1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #552 「タ」は過去を表すか? ..
2023-06-03 09:50

#552 「タ」は過去を表すか? from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/328972

主要参考文献
『日本語のシンタクスと意味II』 (寺村秀夫、くろしお出版)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:07
始まりました。志賀十五の壺。 待ちます。アミンです。
今回は、「タ」っていうのは果たして過去を表しているのかっていうね、
テーマでお話ししていこうと思います。 見るっていうのが
まあ現在形だとすれば、見たっていうのは過去形だっていうふうにね、
まあそう考えがちだし、便宜上過去形って言われることが多いです。 ただ名前は過去形であっても常に過去を表しているわけではない。
みたいなねお話をしていこうと思います。 一番に思い浮かぶのは確かに過去形
というかね、過去を表す機能だと思うんですよね。 「タ」がやっていることっていうのはね
昨日テレビを見た。 まあこれは過去の出来事について
述べているっていうことで まさに過去の「タ」と言っていいようなものですが
こういうのを時勢とか点数っていうふうに言うんですよね。 まあここだと発話時、話している時間に対して
時間軸上、過去の出来事について言っていると、こういうのを時勢とか点数と言います。
「タ」がやっているのはこういう点数を表すだけではなくって 官僚を表しているというふうにもよく言われるんですね。
官僚。 まあ過去とどう違うかっていうのは結構難しかったりするんですが
よく言われるのは官僚っていうのはアスペクトっていうのを表していると言われます。 官僚っていうのは
過去と違って その出来事が
現時点でも何らかの影響があるみたいなふうに言われることが多いです。 例えばさっきの昨日テレビを見たみたいな場合は
まあこれは現時点に何らかの影響があるというよりは 個別に過去の出来事を述べているっていう感じなんですが
もうテレビを見ただとこれは官僚扱いになるんですね。 これね、見ただと
まあ同じ形なのでわかりづらいんですけど 否定にすると結構はっきりして
03:04
過去のテレビを見たの否定は テレビを見なかったになるんですけど
官僚の場合のテレビを見たの否定は まだ見てないというふうになります。
こういうふうに日本語の他っていうのは 現時点と断絶した過去を表すこともあれば
その動作がね、終了して 現在まで何らかの影響があるみたいな官僚を表すこともあります。
実際ね、英語の現在官僚の文は 日本語で他で訳しても全然平気なことは多いんですよね
ただ学校英語とかだと 〇〇したことがあるとかね
まあ経験とか〇〇したところだみたいに無理に訳させるようなこともあります。
日本語の他っていうのが過去と官僚も表すというか まあ過去と官僚が連続してるっていうのは歴史的にも説明が一応できて
というのが他っていうのは 古文でいうとこの助動詞たりに由来するものです
でこの他の歴史についてはね過去のエピソードがあるので 概要欄からリンクを飛んで聞いてほしいんですけど
もともと古文で過去の助動詞っていうのは 〇〇っていうのがあったんですね
でこの〇〇っていうのが衰退しちゃって まああるいはたりっていうのが
官僚だけじゃなくって過去も表すようになっちゃって で現在でもその名残みたいなのが多少あるということなんですね
でこの官僚を表してた形式が過去も表すようになるっていうのは いろんな言語で見られることなんですね
でこれも関連エピソードがあるので聞いてほしいんですけど 例えばドイツ語っていうのは過去形っていうのは
あまり使われなくなって過去のことについて述べるんだったら 官僚形を使います
まあいずれにせよですね日本語の他っていうのは過去や官僚を表すことがあるんですが 過去にしろ官僚にしろ何かこう時間的な表現だったのに対して
何かそういう時間とかは関係なくって主張を表す たっていうのもあると言われています
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でこれはムードのたと言われることがあって 主張を表すって言われてもね結構ピンとこないようなとこはあるんですけど
このムードのたで 非常にわかりやすいのは
お店とかで買った買ったとかね あるいは野獣マンは帰った帰ったとか
どいたどいたとか言うねこういったものですね まあ過去形が命令ぽく使われてますよね
まあこういったものがムードのたと言われるものです あるいは何かを思い出した時にもたっていうのは使われて
今日水曜日だったっけみたいなものです 今日水曜日だっけでいいところを水曜日だったっけ
みたいな言い方をします あるいは何か発見した時にもたっていうのは出てきて
ああこんなところにあったみたいなものですね こういうふうにたっていうのは必ずしも過去や官僚を表すわけではなくて
ムードのたっていうのがあるんですけど僕はねこのムードとかモダリティとか 言われるその判断とかね
和写の態度とかそういったものを表すものが苦手なので まあひとまずいろんなたがあるっていうことだけここで言っておこうと思います
このムードのたと関連してですね面白い現象があって
例えば 太郎はもうダメだと思う
こういった場合 ダメだと思っているのは和写と解釈されます
というのがこの思うみたいな感情や思考を表す 述語っていうのは主語が一人称に限られるんですよね
なので太郎はもうダメだと思うといった場合 太郎はと言ってますけど思っているその主体っていうのは私だと解釈され
ます ただこれが
思ったっていうふうにたを使うと つまり太郎はもうダメだと思った
こうなると別に一人称じゃなくてもいいんですよね 太郎が思ったっていうふうに解釈できます
まあたを使うことによって 主語は一人称じゃなきゃダメだっていう制限が解除されるんですね
他にも 私は悲しい
まあこれ全然平気な表現ですけど 太郎は悲しいっていうのは結構厳しくって
太郎は悲しいらしいとか悲しがっているっていうふうに 何かこうつけなきゃいけないんですけど
09:03
これもたを使って 太郎は悲しかったと言えば
全然 ok ということになります こういうふうに
思考やね感情を表すものが 他を使うと
一人称じゃなくても ok になるっていうのもなかなか面白い現象だと思います というわけで今回は他についてねいろんなものがあるというお話でござい
ました 最後まで聴いてくださってありがとうございましたまた次回のエピソードではいたしましょう
番組フォローも忘れずよろしくお願いします お相手はシガ15でした
またねー
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