1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2022-06-18 10:53

#452 オリジナルいろは歌を作ろう! from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/820297

[オリジナルいろは歌]
おとるふゆのしろきをうみ あやまち けさよりゑひ せはほこそねぬめれ わならて いつくにかゐむ えもたへす
踊る冬の白きを憂み 誤ち 今朝より酔ひ 瀬は帆こそ寝ぬめれ 我ならで いづくにか居む えも耐へず

(「踊る」、ほんとは「をとる」なんだよね…)

[歌ってみたバージョン]
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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:07
始まりました、志賀十五の壺。
台体屋根、竹村健一です。
こないだのエピソードで、歴史的金使いにある、今は使わないルーに似た金の話をしたんですよね。
なんていうんですかね、ルーって一触れ書きですけど、このカーブのとこで空洞をくるっと作るイーっていう発音の文字とかね。
あるいは、ルーの下に波を打っているようなエーっていうような文字の話をしました。
そのイーとかエーっていう文字は、実際にはウィーとかウェーっていう和行の発音だったと、そういった話をしたんですよね。
昔はウィーとかウェーっていう発音が日本語にはあったんですけど、このウィーとウェーがそれぞれイーとエーという発音に吸収されてしまって、
現代では、ルーの書と変わった形の2つの金は普通使われていないと、そういったお話をしました。
関連エピソードとして、概要欄URLを貼っておくので、まだ聞いていない方はそちらを聞いていただきたいんですが、
そういった金っていうのは、もちろん古文とかね、学校で習うような時には出てくるし、あるいはイロハウタにも出てくるっていう話をしました。
その話の流れの中で、僕もイロハウタを作ってみたっていうね、そういった話をしたんですね。
イロハウタっていうのは50音、50音って言うとあれかな、日本語の金全てを1回ずつ使って、
貨不足なくっていう言い方でいいんですかね、使って、なおかつ意味のある文になっているというものですね。
ご存知の方も多いと思いますが、
イロハニホヘトチリヌルオ、ワカヨタレソツネナラム、ウイノオクヤマケフコエテ、アサキユメミシエヒモセスとこうなっているわけですけど、
まあどうですかね、これはいわゆる金読みって言えばいいんですかね、金をこう読んでいってるわけですけど、
本当はイロハニオエドとかそういう読み方の方がいいのかもしれません。
まあわかりやすく今金読みをしました。
僕も作ってみたんですね。
03:00
それも金読みで言ってみますと、
オトルフユノシロキオウミ、アヤマチケサヨリエヒ、セワホコソネヌメレ、ワナラテ、
イツクニカイムエモタヘスとこうなっています。
これをもうちょっとちゃんとしたっていうか、歴史的金遣いのルールにのっとって読むと、
オトルフユノシロキオウミ、アヤマチケサヨリエヒ、セワホコソネヌメレ、ワナラテ、
イツクニカイムエモタヘスとなっています。
今読み上げた僕のオリジナルのイロハ歌も、かなあ一回ずつしか使わず、
かつ意味の通る文になっていて、我ながらよくできたなあと思うので、
今回はこの歌について古文的な解説をしていこうと思います。
まず、オドルフユノシロキオウミ。
テキストは概要欄に貼っていますので、それも見ていただいていいんですけど、
オドルフユノシロキオウミ。
オドルフユノシロキ。
オドルはそのまんまですね。一応連体形です。
冬の白き、これも白いの連体形なので、
オドルフユノシロイモノっていうことです。
これはまあ、雪という解釈でいいと思います。
いいと思いますって自分で作ってるんですけど、雪。
オウミ。
ここは古文独自の文法で、
ミゴホウっていうのがあったんですよね。
百人一宗とかでも出てくる、
セオハヤミみたいなもので、
オウとミを使って、
何々が何々なのでっていう風に
訳すとうまくいくものです。
ミっていうのは形容詞につくものです。
なのでこれは、
オドルフユノシロイノガウットウシイノデっていうことになります。
雪が鬱陶しいので。
次。
あやまちけさよりよい。
これはそのままですね。
あやまち、間違って、
けさより、けさから、
よい、よっぱらい。
せはほこそねぬめれ。
ここもそんな難しいことは言ってないんですけど、
せですね。
せは、ほ、
これ船のことだと思っていただいていいんですけど、
ほこそ、
次がちょっとややこしいことになってますが、
ねぬめれ。
ねっていうのは、
ねるっていう、
ぬっていう動詞の
連用形です。
で、次のぬっていうのが、
官僚の助動詞、
ぬの修飾形。
で、ねぬ。
06:00
で、次のめれっていうのは、
推定の助動詞。
何々なようだっていう意味の
助動詞、
めりの依然形です。
で、このめりっていうのは、
修飾形接続なので、
ねぬっていう修飾形に、
めりっていうのがついています。
で、ここで、
こそっていうのがあるので、
係り結びですね。
こそ依然形となっているので、
全体としては、
せは、
船こそ、
眠ってしまったようだが、
次が、
わならで、
わっていうのは私ですね。
で、なりが、
これはなんだ、
断定の助動詞、
なりの、
依然形ですね。
で、この断定の助動詞は、
対言にもつくことができます。
で、でっていうのは助詞で、
何々しないでっていうような意味で、
全体としては、
私ではなくて。
つまり、
せは、
船こそ寝ちゃったけど、
私ではない。
眠ったのは、
私ではなくて。
最後ですね。
いづくにかいん。
これも、
一応係り結びになっていて、
いづくにか、
どこに、
いん。
これは、
上一段動詞、
いるの、
未然形で、
むっていうのは、
意思の助動詞ですね。
これが未然形接続で、
いむとなっています。
で、このむ自体は、
修飾形と同じ形なんですけど、
いづくにかっていう、
係り助詞があるので、
一応連体形ということになっています。
なので、
どこに、
いようか、
っていう感じですね。
半語として、
どこにもいられないっていうふうに、
解釈してもいいかもしれません。
最後、
えもたえず。
これは、
えーずっていうのが、
何々できないっていう表現があるので、
えもたえず。
耐えることができない、
ということになっています。
なので、
これが、
現代語訳っぽく言うと、
踊る冬の白いのが、
雪が鬱陶しいので、
間違えて、
浅っ腹から酔っ払い、
背は船こそ寝てしまったようだが、
私ではなくて、
どこにいようか、
耐えることができない、
我慢できない、
というような、
歌になっています。
というわけで、
一応、
全体としては、
意味が通るようになっているはずなので、
うまくいってよかったな、
という感じですね。
もう一つ、
いろはうたなので、
かなを一回ずつしか使っていない、
というのもそうなんですけど、
和語しか使わなかった、
というのも一つ、
09:01
特徴として、
こだわりとしてあるところです。
もし、
これをお聴きの方で、
オリジナルいろはうたに、
興味のある方、
やってみても、
いいと思います。
けど、
やっぱりね、
いろはうたの、
並べ替えなので、
当然、
古文になるわけですよね。
冒頭お話しした、
ウィーとかウェーっていう、
かなも入っているわけなので、
結構その辺は難しいので、
五十音のあいうえおの並べ替えでも、
楽しいかもしれません。
そういう文字を一つずつ使って、
意味が通っている文にするっていうのを、
パングラムっていうらしいですね。
ちなみに、
いろはうた以前にも、
この五十音というか、
文字を一回ずつ使って、
日本語の音をね、
表している、
かつ意味の通る文になっている、
っていうようなものがあって、
アメツチとかね、
タイニっていうものがあるんですね。
アメツチの方は、
どっちかっていうと、
単語のラレツみたいなもので、
アメ、ツチ、ホシ、ソラ、ヤマ、カワ、
みたいにこう、
二音節っていうかな、
二拍の名詞をどんどん並べていっているような、
仕組みになっています。
今回はね、
僕もそういったものに挑戦してみて、
本当はもっと五七調とかにしたかったんですけど、
まあ意味が通る文になっただけ、
良かったかなと思います。
というわけで、
今回のエピソードは、
高校の古文の授業の、
なんか、
再現みたいな感じでしたね。
では、また次回お会いしましょう。
お相手は、
しがじゅうごでした。
またねー。
10:53

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