1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #527 言語類型論:語とは皿で..
2023-03-07 10:23

#527 言語類型論:語とは皿である!! from Radiotalk

類型論のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/916797
音の「皿」のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/293455
アラビア語のエピソード
https://radiotalk.jp/talk/432733

主要参考文献
『言語』 (エドワード・サピア、岩波文庫)
『言語のレシピ─多様性にひそむ普遍性をもとめて─』 (マーク・C・ベイカー、岩波現代文庫)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました。志賀十五の壺。 遅刻は許しません。佐々木小次郎です。
言語っていうのは、まあいろんな面で様々なバリエーションがあるわけですけど、
単語の作り方、語の構成っていうのもまた多様なんですよね。
で、その語の作り方に関して、
言語をタイプ分けするっていうことがあります。 広い意味でこういうのは言語類型論と言われて、
英語だとタイポロジーと言われます。これについては関連エピソードがあるので、合わせて聞いていただけたらと思います。
今回は、この語っていうのを、単語っていうのを
お皿みたいなものと考えるとうまくいくんじゃないかなと思うんですね。
で、過去にもね、このお皿の例えっていうのは出していて、
で、その時は言語の音についてですね、 音韻論とかまあ音声学って言われる分野でその例を出したんですけど、
今回は単語の構成について お皿で例えてみようと思います。
そちらのエピソードもぜひ合わせて聞いていただけたらと思います。 仮に
何か伝えたいものとかね、意味っていうものが食材だとしたら、 それをお皿に乗っけて相手に伝える。
まあこの お皿っていうのが
ここでは単語ということで、 そのお皿に食材を乗っける方法っていうのがいろいろあるっていうことなんですね。
例えば、ある言語では一つのお皿につき一つの食材しか乗っけることができません。
一つのお皿にトマトを乗っけて渡して、別のお皿にキュウリを乗っけて渡して、 でまた別のお皿にかぼちゃを乗っけて渡してっていう風に
まあこういう風な言語もあるんですよね。 で、こういった言語を
分析的言語とか言ったりします。 まあ英語だとアナリティックとか言ったりするんですけど、
よく挙げられる言語はベトナム語とか中国語ですね。 で、こういった言語は一つのお皿につき一つの食材
つまり、 一単語につき一つの意味のまとまりしかないといったようなものなんですね。
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で、こういった分析的言語っていうのは 単語の語形変化っていうのがあんまりないんですね。
つまり過去形っていうのがなかったりとか 主語によって動詞の形が変わるっていうことがありません。
こういったベトナム語や中国語に比べると日本語っていうのは お皿にサラダを乗っけているような感じですね。
例えば食べさせられなかったっていうのは これで一単語ですけど
この一単語の中に食べるっていう語彙的なものと 使役のさせる、受け身のられる、否定のない、過去のたっていう複数の要素が乗っかっています。
これがもしさっきの分析的な言語だったら 1個ずつ別のお皿で出すところを
まあサラダみたいにね、一つのお皿にまとめているということなんですね。 こういった言語のタイプを統合的な言語と言ったりします。
日本語みたいな統合的な言語の上に さらに副統合的な言語というものがあるんですね。
統合的っていうのをシンセティックと言って 副統合的な言語を
ポリシンセティックと英語で言います。 で、この副統合的な言語は言ってみれば
なんか品目が多く入っているサラダっていうことですね。 やたらめったらいろんなものが入っているものがありますけど、あれです。
こういう副統合的な言語になると 他の言語では文で表すようなものが
一つのお皿に乗ってね、つまり一つの単語で表されるんですね。 どんな言語かというとこういった言語はね、少数言語が多いんですね。
例えばアイヌ語とか シベリアのチクチ語とかコリアーク語とか
あるいは新大陸のいわゆる先住民の言語であるとか まあ言ってみればマイナーな言語に
副統合的な特徴が見られます。これはもちろんたまたまだと思います。 例えば北米のモホーク語っていう言語があるんですけど
この言語では彼は身につけるものを彼女のために醜くしたっていうのを 一単語で言うんですね。
彼は身につけるもの、まあ服のことですけど、服を彼女のために醜くした。 これが一つのお皿に入って伝えられるんですね。
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これはなかなか想像を絶するものですけど、 まあそういった言語もあるんですね。
で、今の言語のタイプ分けは お皿にどれだけ食材が乗るかっていうね、つまり一単語にどれだけの要素を詰め込めるか
という基準で 分析的、統合的、副統合的と分類したんですけど、また別の指標っていうのが
あって、それはそれぞれの食材を簡単に見分けられるかっていうようなね、基準があります。
一番簡単なのは孤立語と言われるもので、 これは分析的な言語で、つまりベトナム語や中国語みたいに
そもそも一つのお皿に一つの食材しかないので、 お皿の中の食材を分けるっていうことがそもそも必要ないような言語です。
それに対し日本語っていうのはサラダみたいなものなんですけど、 まあ食材を分けようと思えば分けることができるんですよね。
トマトを取り除いてキャベツを取り除いてみたいにこう 地道な作業かもしれませんけど、食材ごとに分けることができます。
実際食べさせられなかったっていうのは、 食べとさせとられとなかったというふうに分けることができます。
まあこういうのを口着的言語とか言ったりするんですね。 ただし言語によっては
この食材を分けるっていうのが非常に難しい場合もあります。 今までずっとサラダで例えてきたのにあれですけど、例えばハンバーグっていうのは
肉と玉ねぎと つなぎの卵とっていうふうにこう焼き上がっちゃったらもう分けることできないですよね。
まあそういった言語もあります。 こういった言語は融合的言語と言われて、
例えば英語の複数で、 ウーマンの複数はウィメンとかね。
まあこういったものは複数の要素だけ取り出せと言われてもなかなか難しいです。 あるいはテイクっていう動詞の過去形のトゥックっていうものから過去だけ取り出せっていうのも非常に難しいですよね。
こういったものを融合的な特徴と言って アラビア語なんかがよくこういったタイプに
分類されます。 というわけで世界の言語にはいろんな単語の構成の仕方っていうのがあるんですけど
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その単語っていうのをお皿に見立てればその上に乗っかる食材の量であるとか あるいはその食材の
混ざり具合っていうかね 簡単に分けられるものもあれば
もうぐしゃっとしちゃって、まあ調和しちゃってね 融合しちゃって取り出せないものもあるとか
まあいろんなタイプがあるというお話でした まあこれは単なる分類であってどのタイプの言語が
まあいずれかのね言語のタイプよりも優れてるとか劣ってるとかそういった問題では全くありません
まあそれとそれぞれの言語がきっちりねどのタイプに分けられるっていうものでもなくて
まあこういった面では 例えば分析的だけどこういった面では統合的とかそういったこともあります
というわけで今回は言語類経路のお話でしたね 最後まで聞いてくださってありがとうございました
番組フォローも忘れずよろしくお願いします それではまたお会いしましょう
お相手はシガ15でした
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