モンスタークリフの設立と業務内容
今回は、長野県白馬村のモンスタークリフ株式会社、佐藤敦史さん、通称敦史さんにお越しいただいております。よろしくお願いします。
今日はありがとうございます。よろしくお願いします。
敦史さん、仕事って何してるんですか?普段。
いい質問するな、いきなり。
本業は、亀虫で口接占いをする亀虫占い師として活動しております。
本業占い師だったんですか?
そうです。
それが、モンスタークリフ株式会社の仕事?
はい。これは、モンスタークリフのメイン事業になりまして、亀虫占いで口接を予測すると。
ただ、メインなんですけど、売上はゼロ円という。
売上ゼロ。
で、売上だけで言うと、全体の売上の9割は、ウィンタースポーツ用品のスキー・セノーボーの買取販売事業を行っているんですね。
ウィンタースポーツ用品の買取事業
売らないと関係なさそうな事業なんですか?
そうなんですよ。自分としては売らないやりたいんですけど、どうしても売り上げがゼロなんですよね。
買取事業の方、ちょっと教えてもらっていいですか?
うん。テーマが、ウィンタースポーツ用品のゴミを出さない世界というのを掲げて、
今期で13年目になるんですけど、不要になったスキー、不要になったスノーボードを全国から買取して、壊れているものは直して、ウェブで販売している会社なんですね。
ウィンタースポーツ用品って、結構廃棄されている量が多い感じなんですか?
ウィンタースポーツって意外と知られてない部分があって、これ佐藤さんも知らないと思う。
2年間で8割ぐらいの人が辞めていくスポーツなんですね。実は。
ちょっとやって辞めてっちゃうってことですか?
そう。なので、うちらみたいにコアな形でスノーボードやってる人って、業界でいうと全体の1,2割で、
実はスノーボード業界っていうのは、8割ぐらいが初心者の人で成り立っていると。
それは知らなかったですね。
じゃあやっぱり、いらなくなった道具っていうのがいっぱいあって、それを買い取って。
そう。不要になったスノーボードって、捨てるのにもお金がかかるから、あと大きいから家で邪魔でしょ。
木とプラスチックと金属が混ざってるし。
そうそう。それで全国宅配買い取りっていう形で、
ウェブで、主にLINEとかメールで写真だけ送ってきてくれて、それをノールック査定にこだわってます。
ノールック査定?
モノを見ないで、写真だけで判断して金額を出す。
LINEで送られてきた写真のもとに金額を出す。
1万円って出したら、それで問題なければそのまま買い取りフォームから進んでいただいて、
オッケーだったらこっちから買い取りキット発送して、向こうが着払いで送ってくれる、振り込みますっていう。
で、それをまた売ってる感じですか?
そう。今ノールック査定にこだわってるっていうのが言ったんだけど、
写真今すごい解像度いいじゃん。拡大すると傷とかもわかるし。
それでもその質問をすると、佐藤さんも頭の中のどこかで思ったと思うんだけど、
じゃあ折れてるボードを隠して写真撮ってくる人いないの?って思わない?
いくら画像がいいとはいえ。
そう、壊れてるのって思わない?
ごまかす人いそうですよね。
これはね、生前説にのっとって、そんな悪い人はこの世にいないっていう事業でやってるんです。
もちろんいるんだけどね、何百人に一人か。
でも少ないってことですよね、かなり。
そう、そのほうがスピード感が生まれるじゃん。
物を送ってください、来てから査定しますね。
この金額出ました、どうですか、何回もやりとりするでしょ。
売るときはヤフオクを使ってる?
メインはヤフオクで、本当に古いのは海外だったり、
あとはレンタル屋さんとかで使うケースもある。
レンタル屋さんに卸すみたいなイメージですか?
イメージでは買い取りとヤフオクの部分は知ってたんですけど、海外とかレンタル屋さんのところは知らなかったんですか。
メインはヤフオクです。
年間?
年間3万点ぐらい実は買い取りしていて。
3万点不要になってるってことですよね。不要な道具が出てきて、毎年。
日本中の不要になったスキースノーボード専門で買い取りしているっていう。
一応スノーボード査定師と名付けています。
スノーボード査定師、初めて聞く職業。
スキー場行くと全身査定しちゃうんだよね。
佐藤さんは4万8000円ですみたいな。
姿を見て値段が分かっちゃうと。
なるほど。ちょっと気を付けた方がいいですね。じろじろ見られてる時は。
事業の課題と展望
あとは店頭買い取りもやってるから、白馬に来るついでに不要なものを持ってきて、ここで置いてって、じゃあ帰り寄りますねみたいな流れも。
面白いですね。手軽に買えれる。身軽になって買えるみたいな。
13年目なんですよね。聞いた話だと千葉県から白馬村に移住して。
元々会社も千葉県。
千葉県で最初起業して3年目ぐらい。うちの弟と経営してるんだけど、3年目ぐらいの事業が軌道に乗ったタイミングでちょうどうちの娘が生まれたのね。
それできっかけに家族で移住して、こっちで住もうっていう。
結構な決断ですね。
結構な決断だよね。だってサラリーマンで結構大きい会社だったから、給料も良かったんだよね。なのに辞めちゃって。
モンスタークリフの創業当初はサラリーマンやりず、両方やったの?
やりながら。
なるほど。
すごい田舎に来ちゃったじゃない。
そうするとサラリーマンの時の上司とか同僚が、何の不満もなかったから自分その時。お金もみんな同期も、上司にも。
みんなびっくりしちゃって、なんで辞めるんだと。会社が伸びてると。
僕もサラリーマンじゃなくて、僕の場合は地方公務員から辞めて移住でしたけど、似たような反応は確かにありましたね。
いきなり田舎に移住みたいな。でもそれよりも民間の伸びてる会社と田舎で創業、創業じゃないか、田舎でそっちの事業に専念みたいな。
かなりギャップがあるから確かに驚きも大きそうですね。
そう、そうなのよ。
白馬村に移ってきてどうですか。家庭はかなり影響はありそうですけど、事業的にも影響はありましたか。
やっぱりね、白馬村に来てから実は物量が上がっていて、買い取りの。
理由はやっぱり、佐藤さんもちょっと買い取りするお客さんからして見てほしいんだけど、高くやっぱり買い取ってほしいじゃん。
その時にスノーボード専門で白馬村っていう豪雪地帯でやってて、会社13年目でって、結構専門性が高いじゃない。
社長はスノーボード大好き。
で、なんかちょっとすごく差別化、再化、専門性ってところにつながる。
あれですかね、ちょっと違うかもしれないけど、その土地の不動産屋の方がいい物件持ってそうみたいな。
そうそうそうそう。
そういうのに近いかもしれないですね。
筋だよね筋。
だからよくあるじゃん、専門性って歌ってるのになんで他のやってんのとか。
はいはいはいはい。
そう、筋が問題だとか。今やっぱりウェブで探せば何でもわかるじゃない、お客さんも。
そうですね、情報が全部出てるから。
そう、そういうのが透明性が高い方が多分信頼度につながるんじゃないかなって。
だからあれなんですね、スノーボード毎日滑ってるのも仕事っていう。
そうなんよ。
大変な仕事です。
大変な仕事そう。
ウィンタースポーツよりもスノーボードのギアを中古で触ってるじゃない、年間何番も。
触ってるのを強みにして今スノーボードを作っていると。
それがザーデイドット白馬っていうブランドになります。
ザーデイドット白馬。
よく聞きますね。
ありがとうございます。
ザーデイドット白馬ってテーマは白馬を滑る。
白馬の山を滑るためだけのスノーボードっていう。
白馬の山を滑るためだけのスノーボード。
具体的にはっていうと、佐藤は僕が乗りたい場所で、白馬の場所で乗りたいスノーボードを作る。
要は例えばここの沢を滑るためのモデルとか、このスキー場のここのコースを滑るためのモデルみたいなものを作ってると。
なるほど。
それが買い取ったスノーボードの乗り心地とかをフィードバックして作れると。
そう。すごいシナジー。
しかも目の前に滑れる斜面がある。
そう。
一貫性がすごいですよね。
そう。なので普通スノーボードメーカーで言ったら東京とか都会にあるじゃない。
これもさっきの話と一緒で、スノーボードメーカーだったら雪山の近くにあって、そのオーナーは毎日滑り続けるってすごく。
確かにね。
滑り続けないとおかしいと思うんだよね。
サーフボードなんかはシェイパーが結構ゴリゴリのサーファーで、海沿いに小屋建ててそこで削ってるみたいなイメージ。
やっぱりスノーボードって工業製品近い部分だから、どうしても東京の会社がやってるみたいな。
そうそう。で、削ったりもできないじゃん。
けど削る代わりに3万本のボードに乗れるって話なんだよね。
はいはいはい。
そこの圧倒的な積み重ねが。
そう。が強みなのかなと思って今やってます。
なるほど。
いやー、白板村で買取事業のほうもスノーボード作りのほうも一貫性があってシナジーがすごい働いてるなっていう印象がありますけど。
なんか逆に課題とかってあるんですか?
課題ばかりですよ。
買取?
まず買取。
買取のところの課題はやっぱりウインタースポーツ人口が減ってきてるんだよね。
ウインタースポーツやる人がいなくなっちゃうと。
そう。まず買取販売の事業モデルっていうのは、買い取れなかったら終了になっちゃうのね、事業が。
販売価格を分かって買い取るので、販売よりも大切なのは買取のほうが難しいんだよね。
例えば買取が少なくなっちゃうと売上も下がっちゃう。
買取が少なくなっちゃう要因としては、一個は例えば競合が増えるとか、もう一個はやっぱり人口が減るとか。
今大きな課題としては、時代背景もあるんだけど、スノーボード人口がこれから減るんじゃないかっていう、自分の中で。これからね、もっとさらに。
理由は今物価が高いじゃん。リフトも高いじゃん。
どんどん上がってますね。
それで離れちゃうよね。学生行けないでしょ。
そうですね。昔は学生バスツアーで詰め込んで。
バスツアーって大体いくらぐらいのイメージがある?
8000円とかじゃなかったですか。
スノーボードの市場課題
それってうちらが日給でアルバイトで稼ぐ金額イコール1日券だったんだよね。そのバランスだったのよ。
それが今15000円なのね、大体。
バスツアーが。
1日アルバイトで働いて得れるお金イコール1日滑れるが崩れてきちゃったのよ。
2日働かないといけないイメージだよね。
そうするとスノーボードデビューするのは絶対大学生とか高校生だから、その中で超ハマった人だけが残っていくじゃない。
そうするとその時の学生の時にスキースノーボードデビューしないと社会人になってめちゃくちゃ忙しい。
平日忙しいじゃん。土日もう疲れ果ててるのにスノーボードデビューするかって話なんだよ。
そうすると将来的に人口が減っていくっていうのを危惧してます。
どうすることもできない。
もしかしたら事業モデルを変えていかなきゃいけないとか。
大学生に勧めるわけにもいかない。
そういうのがたくさんあるのよ。販売とかザーデイドットアクバのボード作りとか。
ザーデイドットアクバのほうで課題とかってあります?
ザーデイドットアクバのほうは、やっぱり一番の課題は、これ中国で作ってるんだけど、スノーボードって中国で作ってる。
半分くらい多分中国で作ってると思うんだけど、今今期のスノーボードがまだ到着してないのね。
そう。
24、25。
これも課題としては、すごく将来的な不安っていう課題なんだけど、
アメリカと中国の政治的摩擦があるじゃない、トランプさんに。
中国で作ってるとはいえ、新材とかボードの材料ってアメリカから輸入してるんだよね。
そうなんですか。
結構多いよ、そういうの。
じゃあアメリカから中国に行って中国で作ってる。
そうすると、今アメリカの外交の人も変わっちゃったでしょ。
中国嫌いな人だから。
そうすると中国の関税を上げたりするわけ。
そうすると、また新材とか口頭したりとかになってきちゃう。
口頭したり、そこの率がうまくいかなかったりってことになっちゃう。
そうすると製品化に問題が出てきます。
価格設定の哲学
今回のある部品もやっぱり遅れちゃってるんだよね。
アメリカから中国の輸入が。
それもあれですね。どうすることもできないですね。
その課題を解決する方法としては、
まずいつ来るかわかんないね、スノーボードが。
だから年式にとらわれちゃいけないのかなっていう。
よく年式であるじゃない。
今年モデル、来年モデル。
スポーツ用品はその感じが強いですよね。
うちのボードはないんだけど、年式に。
年式にとらわれると、もしこれ遅れて春になっちゃったら、
もうその年式終わっちゃってるじゃない。
そうですね。
なんで年式にとらわれないと、もう一個がいつ売っても売れるブランド。
4月であろうが7月であろうが9月であろうがみたいな。
常識的にって言い方がいいかわかんないけど、
普通はいつごろが売れる?
普通は9月から12月まで。やっぱり冬始まる前なのよ。
始まる前からちょい始まるぐらい。
自分の場合はメーカーだけど直接お客さんに販売してるから、
本来はそこにトン屋さんとかショップさんがあるでしょ。
そうすると、今物が遅れちゃったらメーカーは焦っちゃうんだよね。
早く、もう量販店は冬じゃなきゃ売れないから、ショップとか。
後に後に響くから。
そう。けどうちはそれがないのは強みだから。
ないからそこのロスは限りなく他よりはね。
そう。だからいつか来ますと。いつか来るんで楽しみにしててください。
で、売れるブランドが今後大切なんじゃないか。
今その、メーカー直販みたいな話がありましたけど、
スノーボード、やっぱりちょっと値段も抑えてるんですか?
スノーボードの販売価格が3万円なのね。
3万円。
そう。
普通だとやっぱり。
10万とか。
9万、10万ですよね。
そう。で、自分の中で3万円台で作れる、
3万円台で佐藤敦彦が納得できるスノーボードを作れるかっていうのが裏テーマなんだよね。
じゃあそうすると、なんで3万円なんですかって言われるんだよ。
3万円の根拠ですか?
そう。
なんで3万円なんですかって。
なんでですか?
なんでかって言うと、
あのー、ランチゴースティック。
簡単に言うと、自分自身若いとき、
中古スノーボードで大会に勝つっていうのがかっこいいっていう謎の理論があったんだよね。
みんな高いの使ってるのに5千円のボードで優勝するっていうのが美学みたいなのがあったんだけど、
それはなぜかわかんないんだけど、
それとは別に、ランチ5千円理論っていう私の理論がございました。
ランチ5千円理論。
1000円のランチあるでしょ。
1000円のランチあるでしょ。
と、2000円のランチは味が2倍違うと思ってるの。
はい。なるほどね。
これが比例していくのは5000円までですっていうような理論だった。
5000円までは味が比例する。
要は1000円のランチと5000円のランチは5倍味が違う気がする。
みたいな気がするのね。
じゃあランチで8000円とかあるじゃん。
ありますね。
これは1000円のランチと比べて8倍にはなってないと思うの。
じゃあ何が8倍かっていうと、
例えば店内のこういう雰囲気だったり、
グラスとか、
接客とか、
そういう価値が乗ってるんだよね。
味以外の部分の価値が乗ってる。
そう。だと思ってるのよ。
じゃあスノーボードで言うと5000円理論で言うと、
どこが最大価値が5000円なんだって。
1000円の滑りごたえと3000円の滑りごたえで3倍乗り心地が変わる。
最大値は自分は3万円だと思う。
なるほど。
そこの最大値が3万円。
そう。
それ以上は別のところの価値がある。
そう。
なんでそういうのはいらないんだよね、自分の中で。
そこも無駄を落としたような。
そう。
なるほどなるほど。
で、それをやると他がやってないから不思議だと思わない。
だって飲食関係だったらサイゼリアってさ、安くて美味しいとこあるでしょ。
ワークマンだってそうじゃん。
スノーボードってあんまりないんだよね。
みんな同じくらいですもんね。
そう。
それもそれはもっと高いものを作りたくなってきちゃうよね、追求してると。
竹入れたりとかさ、バンブ入れたりとか。
それはぐっと我慢して、それは工夫でクリアできないかっていう乗り心地を。
分かりました。
今回はここまでということで。
また次回お話いただきたいと思います。
次回もありがとうございます。