったので、
そのために、解読にね、非常に時間がかかったっていうような経緯があるんですよね。
というのも、現代のエジプトと呼ばれているあの地域が、
ずっとヒエログリフを使ってたわけですけど、あるいはその派生した文字をね、使ってたわけなんですけど、
一回キリスト教化されて、で、そのタイミングでコプト文字っていうベッコの文字が使われちゃったんですよね。
で、さらにそこからイスラム化すると、今度はアラビア文字が使われるようになって、
というふうにヒエログリフはね、かなり断絶した時代の文字なんですよね。
で、このヒエログリフの解読に、まあ尽力したというかね、
解読した人物はシャンポリオンというフランス人ですね。
こちらも名前聞いたことあるっていう方もたくさんいらっしゃると思います。
ご存知の通りヒエログリフっていうのは、おそらくご存知だと思うんですけど、
鳥とかね、人とか、あるいはエジプトの神々の形をしているので、
それが表意文字だっていうふうにね、思われるかもしれません。
あるいは標語文字ということもあるんですけど、ひとまず表意文字としておきます。
つまり漢字みたいな機能ですよね。 人という字はあの文字で人という意味を表していると。
長らくヒエログリフはそのように考えられていたんですが、
シャンポリオンは、そのヒエログリフっていうのは標音的にも用いられているということを明らかにしたんですね。
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つまりアルファベット的に用いられているということです。 例えば、
家っていうヒエログリフがあるんですね。文字があって、これは真四角で、
下辺っていうんですか、下の辺の真ん中が一部欠けているような形です。
これは表意文字としてはペルみたいな読みで、 そのままイェを表してたんですが、
標音文字としても機能していて、その場合は、 ペルの最初のピーの音ですね。
ピーの音を表すアルファベットとしても機能していました。
実はヒエログリフにはもう一つ決定詞という機能もあって、 これは同音の単語を区別するために添えられる、
読まれない文字のことです。 これはね、漢字の
辺にちょっと似てるような気はするんですよね。 同っていう漢字が、同じっていう漢字がありますけど、それに金辺がついて、
同音だけど金属の同を表しているみたいなね。 なので、この家というヒエログリフがついた場合は、
同音の単語があるとしても、それは建物に関する単語だっていうことを表してたんですね。
というわけで、ヒエログリフには表意的な機能と、 表音的な機能と、そして決定詞としての機能もあったということなんですね。
このヒエログリフっていうのは非常に 日本語の状況と似てるなぁと思うんですよね。
特に万葉仮名と言われた文字が使われてた時代ですね。 仮名が成立する以前の日本語は、
まさにヒエログリフと同じように、 漢字を、
その意味に関わらず、その漢字の音だけを借りて日本語を表していました。 今風に考えると、よろしくみたいなね。夜の梅雨に
死んで苦しめみたいなやつね。そういうふうに万葉仮名っていうのは、 漢字の意味に関わらず音だけ借りてたっていうような状況なんですね。
例えば、川という字がありますね。三本線の川。 あれは当然、表意文字としては川を表すんですけど、万葉仮名としても使われていて、
つまり表音的にも使われていて、その場合はツーという音を表してたんですね。 実際、
現代のね、ひらがなにしろカタカナにしろツーという仮名は、川という字に由来しています。 なのでシャンポリオン以前の
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その言語学者がやってたことっていうのは、あの川っていう文字を見て、 これは川を表しているはずだ。
表意文字だっていうことに固執しすぎて、 ただ単にツーっていう音を表してるっていうことに気づかなかったということなんですね。
日本語の場合は連綿とその表記体系がね、受け継がれてきてるんですけど、 エジプトの場合はヒエログリフの後にコプト文字やアラビア文字が入って、
冒頭言ったように断絶されているので、 そのことに気づきづらかったんですよね。
なので文字の仕組みとしては、 ヒエログリフっていうのは万葉仮名と非常に似ていると思います。
このヒエログリフの研究が 進んだのはロゼッタストーンというね、
これですね。ロゼッタストーンの発見によるところが大きくってですね、 これもご存知の方多いと思うんですけど、ロゼッタストーンっていうのは
三段構えっていうんですかね、になってて、 ヒエログリフっていうのが一番上の段にあって、真ん中の段がデモティックと言われる、
いわばヒエログリフの崩し字みたいなもので、 いわばヒエログリフが解消だとしたら、
デモティックは行書とか総書に当たると思うんですけど、 3段目はギリシャ文字で書かれてたんですね。
当時ギリシャ文字っていうのは読むことができたので、 そのギリシャ文字を手がかりにすれば、
ヒエログリフっていうのが解読できるっていう風になったんですね。 さっき言ったシャンポリオンと並んでイギリスのトマス・ヤングという学者も
ロゼッタストーンの解読に尽力してですね、 この辺りの話は非常に面白いんですね。
この2人のライバル関係もそうだし、 時代の煽りを非常に受けてるっていうかな。
そのトマス・ヤングがやったことっていうのは、 ヒエログリフのテキストの中にカルトゥーシュっていう枠で囲まれている部分があるんですね。
それは重要なものに違いないと睨んで、 それは人名だ。例えばプトレマイオスみたいなね。
人名だっていうことで、 その枠で囲まれたものを
ギリシャ文字のテキストと対応させて、 氷温文字だっていう風に分析したんですね。
というのもプトレマイオスっていうのはエジプト人じゃなかったので、そういう外国人名を表すときは氷温的にヒエログリフが使われるっていう風に考えたんですね。
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現代中国語も似たようなことをやってますね。 その漢字の意味に関わらずね。
釈養を表すときは音だけを当てているわけですけど、そういう使われ方がヒエログリフでもなされてたという風に
トマス・ヤングは考えました。 が、この氷温的なヒエログリフっていうのは外国人名に限ったことではなかったんですね。
実は、 もっと広くヒエログリフっていうのは氷温的に使われていたということが
シャンポリオンの研究でわかったんですね。 この辺の話はね、新潮文庫から出ているロゼッタストーン解読とかね
同じく新潮文庫から出ている暗号解読とかね。 こういった本に詳しく書いてあるので興味のある方ぜひ読んでみてください。
ひとまずヒエログリフっていうのは仕組みとしては 日本語の万葉仮名と結構似てるなぁというようなね、そういったお話でございました。
というわけで今回はここまでということで、最後まで聞いてくださってありがとうございました。 また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
お相手はシガ15でした。
10:22

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