どうも、しぶちょーです。今回も、ものづくりのラジオをやっていきたいと思います。
このラジオは、産業機械の技術者である私が、ものづくりに関するトピックを、主観を交えながらザックバランに紹介するラジオです。
小難しい技術の話はしないので、何か作業をしながら聞いていただければ幸いです。
今回のテーマはですね、失敗って何だろう、H3ロケットの打ち上げ中止から考えよう、です。
今回はね、ちょっとジジネタライクです。コラムっぽいというか、雑談ベースになると思うので、さらっと聞いていただければなと思います。
この件ね、話題になってるんで、だいたい知ってると思うんですけど、
2023年2月17日ですね、JAXAのH3ロケット打ち上げの試験がありました。
H3ロケットっていうのは、JAXAが開発した新しいロケットで、それまでH2Aっていうロケットをずっと使ってたんですけど、
このロケットをですね、コストダウンして国際競争力を高めましょうという機種です。
打ち上げの結果としてはですね、結局打ち上げに至らず、ロケット打ち上げ前に不具合が発生してしまったので、発射中止となりました。
この中止の原因を説明する記者会見が、いろいろと議論を呼んで援助しているというわけです。
すでにね、SNS上に動画流れまくってるんで、知ってる人多いと思うんですけど、
ざっくり説明するとですね、記者会見中に共同通信というところの記者が、
中止って言ってるんですけど、これ失敗じゃないんですか?みたいな質問をして、
JAXA側はですね、ロケットの打ち上げ前のトラブルで正常に停止したので、失敗とは捉えていませんという回答をしたんですけど、
その記者がですね、最後に一言を吐き捨てるようにですね、
それは一般には失敗と言います。ありがとうございました。みたいな感じで言ったというやつです。
動画を見た人は当然わかると思うんだけど、マジでね、ほんとお前何様やねんっていう感じで腹が立つんですよね。
劣化版西村ひろゆきみたいな感じなんですよ。
僕もかなりそれを見たときはイラッとしました。
切り抜きもクソほど流行ってるんで、見てない人ほとんどいないと思うんですけど、
ぜひね、見てない人っていうのは一度見るといいと思います。
ただね、ただ、まず最初に言っておきたいのは、
一般的な話ですけど、ああいう切り抜かれた一部だけを見て、物事を判断してはいけないよということです。
当然前後の文脈もあれば、そこの発言に至った流れってものがあると。
あそこだけ切り抜かれるとさ、なんかJAXAの会見でひたすらマスコミが全部JAXAを攻め立てたみたいな、
そういう勘違いをしている人も結構いるみたいですけど、実際全然そんなことはないです。
会見自体は2時間くらいで、YouTubeにも動画が上がってて、私全部見ましたけど、
全体的にはすごいレベルの高い会見でした。
JAXAの技術責任者の人もめちゃくちゃわかりやすいんですよ、説明が。
ロケットの技術って多分素人に説明するの難しいんですけど、すごい噛み砕いて説明してるし、
マスコミ側もかなり痒いところに手が届く質問をしてるんですね。
こっちが知りたいなと思ったことをちゃんと質問してる感じがあって、お互いにプロの仕事っていう感じでした。
打ち上げ中止から数時間であそこまでの問答ができるっていうのはすごいなって思いましたね。
基本的にはみんなJAXA側を励ますようなスタンスで、会見全体は結構温かい会見だったと思います。
ただ協同通信の質問だけがゴミだった。
その一点だけが汚点っていう感じの会見だったんですよ。
ちなみにさっき文脈云々の話しましたけど、
共同通信の質問っていうのは前後の文脈関係なく、端から端までちゃんとゴミでした。
あれはダメ。
この会見の動画はYouTubeに上がってて、2時間長いんだけど、1.5倍速ぐらいで聞いても全然聞き取れるんで、
時間があったらぜひ見てほしいです。
2倍速はね、僕無理でした。
1.5だったらいけると。
YouTubeのリンクちょっと説明欄に貼っとくんで、ぜひ見てください。
ちなみに共同通信の質問っていうのは30分前後ですね。
この件ね、共同通信の記者の態度の悪さで話題になったんですけど、
このロケットの打ち上げできなかったのは失敗なのか否かっていう意見って意外と割れてるんですよ。
情報偏ってるかもしれないけど、SNS上の意見だけ見ると、技術者の中でもあれは失敗だろって言ってる人もいるんですね。
結構割れてるというか、意見が。
掃除でですね、ガイアがごちゃごちゃ言っとんねんって話ではあるんですけど、
せっかくの機会なんでね、今日はこの失敗とは何かについて考えていきたいなと思います。
最初に私の意見を言っておくと、JAXAのH3ロケットの打ち上げ中止っていうのは、
私はこれ失敗ではないよって思ってます。
多分大半の人はそう思ってると思うんですけど、
まずこのそもそもじゃあなんでこのH3ロケット打ち上げできなかったのかというとですね、
この原因は分かっている範囲で説明すると、
ロケットの打ち上げのカウントダウンシーケースに入ったんですけど、
制御機器が伝送系統の不具合を検知して、
ロケットの左右についている補助ロケットの着火を止めたというものですね。
ロケットの打ち上げってとんでもなく危ないですから、
万全の状態でない限りはちゃんと打ち上げを止めると、
そういう設計にされていて、それが正しく機能して止まったと。
本当にただそれだけだということです、らしいです。
で、ここまで聞いてこれ失敗ですかっていう話ですよね。
JAXA側も健全に止まっているという状態と言ってます。
いやいやいや、打ち上げる前に不具合があったんでしょう。
じゃあ失敗じゃないですかという人もいますけど、
これ考えてみてほしいですね。
例えばね、例えばあなたが日曜代行してますよ。
ちょっと木にドリルで穴を開けなきゃいかんなとなったとしましょう。
イメージしてくださいね。
穴を開けようと思って、ドリル持って開けようとした瞬間にですね、
ドリルの先端が欠けていることに気づくわけですね。
あ、ドリル欠けてるじゃん、これダメじゃんと思って、
あ、ホームセンターにドリル買ってこないとなと言って穴開けを中止しました。
隣にいた奴が言うわけですよ。
お前穴開けるの失敗しやがって。
は?ってなりますよね。
まだ穴開けてないじゃんって思いますよね。
今回の件ってこれと全く一緒だと思うんですよ。
うまくいかなそうだからやめましたと。
異常に気づいてやめましたと。
これ全然失敗じゃないですよね。
ロケットに関しては言えばですね、
設計した機能が正常に働いて停止したんですから、
これは使用通りに動いたということです。
こんなのは失敗と言わないですね。
そもそもまだ打ち上げてないという。
なのでロケット業界でこれを失敗とは言わないんですけど、
みたいな話をJackさんの人がしたんですけど、
一般的にもこれは失敗と言わないというのが私の意見ですし、
大半こういう意見だなと思います。
大体の人はこう考えると思いますよ本当に。
ただね、ただ、ただ、
これを失敗だっていう技術者の気持ち、
実はね、よくわかるんですよ。
みんな技術の面だけ見るとやっぱ失敗じゃないだろうって言うんですけど、
逆にこの出来事をね、
自分の仕事に置き換えた瞬間に、
これ失敗になっちゃうんですね。
絶対失敗だって言われるし、
攻め立てられるのは目に見えてます。
残念なことにね、
みんなわかってる、
技術の仕事してる人はもうね、
当然身に染み出ると思うんですけど、
勇者の世界ではですね、
往々にして決められた評価日程内に
良い結果が出せなければ失敗だと言われます。
決められた評価日程内に
評価が完了しなければではないですね。
事前に決めた日程の中で
良い結果が出なければ
それが失敗だと言われるんです。
これが日本の言う、
日本だけかわかんないですけど、
俗に言う失敗と言われちゃうやつですね。
本当は失敗じゃないの。
極端な例を言うとですね、
上司にこの機械の評価を一週間でやってって
言われたとするじゃないですか。
それを言葉通りに受け取って、
ちゃんと評価して、
一週間後に評価結果を上司に持っていくわけです。
あ、これね、こんな結果になって、
これこれはOKでしたけど、
これこれはNGでしたって言ったら、
で?ってなるんですよ。
わかります?
張ったおされるわけですね。
評価をしろというのは、
一週間後に
評価をしろというのは、
問題ありませんでしたという
結果を持ってこいと。
これと同義なわけです。
いやいやそんな暴露の会社ないでしょ。
一部のブラック企業だけでしょって
思うかもしれませんけど、
全然違います。だいたいこれです。どの企業。
しかも大手ほどこれ。
これね、マジです。
そんなことないよって言う人もほとんどいないと思う。
あるあるだと思います。
私もね、長年工作機械の
新製品開発やってきましたけど、
日程っていうのは、
全てがうまくいくことを前提として
組まれているのが当たり前なんですね。
うまくいかなかったときにリカバリする時間
なんてものは、日程の中に
組まれてないわけです。
評価したら必ずOKという
結果が出る。その前提で
全ての日程がキュンキュンに
組まれてるんですね。でも本来
評価の目的って設計検証
なわけですよ。つまりは
設計仕様通り、自分が
考えた通りに
作ったものができてるかっていうのを
確認することが目的で
うまくできてる、できてないっていうのを
正しく確認できたら
評価って成功なんですよね。
でも実際はそうじゃなくて
予定通りに
OKの結果が出なければ
大失敗。日程なんて確保
してないけど、お前地平度
生えてなんとかリカバリしろや。
それができなきゃ責任を取れ。
これがスタンダードな社会なんですね。
残念なことに。なので
この世界で生きてる人にとっては
今回のH3ロケット打ち上げ中止
っていうのは失敗に見えるんですよ。
自分の仕事の
内容と照らし合わせはそうなるわけです。
技術っていう側面で見たら全然
失敗じゃないんだけど
仕事っていう側面で見ると
失敗って捉えちゃうんですね。
だからすごい皮肉なことに
共同通信の
記者が言ってた一言ですね。
一般的には失敗だと思います。
みたいな。あれは穴勝ち
間違ってはない。ただ
あの記者がそこまで意図してるとは思わないんですけど
皮肉にもそんなに間違ってない
言葉になっちゃってるんですね。
全然あれですよ。
エビデンスのない僕の
意見ですけどね。ここまで全部。
そうだと思うんですよね。