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2020-07-18 14:34

ep.149 82年生まれキムジヨン

youtubeにもあげているものの音源です。書評です。
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こんにちは、パリ在住のフリーランスのSAKIです。
今日は、最近私が読んだ本の中ですごい面白かったものがあるので紹介したいと思うんですけども、
タイトル聞いたら、知ってるっていう方も結構多いんじゃないかなと思います。
最近、日本だけじゃなくて世界中でも人気になっている、82年生まれキムジヨンっていう韓国の方が書かれた小説です。
これ、最近日本でも映画化されるので知ってる方も多いんじゃないかなと思います。
人気の韓国人の俳優さんも出てるみたいなんで。
フランスでも結構話題になってますし、世界中で出版されている本ですね。
フェミニズム小説と言われているものなんですけども、
この本を読んでどんなことがわかるかっていうのを、まず3つポイントをお話しさせていただいて、
その後にどんなあらすじかっていうことと、
あとその本を読んでどんなことを感じたかっていうのをお話ししたいなって思ってます。
この3つのわかることっていうのの、まず一つ目が働く女性のキャリアの悩みですとか、
あとアイデンティティの変化、喪失までをわかることができるということと、
2つ目は男女の価値観とか考え方が違うということがわかります。
3つ目は韓国の文化のことが結構読んでてわかります。
この3つが主にわかるんですけども、
じゃあどういう話、あらすじの中でそれがわかっていくのかというと、
まず主人公はキムジオンさんという30代前半の韓国人の女性の方が主人公の小説なんですね。
これ私調べたんですけど、韓国でこのキムジオンっていう名前は、
キムさんっていう苗字もよくある苗字だし、ジオンちゃんっていう名前もよくある名前らしいんですよ。
日本で言ったら木村さんとかね、名前で言ったら陽子さんとか、そういう名前らしいんですね。
で、これをきっとその著者の方がつけた理由っていうのは、
特別な女性の話ではなくて、韓国でね、どこにでもある色んな女性が感じている普通の話だよっていうことを伝えたくて、
きっとこのよくある名前にされたんじゃないかなと思うんですけども、
それを小説の中でも感じていくんですね。
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で、そのキムジオンさんという30代前半の明るくて仕事が好きな女性なんですけども、
結婚を機に仕事を辞めて、あ、出産か、結婚して出産を機に仕事を辞めるんですけども、
産後鬱と育児鬱で多重人格になるんですね。
で、自分のお母さんとか仲がいい女友達とかが憑依して、その方たちの口癖を喋ったりとか、
その自本人では作れないようなレベルの料理を作ったりとか、完全に憑依するっていうことが起こるんですよ。
で、出産とか結婚するときにこのキムジオンさん、もやもやすることがいっぱいあって、
なんか苦しいこともあって、どんどんどんどんアイデンティティが消失していくんですよ。
で、本の中でいくつか書かれてるんですけど、
特に印象的だったのが、結婚して子供っていうプレッシャーが結構社会の中であるらしいんですね。
親戚の集まりとかでも、子供はまだかとか言われるそうなんですよ。
で、その時に旦那さんがね、旦那さん結構いい人なんですけど、
親戚に言われるから、言われない方法があるよと、子供を作ろうっていうふうに言うんですけど、
で、そのキムジオンさんがね、でも仕事も好きだし、
子供を産むっていうのは責任があることだから、両立できるのかとか、結構悩むから躊躇しちゃうみたいなことを話すんですけど、
大丈夫大丈夫、僕も手伝うからさって旦那さんが言うんですよ。
で、このキムジオンさんは、手伝うっていう言葉にもやっとするっていうね、
二人の子供なのに、私の仕事で旦那さんが手伝ってあげるみたいな、
そういうニュアンスが含まれている言葉だから、なんかあれって思うみたいなことがあったりですとか、
あと、両立ができないかもしれないって話をした時に、
最悪もう両立できなくなったら、全然無理して働かなくてもいいんだよって、
僕が一生懸命頑張って働くからさ、家でゆっくり子育てしてくれていいんだよ、みたいな感じで言うんですけども、
そのキムジオンさんは、それもあれって思うんですよ。
私は仕事を無理やり家計が苦しいから、あなたに言われてやってるんじゃないと、
本気で自分のアイデンティティをそこに感じるから、仕事にやりがいを感じるから、
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自分で選んでやっているわけで、それを失ってしまわないといけないということに悩んでいると。
だから今、無理やり別にあなたに言われて働いてるわけじゃないっていうね、
そういうことがいろいろあったりしていて、
会社の中とかでも悩むこととかあったりして、どんどんそのアイデンティティっていうのが失われていくんですね。
そこだけじゃなくて、この小説は最初にそこが描かれるんですけど、
このキムジオンさんは幼少期からどういう社会の中で文化の中で育っていって、今に至るのかっていうのも書かれるんですね。
そこで結構、韓国の家族関係とか男女の考え方、男女格差とかっていうのが描かれていて、
それも一人の女性の考え方だけで書いてる偏ったフィクションっていうよりかは、
いろんな何十個ものデータをベースにして書かれてるんですよ。
参考文献とかも中にいろいろ書いてるんですけど、
その実際の韓国の社会の様子っていうのが描かれているので、いろいろ勉強にもなります。
その幼少期からいろいろ人生のイベントとか出来事があるわけですけども、
その中でまず1982年、キム・ジオンさんが生まれた時、
そのあたりっていうのは性別の鑑定、妊娠した時に性別の鑑定っていうのがされてて、
女児だった場合に結構消されるっていうようなことがよくあったらしいんですよ。
その単語消されるっていう言葉で書かれてたんですけども、
っていうのがその社会の中では男性が社会とか家族っていうのを切り盛りしていく大極柱で、
女性はそれを捧げる存在、その男性に尽くす存在として認識されているので、
女性っていう子供を産む時に女児っていうことがわかると、
お母さんは泣き崩れたりとか、親戚に謝ったりとかするっていうような感じだったらしいんですね。
1980年ってそんなに前ではない。
普通に戦後だし何なら30年前とか40年前とかなので、
結構最近といえば最近の話なんですね。
私も全然知らなかったんで結構びっくりしたんですけど、
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そういう中国の一人っ子政策じゃないですけども、
若干毛色があるそういう制限政策みたいなものがあったらしいんですよ。
あとその小学校になった時の話も書かれてるんですけど、
出席番号が男性が1番っていう番号が当たり前についてて、
女性は2っていう番号がついている。
市民の社会番号とかも同じらしくて、
必ずその女性が後ろにいるっていうような認識なんですね。
あと事件もいろいろあるらしいんですよ。
電車の中で痴漢があったりとかっていうのも少なくないそうなんですけど、
その本の中に書かれてたことの一つが、
韓国では女性がトイレに入る時に必ずやることがあって、
それが何かっていうと、
この公共トイレの中にカメラが設置されてないかと、
盗み見されてるかどうかのカメラが設置されてるかどうかっていうのを
必ず確認するっていう習慣が絶対あるらしいんですよ。
韓国ではそういう事件がものすごく多いから。
もし何かそういう事件にあった時に言われることは、
何か挑発する格好してたんじゃないのとか、
そういう事件に会う方が悪い、
守りが甘かったとか、
何か挑発する格好してたとかっていうことで結構責められて、
女性自身も何か私が悪いんだと思って、
結構落ち込んでしまうというような、
そういう事件も書かれてるんですよ。
キム・ジオンさんがもっと大人になって、
結婚して出産しました、子供がいましたっていう時に、
子供をビーカーに乗せて外を歩いてて、
育児で結構疲れてるけれども、
一杯100円くらいのコーヒーを飲めるコーヒースタンドに入ったんですよ。
その時に周りにいたサラリーマンの男性が、
キム・ジオンさんに向かって、
ママ虫だって言うんですよ。
ママ虫っていう言葉は結構侮辱的な言葉で、
専業主婦で旦那さんのお金で遊び歩いてるお母さんみたいなことを、
ネガティブに指すことはあるらしいんですけども、
ママ虫だ、こんな女性と絶対結婚したくないわ、みたいな陰口を言われて、
それが最終のきっかけになって、
鬱になってしまうっていうような話なんですね。
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それを読んで、私も全然知らないことがたくさんあったので、
すごく勉強になる本だと思いましたし、
面白かったので、興味深かったので一気読みしましたね。
これ韓国で最初に発売されて、100万部売れたらしいんですね。
その100万部売れたのは、女性がたくさん買ったっていうのももちろんあるんですけど、
先進的な男性が、これは男性が読まなければならないっていうことで、
結構読んだそうなんですね。
それもあって部数が伸びて、話題になったから他の国でも出版しようということで、
徐々にいろんな国に広まっていったっていう背景があるんですけども、
男性も読んでるっていうことらしいんですね。
フェミニズムの話をすると結構議論になったりとか、
男女間での論争になったりすると思うんですけど、
フェミニズムって、女性が女性の権利を獲得して優位に立つっていう、
そういう方向性ではなくて、男女平等になりたいから、
それについて話し合うっていうのがフェミニズムだと思うんですね。
なので、この話が男性を責めるとか、
女性がもっともっと偉いとかそういう話ではなくて、
平等な社会になりたいっていう思いから、
現実を知ることが必要だっていう著者の思いがきっとあるんじゃないかなっていうのはすごい感じました。
私もその本を読んで知らないことがたくさんありましたし、
逆に女性として共感できるなっていうことも結構ありましたので、
すごい勉強になりました。
やっぱり本はいろんなことを知れて学びになるので、いいなっていうことを感じました。
じゃあ今日の動画は以上になります。
また今後の動画でパリ生活のことですとか、
ビジネスのこと、読書で学んだことをまた撮っていきたいと思っています。
それでは。
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