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はい、シェアする落語の四家です。10月1日火曜日、内幸町ホール、立川寸志通算専任様のお認めで真打ちになります。企画、大きいのは2回目になるのかな、合計4回なのかなとも思いますが、内幸町の巻。
すごく人数が少ないスタートの企画と、あとクローズドな企画を入れると4回目で、オープンな企画ということでは2回目のこの企画。前回は深川江戸資料館でした。私も行きました。
簡単に言うと、お客さんが「認めます」という札と言いますかね。はかき台のカードを入れるとですね。それをのべ1000人様のお認めで立川寸志が真打、昇進が決まると。こういう会でございます。
オープニングトークで寸志さんがそのあたりをちょろっとご紹介をして、軽く受けを取った後に立川のの一さんが前座で登場。『狸鯉』。お魚の鯉ですね。のの一さん慣れっこになっちゃって普通に聴き流してますけど、これだけ流暢な前座さん、なかなかいないですよ。
本当に最初の衝撃が薄れてしまいましたけども、タラタラタラというリズムで行くのがまあ心地いい。立川流の前座はみんなすごいんで、昇進してほしいなと思いつつ、昇進した後、立川流どうするんだろうみたいな気がして心配でございますが。
で、のの一さんがうまく会場を温めたところで、寸志さん『井戸の茶碗』。まくらはすごく少なめ。なぜなら寸志さんの井戸茶は長いから。やっぱり寸志さんの井戸の茶碗って色んな仕掛けが入っていて面白いんですが、やっぱりちょっと長くなるというところで、僕はすごく好きなのは、やっぱりこの井戸の茶碗っていうのは良い話に見えて、
実はその武士の愚かさっていうかね。僕はノートにもこの話を書いてますが、講談と違うんですよね。講談はあくまでヒーローのストーリーなんですけど、井戸の茶碗に出てくる人はみんな揃ってやっぱちょっとダメ人間というかですね。
お金に綺麗とかね、そういうことを言いつつ美談っぽく見えて、やっぱりそれがね、ダメなんですよ。それは講談や浪曲と比べるとわかるって話があるんですけど、そんなことはともかく、相変わらず井戸の茶碗、長いけど面白い。面白いけど長いという感じなんですが、後でトークでナツノカモ先生も指摘されてましたけども、
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あの声の出し方をね、ちょっとこう抑え気味に、特に千代田朴斎・おじいちゃんの方ですね、あの娘のいる老人の方ですけども、千代田朴斎のその声の抑え方がですね、すごく心地よくて、これは今までなかった感じかなという。
それは会場のせいもあるっていうようなことを今日寸志にはおっしゃってました。マイクをね、うまく使えるという話ですね。あのなんて言うんだろうな、朴斎の声を抑えることで特に後半になって、父親の心情というのが浮かび上がるんですよ。
なんかここがすごくいいなあっていうふうに僕はとても思いました。基本すごく面白く進んでいくんですけど、あそこでこの父親の娘を思う父親の心情が伝わってくるのかなとってもいいなっていうふうに思いました。
ここで仲入りです。仲入り明けもう椅子席は『くしゃみ講釈』。これはですね、寸志さんにはにとってはNHK新人落語大賞に行けなかったネタ。一次予選は突破してたんですけども非常に残念でございます。
NHKはかなり時の運があるなと思うんですけど、公推協杯にエントリーすらさせてもらってないっていうのはちょっと納得いかないなってか、これも仕組み以上しょうがないのかもしれないですね。それはともかく。くしゃみ講釈でございます。
これ参入って遊雀師匠からだそうです。今日まくらで振ってましたが、桂枝雀師匠の方でやる方がいないかというのを探して遊雀師匠にたどり着いたということだそうでございます。
非常に楽しい方で、とにかくやっぱりね、寸志にははそのノリノリのオッチョコチョC調の江戸っ子っていうですね。
だからそこはちょっと与太郎とは違うんですよね。ポンポンポンポン言ってポンポンポンポン馬鹿なことを言う若い江戸っ子っていうのがもうとにかくいいんですよ。
その相手をする人っていうのはまあこの話だった兄貴なんですけど、兄みたいな人であったりご隠居だったりするんですけど、この組み合わせがすごくいいのが立川選手という落語家だというふうに僕は思ってますが、このくしゃみ講釈も何度も聴いてますけど何度聴いても楽しいですね。
これ前も言ったかもしれないけど、覗きからくりなんて、知らないよ。覗きからくりに口上があったなんてね。言われてもね、わかんないですよ。なのに楽しい。すごく楽しい。
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そこがね、もうたまんなくいいですよね。
で、この後ですね、このお認めになるというですね、認定書かな。はがき台の紙に名前とか書いて出すわけですけども、名前と日付ですね。書いて出すわけですけど、それを書いて提出するですね。
その間の時間でゲストとトークをするということで、今回はゲスト ナツノカモ先生。ナツノカモ先生はね、やっぱり井戸の茶碗がすごく長くて、その中で特に清兵衛だと思いますけどすごく声を張り続けるので、千代田朴斎の抑えた感じをもっと聴きたいというふうにおっしゃってました。
なんか最初アドバイスなのかなっていうふうに思って聴いてたんですけど、アドバイスというよりどっちかっていうと、僕は寸志君の、寸志さんが後輩になるんですね。年齢はだいぶ上だと思いますけど、寸志さんのこういうとこが聴きたいみたいなですね。聴きたいというリクエストだった感じがします。
一方でナツノカモ先生の話って、今日言われて気がついたんですけど、確かにそんなに張らないんですよね、声をね。テンションがそんなにグワッと盛り上がる感じではない中で、寸志さんはリリカルって言ってましたけども、そういう世界が広がっていく話なので、寸志さんに合わないっていうですね、ことをおっしゃってました。
まあここはまあ微妙なところではありますが、そうですね、僕が思うに、寸志さんの、まあナツノカモ先生が寸志さんに当て書きをすれば、それでも世界はできてしまうんじゃないかなと思うんですが、
例えば寸志さんの新作の世界、世界観、キャラを使ってもいいし、世界観みたいのを使ってもいいし、そこにナツノカモ先生のリリカルな感じが乗っかってくると、これは面白いんじゃないかなっていうふうな気がしております。
まあまあ、これはあくまでね、ガイアのファンの欲望でございますけども、お二人のセッションっていうかね、ナツノカモ作寸志さん口演というのも、ご当地落語でね、一個あったみたいですけど、ぜひ聴いてみたいなというふうに思っております。
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楽しいトークでした。で、このトークの間に集計した結果をのの一さんが持ってきて、結果発表という形で数をパンと出すわけです。
で、これが今回の票数と、あとのべ何名様のお認めがあれば真打ちになれるのかというところをですね、バンと出した写真はここに貼っておきますので、数字見といていただきたいんですけど、
ご本人のご意向としては来年の真打昇進はないみたい。僕も確かに来年はやらない方がいいと思いますが、来年早めに確実に決めちゃった方がいいんじゃないかなっていう気がしてます。
というのは、外野の僕が言う話では全くないですけど、結局準備に時間がかかるということを考えると、来年の前半にもう全部1000名達成してしまって、そこからもう準備を兼ねた回を同じように重ねていった方がいいんじゃないかなとかね、そんなことも考えておりますよ。
本当にあの井戸茶、あのくしゃみ講釈を聴くと、なんでこの人は人に、そんなお客さんにお認めいただかないと真打になれないのかと、誰がどう聴いても真打の芸だろうというふうには思っちゃったりするんですけど、我々は客としてこの真打になっていくというプロセスを楽しめるわけですし、
寸志さんもやっぱりね、普段よりちょっと大きめの会場で会をやることになりますので、その会場をうまく使いこなしながら自分のネタを披露していくみたいなことができるから、この企画はいいのかなっていうふうにも思います。
立川流はね、自分で真打のなり方まで決めなきゃいけないから結構しんどいですよね。でもそのしんどい過程をファンとしては楽しんでいきたいなというふうに思っております。
次回は12月1日で立川だそうです。立川はね、うちからだとかなり遠いですけど、行けないところではないので、日曜日だったかな、なんか行けそうな気がしております。むしろ平日の内幸町の方が、僕今日行くのは結構大変だったんですけど、何とかいろいろごまかして参加することができました。
本当に一番好きな落語感ですので、真打ちになった晴れ姿を見るまでは元気でいたいなというふうに思っておりますし、この企画自体が本当に面白いですし、
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また、ネタおろしの会ですとか、杉松恋先生プロデュースの会ですとか、いろんな会やってますので、ぜひそちらの方に足を運びいただきたいというふうに思います。
そして宣伝です。いよいよ残りの席少なくなってまいりました。10月20日シェアする落語立花谷文語、こちらの方のご予約もお待ちしております。
というわけで、シェアする落語の四家でした。ではまた。