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はい、シェアする落語の四家です。
11月24日日曜日
稲荷町の中華レストラン一番太鼓で
僕は大好きで何度も行ってるんですが、
弁財亭和泉師匠の勉強会、稲荷町で秘密集会行って参りました。
秘密集会なので、いろいろ秘密です。
特に、フリートークと言いますかね、まくらと言いますか、この部分についてはまあ秘密なんですが、
聴いた感想といたしましては、和泉師匠めっちゃ働いてるじゃんということですね。
で、特に、
先日、10月31日、31日ですから、まあ、余一会というやつですが、池袋演芸場昼夜で、
新作派、落語協会、落語芸術協会の新作派が集まって行われた新作ストロングというですね、
会、画期的な会だと思います。まあ僕行けませんでしたけども。
こちらはね、和泉師匠と鯉八師匠の共同プロデュースです。
ずいぶん時間かけてね、プロデュースして結果大成功だったというようなね、お話を伺っておりますが、
まあその話と、もありそれもあり、
これはずっとね、泉師匠がやってらっしゃるね、噺の目線、これ昨日ね、行きたかったんですけどちょっと行けなかった。噺の目線の
プロデュースもあり、で、またこれもね、今後、
新作ストロングはまだわかんないですけども、噺の目線はまたもう次回も決定してますので、
まあそういうですね、その、プロデュースですね、のお仕事もありつつ「せめ達磨」でネタ下ろしもしているというですね、
なんかものすごいお仕事されてる。大変ですね。で、来年も結構いろんなお仕事もされることが、まあ決定してまして。
まあそのあたりはですね、ぜひ各自チェックしていただきたいというふうに思うわけなんですが。
まあそんなこんなお話を伺いつつ、1席目は、まあフリートークが長かったこともあり、
短めの噺をと久しぶりですね、『働き方の改革』という噺です。
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働き方改革っていうのが、コロナの前だからずいぶん前に
よく取り沙汰されてた時に作られた作品で。
いろんな人がこう並列に、何人いるんだっけな、5人かな、並んで、
で、並列なんですよね、同じ事情を抱えている、ある同じ事情を抱えている人たちがある同じように行動をとってるんです。
それは「会社に誰かを連れてくる」というね、そういう噺なんですが、そこから始まるドタバタ喜劇で、
一回一人ずつ広げて、一回一人ずつ、
ぶっ飛んでいくっていうですね、その構成がもうシンプルに見事で、
もうゲラゲラ笑っちゃいます。確かに短めの噺なんですけど、これね、寄席なんかでも全然いけちゃうなっていうふうに思いますし、
仕事の現場のですね、いろんな方の仕事の現場の状況・問題
は、まあ残念ながらそんなに解決はしていないので、非常にリアルに感じられるんじゃないかなっていうふうに思って。
まあ楽しかったです。で、もう1席は、
先日、せめ達磨でネタ下ろしをしたという
演目は、『試食の女王』。例によって、こちらも新作で、またあの聴いてる人がね、そんなにいない噺ですから、
ネタを割らないで話さなきゃいけないっていうところが辛いところなんですが、一言で言うと大傑作ですねー。
かつて『影の人事課』『プロフェッショナル』さっきの『働き方の改革』もそうですけど、働くということに関してのですね、
傑作・秀作を、いくつも生み出してきている、
和泉師匠、三遊亭粋歌の頃からですね、そういう傑作を作り続けている和泉師匠の、一つの到達点がここなんだなーっていうふうに思いました。
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前半は、あのー、和泉師匠の鋭い観察眼でもって、現実が
現実に起きる問題が描かれます。今回舞台はスーパーマーケットなんですけど、いかにも起きそうな、
まあ本当はどうか知りませんけども。ジェネレーションギャップ、働くということに関する意識のジェネレーションギャップが、扱われています。
ここはもうあまりにもリアルに感じられて、ちょっと息苦しいぐらいです。もう落語としてはもうギリギリのラインじゃないかなっていうふうに思います。
だから前半は本当に笑いが少ない。で、ここで一気に緊張感を高めておいて、そっからバーンと爆発するんですよね。
この爆発はね、『影の人事課』を思いで起こさせますが、あとあの、もう一つはね、これは労働関係ないんですけど、和泉師匠が白鳥師匠に教わってかけている、今やってんのかなぁ、僕は本当に大好きなんですけど、
『萩の月の由来』という噺があって、これは途中まで完璧に古典落語なんですけど、一回バーンと爆発して大変なことになるっていう噺ですね。この前半のお客さんにある程度その緊張感を持ってもらって、
弾けた後の爆笑でまた息が苦しくなるっていうですね。これが凄まじかったですね。何気なくさりげなく仕込まれている。例えば主人公かな、主人公だよね、松本さんっていう名前なんですよ。松本さんなんですね。
で、試食販売の話なんですけど…やめておこう、ちょっとツイートには書いちゃってるけどね。まあまあまあいろんなね、その要素があるんですが、それがまあ、しゅるしゅるしゅるしゅるしゅるとこの伏線回収ってよく言いますけど、伏線ってね、回収すんのはそんなにまあ、落語としては面白くなくて「伏線爆発」ですね、これは。
もう仕込み大爆発。で、もう次から次へとその出てくる展開の面白いこと面白いこと、いや本当にびっくりしました。で、非常に落語らしく、あのー、根本的なことは何一つ解決してないんですよ、たぶんね。
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解決はないんだけど、とにかく面白いというところでですね、もうめちゃめちゃ楽しめるっていうことですね。
まあそういう意味で非常に傑作でありますし、聴き終わった後に、自分なりにちょっと考えてみたときに、この落語の中で出てくる「パワハラ」という言葉であったり「寄り添う」っていう言葉であったり、
まあこういったバズワードっていうか、ちょっと流行り言葉化してしまったものが、その本質的なものから離れて、その表層的な表面上の意味だけが拡大解釈されて、雑に使われることのデメリットの大きさっていうのを、
ひしひしと感じることが、思い起こすことができてしまう。それがもう本当に大問題なんだよなっていうことですよね。まあ落語を聴いてそんなことを考えなくても全然いいんですよ。いいんですけど僕はちょっと考えてしまいました。
で、その考えてしまったっていうのはもう散々笑って、正直言いましょうちょっと泣きました。ちょっと泣けて散々笑って満足して、師匠にちょっと挨拶して帰ってしばらくしてふっと頭に浮かんだことなんですよね。
本当にね、優れた新作落語であり、弁財亭和泉師匠じゃないと作れない新作落語であり、もう落語を超えた素晴らしいエンターテインメントだというふうに思いました。これはね、もっと多くの人にね、もっと多くの人に今聴いてほしい。
『試食の女王』松本さん。なんで松本さんなのか。これをね、ぜひ聴いてほしいですよ。
ということでまあとにかく本当に今日の感想は「弁財亭和泉は凄い」です。昨日の感想は「立川こしらが凄い」だったんですけども、2日続けてすごいと言える落語に接することができて本当に僕は幸せです。ということでシェアする落語の四家でした。ではまた。