1. みんなでサウナ
  2. #2-2 ゲスト:こばやしあやな..
2024-01-12 28:51

#2-2 ゲスト:こばやしあやなさん/一度は絶滅しかけたフィンランド公衆サウナ。その復活劇とは?

ゲスト:こばやしあやなさん

フィンランド在住のサウナ文化研究家

著書『公衆サウナの国フィンランド』『クリエイティブサウナの国ニッポン』

*フィンランドからZOOMで繋いで頂いております

 


【今週のテーマ】

・フィンランドで公衆サウナが減った理由と復活を遂げた理由 ・スモークサウナとは? ・フィンランド人の原風景に訴えるサウナ



ドラマ「サ道」のプロデューサー五箇公貴さんを中心に、地元東京都北区で日本版公衆サウナ= 「コミュニティサウナ」を実現するためのプロジェクトが動き出します!


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みんなでサウナ。
今回の第2回目も引き続き、どうやってそもそもフィンランドにサウナというもの自体が、僕らも割と本を読んで公衆サウナってどういう風に作るんだろうみたいなところをお聞きしたいと思いましたけど、
歴史というのを知っていると知らないので全然違うし、その延長線上に長い歴史の延長の積み重ねにサウナがいろんな形としてあるということなんだろうなというのを一回目聞いて思ったので、
今回も前回の続きとして、どうしてもともと2011年あたりでは移住された2011年の頃には公衆サウナというのが全然なかった。けれどもそれがどうして増えていったのかみたいなことをお伺いできればと思うので、あやなさん引き続きよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
そうですね。前回のおさらいとして、サウナというのはもう何千年前からありました。でも公衆サウナっていうのは生まれたのはそもそもそんなに古くはなくて、いわゆる都市が新しい都市がヘルシンキとかタンペレとか労働者がたくさん移住してきた都市ができたときに、家にサウナが作れない問題を解決するために公衆サウナという新しい営業形態ができましたよと。
それが何で時を経て2011年の私が移住した段階で全くなかったというよりは目に見えてこなかったかというと、シンプルに数が減ってたんです。
結局ヘルシンキって一番多かったときって公衆サウナが120件ほどあったっていうふうに言われてるんですよ。日本だと公衆浴場組合っていうのが各県にあるので、もう少し微細なデータで各県ごとに何年には何件あったみたいなこともデータ残ってると思うんですけど、フィンランドの場合ってそういう統一した組合みたいなのが特にない。
もう自由営業で各々自由にやってたので、厳密に何件ぐらいあったかっていうのはちゃんとわかんないんですよね。だから私も自分の論文を公衆サウナについて書いたときって、それを調べるところから自分で独自で電話帳を見て、何件載ってるこの年はとか、この時のサウナ協会の開放しにはこんなことがあるとかで、なんとなく点とつないでデータを作ったんですけども、でもおそらく120件ぐらいあったときがせいぜいピークなんです。
人口少ない国ですからね。ところがですね、それが戦後どんどん数減っていくんですけど、まず減っていく理由っていうのはこれ日本と同じで、まず一つがさっき話に出ていた自家サウナができたからです。
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結局家にサウナができたらわざわざお金払って外にサウナ入っていく必要ないじゃんってなるわけですよね。
それからもう一つが意外な対抗馬が市民プールの存在だったんですよ。フィンランドの特にヘルシンキーとかは50年代以降からいわゆる市民のウェルネスのためにもう少し市民プールというのをたくさん作ってみんなの運動する場所を作りましょうっていうのが市の方針になったんですね。
で市民プールというものがポコポコ作られるようになったんですけど、やっぱり市民プールって必ずサウナがついてるんですよ、今でも。
それはシャワー浴びたりとか。
そうです、まさにそんな感じですよね。
日本もありますもんね、あるとこ。
ありますよね。ジムについてるサウナとかそういうイメージですよね。
そうなるとこれ今でもこれって問題にされるんですけど市民プールとか人々の健康促進の目的の施設っていうのはこれは補助が出るから安くできるんです。
税率とかも抑えれるんですけど公衆浴場とか単にサウナを目的とした施設っていうのはその対象にならないからどうしても値上げしないといけないっていう問題があるんですよ。
これはすごく今でも議論されてて公衆サウナっていうのもちゃんと人々の健康を守ってんだから安くしろやっていうのはずっとオーナーが今でも声を上げてる部分なんですけど、
ともあれ安くプールも入れてサウナ入れんだったらそっちでいいじゃんってなるんですよ。
まあなりますよね確かに。
ですよね。なので結局外でサウナ入るっていう人ですらもう公衆サウナじゃなくて市民プールに行くっていうそういう風潮もあったそうなんですね。
だからもうシンプルにどんどん廃業していく公衆サウナが増えてさらに追い打ちかけたのがオイルショックです。
なのでもう世界的なオイルショックでやっぱり公衆サウナっていうのはほとんどがガスとかそれから薪で焚くスタイルをとってたんですよ。
だから電気サウナっていうのはもちろん電気サウナがなかったからあの営業形態なんで結局やっぱりそういう燃料の口頭っていうのが起きたときにだいたい作れていくと。
そして後継ぎ不足、いわゆる経営者の高齢化ってもう上げていけば全部日本の銭湯に当てはまることがわかるんですよね。
本当ですよね。
まあ日本の銭湯はねまだそのセーフティーネットとしてまああの税率の減免みたいなこととか。
あと組合がね補助を出してくれたりとかありますから。
組合があったりしますけどね。
もうフィンランドのそういう意味ではあの経営者っていうのは完全に自由営業で見放されてた部分もあるのでやっぱり自分が無理となったらどんどん手放していくようになって。
それで数がもうわかりやすく70年代ぐらい以降から減って結局2000年を超えるタイミングでヘルシンキにどうやらもう3、4件しか残ってなかったんですよね。
えーすごい。
120件当時はあったのにね。
そう120が3まで減ったんですよ。
3まで減ってるんだ。
はい。でまあその一つがコティハルユっていう今でもあのヘルシンキ最古と呼ばれる1928年創業なんですけどここなんかは今でも営業しているし。
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でもう一つサウナアルラという名前のがあったんですけどこれこの私の方に出てくるアルラという公衆サウナこれ実はそのコロナの間に閉業したんですよね。
コロナというよりは戦争ですね。
結局あのロシアとの戦争でここのアルラっていうのはさっきの話でいくと電気ではなくて薪でもなくてガスを使って焚いてたんですよ。
でこのガスの値段の高騰っていうのがロシアの戦争の後に一番フィンランドに影響を与えたので電気はある程度地価でまかなえる国なんですけど
だからもうシンプルに値段がもう10倍近くに入浴料上げないと無理だわみたいになったし。
でもコロナの時期にも被ってたから人も来なくなったし。
それでやむなく閉業してしまったんですけれどもただねこれ先月12月に新しい指針が出て一応その国としてさっき話に出た一番古いヘルシンキで一番古いコティハリユのサウナと
そしてこのサウナアルラの2つは守っていきます。ちゃんとお金出して守れますということで。
一応アルラも営業はしてるけどサウナ施設としても形は残してあるのでちょっと今光が見えてるのでこの先多分今年1年の中でアルラがまた復活するんじゃないかなみたいな希望は今持っててますかね。
あと50年代にできたヘルマニっていうサウナもこの辺ぐらいしか今残ってないわけですよ。
今その老舗サウナと呼ばれるのはもうそれだけしかなくてそれはしかも残ってても行ってるのはやっぱりじいちゃんばーちゃんが中心だったわけですよ。
昔の名残で惰性で行ってる方々とかもそこにコミュニティを持ってる人しか行かないからやっぱりもう若者はなんか古臭いから行かないじゃなくてそもそもそんなのがあるって知らない人の方が圧倒的に多かったんです。
そうですよね。先頭にしてもやっぱりサウナブームみたいなところに引っ張られるような形でみんな先頭再評価とか。
あとやっぱりそのサウナをやってる事業者さんとかがココフロさんとかもそうですけどお家にある。
サウナをメインとしたメニューアルをして若い人がすぐ来てるとか何かしらの変化だったりをした上でちょっとずつお客さん戻ってきてるというか。
なんかそんな感じの印象に近いのかなってちょっと思ったんですけど。
そうですよね。だから結局もうここまで過去のものになってしまった文化がもう一回若者とか次の世代に着目されるにはまず一つはそこに行く理由付けを新たにしなきゃいけないわけですよ。
だってもう家にサウナあるから基本的にサウナ入るという目的だけで行けば家に入りゃいいしあるいは学校大学にもあるし。
それこそジムプールにもあるわけだから。そうではなくて公衆サウナというものに通う意味みたいなもの。
それがこんなにいいですよっていうのを結局プロモーションできる人だったりそういうことの魅力的な施設っていうのができないことにはもうこの文化は再生できないっていうところまで来てたわけですね。
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それが2011年の段階って多分もう一番、夜明け前というのが全くそういうのが聞こえてなかったから私もうこっちには銭湯もないしつまんねえなと思ってたんですけど。
サウナはあるからいいんだ。でもそれでもサウナがあるからやっていけるなとは思ってたんです。
シャワーだけの国だったら私もう嘆いて帰ってたと思うんですけど。
ところがその翌年の2012年、13年くらいこれが夜明けです。
天気が訪れるわけですね。
天気が訪れましたね。
一番ボトムのところから。
何があったんでしょうか。
結局ヘルシンキにまず新しい公衆サウナというか、公衆サウナと呼んでいるのは要はその入浴料を払って営業時間内に知らぬ人が集ってサウナに入るというそういう場所が進出されるようになってきたんですね。
それも全く新しい形で。本にも出てくるロールという施設もその先駆けですし、あるいは来るサウナという。
もう建物のビジュアルからしても本当に現代建築家が総力を振った。
むしろ今までの公衆サウナってどこにあったかったら日本の宮作りのいい単独の建築っていうんじゃなくて、もう階層住宅の1階2階部分に入ってるとかそういうのがほとんどだったんですよ。
建物雑居ビルの一部に入ってるっていうイメージです。だからサウナ単独の建物とかでもなかったですし、それがもうあともう一つはやっぱり労働者が集まるところに公衆サウナっていうのは作られてましたから、どうしても内陸の下町のあたりにたくさんあったし、今でも残ってるのって全部そういう下町エリアなんですよ。
ところが新しくできたサウナっていうのは全然大局の、もうヘルシンキーでバルト街イメージしてるわけですよ。そのバルト街の湾岸の一頭地のところに言うとなればお台場みたいなところにドーンとウォーターフロントにかっこいい建物のサウナっていうのが突如現れるようになってきたんですね。
で、これがやっぱりもう若者たちのキャッチーさになったんですよ。さらにその公衆サウナっていうのは、もちろん昔から公衆サウナの中ではサウナ入るだけじゃなくてちょっとスナック売ってたりとか、あるいはもう飲み物も売ってもいたし自分たちで持ってきてもいいみたいな文化はあったんですけども、もうそもそもおしゃれなレストランバーをすぐ横に併設してるんですよね。
なのでサウナに入った後、サウナ入ってる間にもそこのバーで買った飲み物っていうのをサウナとか暖和室とかテラスで飲めますし、で終わった後にはおいしいご飯が食べれるみたいなオールインワンの、言うならばスーパー銭湯がそれかなと思ってるんですけど、日本の。そういう施設っていうのが突如作られるようになってきて。
特にそのヘルシンキで最初にできたロールというこの施設っていうのがものすごく受けてビジネスモデル的にも成功したので、これを真似て今タンペレ私が住んでるユバスケラという町だったり、いわゆる若者がたくさん住んでるようなウォーターフロントの都市にどんどんどんどん似たような形態のサウナ施設っていうのが作られるというそういう現象が今も続いてるんですよ。
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やっぱりその農竜って検索していただくとわかると思うんですけど、すごいめちゃめちゃ何でしょうねガラスなのかピラミッドじゃないけどすごく特定。一応木材では作ってるけど超ファッショナブルですよね。
ファッショナブルなところで本当にオシャレなレストランバーがあって、スモークサーナとかもあって、それで入ったまんま階段みたいなのがあるんですけど、デッキに。それ海に続いてるんですよ。
階段降りたらバルト階なんです。
最高すぎる。
我々日本のあれで言うと水風呂が海っていう。
やばいですねそれ。
上がってそこのデッキのところで外気浴っていう説明正しいですね。
まさにそういうことだから東京湾に飛び込むみたいな感じですよ。都民が。
景色もすごくいい。開けている岡本館もあるとか。多分そういうような理由なんでしょうけど、そういうフロントに次々と農業をビジネスモデルとしたサウナ施設ができてきたと。
それはその理由っていうのは目的があったりとか狙いみたいなものはあったりしたんですかね。
これはすごく背景的な話をすれば、なんで2012年から15年の間にそういうのが集中したかっていうと、ヘルスンキという町がヨーロッパの中でデザイン首都っていうのを選んで、要はそのデザインで補助金が出てちょっと最新のものをいろいろプロジェクトをできるチャンスが得られるっていうのが点々とするんですけど、
それに2013年だったかな選ばれたっていうのがあって、実はロールとかもう一つのクルートリサウナもそれの応募作品だったんですよ。
もともとフィンランドってデザインの国っていうイメージ皆さんあると思うんですけど、多分日本人がデザインって聞いたらすごくちょっとイメージは狭くて、食器のデザインとかテキスタイルのデザインとか日用品的なものをデザインするっていうイメージあると思うんですけど、
フィンランドの人って特にデザインの言葉の解釈って広くて、やっぱり自分たちのライフスタイルをデザインするとか、もうそのものだけではなくてサービスデザインとか自分たちの人生を豊かにする行為、それは全てデザインだみたいな考え方をするので、
その下で私たちの特に都会の現代生活っていうのをどうやったらもっと楽しくデザインできるだろうっていう発想の中で、建築家たちとかそういう都市プランニングをする人たちが提唱したデザインの一つの解法は公衆サウナを都市に蘇らせるっていうことだったんですね。
それは何かというと、お話したように結局サウナはどこにでもあるから、そうではなくてあくまでみんなが集うとこに行くサウナに行く意味付けをしないと人は戻ってこないじゃないですか。
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で、それをどこに求めたかといったら、一つさっきウォーターフロントに作ったって言ったのは、要は森と湖の国フィンランドでは田舎に住んでる人たちはどこにでも森と湖があるので、その近くにいいサウナ持ってるし、もう実家がそういうとこにあったりで、自然とのつながりの中でサウナを楽しむのはできたんですけど、都市の人たちっていうのは自分たちのサマーコテージ行かないとそれってできなかったんですよ。
だけども、もちろんその都市ではあるけれども、海という自然資源もあるし、ヘルシンキって結構ね、諸島としては自然の多く残ってる街ではあると思うので、その都会の日常生活、都会のライフスタイルをしながら自然とのつながりが求められるサウナがあるといいよねっていう、そういう発想で作る場所が内陸からもっとウォーターフロントに移動してきたっていうのが一つあるんですよ。
そうなると、さっき言ったようにバルト海に飛び込むって、すごくアドベンチャラスではありますけど、でも多分フィンランド人はその感覚っていうのはまさにサマーコテージのサウナで湖にドボンする、あの感覚のオマージュみたいなものなんですよね。
それは面白いですね。その文脈に目指してるっていうのはすごい興味深いですね。僕らはすごくあの景観が素晴らしいっていうことと、やっぱりその海にドボンと入るということの、ある意味僕らからするとトリッキーさみたいな。
そう、エクストリームさですよね。
エクストリームさみたいな、アバントっていうその。
凍った湖に穴を開けて入る。
凍った湖に穴を開けて入るっていうのもあるんですけど、なんかそれがすげえトリッキーなことするなっていう印象だったんですよ。その現象だけしか見てないから。
でも文脈を聞くと、やっぱりそのサマーコテージに行って、毎年もおそらくそのみんな子供の頃からそこで家族で過ごして、でサウナに入ってその後湖に入るみたいなのが、わりと常識というかDNAの中にあるような原風景みたいなものがあって、
それの延長線上でロールのバレット界に飛び込めるようになっているという、だからそれを求めに行くんだっていうのがめちゃめちゃ面白いというか。
そうですね、やっぱり現体験あってのスタイルなんですよ。
で、さらに言えばやっぱりその家にサウナあるって言ってもさっき言ったような、いわゆるインスタントな電気サウナなわけですよね、ほとんどは。
だけども、やっぱり日本人も銭湯に入る一つの理由って、たまには足の伸ばせる広いところでいいお湯に浸かりたいっていう気持ちで銭湯行く人もいると思うんですけども、これはやっぱりこっちでも同じで、やっぱり家のサウナは最小だし、電気サウナと薪サウナ、従来の薪サウナっていうのはもう全然立ち上るロール、つまり蒸気の質が違うんですよ。
同じ、お風呂で考えても多分敏感な人は知ってると思うんですけど、42度のお湯を作るのに電気で沸かすのとガスとかで沸かすのと薪だけで一生懸命沸かすのでは全然湯の質って変わるじゃないですか。
柔らかいお湯になっていきますね、薪でじっくり炊くほうが。これは本当に蒸気も全く同じで、電気でクイックに温めた石から出る蒸気と、ゆっくりゆっくり薪で何時間もかけて温めた石から出てくる蒸気って全く質が違うので、気持ちよさが段違いに違うんですよ。
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それはすごいわかるような気がしますね。
入ってる人ほどわかると思うんですけど、なのでやっぱりコテージのサウナっていうのは薪サウナだからやっぱりいいサウナだし、何ならそのキングオブサウナって呼ばれるスモークサウナっていうのは温めるのにもう6、7時間かかったりもするような、もうそういう時間、私はそれだけここに時間をかけれてるんだっていう贅沢までもがスパイスになってる、美味しさのスパイスになってるみたいなね。
これスモークサウナをご存じない方も多分たくさんいらっしゃると思うんで、ちょっと解説を。
はい、説明させていただきます。薪サウナがずっとありましたって言ってましたけど、薪サウナっていうのは要は薪でストーブを温めるわけですけども、スモークサウナも言うたら薪サウナの一つで、要は薪をずっとくべ続けてストーブを温めるという意味では薪サウナなんですけど、じゃあ何がその通常の薪サウナとスモークサウナで違うかったら煙突があるかないかなんですよ。
これどういうことかというと、煙突がないスモークサウナっていうのは薪を焚いてる間は肺炎装置がないわけですから、その空間内に有害な一酸化炭素も含んだ煙がずっと充満してる状態なんですね。だからそのまま入ってしまうともうみんな倒れます。病院の中に。
だからこそずっと焚き続けた後にその煙っていうのを小窓から全部逃してしまって、さらにちょっと石の表面についてる灰とか有害なものっていうのも蒸気をロールをして蒸気を出せば結構そういうのってブワッと舞って逃げてくれるので、全部それをし終わった状態のサウナに入るんですね。
で、薪サウナっていうのは肺炎装置があるわけですから、つまりどういうことかというと追い出しができるんですよ。だから後々どんどん薪を付けてちょっと温度下がってきたなと思ったら薪くべたら復活するわけですよ。でもスモークサウナっていうのは最初にまとめてやってしまってそれ以上追い出しできないじゃないですか。やるとまた中毒になりますから。
温度が下がるばっかりですね。 そういうことなんです。だからそれに耐えるだけのものすごい蓄熱性のとんでもない量の石で作られたストームだったんです。だから単純に面積もないとこんなの不可能だし、もうとにかく何トンレベルで石がだいたい積んであるんですよ。
で、その代わりそれをもう6、7時間かけてカンカンに石が真っ赤になるまで一回は温めて、それをちょっと落ち着かせて有害な煙出した後は、これはもう蓄熱性すごいですから、例えば夕方の5時ぐらいに使い始めたとして、冬でなければ次の日の朝でも若干ロールが出るぐらい石はまだ暖かいんですよ。
すごいですね。
だからもう昔の人というのはそのお抱きをしない前提だったので、とにかく最初に徹底的に温めてしまうと。で、それだけ時間をかけて温めた石から出てくる蒸気っていうのは、これまたもう全然その薪サウナだったりまして電気サウナと比較にならないぐらい柔らかくて気持ちいい蒸気を出すんですね。
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で、しかも面白いのがそのスモークサウナから出る蒸気っていうのは人の一生によく例えられるんですけど、最初はカンカンだから入りたての時は一番風呂の、一番風呂というか一番サウナの人はめちゃくちゃ熱い蒸気楽しめるんですよ。
そうですよね。
それも温めたてですからね。
これがオギャオギャとなく赤ちゃんの声に例えられて、それがちょっとずつ温度はもちろん下がっていきますから、少しずつやっぱり落ち着いたロールになってくるんですよね。部屋の温度もだいたい少しずつ落ち着いてきて、それが青年期を迎えて最後は穏やかな老年期のようなほんのりしか出ないんだけど、でもそのほんのりした蒸気もあったかくていいよねみたいな。
人間の一生のような感じで蒸気の質が変わっていくので、このサウナが好きじゃなくて、このサウナの何時間後ぐらいの蒸気が好きみたいな感じでマニア達は言うわけですよ。
面白い。
もう全然一つのサウナでも一期一会なんですよ、蒸気の質。
すごいですね。
例えばロシアとかバルト三国とかに残ってるサウナっていうのは、特に田舎のサウナは今でもこれが中心ですし、フィンランドでも田舎地方とかだったらやっぱりこれはまだ残ってるけど、なんせ労力と時間と、あとその燃える危険性っていうのもめちゃくちゃありますから、夏とか都会でこれは実現できないんですよ。
だって温まるまで、石が温まるまで7、8時間ぐらいかかるんだよね。
問題かかりますから。
それをロールとか、今都会に新たにできているスモークサウナっていうのはちょっとテクノロジーの力もこれも入れてるんですよ、それを時短にするための。
ですが基本的にはもう追い出しをしないという前提で、最初に温めたものであとは徐々に楽しんでいくっていう、そういうスタイルのものを実現させているので。
それがあるんだよ。フィンランドのロールっていう最新のさっきのバルトコーナーのところにそのスモークサウナもあるっていうのがそれがすごいよね。
そうなんですよね。
普通のサウナもある?
あります。あそこは3つサウナ持ってて1個は貸切用として使われてるんですけど、2つある。
うちの片方っていうのはスモークサウナで、もちろん蒸気の質を楽しむなんていうのはマニアな楽しみ方ですけど、
シンプルにスモークサウナってもうめちゃくちゃスモーキーな匂いがするんですよ。
そりゃそうですよね。ずっと焚いてるんですから。
だからもう自分がほんとスモークサウナになったような気持ちで暗がりの力を突っつけた。
燻製ですよ。
自分が燻製されるような。
スモークサウナとかサウナっていうのは歴史的に言うとフィンランドでは入浴のためだけじゃなくて、
これほんと一部の用途で食べ物、例えばその食物を燻製するとか、乾燥保存するとか、
あとビールの工房を発酵させるとか、そういうちょっと暖かいところで必要な日常の作業は全部サウナでやられたんです。
料理をするとか。
生活の一部としてもともとサウナは発展しましたから、
もうそれってやっぱりフィンランドの古き良き時代のオマージュというか、
今は無きって都会の人は思ってたものが、またそういうふうに自分たちの暮らす街でできるようになったっていうので、
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これが一つ話題を読んだわけですよね。
フィンランドのプロダクトで、それこそスモークというか、スモークの匂いのする石鹸とか、
それこそサウナのアロマで、スモークの匂いが、僕結構好きなんで大丈夫なんですけど、
あれ、いわゆる普通で考えたら柑橘系とかね、
ジャスミンとかラベンダーとかお花系とかですね、
ああいうようなものがアロマだと思ってたら、
普通に燻製の煙の匂いがするものがあるっていうのは。
私たちからしたらタールとか何ならセイロガンみたいな香りなんですよね。
あれを抽出すると。
だから日本人がこれなんでこんな匂いわざわざ入れんだろうって思う人がいるのはよくわかるんですけど、
フィンランド人にとってはやっぱりあの香りっていうのは古き良き、
フィンランドのサウナとか日常文化を思い起こさせる、そういう香りなんですよね。
記憶と結びついた香りというか、おばあちゃん家の香りみたいな感じですよ。
さっきちょっと柑橘系みたいな話、
フィンランド人はサウナ、基本アロマ使いません。
そういう人工物とか、人工的に。
しかもフィンランドなんて絶対風土的にオレンジなんか取れるわけないじゃないですか。
ラベンダーとかは多少作れるけど、
アロマを使うとしてももうそれはフィンランドの自然の匂いしか使わないので、
このタールでしょ、からシラカバ、からベリー、この辺がせいぜいで、
そういう柑橘系なんてなんでわざわざ外来的な嘘臭い匂いをこっちで湧き散らすなんてみんな思ってるんですよ。
結局そのアロマを使う理由っていうのは、
例えばシラカバの香りっていうのは冬には絶対楽しめないわけじゃないですか。
夏の青葉から出るので、それを冬にも再現したいねっていうので、
冬にそういう香りを取り入れたり、ベリーもそうですけど。
タールを使うっていうのはスモークサウナには実際入れないけど、
ちょっとその疑似体験じゃないですけど、
そういうのを思い起こす意味で使おうかみたいなそんな感覚なので、
あんまりそれ以上にサウナっていうものに、
自分たちの伝統にないものを取り入れたいとはそんなに思ってなくて、
電気サウナ開発した国が言うなよって話かもしれないですけど、
でもそれ以外にも絶対サウナの中で音楽はかけないし、
派手な照明は絶対つけないし、
外観はどんどんモダンなものはできてますけど、
サウナの室内入ったら本当にどこでも一緒ですよ。
シンプルに木のベンチがあって、もう匂いも自然のままでっていう、
それがフィンランド人らしいなと思うんですね。
ありがとうございます。
今回第2回目も非常にやっぱりすごく興味深く話を聞かせていただきました。
でも第1回目にあった、やっぱり日本の先頭じゃないけど、
フィンランドでも公衆サウナがどんどん伝わっていったっていうところの
ターニングポイントとして、2012年とか13年に、
ロールとかくるくるサウナっていう、すごくデザイン特化したり、
家にサウナがあってもそこに行きたいと思わせる魅力のある施設ができたっていうことが
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すごくエポクメキになったっていうのは、なるほどなと思いましたし。
で、第3回を迎えるにあたっては、そこから先、
公衆サウナっていうのがそれ以降もいろいろできてきたっていうことになってくるのではないかなと思うので、
その後の動き、そこのきっかけとしてどういうふうにして公衆サウナがさらに増えていったかっていうようなことを
第3回目ではあやなさんにお伺いしたいと思います。
はい、本当に増えただけではなくてね、古い、昔からあったやつの復活っていう復活劇もあるので、
その辺でお話ししたいなと思います。
ありがとうございます。
では次回もよろしくお願いいたします。
お願いします。
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