中国の電子マネーとか、これ非常に典型的な例です。 日本でもさ、キャッシュレスの決算あるじゃないですか、ペイペイとかね。
まあ便利なんで僕も使ってますけど、 ただ日本ってさ、電子マネーって思ったよりも普及が進んでなくて、
普及率で言うとね、36%ぐらいだと言われてます。 まだまだ皆さん現金使ってるんですね。
ちなみに皆さんどうですか?使ってます?電子マネーは。 意外とね、僕の周りでも同じぐらいの年代で、電子マネー使ったことないっていう人もね、いますからね、やっぱ。
まだまだね、皆さん現金が、キャッシュがお好きなんですね。 一方お隣の中国さんはですね、電子マネーの普及率って83%なんですよ。
圧倒的に普及してます。日本とはね、本当ダブルスコアついちゃってますね。 本当普及しすぎてて、僕はね中国出張したことないんだけど、
よくね中国に出張している人とか不認している人の話聞くとさ、 スマホの電源切れたら終わりって言うよね。
基本キャッシュレスでしか払えないから、QR読めないと何もできんと。 そんぐらいねやっぱね進んでるんですよ。
昨今のITの発展考えたら、もちろん現金よりね、電子マネーキャッシュレスが普及することの方が健全だし望まれてますよね。
ただやっぱその点においては、日本は中国に追い越されてしまってるわけですよ。 だからこういうね会計とか決算システムにおいては、中国の方が進んでると言わざるを得ないですよね。
これこそまさにね、リープフロック現象なんですよ。 というのも中国ってね、もともと銀行のシステムっていうのはかなり未発達だったんですね。
お金を預けるっていうのも送金するっていうのも、日本みたいにATMがね至るところにバンバンあるわけじゃないし、国民の皆さんはねそれで不便してたわけです。
銀行のシステムが未発達であれば、当然クレジットカードなんかもあんまり浸透しなかったんで、そういうお金の管理とかね決算支払いシステムにおいてはすごくね中国って遅れてたんです。
だからこそ、電子マネーっていうね概念が出てきた時に、そういったね銀行のシステムとかクレジットカードとか既存の技術基盤が全くなかったおかげで、
一気にね中国国内でこの電子マネーっていうのは普及したんですよ。 一方先進国だった日本は、電子マネーっていう新しい概念を導入しようと思った時に、
すでに浸透してしまっている文化が邪魔するんですね。 そして今もねこう邪魔し続けて、邪魔って言い方あれだけど、そういうものに阻まれてねなかなかこう電子決済、
電子マネー進まないんですよ。 だから普及率が未だに36%ぐらいなわけ。日本人がねこうレジにさ長い列作ってお財布からお金をガチャガチャ
出してレジで並んでいる傍ら、中国ではQRでピッと効率的に支払いを済ましていく。 そんなに文化的な逆転が起きてしまったわけですよ。
電子マネー、電子決済という分野においては、日本はね中国にまさにカエル飛びのようにピョンと追い抜かれてしまったんです。
これがリープフロック現象というものです。 このリープフロックっていうねネーミング、
カエル飛びですけど、なかなか面白い表現というか言い得て妙ですよね。 非常にセンスがいい、わかりやすいネーミングだと思います。
さてリープフロックのイメージをつかんでもらったところで、ものづくりの話にちょっと戻しましょう。 日本もねこういったリープフロック現象で逆転したものづくり産業があるんですよ。
それがね、工作機械業界です。 まさに私支部長が身を置く産業ですね。
例によってね、また工作機械とは何かからざっくり説明しますけど、 工作機械っていうのは
工作を行う機械のことで、 材料を加工して製品や部品を作り出す機械です。
材料は金属に限らず、樹脂や木などの加工も行いますけど、 一般的には金属を切削加工する、削る機械のことを工作機械と呼びます。
工作機械はね、機械を作る機械という意味で、マザーマシンと呼ばれています。 工作機械はありとあらゆる部品を加工して作り出す機械なんですね。
この世に存在するすべての機械とかものっていうのは、 原理をたどると必ずこの工作機械から生み出されています。
工作機械から部品が生まれて、その部品が組み合わさってまた別の機械になると。 まさに母なる機械、マザーマシンなわけです。
だから工作機械っていうのは、ものづくり産業の基盤を支える重要な機械として位置づけられていて、 工作機械のレベルがその国の製造業のレベルだと言ってもね過言ではないぐらい重要視されています。
日本のものづくりって言ったらやっぱ自動車産業っていうのがすごく有名なんですけど、 実はこの工作機械産業も世界に誇るトップレベルの産業で、
日本の工作機械って聞いたらですね、 世界の人たちは、おーそれはいいなって思うんです。思うはずです。
思ってほしい。そういうレベルのブランド価値があります。 製造業の人たちにとっては、日本といえば工作機械、こういう印象結構根深くあると思いますよ。
ただこれはね、今でこそこういう印象であって、 実は50年60年前どうだったかって言ったら真逆なんですね。
日本の工作機械?あーとてもとても使えんと。鉄屑だと。 本当にそういうレベルの扱いだったんですよ。たった50年60年前までは。
日本の工作機械は世界中から粗悪品として扱われてました。 日本の工作機械をね、海外に売りに行くなんて言ったら、お前それは日本人がフランスにワインを売りに行くようなもんだと。
まあそういうふうに揶揄されたほどです。 とてもじゃないけどそんなもんを買う人はいないということですね。
当時の工作機械大国と言ったらですね、アメリカなんですよ。 アメリカこそ工作機械世界一。そういう時代です。
やっぱり技術的にもね、その時代のアメリカってすごくて、 ちょっとマニアックな話になりますけど、今ではね、工作機械業界では当たり前とされている
ATC、オートツールチェンジャーっていうね、 自動で刃物を交換してくれるっていう機能があるんですけど、
これもね、アメリカのメーカーが最初に開発して、 それで世界中がね衝撃を受けて、もうこぞって真似して開発するなんてことも起きてました。
とにかくアメリカってのはね、工作機械先進国だったわけです。 そしてその地位はね、誰もが万弱だと信じて疑わなかったんですが、
そうです。あまりにも大きかったこの日本とアメリカの技術の差。
これが、リープフロックで飛び越えてしまうっていう時期がね、来るんですよ。
それのきっかけとなるのが、工作機械のNC化っていうものです。 簡単に言えば、それまで職人さんが工作機械のハンドルをね、手で回して操作してたものを、
モーターに置き換えて、自動で機械を動かそうぜという流れが来るわけです。 当然ね、この技術がやっぱ産業全体を変えていくだろうということでね、
アメリカの各工作機械メーカーも、この制御装置を搭載した工作機械の開発に乗り出すわけです。 日本のメーカーもね、当然それやりたいんだけど、
技術力ないんでね、できないわけです。 でもやっぱね、自動制御の工作機械、今後世界を変えることはもう明らかですから。
やらなきゃいけない。 じゃあそこでどうしたかっていうと、
外部に頼って進めたわけですね。 日本にあった制御装置屋さんに頼って、自分の会社の工作機械を自動化できるように一緒に開発を進めたわけです。
実はね、ここが非常に大きな技術的な分岐点となります。 アメリカはね、各メーカーが独自で自分たちのオリジナルの機械の制御装置を開発したんですよ。
各社がね、技術力があったからこそそれができたんですね。 いや、これはね、できてしまったという方が正しいです。
日本ではもちろん、そんな自分たちで制御装置作るなんて絶対できないんで、そういう専業のね、NC装置屋さん、制御装置屋さんに頼って、
今でいうところのファナックですね。そこが中心となって、工作機械用の制御装置っていうのを開発していきます。
基本的にそんな数ないから、制御装置屋さん。 日本の全国の工作機械メーカーから、そのファナックにね、
一点集中で開発要望っていうのが集まってくるんです。 その要望に応えるべくファナックでは、どの機械でも使える制御装置、これを開発していきます。
一方でアメリカは、各社が自社にあったオリジナルの制御装置を開発してしまったために、
その開発とか管理とかが工作機械メーカーにとって非常に大きな負担になるわけです。
そもそも制御装置って開発するのめちゃくちゃ大変なんですよね。 アメリカには本当にいっぱいの工作機械メーカーがあったのに、
各社が自社オリジナルの制御装置というところで競い合ってしまって、お互い首を締め合いながらそこに工数をかけてしまったんですね。
一方、日本は制御装置の専用メーカーが一社、全国の工作機械メーカーの要望を聞いて、
どの機械でも使えるように制御装置を作り込んでいくわけです。 そこだけ集中して開発しているから、ぐんぐんと技術レベルが上がるし、
全国の要望も集まるから、機能というのもみるみる洗練されているわけです。 そしてそれで開発された制御装置が、
日本全国の工作機械メーカーに売り出されるわけですから、 レベルの高い制御装置が日本中に行き渡っちゃって、
日本の工作機械のレベルが、もうそれだけで爆上がりするんですね。 この開発によって、
アメリカを圧倒的に突き放すんです。 そして日本の工作機械は、
世界のトップレベルまで登り詰めてきます。 一方でアメリカは、この制御装置の開発の失敗から立て直せずに、どんどん衰退していってしまいます。
世界的に有名な工作機械、工作機械の歴史を変えたような名機を生み出したメーカーですら、 この失敗によってどんどんと倒産してしまったんですね。
そしてアメリカの工作機械メーカーってほとんどなくなっちゃって、 未だに復活の兆しはないですね。
この構図まさにリーブロックだと思いますよね。 アメリカは技術基盤があったが故に各社ごとに制御装置の開発まで着手してしまって、失敗してしまいます。
日本はそこまでの技術基盤がなかったがために、自社で開発するという既存のプロセスを通り越して、 制御装置屋さんと結託することで、日本全体として一つの制御装置を作り込んでいきたんですね。
だから構図としては日本全体vsアメリカの一社一社みたいな感じになっていったんですよ。 要因としては当然それだけではないんですけど、
これが日本がリープロックで大逆転した最大の要因だと言えます。 今となっては日本に工作機械を売り込むことが、それはフランスにワインを売りに行くようなものだとなっていると言っても過言ではないですね。
ちなみにこの今日話した話は本になってまして、今回はポッドキャストで紹介するんでかなりざっくり紹介したんですけど、本の方ではもっと詳しくて面白い話いっぱい書いてあるんで是非とも読んでください。
これね僕もすごい好きな本で面白いですよ。 タイトルは日本のものづくりを支えたファナックとインテルの戦略
工作機械産業50年の革新誌って本です。 2019年ぐらいに出たんで結構比較的新しい本ですね。
リンクはこのポッドキャストの説明欄に貼っておきますんで、興味ある人は是非読んでください。 ファナックの話出しましたけど、あのインテルも関わっている話なんです。
おすすめの一冊ですよ。 じゃあ逆転したね日本よかったねちゃんちゃんという話じゃなくて、やっぱね明日は我が身なんですよ。
電子マネーの話もしっかり、先進国である限りやっぱリープフロックで他国にこうピョンって追い抜かれるってこと、これはねやっぱ危惧しなければなりません。
ここからはでも本当に完全に私の主観の話です。 最近は中国とか台湾とかの工作機械、それこそね数年前までは粗悪品だと言われ続けてきた国の工作機械ですけど、ちょっとずつね変わってる気がするんですよね。
ちょっとリープフロック気味だと言ってもね過言ではないと思います。 勢いがあります。どういう面かって言ったらね日本の工作機械って
すごいね機械的な作り込みにこだわるんですね。機械的にすごく精密に正確に動くように職人がね頑張って作り込むわけですよ。
でもねその他のアジア圏の工作機械ってそんなに精度こだわってないんですね。 というか技能がないと言った方がいいんですけど
極端な話、ちょっと曲がっちゃうよねとかガタガタしてるよねみたいなものも全然あるんです。 ただまあそういうものって別に
制御的な補正で打ち消せば良くないっていう発想なんですよね。 補正っていうのはまあちょっと制御のモーターをちょっとね動かすことで曲がってるけど
真っ直ぐに動くように動きを補正してあげるっていうことです。 日本はねあくまでも物理的な精度の作り込みっていうのが重要で
制御的な補正っていうのはね感覚的には邪道だと思っている人が結構多いんですよ でも後進国っていうのはそんな感覚なくてそれを全く気にしてないんです
なんかちょっと カエルの匂いしませんか
カエルの匂いって言うとちょっとなんか だいぶ違う印象になっちゃいますけどちょっとリープフロック臭がしませんかね
やっぱねアジア圏、中国とかね台湾とかまぁそっち系の人たちですけど 技能を持ってる人とかやっぱすごく少ないんで機械的な精度の作り込みってあまり彼らはできないわけです
だからこそ精度が悪くて粗悪な機械になっちゃうっていうことなんですけど もしも
制御的な補正技術が発達して機械的にはぐちゃぐちゃだけど きっちり動くんだよっていうことになったらどうですか
日本はね補正が邪道で機械的な精度の作り込みこそ正義だという文化と価値観が非常に 強く残っています
それはねそういった擦り合わせの技術っていうのは日本のね重要なものづくりの 技術の一つだからです
武器なんです ゆえに作り込めてしまうがゆえにね
おまけ機能的な意味合いでしか制御の補正技術って開発が進まないんですよ でも一方でもしもね
こう申告がタバとなんて機械の精度の作り込みはいいから ちょっと補正をさしっかりやろうぜと我々はどうせ機械精密に作れないから補正やって
こうぜってなったらどうなるかと 既存の機械の作り込みにこだわる我々は本当にそれに立ち打ちできるのか
リープロックされないのか この業界に身を置くものとしてね考えなければならないなと思いますよね
最後ちょっとマニアックな話で終わっちゃいましたけど リープフロックっていうこと自体は様々なところで起きてます
別に技術的な分野だけじゃなくても中小化したらこう日常生活においてもね色々起きてると思いますよ
子供とかね特にさこの既存の常識ないから あそんなことするんだとかそういう使い方があったかみたいなねリープロック
毎日ね起こしてます物理的にも飛び跳ねてますからカエルみたいに もう子供ってのはねリープロックのゴンゲですよ
別に子供に限らずねもしかしたら高齢者とかおばあちゃんとかね スマホすら持ってなかったけど次の日にはね vr ゴーグルつけて生活してるなんていうね
カエル飛びを見せてくれる日が来るかもしれませんよ やっぱり既存の常識がないとか知識がないっていうこと
それはね武器になりますよね 本質的な話としてはやっぱり自分の常識を打ち砕くっていうのが重要だよねってことですね
既存の常識があるとねやっぱ新しい価値を受け入れるのに時間かかるわけよ だから一旦まっさらにした方が受け入れやすいっていうのもあるわけです
そういう意味では猫思考をリセットするとか視点をリセットする技術の方がもしか したら大事なのかもしれないですね
逆に言えば猫を今自分が遅れているとか 後発だと思っている人はそれってチャンスだとも取れますよね
ぜひともねカエル飛びで一気に飛び越えてください 自分がまだお玉着紙だと思っている人はぜひともねまず足を生やすってところをね
頑張っていただければと思います何この終わり方って感じですけど今日の話はここまでです 私は技術ブログ支部長技術研究所も運営しています
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各ポッドキャストアプリにて評価の方もよろしくお願いします というわけで今日の話はここまで以上支部長でしたではでは