みなさん、こんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今日は、メキシコの山岳地帯に住む走る民、ララムリについてお話ししたいと思います。
前回、1967年に公開された2つの怪獣映画についてお話ししたんですが、
その収録音声の編集中にずっと集中して作業してたので、ちょっと疲れを感じまして、
なんとなく、いつも作業デスクの上に置いていたミニカーを手に取ってぼんやり眺めたりしてたんですよ。
そのミニカー、青いキャデラックなんですけど、キャデラックなのに、すごくすんづまりで見た目が面白くて、
地元の古いおもちゃを扱っているお店で買って、気に入ってずっと机に飾ってたんですけども、
そしたら、今まで気にしてなかったんですが、そのミニカーの製造された年が裏面に小さく刻印されてて、
1967年って書いてあったんですよ。
たまたま1967年公開の映画について話して、その音声を編集している時に、なんとなくいつも机に置いているミニカーを裏返したら、
その宇宙大怪獣ギララと大巨獣ガッパの公開された年である1967年という数字が、そのミニカーにドンピシャで刻印されてたんですよね。
あー、またかー、と思いました。
セミラジオ名物、シンクロニシティ、また発生しちゃったかーという感じで、
セミラジオを始めてから、こういうことがよく起きるようになりました。
バクコにその話をしたら、ちょっと怖がってましたね。
1967年という数字に、何か運命的なものすら感じてしまいますね。
ということで、セミラジオ名物、シンクロニシティ発生のご報告でした。
あともう一つ、今回本編のテーマが走ることに関連しているということで、
一通お便りをご紹介したいと思います。
こちらは、ト・ノーさんよりセミラジオ第122回の山中湖2周マラソンの回について送っていただいた感想のお便りになります。
読み上げますね。
こんにちは。山中湖2周マラソン、感想おめでとうございます。
とても臨場感ある音源でした。
マラソン走る目的には、エネルギー切れや給水地点のありがたさ、終盤の足の重さなどなど、分かるなーと思って聞いてました。
走ってて、終盤ほんと辛いんですが、また走りたくなるんですよね。
高い料金払い、辛い練習を経て、当日スタート地点に立っているだけで僕は勇者だと思ってます。
次のフルマラソンも頑張ってください。
とのお便りをいただきました。
ト・ノーさん、温かいお便りありがとうございます。
そう、6月30日に僕は地元にある湖、山中湖を2周、計27キロ走りまして、
そのレース中の音声を収録してセミラジオ第122回として配信したんですが、
ト・ノーさんもマラソンをやられているということで共感していただけて嬉しいですね。
実は僕が山中湖を走ったのと全く同じ日、つまり今年の6月30日にト・ノーさんもマラソンに参加されてまして、
それも僕が走った27キロの約4倍の100キロという凄まじい距離を走る北海道のサロマコ100キロウルトラマラソンに参加されて見事完走されたんですよ。
いやー、1日で100キロ走るって凄すぎますよね。
ト・ノーさん、改めて完走おめでとうございます。
ウルトラマラソンというのはフルマラソンの距離である42.195キロを超える距離を走る長距離レース全般を言うんですが、
サロマコ100キロウルトラマラソンは日本のウルトラマラソンの草分け的な大会で今年で39回目の開催となった歴史ある大会なんですよね。
僕もyoutubeの動画とかでサロマコウルトラマラソンのコースの風景なんかを見たりしていて、
その素晴らしい景色に魅了されて憧れていたりもするんですが、まだまだ100キロは高い壁のように感じてますね。
僕の地元の山梨県ではチャレンジフジゴコウルトラマラソンという大会がありまして、
こちらはサロマコと同じ100キロのコースもあれば62キロのコースもありまして、
11月の富山でフルマラソンを完走できたら次の目標としてフジゴコ62キロを目指そうかなくらいには考えてるんですけど、
まあそれも当分先の話になるかなぁと思います。
と、のーさんも応援してくださってますし、
まずは11月の富山マラソンフルマラソン42.195キロをしっかり走り切りたいと思っています。
だいぶ先にはなるとは思うんですが、
いつか僕もサロマコ100キロマラソン挑戦してみたいなと思ってますので、
その時はと、のーさん一緒にサロマコを走れたらいいですね。
というところでと、のーさんお便りありがとうございました。
それではそろそろ本編に行きたいと思います。
今回はメキシコの山岳地帯に暮らしている走る民、ララムリーという民族についてお話ししたいんですけども、
ララムリーについてはNHKのドキュメンタリーや民放の世界不思議発見や
ザ・世界行天ニュースという番組、またボーントゥーラン走るために生まれたという本などで紹介されてきたので、
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
僕は2013年にNHKが放送した地球一番世界一走り続ける民メキシコララムリーという番組で、
このララムリーという民族のことを知りました。
この放送を初めて見た当時は自分自身がラーニングをやったりマラソン大会に出たりはしてなかったんですけど、
それでもこのララムリーという人たちのことはすごく印象に残ってたんですよ。
とにかくめちゃくちゃ走るんですよね。
大人も子供もヒラヒラの民族衣装を着た女性もおじいちゃんもおばあちゃんも老若男女関係なくみんながめちゃくちゃ走りまくる人たちなんですよ。
ララムリーの子供たちがボールを蹴りながら長距離を走るララヒッパリという行事があるんですが、
10歳くらいの子が夜通しボールを蹴りながら50キロくらい走るんですよね。
今回は僕が見たそのNHKのドキュメンタリーの内容をベースにララムリーについてお話ししていきたいと思います。
ララムリーたちはメキシコにあるコッパーキャニオンというグランドキャニオンの4倍の広さを誇る山岳地帯に住んでいます。
番組では元K-1世界王者のマサトがリポーターとして現地を訪れてました。
マサトは格闘家としての現役引退後、フルマラソンにも挑戦していて、2009年の東京マラソンでは42.195キロを3時間51分台で完走したそうです。
自身もマラソンをやるということで、走るためにララムリーの強さの秘密を知りたいということで現地を訪れたわけですね。
このメキシコの広大な山岳地帯の中でもとりわけ険しい地帯にララムリーたちは住んでいるわけです。
メキシコの都市部からララムリーたちが住んでいる地域までの間には舗装された道とかはなくて、取材人の車もぬかるみにはまって大変だったんですけども。
で、車で11時間くらいかけてどうにかララムリーの集落にたどり着くんですけど、その付近で一番標高が高い頂上、標高2400メートル地点に住んでいるのがこの時、ララムリー現役最強のランナーと呼ばれていたアルヌルフォ・キマーレという人です。
アルヌルフォは髪型はマッシュルームカットで、若い頃のビートルズにちょっと似てます。
手足は細く長く、いかにもランナーという雰囲気があって、腰にはスカートに似た民族衣装を身につけていました。
身長165センチと決して大柄ではないんですが、全身から漂う独特のオーラは映像からも伝わってきました。
ララムリーは西洋人がアメリカ大陸にあってくる以前から暮らしていた先住民族で、民族的にはネイティブアメリカン。
大枠で言うと多くの日本人と同じモンゴロイド系の民族です。
で、具体的にララムリーは、そしてアルヌルフォはどれくらい長距離走に強いのかなんですが、
90年代にロサンゼルスで開催された160キロ走る山岳レースに参加したララムリーたちは、優勝と上位を独占して世界を驚かせました。
しかもララムリーたちは、吸管性に優れた最新のウェアもナイキのシューズも身につけず、民族衣装とゴムタイヤで作った簡素なサンダルで、その記録を叩き出したわけです。
みんな度肝を抜かれたんですよね。
そんなララムリーたちが集う地元のレースで5連覇を果たしたのが、ララムリー現役最強のランナーアルヌルフォでした。
で、番組ではマサトがそのララムリーの現役最強のランナーアルヌルフォに密着して、強さの秘密を知ろうとするわけです。
普段どういうトレーニングをしてるんですかと聞くマサトに対して、練習はしないというアルヌルフォだったんですが、強さの秘密は普段の彼の生活に隠されていました。
標高2400メートル地点に今日を構えるアルヌルフォは、300メートル下にある水場に行って、生活のための水を汲んで戻ってくるというのを日課にしてるんですが、
これが本当に険しい道にもなってない崖みたいなところをこともなげにスタスタと登り寄りするんですよ。
日本人としては屈指の屈強な肉体を持つマサトですら、足を踏み外したら危ないので慎重に登り寄りするんですけど、しかもアルヌルフォは水場で水を汲んで、その20キロぐらいある水のタンクを担いで、また300メートルの崖を登るっていうのを朝夕の計2回毎日やってるんですよね。
これによって体幹、体を支える真の力がものすごく鍛えられているわけです。
この体幹がアルヌルフォの強い走りを支える要素の一つだったわけですね。
そしてララムリーといえば、さっきもちらっと言ったんですが、ゴムタイヤで作った簡素なサンダル、ワラーチです。
これはトラックのタイヤを加工して作ったサンダルで、ララムリーが履く靴というのは基本的にはこのワラーチなんですね。
日本人でランニングとかマラソンをやる人の感覚から言うと、走る時に履く靴としては結構重たいし、ランニングシューズと比べてクッション性も皆無なので、どうしてこれでララムリーは長距離を走れるのかというのを多くの人が不思議がって研究が進められてきました。
ワラーチとランニングシューズの違いを科学的に分析した人がいまして、それによるとランニングシューズを履いて走る場合、まずかかとから設置することになるんですが、ワラーチで走る場合、
土踏まずより前で設置することになります。これは我々の先祖が何万年かの間、アフリカの大地で裸足で走っていたのと同じ走り方になるんですね。
そして裸足に近いワラーチの走り方は長距離を走る場合、シューズを履いて走った場合に比べて足への負荷が少なくなるという研究結果が出ています。
もちろん僕も含めて普段こういうワラーチみたいなものを履いて走ってない人がいきなりワラーチで走ったらすぐに足が痛くなりますけど、日本人の市民ランナーの中にもワラーチに魅力を感じてマラソンの大会にワラーチを履いて出場している人もいます。
ワラーチに魅せられていろんなマラソン大会に出場されている方のブログを読んだんですが、ワラーチで走っていると足がワラーチに適応していくみたいですね。
ワラーチにクッション性がない分、足の革が分厚くなったり肉球みたいなものができてくるみたいです。
ララムリたちは子供の頃からワラーチを履いて当たり前のように走っていることで、ワラーチでの走りに完全に特化してるんですね。
そしてワラーチに特化してしまえば、どんな高級なランニングシューズを履いて走るよりも足への負荷が少ない強い走りができるようになる。
これがララムリの強さの秘密だったわけです。
途中で馬を6回乗り換えて14時間かけて日光まで行ったんですが、
2回目に日光に行った時、今度は人力車を雇ったそうなんですよ。
そしたらベルツを引いた人力車夫は1人で14時間走ったそうなんです。
そこでベルツは実験をしてみました。
人力車夫を2人雇って3週間彼らの食生活を調査したんです。
ドイツの食生活に習って、ドイツ人の理想である高脂質、高タンパクの肉類中心の食事をとらせながら、体重80キロの人を乗せて毎日40キロ走らせたところ、3日目で激しい疲労を訴えるようになりました。
で、人力車を引く男たちは元の食事に戻してくれって言うんですね。
元の食事というのは米、大麦、芋類、栗、ゆり根など、高炭水化物、低タンパク、低脂質の食事です。
言われた通り元の食生活に戻すと、人力車の男たちはまたこれまで通り元気に走れるようになったそうです。
すごく興味深い話ですよね。
明治期の人力車を引いていた男たちとララムリはどちらも栄養素的にはかなり近い素性の高炭水化物、低タンパク、低脂質の食事をとっていて、どちらもものすごい長距離をタフに走るわけです。
こうなるとララムリのとっている食事が彼らの強さを支えていると考えるしかないように思います。
そうは言っても僕自身は一市民ラーナーとして肉は食べたいですし、ケンタッキーフライドチキンは定期的に無償に食べたくなりますし、
そこまで自分を追い込めるかちょっと難しいところもあるんですけども、それは一旦置いておいて、ララムリや最強のランナーアルヌルフォの強さの理由をまとめると、普段の生活それ自体がハードなトレーニングになっている。
ゴムタイヤで作ったサンダル、ワラーチに特化することで、人間本来の走り方に近い強い走りができる全粒粉のトウモロコシや豆類中心の高炭水化物、低タンパク、低脂質の食生活ということになるかと思います。
そんなアルヌルフォなんですが、このNHKの取材が入った時は地元で開催された和長な100キロウルトラマラソンという大会に出場しまして、マサトもこの大会に出るんですけど、レースが始まるやいなやアルヌルフォはものすごいペースで走り出すんですね。
1キロ3分のペースで走るんですけど、これはマラソンの世界記録とほぼ同じペースになります。
さすがのマサトもこのペースにはついていけず、アルヌルフォの背中を見送るしかなかったんですけど、ただ結果から言うとアルヌルフォはこの大会10位という成績に終わり、上位に入ればもらえていた賞金も獲得することができませんでした。
理由の一つとして、自宅から会場までの交通費を節約するために自分の村から会場までの70キロの道のりを2日間夜通し走ってやってきてたんですね。それがなければ悪いわと思いますよね。
ララムリの人たちが現金収入を得る手段は少なくて、普段は放牧しているヤギを売るくらいしかないんですが、レースに勝てば貴重な現金収入を得られるわけです。
そのことがララムリがレースに出ることへの大きなモチベーションになっているのは間違いないんですが、それだけではなくて、というのはララムリたちは賞金レースというものがこの世に発生する前から走る民だったんですね。
もともとはララムリたちはメキシコの平地に住んでいました。16世紀に西洋人、この地域に関して言えばスペイン人がやってきてララムリたちを奴隷にしたり迫害したため、ララムリたちは奥地の山岳地帯に逃げ込み、以来そこに住み続けています。
もともとの故郷から自らの肉体、脚力だけを頼りに逃げ延びてきた。走る民としての彼らのルーツはそのあたりにあるのかもしれません。
冒頭でも少しお話ししたんですが、ララムリには子供たちがボールを蹴りながら夜通し長距離を走るララ引っ張りという行事があります。なぜそういうことをやるのか、何のためにやるのか、ララムリに聞くと分からないって言うんですね。
ララムリは自分たちの気持ちや考えを細々と言語化する習慣がないんですね。でも代わりに彼らは走ることで子供たちに大切なことを伝え、走ることでつながってきました。