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2023-02-23 17:54

#16 失敗って何だろう?~H3ロケットの打ち上げ中止を考えよう~

2023年2月17日(金)にJAXAのH3ロケットの打ち上げ試験がありました。

結果としては、不具合によって打ち上げ中止に・・・


記者会見の問答をキッカケとして

これが失敗か否かで色々とと意見が割れています。


せっかくの機会ですので、「失敗」について考えてみましょう!!


JAXA記者会見⇒https://www.youtube.com/watch?v=pqvtnoU1pXo

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00:04
どうも、しぶちょーです。今回も、ものづくりのラジオをやっていきたいと思います。
このラジオは、産業機械の技術者である私が、ものづくりに関するトピックを、主観を交えながらザックバランに紹介するラジオです。
小難しい技術の話はしないので、何か作業をしながら聞いていただければ幸いです。
今回のテーマはですね、失敗って何だろう、H3ロケットの打ち上げ中止から考えよう、です。
今回はね、ちょっとジジネタライクです。コラムっぽいというか、雑談ベースになると思うので、さらっと聞いていただければなと思います。
この件ね、話題になってるんで、だいたい知ってると思うんですけど、
2023年2月17日ですね、JAXAのH3ロケット打ち上げの試験がありました。
H3ロケットっていうのは、JAXAが開発した新しいロケットで、それまでH2Aっていうロケットをずっと使ってたんですけど、
このロケットをですね、コストダウンして国際競争力を高めましょうという機種です。
打ち上げの結果としてはですね、結局打ち上げに至らず、ロケット打ち上げ前に不具合が発生してしまったので、発射中止となりました。
この中止の原因を説明する記者会見が、いろいろと議論を呼んで援助しているというわけです。
すでにね、SNS上に動画流れまくってるんで、知ってる人多いと思うんですけど、
ざっくり説明するとですね、記者会見中に共同通信というところの記者が、
中止って言ってるんですけど、これ失敗じゃないんですか?みたいな質問をして、
JAXA側はですね、ロケットの打ち上げ前のトラブルで正常に停止したので、失敗とは捉えていませんという回答をしたんですけど、
その記者がですね、最後に一言を吐き捨てるようにですね、
それは一般には失敗と言います。ありがとうございました。みたいな感じで言ったというやつです。
動画を見た人は当然わかると思うんだけど、マジでね、ほんとお前何様やねんっていう感じで腹が立つんですよね。
劣化版西村ひろゆきみたいな感じなんですよ。
僕もかなりそれを見たときはイラッとしました。
切り抜きもクソほど流行ってるんで、見てない人ほとんどいないと思うんですけど、
ぜひね、見てない人っていうのは一度見るといいと思います。
ただね、ただ、まず最初に言っておきたいのは、
一般的な話ですけど、ああいう切り抜かれた一部だけを見て、物事を判断してはいけないよということです。
当然前後の文脈もあれば、そこの発言に至った流れってものがあると。
あそこだけ切り抜かれるとさ、なんかJAXAの会見でひたすらマスコミが全部JAXAを攻め立てたみたいな、
そういう勘違いをしている人も結構いるみたいですけど、実際全然そんなことはないです。
会見自体は2時間くらいで、YouTubeにも動画が上がってて、私全部見ましたけど、
全体的にはすごいレベルの高い会見でした。
JAXAの技術責任者の人もめちゃくちゃわかりやすいんですよ、説明が。
03:06
ロケットの技術って多分素人に説明するの難しいんですけど、すごい噛み砕いて説明してるし、
マスコミ側もかなり痒いところに手が届く質問をしてるんですね。
こっちが知りたいなと思ったことをちゃんと質問してる感じがあって、お互いにプロの仕事っていう感じでした。
打ち上げ中止から数時間であそこまでの問答ができるっていうのはすごいなって思いましたね。
基本的にはみんなJAXA側を励ますようなスタンスで、会見全体は結構温かい会見だったと思います。
ただ協同通信の質問だけがゴミだった。
その一点だけが汚点っていう感じの会見だったんですよ。
ちなみにさっき文脈云々の話しましたけど、
共同通信の質問っていうのは前後の文脈関係なく、端から端までちゃんとゴミでした。
あれはダメ。
この会見の動画はYouTubeに上がってて、2時間長いんだけど、1.5倍速ぐらいで聞いても全然聞き取れるんで、
時間があったらぜひ見てほしいです。
2倍速はね、僕無理でした。
1.5だったらいけると。
YouTubeのリンクちょっと説明欄に貼っとくんで、ぜひ見てください。
ちなみに共同通信の質問っていうのは30分前後ですね。
この件ね、共同通信の記者の態度の悪さで話題になったんですけど、
このロケットの打ち上げできなかったのは失敗なのか否かっていう意見って意外と割れてるんですよ。
情報偏ってるかもしれないけど、SNS上の意見だけ見ると、技術者の中でもあれは失敗だろって言ってる人もいるんですね。
結構割れてるというか、意見が。
掃除でですね、ガイアがごちゃごちゃ言っとんねんって話ではあるんですけど、
せっかくの機会なんでね、今日はこの失敗とは何かについて考えていきたいなと思います。
最初に私の意見を言っておくと、JAXAのH3ロケットの打ち上げ中止っていうのは、
私はこれ失敗ではないよって思ってます。
多分大半の人はそう思ってると思うんですけど、
まずこのそもそもじゃあなんでこのH3ロケット打ち上げできなかったのかというとですね、
この原因は分かっている範囲で説明すると、
ロケットの打ち上げのカウントダウンシーケースに入ったんですけど、
制御機器が伝送系統の不具合を検知して、
ロケットの左右についている補助ロケットの着火を止めたというものですね。
ロケットの打ち上げってとんでもなく危ないですから、
万全の状態でない限りはちゃんと打ち上げを止めると、
そういう設計にされていて、それが正しく機能して止まったと。
本当にただそれだけだということです、らしいです。
で、ここまで聞いてこれ失敗ですかっていう話ですよね。
JAXA側も健全に止まっているという状態と言ってます。
いやいやいや、打ち上げる前に不具合があったんでしょう。
じゃあ失敗じゃないですかという人もいますけど、
これ考えてみてほしいですね。
例えばね、例えばあなたが日曜代行してますよ。
ちょっと木にドリルで穴を開けなきゃいかんなとなったとしましょう。
06:04
イメージしてくださいね。
穴を開けようと思って、ドリル持って開けようとした瞬間にですね、
ドリルの先端が欠けていることに気づくわけですね。
あ、ドリル欠けてるじゃん、これダメじゃんと思って、
あ、ホームセンターにドリル買ってこないとなと言って穴開けを中止しました。
隣にいた奴が言うわけですよ。
お前穴開けるの失敗しやがって。
は?ってなりますよね。
まだ穴開けてないじゃんって思いますよね。
今回の件ってこれと全く一緒だと思うんですよ。
うまくいかなそうだからやめましたと。
異常に気づいてやめましたと。
これ全然失敗じゃないですよね。
ロケットに関しては言えばですね、
設計した機能が正常に働いて停止したんですから、
これは使用通りに動いたということです。
こんなのは失敗と言わないですね。
そもそもまだ打ち上げてないという。
なのでロケット業界でこれを失敗とは言わないんですけど、
みたいな話をJackさんの人がしたんですけど、
一般的にもこれは失敗と言わないというのが私の意見ですし、
大半こういう意見だなと思います。
大体の人はこう考えると思いますよ本当に。
ただね、ただ、ただ、
これを失敗だっていう技術者の気持ち、
実はね、よくわかるんですよ。
みんな技術の面だけ見るとやっぱ失敗じゃないだろうって言うんですけど、
逆にこの出来事をね、
自分の仕事に置き換えた瞬間に、
これ失敗になっちゃうんですね。
絶対失敗だって言われるし、
攻め立てられるのは目に見えてます。
残念なことにね、
みんなわかってる、
技術の仕事してる人はもうね、
当然身に染み出ると思うんですけど、
勇者の世界ではですね、
往々にして決められた評価日程内に
良い結果が出せなければ失敗だと言われます。
決められた評価日程内に
評価が完了しなければではないですね。
事前に決めた日程の中で
良い結果が出なければ
それが失敗だと言われるんです。
これが日本の言う、
日本だけかわかんないですけど、
俗に言う失敗と言われちゃうやつですね。
本当は失敗じゃないの。
極端な例を言うとですね、
上司にこの機械の評価を一週間でやってって
言われたとするじゃないですか。
それを言葉通りに受け取って、
ちゃんと評価して、
一週間後に評価結果を上司に持っていくわけです。
あ、これね、こんな結果になって、
これこれはOKでしたけど、
これこれはNGでしたって言ったら、
で?ってなるんですよ。
わかります?
張ったおされるわけですね。
評価をしろというのは、
一週間後に
評価をしろというのは、
問題ありませんでしたという
結果を持ってこいと。
これと同義なわけです。
いやいやそんな暴露の会社ないでしょ。
一部のブラック企業だけでしょって
思うかもしれませんけど、
全然違います。だいたいこれです。どの企業。
しかも大手ほどこれ。
これね、マジです。
そんなことないよって言う人もほとんどいないと思う。
あるあるだと思います。
私もね、長年工作機械の
新製品開発やってきましたけど、
日程っていうのは、
全てがうまくいくことを前提として
組まれているのが当たり前なんですね。
うまくいかなかったときにリカバリする時間
09:00
なんてものは、日程の中に
組まれてないわけです。
評価したら必ずOKという
結果が出る。その前提で
全ての日程がキュンキュンに
組まれてるんですね。でも本来
評価の目的って設計検証
なわけですよ。つまりは
設計仕様通り、自分が
考えた通りに
作ったものができてるかっていうのを
確認することが目的で
うまくできてる、できてないっていうのを
正しく確認できたら
評価って成功なんですよね。
でも実際はそうじゃなくて
予定通りに
OKの結果が出なければ
大失敗。日程なんて確保
してないけど、お前地平度
生えてなんとかリカバリしろや。
それができなきゃ責任を取れ。
これがスタンダードな社会なんですね。
残念なことに。なので
この世界で生きてる人にとっては
今回のH3ロケット打ち上げ中止
っていうのは失敗に見えるんですよ。
自分の仕事の
内容と照らし合わせはそうなるわけです。
技術っていう側面で見たら全然
失敗じゃないんだけど
仕事っていう側面で見ると
失敗って捉えちゃうんですね。
だからすごい皮肉なことに
共同通信の
記者が言ってた一言ですね。
一般的には失敗だと思います。
みたいな。あれは穴勝ち
間違ってはない。ただ
あの記者がそこまで意図してるとは思わないんですけど
皮肉にもそんなに間違ってない
言葉になっちゃってるんですね。
全然あれですよ。
エビデンスのない僕の
意見ですけどね。ここまで全部。
そうだと思うんですよね。
このさ、
世間全体が
本来失敗じゃないものを失敗だと
見出してしまってると思うんですよ。
だからみんな縮こまっちゃってるし
チャレンジしなくなってるし
まあ当然新しいものって
生まれないですよね。そんなのじゃ。
上司だって当然責任は取りたくない。
部下だって怒鳴られたくないと。
だからもう実績のあるものだけ
積み上げてちっちゃくちっちゃく
ものを作ってさ、失敗しないように
失敗しないようにって。
みんなそういう感じで仕事をしてる。目の前だけ見て
仕事してるって感じですよね。
それがどんな
今自分がやってる仕事が
どんな役割があるのかとか
誰を幸せにするとか
考える暇を与えずに
ただただもう失敗しないように
やってるという。
そんな風に作ったものが
良いものになるわけがないんですよ。
そしてそんな風にやった仕事が
楽しいわけがないと
僕は思うんですけどね。
で結局行き着く先は改ざんですよ。
不正に背を止めるっていうね。
だってそうしないと仕事が成り立たないんですから。
それが当たり前になりますよね。
だから結局ボコボコボコボコ
改ざんがあったとか
この会社がこういう書き換えをしてた
みたいなのがポツポツ出るわけですよ。
あんなのは氷山の一角でして。
やってる会社いっぱいあると思いますよ。
表に出てこないだけで。
僕の勝手な意見ですよ。
僕の会社がそういうことをしてるって
わけじゃないですけど
一般的な話として
そういうことになってるんじゃないかなって
12:00
勝手に思ってるというお話です。
本来このH3ロケットの件で
失敗が否かなという議論が起こる時点で
僕はナンセンスだと思うんですよね。
本来万情一致で失敗じゃないっていうのが
当たり前の世界であってほしい。
失敗っていう人がいたら
そんなこと考えもしなかったよ。
新しい発想だね。
みたいなぐらいの社会じゃないと
いけないんじゃねえかって思うんですよ。
言葉遊びだとか
失敗だとか中止だとか
お前ら言葉遊びしてんじゃねえみたいな
意見もあるんですけど
実はそんな浅いもんじゃなくて
結構根深い気がするんですよね。
失敗じゃないものを
失敗だと乱すという文化というか
責任はどうするんだとか
リカバリがあだこうだという社会
それが
なんか違うなと思うんですけどね。
だからって言って
今回雑談ベースって言ったら
そういう意味もあって
結論とか出ないですよ。
どうすればいいんだろうねっていう話で
終わっちゃうんですけど
ただ今回の会見を見て
こうありたいなって思うことは
一つありました。
それはJAXAの会見で
JAXAの話してる技術責任者の
岡田さんが見せた
涙ですね。会見の中で
岡田さんが感情が
こみ上げて回答に詰まるシーン
っていうのは2カ所あるんですよ。
1つ目は冒頭で
いきなり率直な気持ちを聞かせてください
みたいな質問に対して
悔しいと涙する場面があります。
2回目は
ちょっと待ってね。
1時間36分あたり
会見の動画の
1時間36分あたりの
ところで
言葉に詰まるシーンがあるんですけど
これなんでかっていうと
こういう質問されるんですね。
冒頭で涙を流したことで
世間にはやっぱ失敗しちゃったなって
思われると思います。
ただ実際話を聞いていると
中止で失敗ではないと
サイトラインもできると
悔しがる理由って他に
あるんですか?
これ結構いい質問だなと思いましたけど
確かにそうだなと思ったし
そこで回答で
岡田さんが答えるのは
関係者の期待を裏切ってしまったと
いろんな人
中には子供とかが多くいて
今日ロケットの打ち上げは見れるんだと
ワクワクしてたわけですね。
失敗ではないしろ
そういう期待を裏切ってしまったという
それが悔しいという
涙だったわけですね。
本当にこの話を聞いたときに
本当に素敵な涙だなと
本当に素敵な技術者だなと思いました。
それと同時に
思ったのは
俺は同じ涙を
自分の仕事で流せるのかなとも
考えさせられました。
人のために
ありたいとか、人を幸せにしたいとか
期待に応えたいとか
そういう純粋な
気持ちで真っ直ぐ技術を
向き合ってるからこそ流れた
涙だと思うんですよ。
15:00
本人の話
勝手に僕は美化してるだけかもしれないですけど
僕はそういう風に見えました。
でも実際さ、やっぱそういう
気持ちで仕事に取り組むのってすごく難しくて
いろいろしがらみがあったり
嫌なこともあったりするわけじゃないですか。
だからこそこのJAXAの
技術者、本当に天才と呼ばれる人たち
ですよね、本当に。
がこういう集まってですね
その代表の人が
会見で涙するっていうのは
めちゃくちゃすごいというか
やっぱ本当にそういう
思いを持った人たちがやってるんだなっていうのが
実感できてですね
非常に良かったです。
良かったって言うとちょっとあれだけど
だから一仕事終えた時にさ
嬉しくて涙したりとか悔しくて泣いたりとか
そういう気持ちを持てるように
仕事をしていきたいなと
していきたいなというか
そういうのをしなければならないなと
非常に強く思いました。
一番失敗云々の話じゃなくて
勉強になったなというか
自分の
思い返すきっかけ
になりました。
日本の製造業ってねやっぱ
ただただめちゃくちゃ
みんな忙しくてさ
迫りくる仕事をとにかく
右から左に処理すると
その効率だけが評価されるみたいな
そういう仕事のやり方をしてる人
いっぱいいるんですよ。
実際そうなっちゃってるのもあるし
効果やっぱ脱却して
本質的な部分にみんな切り込んでいく
人を幸せにするのはどうすればいいかとかさ
役に立つものとか
これどう人に役に立つんだとか
社会の課題を解決するんだとか
そういうモチベーションのところで
持っていこう
みんながそういう本質に切り込んでいけるような
やっぱ体制にならないといけないのかなと
すごく思いましたという
次第です。
今回のこの動画の件って
いろんな意見があると思うし
僕の話というのもその意見の一つにすぎませんけど
みんなも一回会見見て
自分がどう感じるかとか
そういうのをまとめてみるだけでも
だいぶ違うと思うし
勉強になると思うんで
このPodcastをせっかく聞いてくれた方は
これをきっかけに
自分の意見をまとめてみるといいんじゃないかな
と思いました。
というわけで今日のラジオはここまでです。
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非常に嬉しいです。
ものづくりののはNOです。
ちょっとややこしいですけどね。
では今回のラジオはここまでです。
以上、渋長でした。
17:54

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