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2025-05-03 11:00

友達のnoteを読む配信

守りたい声があったから〜音夢パンダのV人生はここから始まった(第一章)
https://note.com/panda_otoyume/n/n055e01ce03f4
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サマリー

音夢パンダさんは、夢を持ちながらも声を出すことに対して恐怖を抱いていた過去を語ります。特にヌーコさんの声との出会いが彼に深い影響を与え、心に温かい光を灯す瞬間を描写しています。

声の恐怖と過去の思い
守りたい声があったから。 音夢パンダのV人生はここから始まった。
第1章 小さな声、一雫。声で誰かの心にそっと何かを届けられるかもしれない。
そう思えた時、胸の奥に小さな火がふっと灯った気がしました。 長く閉ざされていた窓の隙間から、優しい光が差し込んでくるような、
どこか懐かしくて、でも確かに新しい感覚。
見慣れたはずの景色が、ふわりと柔らかく揺れて、ほんの少しだけ色を変えてみえたんです。 けれど、夢って思っていたよりもずっと脆くて、手を伸ばした途端、指の隙間からサラサラと零れ落ちていくものなんですね。
始めようとするたびに、何かがそっと手を止めてくる。
録音ボタンは押せても、その後再生ボタンに指を伸ばすことができなくて、
胸の奥がぎゅっと痛んで、息を詰めるようにして、そっとイヤホンを外してしまう夜がありました。
こんな声で誰かの心に何か届くはずがない。 そう思った瞬間、心の奥からあの頃の記憶が一斉に溢れ出してくるんです。
教室の隅で聞こえた笑い声、放課後、真似された自分の声、
ぶりっ子、声が高い、変な声、何気ない一言が、日常の空気を少しずつ冷たく変えていきました。
人前で声を出すたびに感じていた見えない視線、 帰り道の夕暮れに、うまく息が吸えなくなったこともありました。
それらすべてがいつの間にか心に重りのように絡みついて、 せっかく芽生えかけた夢を優しくでも確実に引き止めてきたんです。
やっぱり自分なんかには無理だよね。 そう思わせるには十分すぎる過去でした。
声を出すたびに世界から少しずつ遠ざかっていくような感覚、
教室のどこにも自分の居場所がないようなあの静かな孤独、 話すことすら怖くなって、
何も言わなければ傷つかなくて済むと思い始めて、 でも本当は話したかった。
本当は誰かとちゃんとつながっていたかった。 傷ついた心は簡単には言えません。
大丈夫と言ってくれる人がいたとしても、どこかで きっとわかってもらえないと思ってしまう自分がいて、
だから夢を見るのがただただ怖かった。 願ってしまえば壊れてしまうと知っていたから。
どうせ無理だよ。 その言葉が気づけば一番近くにいた声になっていました。
いつしか夢は遠くの憧れになっていて、 諦める理由だけが静かに積み重なっていたんです。
それでも たった一つ消えなかった思いがありました。
誰かの心にそっと寄り添えるような声になりたい。 泣いている誰かの隣でただ静かに側にいてあげられるような、
そんな存在になりたかった。 けれどその願いすら目をそらしてしまっていたんです。
心の奥にそっとしまって、何度ももういいと言い聞かせて、 そして僕は現実的な道を選びました。
ゲームやプログラミングの世界なら声と見き合わなくていい。 数字とコードに囲まれていれば正解のある世界を生きていける、
そう思って、情報処理系の学校に進めばきっと何かが手に入ると信じて、
これは正しい選択なんだと何度も自分に言い聞かせて、 けれど心のどこかではちゃんとわかっていたんです。
それは納得なんかじゃなくて、ただの諦めだった。 無理だと自分で決めて背を向けただけ、
本当はまた傷つくのがただ怖かっただけでした。 そうして僕は日々をこなすように生きていたけれど、
その胸の奥にはずっと消えない明かりのようなものが静かに灯り続けていたんです。 声の世界、
遠くから見ているだけの世界、でもどこかでほんの少しだけ、
触れてみたい、 そんな気持ちが確かにあったんです。
それでもやっぱり動き出すことはできなかった。 あの声は特別な誰かのものだと思っていたから、
あれは選ばれた人のもの、 僕なんかが踏み込んではいけない世界、
だからずっと遠くから見つめているだけでした。 そうして過ぎていく日々の中で、
ずっと胸に眠っていた思いに、 そっと触れてくるような出来事がありました。
ヌーコとの出会い
それがヌーコさんの声との出会いでした。 声ってこんなにも人の心に触れるものなんだ。
それを初めて実感として知ったのは、 あの夜、彼女の歌声と出会った時でした。
なんとなく眺めていたポップンミュージックの特設サイト。 20周年記念企画
みんなで作って20。 ユーザー投稿の楽曲がずらりと並ぶその中で、
一つだけなぜか引っかかるように目が止まりました。 ヌーコさん。
その名前を見た瞬間、ふわっと胸が温かくなったんです。
アイコンの雰囲気もどこかあどけなくて可愛くて、 この人なんか気になるなって直感でした。
隣に書かれた審査員コメントも印象的で、 声に透明感があってぴったりだった。
楽曲の世界観とマッチしていて良かった。 その言葉一つ一つがまるで誰かを大事に思っている時のような
優しい熱を帯びていたんです。 どんな声なんだろう、そう思わずにはいられませんでした。
そして目に入った曲名、恋愛観測。 その時点ではまだ一応も聞けていなかったのに、
そのタイトルの並びだけで胸がふわっと揺れたんです。 多分好きになる。
そんな予感がもうすでにどこか確信に近かった。 気づけば手は再生ボタンの上にありました。
イントロが流れた瞬間、空気が優しく変わっていくのがわかりました。 そしてすぐに
まるで光が音に変わったみたいな歌声がふわっとそっと舞い降りてきたんです。 高く澄んでいるのに冷たくなくて、
柔らかさの中に優しさも寂しさも丸ごと包み込んだ声。 ただ上手いだけじゃない。ただ綺麗なだけでもない。
もっと静かで、もっと深い場所に優しくそっと触れてくる声でした。
ああ、この声はきっとこれからもずっとそばにいてくれる。 そんな不思議な安心感がそこにはありました。
それから何度も何度も繰り返し再生しました。 深夜、イヤホンの中だけに存在するその声に包まれて、
僕の中のざわめいていた何かが すっと落ち着いていくのを感じました。
ネットで見つけたインタビューも何度も何度もまるで指でなぞるみたいに読み返しました。 言葉の数は少なかったけれど、
そこに込められた温度は確かに伝わってきたんです。 音に迷いながらも一つ一つを丁寧にまっすぐ届けようとしていること、
その奥にある誰かのために歌いたいという思い、 透明な光のような優しさが、共感からそっと滲んでいて、
この人は本当に声で人と繋がろうとしている。 胸の奥がじんわり温かくなっていったのを今でも覚えています。
ヌーコという名前がただのアーティスト名じゃなくて、 ちゃんと血の通った一人の声になっていったのは多分この頃からだったと思います。
この人のこともっと知りたい。 この声をもっと多くの人に聞いてほしい。
そんな気持ちが自然に芽生えていたことに後から気づきました。 どれだけ聞いてもどれだけ読んでもやっぱり画面の向こうには超えられない距離があって、
でもその声だけは確かにこちら側に届いていた。 あの夜再生ボタンを押したあの瞬間から、
僕の中では何かが静かに始まっていたんです。 ただの新しい曲じゃなくて、一つの声との出会いだったこと、
そこに気づいたのはもう少し後のことでした。 この続きは第2章へ。
声の影響と願い
ヌーコさんの生の声に出会った日のお話を どうかまた読みに来てくれたら嬉しいです。
ここまで読んでくれて本当にありがとう。
11:00

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