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2021-07-22 20:09

周期表の変遷と「ほんとにこの形でいいの?」【ドミトリ メンデレーエフ】 #23

第5回 レンの"すごい"科学者紹介

周期表を作成したメンデレーエフさんの生涯、惜しかったノーベル賞、意外な日本との関係、周期表の変遷について語りました。


本日の主役

ドミトリ・メンデレーエフ


周期表

アンリ・モアッサン

メンデレビウム

ニホニウム

周期表の歴史を振り返る

周期表の形はこれでいいのか? –上下逆転した周期表が提案される–

Turning the periodic table upside down


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こんにちは、サイエントークのレンです。
今回は、週1回、科学のひとり語りということで、
今日紹介する人は、ドミトリ・メンデレーフさんです。
メンデレーフといえば、これは理科の授業で聞いたことがある人がほとんどではないかなと思うんですけど、
周期表を発見した人ということで、非常に有名です。
科学といえば、周期表、ザ・科学っていう感じですけど、
メンデレーフさんの歴史をちょっとひも解いてみて、
いろんな面白い逸話だったりの話をまたしていければなと思います。
メンデレーフさん、本名がドミトリ・イバーノビチ・メンデレーフ。
この方はロシアの方で、1834年から1907年までご存命だった科学者になっています。
はじめに、メンデレーフさんの生涯の話と、
その中でどんなことを発見したのかとか、どういう人だったのかっていう話をしていきたいと思います。
メンデレーフさんは西シペリアの方で、14人の子供の末っ子として生まれてまして、
14人ってめちゃめちゃ多いですよね。
メンデレーフさんが子供の頃に、勉強がものすごい嫌いだったみたいで、
友達と一緒にラテン語の教科書を焼いてしまったみたいな逸話もあるんですけど、
そんな人でもすごい発見ができるんだよって、ちょっと勇気づけられるような話ですよね。
当時のロシアっていうのが、いろいろ革命だったりの時代で、
かなり戦争なども経験しているみたいですね。
戦争に巻き込まれて抗議がなくなったりみたいなエピソードもあるんですが、
一番最初は機体の密度について研究を行っていました。
そこから最終的に化学の方で教授になって、本格的に自らの研究をやっていってるんですけども、
当時いろんな原子、元素っていうのが次々に見つかっていた時代で、
水素、酸素、窒素とかいろいろありますよね。
そういうのがポンポンポンポン見つかってきていたけど、
それらの関係性とかについては全然わかっていないことだらけだったのが当時の状況で、
03:00
そんな中、1872年にメンデレーフさんがこの元素について面白い性質があるぞっていうのを発表しています。
これは今の科学だと当たり前のようなことで、
例えば元素を原子量の順番に並べると、その性質ごとの周期性を表す、
周期的に同じような性質が現れてくるっていうことだったり、
広範囲に存在している元素の原子量は小さいっていうこと。
周期表の上の方の原子っていうのは身近にありふれてるような元素が多いですよね。
そういうこともこの頃から推定していたと。
何がすごいかっていうと、
元素を並べていったときに、どんどんどんどん原子量が大きくなっていった、
この先にはこういう性質の元素があるんじゃないかっていう、
ある種の予言みたいなことをすごい残していて、
例えば、原子量が65から75の間で、
アルミニウムに似ている、または軽素に似ているような元素が存在しているであろうっていうので、
これは後々ガリウムとかゲルマニウムが発見されて、
本当にメンディレフが言ってたことは正しかったぞっていうなるようなエピソードになってるんですが、
この考え方を発表した最初っていうのは、すごい疑いの目で見られることも多かったみたいで、
実際その当時の元素同士の関係性っていうのをいろんな紐付け方を検討している人っていうのは研究者でたくさんいたみたいなんですが、
実際にはメンディレフが周期表っていうのを、現在の周期表の元になるような表を作って、
そこの空欄のところに、要はまだ見つかっていない元素っていうのを予言してるわけなんですけど、
その後に次々にガリウム、スカンジウム、ゲルマニウムっていうのが、
数年に1個ずつ次々と新しい元素として発見されていって、
これはメンディレフが言ってることはどうやら正しいぞと。
これなかなかすごい、実際にそういう状況になったらもう信じるしかないんだろうなっていう感じだと思うんですけど、
当時やっぱりそういう考え方っていうのはものすごく新しすぎたっていうこともあったと思うんですけど、
実際にその事実が後から出てきて裏付けられていくっていうのはすごいかっこいいですよね。
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メンディレフさんはその後に海軍とかの依頼で無煙火薬っていう煙が出ない火薬の研究とかもいろいろやってたみたいなんですけど、
1906年にノーベル科学賞にノミネートまで行ったんですけど、
たった1票の差でアンリ・モアッサンっていう人に敗れてノーベル賞を受賞することができなかったっていう人なんですよね。
このアンリ・モアッサンっていう人も結構すごい人で、
炭化カルシウムっていうのを初めて生成して工業的に使う方法だったりっていうのを作った人で、
この人もすごい産業的にインパクトが大きい発見をしていたので、
このアンリ・モアッサンっていう方がノーベル賞を受賞したんですけど、
残念ながらメンディレフさんは受賞できずに、その翌年にお亡くなりになってしまったっていうところですね。
その後もメンディレフさんの予言をもとに、死後も新しい元素っていうのがいろいろ見つかっていて、
このお亡くなりになった50年後ぐらいに101番目の元素っていうのは、
当時発見されたときはウンニルウニウムっていう名前がついてた元素なんですけど、
それは彼の名にちなんでメンディレビウムっていう新しい元素として名前がつけられたっていう形で、
自らの名前も元素の名前として今も残っているっていう人になります。
このメンディレフさんもいろいろ逸話があって、若干ケクレさんの話と似ているようなところもあるんですけど、
元素の原子量と科学的特性について結びつけたっていうのが周期表のすごいところなんですけど、
これについてメンディレフさんが考えていたときに眠りに落ちてしまって、
居眠りの最中に夢の中で全ての元素が原子量の順に並んだ表を見たっていうことを言っていて、
目を覚ましたメンディレフさんはすぐにその表を紙に書いて、
この表から元素を原子量の順に並べると、この科学的特性が周期的に繰り返されるっていう発想を思いついたっていう。
これまんまケクレさんが弁然感を思い浮かんだのは、これ夢で見たぞっていうのと何か似てるなと思って。
何でしょうね。
意外と睡眠とこういうすごい発見っていうのが結びつきを感じますよね。
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それだけ夢に出てくるくらい考え込んでたっていうことなんだと思いますけど、
それ結構面白いですよね。
メンディレフさんは意外と日本とも結びつきがある方でして、
メンディレフさんの息子のブラジーミルっていう海軍の少佐の方がいるみたいなんですが、
この人が長崎に何回か寄っていて、
その時に日本人の秀島タカっていう人との間に娘さんを設けたらしいんですよね。
その後に残っている情報としては、このメンディレフさんは秀島さんに養育費を送っていたっていう。
要はメンディレフさんから見ると孫にあたるわけですけど、
その孫のために日本人の方に養育費を送っていたみたいです。
これは本人というか息子さんのつながりですけど。
あとはメンディレフさんは科学にすごい忠実な方で、
友達の人が心霊現象の実験をやっていた人がいたみたいで、
当時っていうのは科学と心霊とか超科学的なものって今では言われるようなものっていうものの境目って結構
曖昧だったところもあって。
メンディレフさんはロシアの物理学会で心霊現象救命委員会っていうのを設置しようっていう。
そこの設置を要求して、実際に心霊術はカラクリだからこれを暴くっていう仕事もしてたみたいです。
純粋に科学的に信じられるものではないっていうのを多分思ってたんだと思いますけど。
心霊現象については、科学じゃないですからね。
っていうところは、きっちり周期表を作った人らしいなっていうエピソードですよね。
昔の周期表っていうのを実際見てみると、表っていうよりもただ文字と数字をバーって羅列してるだけみたいな感じなんですけど、
横から見た周期表みたいなイメージですね。
なので、いわゆる原子量が下に行くにつれて縦に最初並んでいて、下に行くと増加していって、
次の周期になるとまた右の列に移ってまたダーッと上から書いてるっていう横向きの周期表っていうのが一番最初に提案された周期表です。
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で、周期表についてはこの一番最初のプロトタイプのものから、当時っていうのは気ガスっていうものが見つかっていなかったので、
完全に今の周期表に一致してるような表には最初はなってなかったんですけど、そこから時代とともに色々と改良されていって、
メンデリアフさん自身も周期表のバージョン2みたいなのを出していて、そこだと今の周期表みたいな横向きの周期表っていうのに既になっていると。
で、周期表自体も周期表だけでもいろんな種類があって、
例えばこのベイリーの横向きピラミッド型周期表っていうものがあるんですけど、
これは左からスタートしてどんどんピラミッド、横向きのピラミッド状に同じ周期の元素が並べられているっていう表になっているんですけど、
いわゆるここで天系元素とか繊維金属元素のブロックっていうのが分かれてるんですけど、
そのブロックを分けたりっていうのがかなり今の周期表に近いような元素の性質だけじゃなくて、原子構造も反映させるようなデザインにどんどん変わっていっているというところですね。
この周期表なんですけど、メンデレーフがいろいろ予言していた空欄っていうのを埋めていくっていうのを長年科学者たちが頑張って積み上げてきていて、
2016年、めちゃめちゃ最近なので5年前なんですけど、ニホニウムっていう元素が発見されたっていうニュースを覚えている方もいるんじゃないかなって思うんですけど、
この2016年になって見つかったニホニウム、あとはオガネソンっていう118番目の元素までが正式に命名されたっていうところで、
これが周期表でいうところの7段目、第7周期までの空欄を全部埋め尽くすことができたっていうのが2016年なんですよね。
なので、ちょうどメンデレーフが周期表を作ってから150年経ってやっと周期表が完成したっていうことになってます。
150年かけてやっとこの表を埋めることができたっていうのはなかなかすごい歴史だなって思うんですけど、
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あとは周期表に関する話でいうと、その後に2019年にNature Chemistryに出ている論文で、この周期表を再定義するっていう論文がありまして、
これはどういうことかっていうと、本当に今私たちが使っている周期表はこの形でいいのかっていうのに疑問を呈した人がいたんですよね。
やっていることはシンプルで、これただただ周期表を上下逆さまにしているっていうもので、
なんでこの上下逆の周期表を提案しているかっていうと、この周期表を数学的なグラフとして対応させたいっていう主張をしています。
これはちょっとわかりにくいと思うんですけど、X軸Y軸みたいな二次元のグラフを描くときって、
普通は原点があってY軸が上に上に伸びていって、X軸が右側に伸びていってっていう形だと思うんですけど、
このY軸とX軸の方向に伸びれば伸びるほど原子番号が大きくなるように並べた方が普通じゃないかっていう。
要は一番原点に近いところが水槽で、そこから水平リーベー、僕の船ってあると思うんですけど、
この上にリチウムがあって、右隣にベリリウムがあってっていう風に上下逆にした周期表の方が、
このグラフとして表したときに綺麗に並ぶんじゃないかっていうところをまた定義したっていうのが一応論文になってました。
全然これメジャーになったとかそういうわけじゃないんですけど、
あとはこの原子数が多い元素を上に置くっていうことで、中に収容される電子がどんどん増えていくんですけど、
それが下からどんどん上に積み重なっていくようなイメージに寄り合ってるよねっていう。
若干無理あるんじゃないかなって思うんですけど、別に使えなくはないと思うんですよね。
ただちょっとあまりにも今の周期表に慣れすぎてて、違和感しかないっていう感じですね。
周期表がここから上下逆にしたやつをこれから使っていこうぜっていう風なルールになるかって言われると、
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あんまりいきなりならないんじゃないかなっていうのは思っていて、
こういう考え方もあるよっていう提案するのはすごい面白い試みだなって思うんですけど、
なかなかこの150年かけて培ってきたこの周期表のイメージっていうのは結構今の形の上から並べていってるっていう形が
慣れ親しんでいると思うんで、すぐには変わらないんじゃないかなって思ってます。
周期表一つ取ってもものすごい昔からやられてることでも案外最近でも進捗があったりする。
結構いい例ですよね。空欄がやっと埋まったとかいうのは、やっとメンデリエフさんの夢の中に出てきた表がやっと完成したみたいなイメージですかね。
はい、というわけで今日は周期表を提案したメンデリエフさんのお話でした。
では今日はこんなところでありがとうございました。
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よろしくお願いします。以上、サイエントークでした。
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