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2022-06-04 34:30

ヒトの祖先!単弓類(哺乳類型爬虫類)

哺乳類を含む巨大な分類群である「単弓類」の内、かつて「哺乳類型爬虫類」と呼ばれた多様で魅力的な生物群についてお話しました!

・背びれはロマン!ディメトロドン
・またしても背びれ!エダフォサウルス
・小顔ブームの先駆者、コティロリンクス
・とにかく顔のインパクトがすごい!エステメノスクス
・46億年物語にも登場! モスコプス
・最も繁栄した植物食獣弓類 ディキノドン類
・世界を股にかける!リストロサウルス
・北米産ディキノドン・プラケリアス
・最強の肉食獣弓類・ゴルゴノプス
・哺乳類との境界に肉薄! 植物食動物 バウリア
・有毒の獣弓類ユーシャンベルジア
・哺乳類への道 キノドン類


哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先(金子隆一)
https://amzn.to/3mcez3U

ディメトロドン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%B3#:~:text=%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%B3%20%EF%BC%88Dimetrodon%E3%80%81',%E9%95%B7%E5%A4%A7%E3%81%AA%E6%AD%AF%E3%80%8D%E3%81%AE%E6%84%8F%E3%80%82

エダフォサウルス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%80%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9#:~:text=%E3%82%A8%E3%83%80%E3%83%95%E3%82%A9%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9%EF%BC%88%E5%AD%A6%E5%90%8D%EF%BC%9Agenus,%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%A8%AE%EF%BC%881%E5%B1%9E%EF%BC%89%E3%80%82

コティロリンクス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9

エステメノスクス
https://paleontology.sakura.ne.jp/esutenmenosukusu.html

モスコプス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%97%E3%82%B9

ディキノドン類
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%89%E3%83%B3%E9%A1%9E

リストロサウルス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9

プラケリアス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B1%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9

ゴルゴノプス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%8E%E3%83%97%E3%82%B9

バウリア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%AA%E3%82%A2

ユーシャンベルジア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A2

キノドン類
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%83%89%E3%83%B3%E9%A1%9E

00:01
皆さん、こんにちは。 自然を愛するウェブエンジニア、セミラジオです。
今日は、我々人類を含む大きな分類群である単弓類と哺乳類の祖先である
哺乳類型爬虫類というグループについてご紹介したいと思います。 前回題名がわからないSF小説についてお話をしたんですが、
結構反響をいただいてまして、 いつもこのラジオでお話ししている生き物系イラストレーターのすすむ中嶋さん、
そしてこちらもよく話題に挙げているポッドキャスト番組 生物をざっくり紹介するラジオ仏作のしろさん。
このお二人に感想のお便りをいただきました。 すすむさん、しろさん、ありがとうございます。
そしてツイッターの方ではトリフィドさんという方が ハッシュタグセミラジオでご感想を書いてくださっていまして、すごく嬉しかったです。
ありがとうございます。 題名がわからないSF小説について皆さんからいただいたメッセージやご感想をすぐにもご紹介したいんですが、
今回ちょっと本編の情報量が多いので、 次回以降にゆっくりご紹介させていただければと思っています。
すすむさん、しろさん、トリフィドさん、 メッセージやご感想本当にありがとうございます。
それでは本編の短球類と哺乳類型爬虫類についてお話ししたいと思います。 哺乳類型爬虫類ということで、
哺乳類なんだが爬虫類なんだがわからない かなり知名度が低い生物のグループなんですけども、
実はとても重要な分類群なんですね。 この哺乳類型爬虫類というのは、
我々人類を含む哺乳類を生み出した陸上四足動物のグループなんです。 この哺乳類型爬虫類というのは古い呼び名でして、
現在は哺乳類も、哺乳類型爬虫類も、 短球類という大きなグループにまとめて入れられています。
短球類の中で現在も生息しているのが我々哺乳類ということなんですね。 ヘビやトカゲなどの爬虫類とは、
わりと根っこの部分でその短球類は違う系統というふうに言われていて、 両生類から爬虫類、そして短球類がそれぞれ別個に誕生したというふうに言われていまして、
なので今ではこの哺乳類型爬虫類という言い方は、 あまり正確ではないと言われているんですけどね。
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で、哺乳類型爬虫類というと長いので、 今回、短球類という言葉を哺乳類を除いた、いわゆる哺乳類型爬虫類と括られていた動物の総称として使用させていただきます。
実際には短球類というと哺乳類も含めてしまうんですね。 恐竜というと鳥も含めてしまうみたいなイメージですね。
で、この短球類の頭骨を見てみると、 頭骨を横から見た時に眼下の後方に穴が一つ開いてるんですけども、
この穴のことを側頭層と言うんですね。 側頭部に開いている窓のような穴だから側頭層と言うんですね。
この側頭層という穴が一つだけ開いている生物を短球類。 側頭層が2つ開いているワニ、トカゲ、ヘビや絶滅した恐竜などほとんどの爬虫類のグループを総球類。
またカメなど側頭層がないグループを無球類という風に分類することがあります。
この側頭層の数は必ずしも分類上近いことを意味するわけではないという話もあるんですけども、
そんな中で短球類に関しては、この短球類というグループに入れられている生き物たちはそれぞれが分類上に近くてまとまった一つのグループだと考えられています。
短球類に含まれる動物は、哺乳類の直接の祖先であるキノドン類はもちろん、どのメンバーも恐竜やら、鳥やら、トカゲよりは遺伝的に我々人類に近いということなんですね。
で、この短球類、生態も外見も様々な多様な分類群なんですけども、
さっきも言ったように側頭層が一つであるということと、あと重要なのは歯の形ですね。
実は短球類の歯は異種性と言って、部位によって形が違うという性質があるんですね。
ワニやトカゲって基本的にはどの部位の歯も同じ形をしていると思うんですが、短球類は部位によって歯の形が違うんですよ。
犬歯だったら尖がってて、オクバは物をすりつぶせるよう平らになっているみたいな感じですね。
これって哺乳類の特徴でもあって、短球類が哺乳類を生み出した系統であるということの証明でもあるんですね。
短球類はいろんなグループに分かれているんですけども、今回はそれぞれのグループからそれぞれ何種か注目すべき生物をピックアップしてご紹介していければと考えています。
06:06
まずざっくりした分類からいくと、短球類は大きく分けて蛮竜類と獣球類に分かれていまして、
蛮竜類の蛮は将棋版の蛮にドラゴンの竜、獣球類は獣の獣に弓の弓ですね。
原始的な蛮竜類の一部の系統から進化したグループが獣球類です。
この獣球類に含まれるキノドン類というのがいまして、これが我々哺乳類につながる系統だと言われています。
原始的な短球類である蛮竜類は古生代石炭紀後期からペルム紀前期に繁栄したグループでペルム紀中期まで存続しました。
蛮竜類は北米から多くの化石が発掘されていることもあって、全体としてマイナーな短球類の中では比較的知られている種類を含むグループなんですね。
特にペルム紀前期の北米は蛮竜木のパラダイスで、その時代の地層から発掘される有葉膜類、つまり短球類や爬虫類など、
子息陸上動物の約70%が蛮竜類なこともあるそうです。ペルム紀前期の北米で蛮竜類は大繁栄してたんですね。
右を見ても左を見ても、蛮竜類がいるなぁという感じですね。 そんな蛮竜類から見どころを紹介したいと思います。
まずはトップバッター。 北米を代表する蛮竜類、セビレワロマン、ディメトロドン。
ディメトロドン。大昔の動物とか、子供向けの古生物図鑑の常連として、
ご存知の方も多いんじゃないかと思うんですけども、こいつも短球類、別名、哺乳類型爬虫類なんですね。
僕が子供の頃に読んでいた古生物の図鑑にもこのディメトロドンはいましたね。 その時は、恐竜だぁと、
背びれのある恐竜だと思ってたんじゃないかと思うんですけども、 恐竜じゃないんですね。恐竜で言うと、
背びれのあるスピノサウルスという魚食性の恐竜がいるんですけども、 ちょっとディメトロドンと混同されがちかもしれません。
このディメトロドン、見た目はかなりいかつくて、肉食性で背びれが生えてて、 もういかにも人類から遠遠い化け物的な存在のように見えるんですが、
09:00
やはり短球類ということで、部位によって歯の形が違う異種性をこの段階ですでに持ってるんですね。
そしてやっぱり背びれですよね。 何なんでしょうね。背びれがあると、「おっ!」って思う。この感じって。
大人気の特撮怪獣であるゴジラも、 もし背びれがなかったら、あそこまでの人気は出なかったんじゃないかと思うんですよね。
背びれのないつるんとした背中のゴジラを想像すると、やっぱちょっと違うなぁと思っちゃうんですよね。
そんなことを思わせる肉食の蛮流類、ディメトロドンでした。 続いていきます。またしても背びれ。植物食の蛮流類、エダフォサウルス。
はい、ということでこちらも背びれが生えている蛮流類なんですけども、 多いんですよね。背びれが生えている蛮流類。
蛮流類は45族が確認されているんですが、 そのうちの7族で背びれを持った生物が確認されています。
流行ってたんでしょうね。この背びれは多数の血管が通う構造になっていて、 体温調節に利用されていたのではないかと考えられています。
朝は太陽を背びれに浴びて体温を上げて、 暑くなってきたら放熱に使っていたのではないかと考えられてるんですね。
で、そんな背びれのある植物食動物のエダフォサウルス。 これもいろんな古生物図鑑に載っている常連だと思います。
エダフォサウルスは現在の北アメリカやユーラシアに生息していた植物食の蛮流類で、 最も古い植物食動物の一つでもあるんですね。
はだけではなくて甲外に突起を持ち、下顎を前後にスライドさせられる構造になっていました。 植物をしっかりすりつぶすことができたんですね。
すごいのが、さっきの肉食蛮流類のディメトロドンと植物食蛮流類のエダフォサウルス。 これどちらも近い時期に北米大陸に生息してたんですよね。
生息年代も住んでる場所も被ってたんですよ。 つまりお腹を空かせたディメトロドンがエダフォサウルスを襲うということもあったと考えられるわけで、
絵的に言うと、狩る方も狩られる方も両方背びれを生やしているっていうことになるわけなんですね。
完全にキャラが被ってるんですよね。 そうするといろいろ想像しちゃうんですけども、
ディメトロドン目線で考えたとき、背びれがない他の動物を襲う時と、 背びれが生えているエダフォサウルスを襲う時とで、気持ちって変わるんですかね。
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あれ?こいつ背びれ生やしてるけど仲間じゃないし。 まあいっか、みたいな感じで。ちょっといぶかしみつつも結局は襲いかかるんですかね。
それともあんまりそういうことは考えないのか。 ちょっとよくわかりませんけど、おそらく石炭器からペルム器の北米大陸ではそういう
狩る方と狩られる方の両方が背びれを生やしているという状況が発生してたんじゃないかと思います。
それでは万竜類からもう一種。 コガウウームの先駆者、コティロリンクス。
コティロリンクス、皆さんご存知でしょうか。 個人的に名前がすごく覚えにくくて、なかなか記憶に定着しないんですが、
ビジュアルはなかなかすごい動物なんですよ。 このコティロリンクス最大の特徴は頭部の小ささですね。
体長は3.6メートルもあるのに、頭部のサイズが大人の握り拳より一回り大きい程度しかないんですよ。
コガオですよね。コガオといえば90年代にアムロナミエがコガオブームを巻き起こしたわけですが、それに先駆けることを2億7千万年ということですね。
そんなコティロリンクスなんですけど、やはりその頭部の小ささが四足動物として見たとき、原生の生物とあまりにもかけ離れたバランス感なんですよね。
ぶっちゃけめちゃくちゃバランスが悪く感じるんですよ。 このコティロリンクス、いろんな方のイマジネーションを刺激する存在のようで、
無料素材で有名なイラスト屋さんをはじめ、いろんな方がイラスト化していて、どれもとっても楽しい絵になっています。
google の画像検索でコティロリンクスで調べてもらうと面白いので、ぜひやってみてくださいね。
ということで、バンリュウ類からはディメトロドン、エダフォサウルス、コティロリンクスをご紹介させていただきました。
バンリュウ類にスフェナコドン類というグループがあるんですが、次にご紹介する19類はこのスフェナコドンから進化したグループになります。
19類はバンリュウ類に比べて見た目や生態の多様性に富んだグループで、とても面白い存在なんですけども、かなりマイナーな存在なんですね。
その理由としては、19類の化石がアメリカではほとんど出なかったからと言われてます。
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19類の状況と真逆なのが恐竜で、北アメリカではトリキュラートプスやティラノサウルスなど、いろんな恐竜の発掘ブームが起きて、マスコミにも取り上げられて、エンターテイメントにも発展し、という状況があって、今でもその流れは続いているんですよね。
それに対してアメリカでほとんど化石が出ない19類は、一般的な知名度がゼロに等しいまま、今日に至る、という状況があるわけですね。
そんな19類に少しでも光を当てたくて、今回の配信もやっているわけなんですけども。
19類はディノーケファルス類、ゴルゴノプス類、キノドン類など、多様なグループに分かれています。
その中でもキノドン類は、我々人類を含む哺乳類という原生の大グループにつながる系統で、古生物学上とても重要なポジションを占めてるんですね。
それではそんな多様な19類に含まれるグループから、いろいろと興味深い生き物をご紹介したいと思います。
まずはディノケファルス類。ディノケファルスとは恐ろしい頭という意味で、その名の通り頭部を巨大な角や突起で飾り立てた、一度見たら忘れられないインパクトのある生き物が多数含まれているグループです。
全体的にどっしりした体型の種類が多くて、大型種で3、4メートル、体重1トン以上と、まあ大石という感じの生き物ですね。
ディノケファルス類からは2種類の生き物をご紹介したいと思います。 とにかく顔のインパクトがすごいエステメノスクス。
このエステメノスクス、本当に顔のインパクトがすごくて、一度見たら忘れようがない顔をしてるんですよね。
顔からは複雑な形をした角や突起が無数に生えていて、ちょっと言葉だけでは説明しきれないので、ぜひエステメノスクスで検索してもらえればと思うんですけども、
このエステメノスクス、最初の化石はロシアのウラル山脈、セイロクから発見されました。
このド派手な顔の装飾は異性へのアピールとして進化したのではないかとも考えられています。 こう見えて植物食動物だったと考えられているんですが、
肉も手に入るときには食べていたのではないかとも言われています。 このエステメノスクスの化石にはわずかに皮膚が残っているものがあって、
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研究者が顕微鏡で観察したところ、汗をかく肝腺らしきものが認められたそうで、 このエステメノスクスは哺乳類の直接の祖先動物ではないんですが、
やはり哺乳類を生み出したグループの一員だなぁという感じを受けます。 続いてのディノケファルス類はこちら。
46億年物語にも登場、モスコプス ということなんですけども、このモスコプスをご紹介するのはだいぶ史上を挟んでいまして、
46億年物語というのは、1992年にスーパーファミコンで発売したアクションゲームなんですけども、
主人公は魚類から始まって、両生類、爬虫類、哺乳類というように何十億年もの進化の道筋をたどりながら、
物語の革新に近づいていくという壮大な作品なんですね。 各時代で体のパーツごとに好きな形に進化をさせられるようになっていて、
例えば魚類の時代だったら背びれをサメに変えて早く移動できるようになったり、 顎を進化させることで攻撃力を上げたりできるんですよ。
その46億年物語の爬虫類の時代に出てきたのがモスコプスなんですね。 このモスコプスは南アフリカとヨーロッパ東部に生息していたディノケファルス類で、
南アフリカのカルーという乾燥した地域から大量の化石が出ていることで知られています。 同じディノケファルス類のエステメノスクスのような
頭部の角や突起はないんですが、頭頂部が分厚くてゴツくてなかなか印象的な見た目をしています。 そんなモスコプスでした。
ディノケファルス類に続いてはこちら。最も繁栄した植物食19類 リキノドン類
リキノドン類は最も繁栄した植物食19類と言われているグループで、実に83もの族を含む巨大な分類群になっています。
外見の特徴としては、進化したリキノドン類は上顎の2本の剣歯以外の歯が耐火しているということが挙げられます。
リキノドンは発達したくちばしで植物を噛み切って、前後にスライドさせられる顎を使って喉の奥に植物を送り込むことに特化した植物食動物だったと考えられています。
この歯が2本の剣歯しかないというのが外見上の面白さにもつながっているんですよね。 このリキノドンを日本にも分布してまして
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2010年には山口県峰市の地層から国内初のリキノドン類が発見されました。リキノドンはサイズも小型から大型まで幅広くて、ロシアではエレファントサウルスという8メートルもあるリキノドン類が発見されているのと、
ポーランドにはさらに大きい9メートルにも達するリソウィキキアというリキノドンが発見されています。 このリキノドン穴を掘って巣を作る種類もいまして、そんなリキノドンの巣から一度にたくさんの
羊体のリキノドンの骨が出土したことがあるんですね。 これはリキノドンが集団生活をしていたことの証拠であり、かつ子育てをしていた証拠にもなるのではと考えられています。
このリキノドンあくまで仮説ではあるんですが、現在のカモノハシのようにお腹にある乳腺から染み出したミルクを子供に与えて育児していたのでは?という説も唱えられてるんですね。
リキノドンは巣穴の中で身動き取りやすいように結構関節が柔軟な構造になっていて、身をよじってお腹を上にして赤ちゃんにミルクをあげやすいような骨格をしてるんですね。
ごく原始的な哺乳類であるカモノハシやハリモグラが乳腺で授乳をすることを考えると、リキノドンやその他の短球類にそういう生態を持つ動物がいたとしても不思議ではないかなと思いますね。
そんな大繁栄を誇ったリキノドン類なんですが、ペルム紀末に全世界を襲った大絶滅の影響からは逃れることができませんでした。
ペルム紀末の大絶滅は海生生物のうち最大96%、すべての生物種で見ても90%から95%が絶滅したと言われており、この時に海で大繁栄を誇った有名なサンヨウチュウも絶滅しています。
しかしペルム紀と三上紀の境界ではわずかに二族だけですが、リキノドン類は生き延びていたんですね。
そして三上紀の世界で世界中にその生息域を広げることになる三上紀リキノドンの代表種がこちら。
世界を股にかけるリキノドン、リストロサウルス。
このリストロサウルス、体長は約90センチから120センチとイノシシほどの大きさの生き物で、目は頭骨の上部についていて、ちょっとカエルっぽい顔立ちをしたリキノドン類です。
リストロサウルスはロシア、中国、インド、ラオス、南極など非常に広範囲に生息していました。
24:07
これはこの時期まだ分裂していなかったパンゲア大陸の存在の裏付けとされているそうで、地質学的にも重要な生き物なんですね。
続いてリキノドン類からもう一種、北米産リキノドン、プラケリアス。
プラケリアスは北米から見つかった唯一のリキノドンで、リキノドンの特徴は上顎の2本の犬歯だと先ほどお話ししたんですけども、
このプラケリアスは他のリキノドンであれば2本の犬歯が生えているところ、その牙の部分を覆い隠すように頭骨自体が伸びて、元々あった犬歯は逆に退化して小さくなっちゃってるんですね。
頭骨を牙のように伸ばすというこの進化に一体どういう意味があったのかは謎とされています。
このプラケリアスもとても見た目が面白くて好きな生き物ですね。
そんな見た目が面白い動物が多数在籍する分類群であるリキノドン類なんですけども、ペルム紀末の大絶滅は乗り切ったんですが、
2億2300万年前に地球を襲った中規模の絶滅によってついに絶滅してしまいます。
大繁栄したリキノドン類は子孫を残さずに絶滅してしまったんですが、その他の短球類の物語はまだ続きます。
次は哺乳類につながるリキノドン類を含むグループである10種類をご紹介したいと思います。
10種類は大きく分けてゴルゴノプス類、テロケファルス類、リキノドン類を含みます。
それではまたそれぞれのグループから見どころをピックアップしていきます。
最強の肉食獣球類ゴルゴノプス
ゴルゴノプス類は10種類の中でも原始的な特徴を残しているグループと言われていて、非常に強力な肉食動物でした。
学名も古代ヨーロッパの伝承に登場する化け物であるゴルゴンから来ています。
ゴルゴノプスは長い剣首と90度も開く顎で待ち伏せた獲物に強力な一撃を加えて狩りをしていました。
このゴルゴノプスの頭骨を見てみると口元に多数の穴が開いてるんですけども、これは童毛、つまり原生の猫科や犬科の肉食動物に生えているようなヒゲが生えていたと考えられています。
27:00
ぐっと哺乳類に近づいた感じがしますよね。
ゴルゴノプスはヒゲ以外の大毛を生やしていた可能性も考えられているんですね。
次はテロケファルス類についてお話ししたいと思います。
このテロケファルス類、非常に多様な生き物を含むグループで、直接哺乳類につながる系統ではないんですが、注目すべき生き物を多数含んでいます。
哺乳類との境界に肉吐く植物食動物バウリア。
このバウリアという生き物は、基本的に肉食動物がほとんどだった獣種類の中では非常に珍しい、完全な植物食動物だったと考えられています。
このバウリアの大きな特徴として、二次甲外といって骨で尾空と甲空が完全に仕切られた構造を完成させてたんですね。
これは原生の哺乳類と同じ構造で、バウリアは非常に哺乳類的な動物だったわけなんですね。
原始的なキノドン類よりも極めて哺乳類的な動物だったんですね。
しかしそこまで進化していたにもかかわらず、バウリアを含むテロケファルス類は子孫を残さずに絶滅してしまいました。
生存競争の激しさを感じさせますね。
続いてはこちら、有毒の獣球類、ユーシャンベルジア。
ユーシャンベルジアは南アフリカから発見されたテロケファルス類で、
頭骨のサイズは約10センチと、そこまで大きい動物ではないんですけども、非常に珍しい特徴がありました。
ユーシャンベルジアの犬糸にはいくつもの溝が走り、犬糸の付け根には毒栓と接続できる穴が開いてたんですね。
そして頭骨に毒栓をしまい込める空洞もあると。
つまりユーシャンベルジアは非常に珍しい毒を持った獣球類だったんですね。
哺乳類に連なる系統である単球類から原生の哺乳類まで全ての動物を見渡してみても、はっきりと毒を持っていると確認された動物ってすごく少ないんですね。
強い毒を持つ動物に限って言えば、ほぼこのユーシャンベルジアと原生のカモノハシくらいなんですね。
あーとハリモグラもそんなに強くないけど毒を持ってるみたいですね。
仏学のハリモグラ界でその話を聞いて、あー単球類ってみんな有毒なんだと思いましたね。
ユーシャンベルジアに関して言うと牙に毒があるというのは、現在の毒蛇を思わせる生態なので非常に興味深い生き物ですよね。
30:09
それではいよいよ大鳥になります。
哺乳類への道 キノドン類
このキノドン類すでに何度かお話ししたんですが、哺乳類に直接つながる単球類のグループです。
この段階までくるとかなり哺乳類に近いですね。
哺乳類との区別が難しくなるほど、哺乳類に近づいていたグループだと言えます。
哺乳類との外見上の大きな違いとしては、
耳階、つまり耳たぶなど耳の突出部がないことですね。
つるんとしてるんですね。耳の穴が開いてて。
トリナクソドンというキノドン類の化石は体を丸めた状態で見つかっていて、
高温性や体毛を備えていたのではないかと言われています。
さっきお話ししたディキノドン類を滅ぼした2億2300万年前の絶滅で、
キノドン類もほぼ全滅したんですが、
実はその少し前の2億2500万年前頃には、
すでにキノドン類から派生した哺乳類が誕生していました。
探究類はすでに哺乳類にバトンを渡し終えていたんですね。
しかしキノドン類の最後の生き残りであるトリティロドン類というのがいまして、
このトリティロドンはその後も生き残ってたんですね。
見た目的には耳たぶのないネズミみたいな感じの生き物ですね。
そしてこのトリティロドン、白亜紀前期1億3000万年前くらいまで生き残ったんですね。
日本でも化石が見つかってまして、
石川県白山市の桑島化石壁という1億3000万年前の地層から、
トリティロドン類の新種の化石が発見されて、
モンチリクタス・クワジマエンシスという地名にちなんだ学名が付けられたそうです。
このだいたい1億3000万年前から1億2000万年前頃が、
最後の探究類、最後の哺乳類型爬虫類と呼ばれるグループが生息した時期ではないかと考えられています。
そして彼らのうちのわずかな系統が哺乳類へとバトンを渡し去っていったということになります。
そんな探究類、別名、哺乳類型爬虫類なんですけども、いかがだったでしょうか。
我々のご先祖様にあたる分類群ですので、
33:01
いろんな方に探究類の魅力を知ってほしいなと思って今回の配信をさせていただきました。
今回資料として参考にさせていただいたのが金子隆一さんというサイエンスライターさんが、
1998年に出版された「哺乳類型爬虫類 人の知られざる祖先」という本でした。
古い本なんですが、探究類や哺乳類型爬虫類の本って本当になくて、
探究類を単独で体系立てて紹介している日本語の本って、いまだにこれが最新の本なんですよね。
恐竜の本は毎年のように何十冊も出てるんじゃないかと思うんですけども、
今回のお話をさせていただいて、より深く我々のご先祖様である探究類について知りたいという気持ちが芽生えた方は、
金子隆一さんの書かれた「哺乳類型爬虫類 人の知られざる祖先」Amazonリンクを概要欄に貼っておきますのでチェックしてみてくださいね。
今回は人の知られざる祖先、探究類、別名哺乳類型爬虫類についてご紹介させていただきました。
ご視聴ありがとうございました。
34:30

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