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シェアする落語のshike
はい、シェアする落語のshikeです。
今日はですね、落語でも高段でも老曲でもない、カワチ音頭のお話でございます。
えー、僕と、僕が今55なんですが、
僕と同じくらいの世代からちょっとその下の世代の方々の中では、
カワチやキクスイマルという名前は、結構まだご記憶にちゃんとあるんじゃないでしょうか。
当時、リクルートフロムAのですね、カーキン音頭というのが大ヒットしまして、
その後もですね、メディアにたびたびご登場されるというですね、
カワチ音頭、カワチやキクスイマル師匠ですね。
キクスイマル師匠もですね、こちらもお年を取れば向こうもお年を取るということで、
もうすぐ官歴なんだそうでございますが、
30年ぶりかな、東京での単独公演ということで伺ってまいりました。
実はご招待いただきましてありがとうございます。
このですね、キクスイマル師匠のユニットというか編成なんですが、
ギターの石田さんと太鼓の三条さんの3人でアンサンブルをするということで、
最初はですね、ご挨拶代わりに太鼓と人節で歌ってギターで
太鼓でですね、もうそこから私はもうハートを掴まれましたが、
その後、九代目横綱、秀野山、秀野山の演目でですね、
まあすごいですね。
何だろう、何がすごいって言ったらいいんだろう。
3人だけで作るそのグルーヴの強力なことと、
グルーヴが強力なだけじゃなくて、言葉がスッパンスッパン頭の中に入ってくる。
だけど決してその迫力で押してるわけ、強い音で押してるわけではないんですね。
とても綺麗な声、綺麗なメロディーでもって聞かせてくれるんです。
しかも温度ですから、思わず踊りたくなるようなリズムで。
でも全然押しつけがましくなくて、聞いててまるで疲れない。
で、そこで語られるストーリーが面白い。
芸能としては老曲に近くて、
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キクセイマル賞も初代の京王山甲子若師賞の後ろでギターを弾いたりしていたと。
初代京王山甲子若師賞がカワチオンドを歌って、レコードを出して、それがヒットして、
カワチオンドというのは温度ですから、
矢倉の上でみんなが踊る、盆踊りで温度を取るというんですけども、歌う人なわけですよ。
そういう矢倉の上で人気老曲師が歌うという流れもあったんだそうでございますが。
その後ですね、主催の和田直久先生が登場いたしまして、
お二人で立ったまんまでトークをされると。
そこで非常に印象的だったのは、カワチオンドの温度取りというのは夏の間のお仕事で、
夏の間はやたら忙しいけど、他の季節は冬眠というかしていると。
夏の間の忙しさというのは想像をですするもので、
カワチオンドという盆踊りが朝までやっているのがあるらしいですね。
温度取りは4軒5軒一晩のうちに掛け持ちで回ると。
バイクの後ろに乗せてもらって、シートベルトみたいなものでしょうか、
ロープで体を縛りつけて、次の矢倉、次の矢倉へと移動していくと。
楽器担当の人はそんなに簡単に移動できないですから、最初からユニットを2つ用意して、
1番最初の矢倉で演奏した人たちは、次の次の矢倉に移動して、
2番目のユニットが次の矢倉で待っていると。
それを交互に繰り返しという、2つユニット体制で回していくらしいんですね。
いずれにしても、カワチオンドの温度取りの体力というのがものすごいわけですね。
というようなお話を和田先生が振られてですね。
出てくるエピソード、出てくるエピソード、本当にここで一つ一つはご紹介できないですけども、
カワチオンド浪極にとどまらず、当時の吉本ですね。
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今でも菊水丸師匠は吉本所属なわけですけども、
吉本の過月で靖雄とか二角師匠とかの間に出てくる、そういう役回りだったんだそうですよ。
その中からもっとカワチオンドを聞いてもらうために、新聞読みというですね。
新聞というのは新聞のことなんですけども、
時事ネタを入れたカワチオンドを復活させて、受けるようになっていたと。
それ一番最初に取り扱った題材が、グリコ森永事件だったみたいな話がですね。
次から次へと出てくるんですが、
関西を中心とした、髪型を中心とした芸能史と、昭和の大衆史みたいなものと、
菊水丸師匠ご本人の自分史が根前一体となって、節の中にも入ってくるし、そういったトークの中にも入ってくるし、
それがもうごちゃ混ぜなんですけど、ものすごく聞きやすく宣伝されてるんですよね。
今回の売りはですね、カワチ十人斬りという新聞読みの傑作ですね。
ただこれは髪型では今ちょっとやりづらいところもあるらしいんですが、東京でぜひやってほしいという和田先生たっての希望で、
今回その昼間、夜で投資というのが実現しました。
私は夜の方に行ってきたんですけども、やっぱり老曲を聴いている感じにかなり近いんですけど、
基本節でどんどん押していって、節がやっぱり老曲のグッと迫力で押すような感じよりはもっとメロディアスなんですよね。
それがね、もう実に心地よくて、やっぱりその老曲のシャミセンだけとは違って、
太鼓とギターががっちりバッキングしていますので、途中でちょっと太鼓とギターを聴かせるようなポイントもあったりして、
そのあたりがですね、またすごく楽しい、いい思いをさせていただきました。
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もう2時間ちょっとですね、2時間20分くらいかな、情報量というか、
込められたものの濃縮度がものすごいんですよね。
本当に今日僕はこの話を1時間ぐらいしたいぐらいなんですけど、
それだけ多くのそのものをいただいたにもかかわらず、
さっきも言った通り、まるで聴くほうが疲れてないっていうのがすごいなっていうところですよね。
ただやっぱりこれ、かわち温度、温度なので、
僕もちょっと隅田川、金氏町だ、金氏町のかわち温度の盆踊りに行ったことがありますけども、
巨大フェスみたいな感じなんですよ。
巨大フェスみたいな感じのかわち温度をヤグラの上で歌い演奏する。
その前でみんなが踊るっていうのがもともとのかわち温度の姿ですから、
菊汲丸賞が歌っている温度をとっているところで、
踊っている、みんなが踊っているところを見たいですね。
それをいつか見てみたいなというふうに思いました。
かわち温度、かっこいいです。
ということで、シェアする楽護の敷家でした。
ではまた。