85cafeのコンセプト
今回は、静岡県下田市で85cafeというカフェを営んでいらっしゃる
Makita Toshiumiさんにお越しいただいて、ちょっとお話を伺っていこうと思います。よろしくお願いします。
Makitaさん、僕も以前から仲良くさせてもらっている方なんですけれども、
85cafe、静岡県下田市の岸見という海の近くの地域でカフェをやっていらっしゃいますが、具体的にどんなコンセプトというか、そういうのがあったりしますか。
85cafe、数字で85のカフェと書くんですけれど、うちで出している食品、発酵にちなんでですね、発酵調味料を自分たちで作って、
それをお料理、もしくはお飲み物、あとはスイーツ、そういったものに使ってですね、工夫をして商品提供させていただいているんですけど、
その発酵にちなんだというところでちょっと文字って、数字の85というふうにしてお店の名前もつけているんですが、発酵をテーマにしたカフェということでやっております。
ありがとうございます。発酵ですね。発酵で85なんですね。
僕、8月5日生まれなんで、てっきり僕の誕生日にちなんでつけてくれたのかと思った。
85の日だからいいですね。記念日なんで。
実はそうなんですね。
そうなんですね。じゃあちょっとサービスします。
発酵食品ってイメージだと味噌とか、麹とかそういう感じですか?
そうですね。ただ本当にですね、工技的にはもうコーヒー豆も発酵食品になるし、
皆さんが思っている以上に日常生活に触れている食品、食材が多いので、こんなものも発酵食品だったんだなんていうところも踏まえて、
商品提供したり、あとはワークショップを店の方で開いたりして、皆さんにお伝えしています。
今おっしゃっていただいた麹の作り方とかもワークショップでお伝えしていたりしているので、
味噌だけじゃなくて塩麹とか醤油麹とかそういったものも独自に作っています。
ワークショップをやっていらっしゃるのは知らなかったんですけど、このお店でやっていらっしゃるんですか?
お店でお休みの日とかを使って、地元の方をメインに作ってもらって、
なおかつその場でそれを使ったお食事を皆さんにしてもらって、
季節と顧客の動向
ワイワイ楽しんでお帰りいただくという感じです。
地元の方が多いですか?
地元の方が多いです。
やっぱり下田だと、自分たちでお野菜を採ったりしている方も多いので、
それをさらにひと手間加えて美味しくなればというようなご興味を持たれている方が多くて、
毎回そんなにたくさんは集められないんですけど、10名程度でも、
ありがたいことに毎回お前に御礼で、地元の方中心に。
夏はやっぱり忙しいですよね。
夏はそうですね。
さっきご紹介いただいたように海に近いので、
やっぱり観光客の方が来ていただくのが多いので、
ただやっぱりあとは外国の方が多いですね。地域柄。
ワークショップは夏はあんまりやらないということですかね?
そうですね。落ち着いてから冬、秋がメインですね。
冬、秋ってやっぱり結構差が出ますよね。
出ますね。
観山期はテーマですね。
本当にガクッと観光客の方たちは減ってきますし、
数年、1年通じて安定した経営ということを考えると、
本当に秋から冬にかけてというのはものすごく重要なテーマだと思います。
多分下田の事業者さん、みんなそういう同じような感じですよね。
そうですね。
何かあるんですか?対策じゃないけど、
冬に工夫してることとかあります?
事業として、カフェの方では半分おきにはできないので、
冬の時期になって、今は地元の直売所とかスーパーなんかに
お弁当とか焼き菓子なんかを卸したりして、
定期的に販売させていただいているんです。
あとはイベントですね。
やっぱり春夏はちょっと忙しくて出れないんですけど、
秋冬には近隣の市町村とかでいろいろイベントがあったりするので、
そこからお声掛けいただいて、イベントに出展して、
お食事、もしくは飲み物、焼き菓子、そういったものを提供したりとか。
あとは先々、今準備しているのはECの販売、ネットでの販売と、
ふるさと納税の返礼品に、自分たちの食材を、
地元のものを使ったものを登録させていただいて、
需要が見込めればなというふうに思っています。
ECいいですね。ECできると。
全国が相手になりますので。
でも逆に下手をすると一気に広がっちゃうので、
お店の方の体制をちゃんと整えておかないと、結構混乱を招いちゃうので、
その辺のバランスがちょっと難しいかなと思いますね。
自転車関連ビジネス
お店自体は奥さんと2人?
基本私と妻2人なんですけど、
今は定期で雇用させていただいているパートのおばちゃんがお一人。
あとは夏はさらに短期のアルバイトの方を4人ですね。
応援の必要ですね。
ないと回らないですね。
あと、牧田さん、僕は知ってるんですけど、
トライアスロンとか自転車をやられてて、
サイクルカフェみたいなテーマを以前は使ってたことがあったんですけど、
自転車関係って何かやってます?
実は今、8号カフェバイシクルっていう名前で、
自転車の販売とか、あとはメンテナンス、
それとレンタルサイクルの3本柱でやってます。
販売も?
やってます。
自転車販売、メンテナンス、レンタルサイクル。
レンタルとかどうですか?
レンタルは、一応レンタルバイクが4台、
全部それはEバイクって言って電動アシストが付いてるタイプの自転車なんですけど、
近隣の宿泊施設にお泊まりになる方が、
ちょっとその近隣に回ってみたいなっていうので、
お借りにいらっしゃるのはちょこちょこありますね。
僕も聞かれることあるんですよ。
自転車どこかで借りられないか。
下田駅の近くとかはあるじゃないですか。
こっちの方ってあんまりないから、
結構借りてく人多そうと。
おかげさまで。
そうですね。販売もしてらっしゃる?
販売もしてます。
これは僕も山口さんと同期で地域おこしっていうことで、
下田に入ったところで行政の方から、
下田にはそういうママチャリじゃなくて、
特にスポーツバイク、ロードバイクとかクロスバイク、
ちょっとスポーツ志向に乗る自転車、
そういったところを取り扱ってるお店も全然ないし、
そういう自転車をメンテナンス整備したりする施設とかお店も全然ないので、
何か私が前職そういうことに関わっていたので、
そのあたりもちょっとバックアップしていただけたら助かります、
なんていう話をちょろっといただいてたりもしたので、
何かそういうスポーツバイクに対してのハブの規定になれたらいいかな、
というふうに思ってやってます。
僕の知り合いはバイク屋さんにメンテ出してきてましたね。
そうですよね。
静岡県って結構自転車に力を入れてますよね。
そうですね。
オリンピックの会場になってたところもあるし、
修善寺なんかにもそういう大きな自転車の施設がありますので、
ナショナルチームが練習できるような環境を整っているので、
ただ下田になるとそこからだいぶまた南の方に下ってきてしまうので、
伊豆半島全体でという流れにはまだなってはいないんですけど、
静岡県がすごく力を入れているので、
自転車の何かイベントとか、
何か自転車に絡んでの催しをやりたいという時には、
比較的お話は聞き入れてくれやすい環境なのかなって感じてます。
自転車はあんま詳しくないんですけど、
ロードバイクって結構遠出っていうのかな?
すごい長い距離をここに。
この辺ってそういう方結構いらっしゃる?
はい。特に自分の住んでいる岸道地域というところは、
外国籍の方、別荘地だったりとか、
こちらに住して定住されている外国の方とかもいらっしゃるんですけど、
特に外国の方はやっぱり定期的にロードバイクに乗って、
伊豆半島走ったりっていうことは頻繁にされていらっしゃいますね。
だから短くても40キロぐらい、長ければ本当に100キロぐらいとか。
その間もその仲間の人たちと伊豆半島一周してきたんですけど、
結構やっぱり自転車乗りたいっていう方は少しずつ増えてきてるのかなっていうのは。
伊豆半島一周するんですか?
伊豆半島一周するんです。
何キロぐらいあるんですか?
220キロぐらい。
220キロ!?
すごいな。
逆に外の方がこっちに自転車に漕ぎに行くことも多い?
そうですね。
下田の場合だと、下田に通っている伊豆急という自転車が、
自転車を持ち込んで、輪行って専門用語で言うんですけど、
乗りに来てくださいなんていうことでイベントがあったりとか、
車両を、そういった自転車をそのまま持ち込んで伊豆を巡れるように、
サイクルトレインっていうのも、あんまりまだ知られてないんですけど、やってたりするんですよ。
だから自転車を申請だけすれば、決まった時間の決まった車両っていうのはあるんですけど、
そこにそのまま自転車でホーム入っていって、
自転車に乗り込んで、また降りて、ぐるっと回って帰ってくるっていうのができるんです。
面白いですね。
そういうのが、せっかく試みとしてやってるので、
これからもっともっとそういうのも周知して広めていけたらなぁと思ってますね。
案内出してほしいですね。
8号カフェに来れば、メンテしてくれますよみたいな。
考えます。
ちょっとまた話が変わって、
地域ならではというか、なんでここにしたみたいな考え方あります?
僕はもう今年で49歳になるんですけど、
20歳ぐらいの時から下谷はちょこちょこ遊びに来ていたっていう背景があって、
その時は普通に会社員だったので、定年迎えたりして、
老後とかはこういう海のある静かなところで移住して生活できたらいいなぁなんていうのは漠然と思っていたので、
移住と地域おこし
本当にあの若い頃からいずれ下谷は住みたいなぁっていうのはずっと考えてはいたところですね。
それでいい場所があったみたいな。
それでコロナ禍があって、
自分が先ほどもお伝えしましたけど、その時はトライアスロンの専門店で店長をやってたんですけど、
コロナ禍の影響があって、お店はもちろんまだあるんですけど、
イベントが縮小されたりとか、やはり自転車って趣味の趣向品なので、
そういうコロナ禍があると一気に売上が落ちたりとかいう背景もあって、
このままずっとこういった何か大きな社会的なアクシデントみたいなことが起こったりした時にどうなのかなぁなんていうふうに考えて、
そしたらその時にたまたま移住を検討していたら、下田市の方から、もしよかったらこの取り組みがあるので応募してみたらどうですかっていうので地域おこしというお話を市の方からいただいて。
もともと市の方で知ってらっしゃる方がいて。
移住したいっていうのは前々から相談してたんで、そういう移住に関してすごく前向きに取り組めるような何かことがあれば連絡いただけませんかなんていうのは言ってたので、
そしたらその連絡をいただいて、ちょうどコロナ禍のタイミングもあって、これはもう今応募するしかないと思って応募して、トントントンと来た感じですね。
下田としてでもいいんですけど、岸見としてでもいいんですけど、この土地でやって結構良かったなっていうポイントとかってありますか。
そうですね。岸見という地域が先ほどお伝えしたようにやっぱり外国の方も多い背景もあるのか、移住してきた人にすごくやっぱりウェルカムでですね、温かく迎えてきてくれるので、
何か周りの状況が分からなくて取り残されるっていうことが僕の場合はなくて、本当に困った時に気軽に聞ける方、それから教えていただける方っていう方が地元の方に関しては多かったので、そこはすごく助かってるなっていうのが一つと、
あとはやはりカフェを運営するにあたって、海が近いので年間を通じての波はありますけど、ある程度の売り上げは数は見通せるかなっていうところはあったので、全く白紙の状態でどうなるか分からないっていう感じではなかったので、その辺はすごくこの岸見地域っていうところを選ばせていただいて良かったなって思いますね。
そうですね。海近くって結構強いですよね。サーフィンもそうですけど、単純にね、海見に来る人とかもいるでしょうし、でもそのコミュニティの方ってやっぱ来てみないと分かんないですね。
そうですね。来てからウェルカムな雰囲気ですね。
カフェ経営の課題
本当僕は埼玉に住んでて、そこからこっちに移住してきた人間ですけど、一つアドバイスっていうと、すごくおこがましいですけど、やっぱり良い土地があって、やりたいことがあってポンって入ってきても、なかなか難しいんじゃないかなっていうのはすごく思っていて、
自分は本当に地域おこしっていうバックボーンがあったので、そこを通じて地元の人とか行政の方とかとの人脈とか、そういうのが広がったので、そういったところの助けが本当に役に立ったというか、助けられて本当に良かった部分があって、もう感謝しきりなんですけど、
なかなかやっぱり移住先にどれだけ知り合いだとか、人脈があるかっていうところが大きいポイントなんじゃないかなっていうのは思いますけどね。
ゼロで飛び込むよりはやっぱ集まる情報も違うでしょうし。
山口さんおっしゃっていただいた海沿いで観光客が集客のメインにはなってくるんですけど、秋とか冬とかの寒産期とかはやっぱり地元の方がいかに来ていただけるかっていうところが大きいところで、
そんな時にはやっぱり知り合いがいると知り合い付けにちょっと行こうかなんて声かけてくれて、そういう人が少しずつ増えていくっていうのもとてもお店としては助かっているので、その辺自分もよく考えますけど、あんまり知り合いがいなくてぽっと来てお店やって、どうなっちゃってただろうなぁとかっていうのは正直思いますね。
いくら観光地でピーク地に行くかと稼げるって言っても、やっぱり地元の人に来てもらわないと定着しないというか。
地元の方は結構来てくれますよね。
おかげさまでお祭りの行事があると、そこでお店利用していただいたりだとか、イベントごとに使っていただくこともありますし、ご家族のちょっとしたお祝いことだとか、
あとは本当に女性の方が一人でお家に行ったりとかということで、おばあちゃんたちが農作業の後にちょっと話ししに寄ってくれたりとかいうのがちょこちょこ出てきて、それはすごく微笑ましいし、自分としてもありがたいですね。
お店が明るいんで僕も入りやすいですね。
今、季節の波があるって話もありますし、課題とかってあるんですか?
本当に自分の今お店を経営している北海という地域限定でお伝えすると、飲食店がほとんどないんですね。
ゼロではもちろんないんですけど、だいたいもうお昼時で営業が終了してしまって、夜やっているお店とかが本当に周辺だと1位含めて2、3限とかっていう感じなんですね。
先ほどお伝えしたように、集客がある夏以降はパターッとお客さんが減るので、閉めちゃうところも多いし、開けといてもやっぱり高菓子出てる集客、売り上げ上がらないとかっていう中で、どんどんそういう飲食店や夜間営業が減っていっているので、
そうすると、せっかく泊まりに宿泊で下田に来ていただいた方の夕食難民というか、選択肢もないですし、せっかく来たのにコンビニのお飯か、みたいなのはすごい寂しいことなので、そこは一つ、もう少し何かエリアで飲食店があったらいいかなと思いますけど、現実問題としてはなかなか難しいですね。
確かに。聞いた話で、自治体単位での人口に対する飲食店の数っていうのがあるんですけど、下田って多いらしいですよ、飲食店の指数。
なんだけど、下田で考えるとそうだけど、地域的に考えるとだいぶばらつきがあって、宿泊はいっぱいあるんだけど飲食店が少ないとかになっちゃうんですかね。
市街とちょっと離れたところだと、環境が違うんでしょうし、その辺が難しいですね。
なるほど。課題もありますけど、今日はこんな素敵なカフェで取材ができて。
また次週になるんですけど、今度は下田に来るまでの話を、牧野さんに聞いていきたいと思います。
今週はここまでで終わりたいと思います。ありがとうございました。