音響冷却の基礎
今回は、音響を使って冷却するという技術について話してみたいと思います。
サイエンスポットは最新の科学技術にスポットライトを当てるポッドキャストです。
ホストはサイエントークのレンです。ということで、ちょっと前回まで一気に話してたんですけど、喉が限界をきて今日は別日になっております。
ちょっとね、旅行に行く用事がありまして、それ最後に話そうかな。ちょっとまとめて撮っております。
今日紹介するのは、これまで3回、今週は冷蔵庫の話をずっとしていて、冷蔵庫の歴史と冷媒の変遷と、あとは磁気冷却の話を機能しています。
今日は音響冷却という話です。音響っていうのはもう本当にスピーカーとかの音響ですね。
これはあんまり知ってる人どれくらいいるのかわからないですけど、僕はあんまり知らなくて。
音で冷やすってまず意味わからないなっていう感じだと思うんですよね。音波を利用して冷やすっていうことなんですけど、
最初にちょっとわかりやすい話でいくと、自転車のタイヤとかに空気を入れるために頑張って、
ポンプで入れるやつあるじゃないですか。空気入れですね。空気入れでタイヤに空気を入れていくと、あれって先端が熱くなってくるんですよね。
触ったことある人いるかわかんないですけどね。それなんでかっていうと、空気が圧縮することで熱が発生しているっていうことなんですよ。
逆にタイヤにパンパンに空気入っているやつから勢いよく空気抜くと冷たく感じるんですよね。
これは逆に空気が圧力高い状態から低い状態になって熱を吸収するっていうことが起きてるんですよね。
これを利用してやろうっていうのが音響冷却。これ同じような仕組みになっています。
仕組みとしては本当に音波で空気を圧縮させたり膨張させたりするっていうことです。
スピーカーみたいなものでまず音波を発生させますと、この音波によってある仕切られた空間の空気が高速で圧縮されたり膨張されたりっていうのが繰り返されるっていうことが起きるんですよね。
それを何とか熱に変換しなきゃいけないので、この音響冷却っていうものの仕組みの中には結構特殊な板とか繊維みたいなものが入っています。
繊維の方が想像しやすいかもしれないですけど、その音波みたいなのが繊維の中を通り抜けていくときに繊維って細かい小さい通路がいっぱい集まっているようなものだと見えると思うんですけど、
その中を通るときに、この圧力によって温かくなった空気がこの小さい繊維に熱を移しますと。
次にその空気が音波の力で冷たくなった部分に移動すると、今度はその繊維から熱を奪いますっていうのが高速で繰り返されると、
この繊維みたいなものを通り抜けるときにどんどんどんどん熱が運ばれていって、結果として一方の端っこが冷たくなってもう一方が暖かくなるっていう現象が起きるんですよね。
ちょっとこれ音だけだとイメージしにくいかもしれないですけど、要するに圧力高い部分は熱くなって低い部分は冷たくなってっていうのを、この冷たい部分をうまく冷蔵庫みたいなものに利用できないかっていうことですね。
これ音響って言ってるんでじゃあめっちゃうるさいのって思うかもしれないんですけど、これは冷却に使われる音波っていうのは人間には聞こえないレベルの超音波だったりします。
超音波っていうのは周波数がものすごい高い聞こえない音ですね。
技術の今後の展望
聞こえる周波数の音波を使ってもできるんですけど、これなんか通常の冷蔵庫の動作音よりもはるかに静かになるっていうふうに言われていて、
それぐらいこの圧力を生み出すぐらいの音波ってそんなにうるさいみたいなレベルじゃないらしいですね。
あとはノイズコントロールの技術とかもあって、本当に今の冷蔵庫で静かにできるっていうことがあるらしいです。
なので最初音響冷却って聞いたらうるさいのかなと思ったんですけど、そんなことはない。
この音響熱量効果って言われるものをうまく使っている技術ですね。
これ何がいいかっていうと、これ今前まで話した地球温暖化の原因になるようなフロンガスとかそういう冷媒をまず使わなくていいっていうことですね。
普通の空気でできるので、空気化もしくは不活性ガスって言われているようなあんまり反応しないようなガスを使ってできるので環境にも優しい技術ですよっていうこと。
実際まだ実用化されてないですけど、将来的には冷蔵庫とかエアコンとかそういうところでも使えるんじゃないって言われてはいますね。
だからさっき言った熱を交換する繊維みたいな、これ多工室とも言うんですけど、
多工の穴がいっぱい空いているような材料ですね。
そういったものをうまく使うと熱交換できるっていうのが多分今までは結構難しかったんですけど、
最近の材料の化学の発展とかそういうのもあって結構進んでるみたいですね。
一応日本で初めて生産ラインに実装しているような報告もあって、
工場の排熱で使われている例があると。
250℃の工場のこの熱がある部分で使うとマイナス30℃ぐらい冷やすことができるらしいですね。
だから今まで頑張ってガンガンに冷媒回して冷やしてたやつがそういうのいらなくて、
この温波を使って冷却するっていうのは一部ではもう使われてたりするみたいですね。
なのである意味一部ではもう実用化されているってことですね。
あとはメリットとしては寿命が長い、しかもメンテナンスがあんまりいらないっていうことがあるらしいですね。
1回作って動作し始めるとそんなにそんなに劣化してくることも今のところ少ないっていうふうには言われているので、
それこそ宇宙とかでも使えるんじゃないとか、あとはMRIの磁石の冷却に使えるんじゃないとか、
そういうところで使われるのが期待されているということみたいですね。
実用例と旅の話
さっき言った工場で冷やすってやつは中央製機株式会社と東海大学がやっているそうですね。
このチーム他にも船舶エンジンの配熱を利用した発電や冷房とか、
あとは太陽光発電とかそういうのをいろいろやっている共同研究みたいでその一環でやっているらしいですね。
結構面白いですね。ということで今回音響冷却についてちょっと紹介してみましたけど、
前回の磁気冷却もそうでしたけど、ちょっと冷蔵庫とか冷やすっていう概念がまたこういう技術によって変わっていくかもしれないということでちょっと紹介してみました。
ちょっと今日短かったんで最後にちょっとだけ雑談すると、旅行に行くって言ってたのはちょっとイギリスの田舎にドライブしに行こうと思ってまして、コーンウォールっていう地方ですね。
ロンドンって結構でっかい島の南側にあるんですけど、その西側ですね。
西の端っこの方にコーンウォールっていう結構いいリゾート地っぽいところがあると聞きまして、そこに車で行こうと。
ついでにストーンヘンジ見に行ったりとか、チェダーチーズの由来のチェダー渓谷とかも時間あったら行こうかなとかそういうのちょっと今計画してて、
それに行くので時間がなくなりそうなんでちょっとまとめて今収録したりしてます。
で、ちょっとねまだまだイギリス旅行行ききれてないんですけど、他の国にもまたちょっと行ったり、ギリシャとかプラハですね、チェコとかその辺の予定を頑張って立てて、ちょっと旅行の計画でなんか大変みたいなのはありますけど、
まあすごいやっぱせっかくこういう機会があるんで楽しみたいなとは思っております。
明日でちょっと冷蔵庫の話一番最後で、またちょっと別の最新の冷却技術についてちょっと紹介したいなと思ってますので、
明日で最後ですね。明日も聞いてもらえればなというふうに思います。
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