冷却の必要性と歴史
今回は、暑い夏を吹き飛ばしたいということで、冷却についてひたすら語っていきたいと思います。
この番組サイエンスポットは、最新の科学ニュースにスポットライトを当てるポッドキャストです。ホストはサイエントークのレンです。
ということで、今回はですね、この番組もちょっと慣れてきたので、あんまり今までやってなかったことをやろうかなと思いまして、
今週は全部冷却、冷蔵庫の話をします。
必ずしも全部最新科学技術ではないんですけど、この暑い夏にちょっとでも涼しい話ができればなということで、
前5回にわたって冷蔵庫の歴史、冷やすことの歴史ですね、から冷媒の変遷、それから最新の冷却技術の磁気冷却、音響冷却、固体冷却、そのあたりを扱っていきたいなというふうに思っております。
これちょっとLINEのオープンチャットの方で話題提供していただいたのが、磁気冷却っていうのがあって、磁石の冷却ですね。
これがちょっと面白いなと思っていろいろ調べてたんですけど、気づいたら、じゃあそもそも冷蔵庫ってどうしてこういうイノベーション必要なんだっけってなって、そもそもじゃあなんで人間って冷やしてるんだっけみたいな。
僕結構これ落ちりがちなんですけど、いつものように沼にはまっていきまして、気づいたら前5回のエピソードを作ってました。
はい、ということでちょっと僕も意味わかんないですけど、本当はサイエントークの方で話してもいいかなとは思ったんですけど、
ちょっとあっちよあっちで今詰まってるんで、いつかもしかしたら話すかもしれないですけど、ちょっと今回お試し的に冷蔵庫の話をいろいろしていきたいなと思っております。
まああの、これでもしかしたら冷蔵の話ブラッシュアップできるかもしれないですし、ぜひねこれ聞いていただければなと思います。ということで今回は冷蔵の歴史です。
これを語っていきたいなと思っています。で、まあこれ冷蔵することって結構大変ですよね。あの加熱するって火とか使ったらすぐ簡単にできるんですけど、
冷やすって結構人間苦労してきていて、ほんと100年前とかでも結構苦労してるなっていう感じかなと思います。
で、じゃあこれいつから冷やすっていうものを冷やすという発想になってたかというと、もう本当に昔で、で日本だと
氷室って氷に室内の室で氷室っていうやつがあるんですけど、これは山間部に掘られた穴とか、あとはわらぶき屋根の小屋に雪とか氷とかを貯めといて、で夏場まで保存するっていうそういう施設ですね。
そういうのが結構起源として言われてます。で、平安時代とかって偉い人に氷を献上するとか、そういう文化があったりとか、あとは江戸時代にも氷屋っていうのが登場して、夏に天然氷を楽しむ文化が広まっていると。
なので、自分から作ったわけじゃないですけど、天然のものを使って頑張って冷やそうとは昔からしてるなという感じですね。
で、一応自然の低温だけでいろいろ食べ物保管するとか、そういう保存するっていうのがまずメインになるわけですけど、それ冷やすのが難しいんで乾燥させたりとか、発酵させたりとか塩漬けにしたりとか、微生物が増えないように腐敗を防ぐっていう知恵ですよね。
まあそういうのが今まで培ってきたところかなと思います。
冷却技術と発明者たち
なので、実は冷蔵庫が普及する前っていうのは、やっぱり夏場って食中毒まみれで、乳幼児の死亡率が高い要因にもなってたっていう、それも冷蔵庫で防げてんじゃないっていう、そういう話もありますね。
で、じゃあ効率的にもっと冷やすためにはどうすればいいっていうのの基礎になっているのは、これ18世紀から19世紀に発展している熱力学ですね。
熱がどうやって移動してエネルギーがどうやって変換されるのかっていう原理を解明していくのが熱力学ですけど、この学問の中で熱を奪うことで温度を下げるっていう冷却の可能性がちょっと見えてきたよっていう。
で、そこで出てくるのがアメリカの発明家のオリバー・エヴァンスさんという方なんですけど、この方は1805年にエーテルっていう、まあこれは化学物質ですね、を蒸発させる、まあこれ液体なんですけど、蒸発させることでそこが冷えるっていう。
これ蒸気圧縮式冷凍サイクルっていう、これ結構画期的な概念を提供しています。
で、これは現在の冷蔵庫の基本原理とほぼほぼ同じような感じで、物質が気化していくときに熱を奪って機体になっていくっていうやつですね。
で、ただ問題は実用化することがやっぱり難しいと、一般に普及することはなかったんですけど、とりあえずアイデアがあるという状態です。
で、そこから次イギリスの技術者のジェイコブ・バーキンスっていう人が出てきて、この人1834年、だから30年後ぐらいですね。
同じようにエーテルを使って物を冷やすっていう特許を取得しています。
で、これが世界初の人工製氷器って呼ばれていて、だから水入れとくと氷ができるぐらいには冷やすことができるように、本当に冷蔵庫の初期型みたいなやつができました。
ただ、これエーテルでやってるんですけど、そのエーテルが漏れたりとか、あとは効率がむちゃくちゃ悪いっていういろんな課題はあって、そこから改良が必要だろうというふうになっていきます。
で、その後もアメリカのお医者さんがちょっと空気の圧縮を利用した冷凍機を作ってみたりとかいろいろしてるんですけど、結構産業レベルまで引き上げたのはドイツのカール・フォン・リンデさんですね。
この人は1876年にアンモニア蒸気圧縮式冷凍庫っていうのを開発しました。
アンモニアっていうのは、くすげ臭いのでおなじみアンモニアなんですけど、このアンモニアってこの時はむちゃくちゃ安く手に入る、工業的に手に入るっていう状況で、
あとはこのアンモニアが気化していくときにものすごい熱を奪っていくっていうので冷却効率がすごい高かったと。
なので、このアンモニアを使った冷凍庫っていうのがまずは食品の工場ですとか、あとビールの造所とかそういったところにはすぐ広まっていったというふうには言われてますね。
で、そこから実際遠隔地への食料輸送とか冷凍庫ってすごい大事だよねっていうのは認識されていって、冷蔵庫も一緒ですね。
で、その後にここで実は意外なんですけどアインシュタインが出てきます。
で、アインシュタインとあとはレオシラードっていう人がこれアインシュタインシラード冷蔵庫っていうものの特許を取得します。
で、これはガスと液体を循環させることで冷却を行うよっていう冷蔵庫のタイプで、これ電気を使わないでも冷却できるっていうものなんですよね。
で、ちょっとこの辺の仕組みとか冷媒とかはちょっと次回まとめて話そうかなと思うんですけど、そういったアインシュタインが作った冷蔵庫はどこでも使えるということと、あとは故障しにくいという利点があったんですけど、
結局当時の電気使ったやつに比べると冷却効率が悪いですよねとかでかすぎるとかそういった問題があって、
このすぐ後に今度フロンガスを使った電気冷蔵庫が出てきます。
で、そっちの方が圧倒的にもう優位に立っちゃったので、アインシュタインシラード冷蔵庫っていうのはあまり普及しなかったんですけど、
実際に今のフロンガスが結構今の冷蔵庫に近い形なので、そこに至るまでに結構いろんなパターンの冷蔵庫が作られてたんだなっていうのが今回言っただけでもわかるかなというふうに思います。
冷蔵庫の社会への影響
なので人工冷却技術っていうもの自体はかなり科学者たちが頑張って作ってきたっていう試行錯誤の結晶みたいな感じですよね。
で、それで食べ物の保存とかできるようになって生活は一変したということで、非常にこの冷蔵庫、冷凍庫っていうものは人間の社会の科学の発展と一緒に進化してきてるなっていうのが言えるかなと思います。
ちょっと今回言いたかったのはこれぐらいの冷蔵庫のまず歴史っていうお話をちょっとしてみたんですけど、
ちょっと次回はじゃあこの冷やすシステムがどう進化してきたのかっていうもうちょっと中身の方に触れていきたいなというふうに思っています。
はい、でちょっとこのポッドキャスト本来ニューストピックポンポンで単発でやっていこうと思ったんですけど、シリーズものしたらどうなるかなっていう単純な僕の興味もあるので、今回冷蔵庫を第一回ということで話してみました。
まあ徐々に深掘りできたらいいかなというふうには思っています。
はい、ということで今回も聞いていただいてありがとうございました。この番組は平日毎日朝に日本語と英語で配信をしております。
まあこれちょっと今回だけだとまだふわっとしているかなと思いますけども、このシリーズものとかぜひ聞いていただいて感想とかもいただけると嬉しいなと思っています。ではまた。